2015年8月14日(金)
「多様な学びの場を支援」
一致点でまず立法化を
夜間中学・フリースクール両議連 共産党提案
夜間中学等義務教育拡充議員連盟と超党派フリースクール等議員連盟は11日、合同総会を開き、夜間中学や不登校の子どもらが学ぶフリースクールなどを普通教育に位置づける「多様な教育機会確保法案」について議論しました。日本共産党の畑野君枝、宮本岳志両衆院議員、田村智子参院議員が出席し、意見を表明しました。
畑野氏は「学校教育以外の教育の場、夜間中学を推進し、学校以外の多様な学びの場を支援することは大いに賛成だが、法案の中の個別学習計画については、関係者から『これでは多様な学びが多様でなくなる』などの批判があり、同意できない」と述べました。
畑野氏は、一致のない個別学習計画は削除して、みんなが一致している夜間中学の設置と、学校以外の多様な学びの場を認めて支援しようという基本的方向をまず立法化し、その後一つひとつ具体化していこうと提案しました。
法案によれば、個別学習計画とは、フリースクールや家庭など、学校以外で学ぶ場合、保護者が子どもの学習計画をたて、それを教育委員会が承認する仕組みです。同計画の承認をもって保護者は就学義務を履行しているものとされます。
畑野氏は、計画を立てること自体が、勉強しなければという気持ちと、それでもできない自分に一番悩んでいる不登校の子どもの心身を傷つける場合があると指摘しました。
田村氏は、現在、不登校は就学義務が問題視されていないのに、法律が「計画」のある場合のみ義務履行とすれば、保護者たちは実情に関係なく「計画」づくりに追い立てられると述べました。
個別学習計画については他党議員からも「子どもたちを追い込むことになる」(民主)との意見が出されました。
法案はこのほかに、国と地方の財政上の努力義務、夜間中学の全都道府県への設置義務などを盛り込んでいます。議連立法チームは今月、ヒアリングを行い、議論をつづける予定です。
(しんぶん赤旗日刊紙8/14付けより転載)