2016年4月7日(木)
「給付奨学金始めず」
宮本岳志氏追及に政府答弁
日本共産党の宮本岳志議員は5日の衆院財務金融委員会で、安倍晋三首相が「給付型奨学金」創設に言及した問題を取り上げ、導入に背を向けている実態をただしました。
首相は3月29日、児童養護施設や里親のもとで育った子どもの進学に対する生活費支給の返還免除制度の開始に言及し、「返還が要らなくなる給付型の支援によって手を差し伸べる」と表明。「すべての子どもが無利子奨学金を受けられるようにし、所得連動返還型奨学金を導入する」と述べました。
宮本氏の質問に対し、萩生田光一内閣官房副長官は首相の発言について、「給付型奨学金を始めるということではなく、できることから始めるという例示だ」と答弁。児童養護施設などの子どもへの給付についても厚生労働省の吉本明子大臣官房審議官は「貸付事業の準備の段階だ」と答えました。宮本氏は「給付型奨学金詐欺ではないかと言わざるをえない」と批判しました。
宮本氏は、無利子奨学金を利用する資格があるのに予算不足で利子付き奨学金を借りざるをえない学生が2万4千人もいることを示し、「単年度で161億円あれば全員が受けられる。ただちにやるべきだ」と迫りました。麻生太郎財務相は「財政状況を考えると極めて厳しい」と答えました。
宮本氏は、導入される「所得連動返還型奨学金制度」についても、「課税所得がゼロでも2000円の返還を求め、返還猶予は10年までだ。年収300万円以下は無期限の返還猶予とした現行制度から後退するものだ」と指摘。「未来ある若者のためにしっかり予算を確保して総理が語った通り、しっかり進めるべきだ」と求めました。(しんぶん赤旗日刊紙4/7付けより転載)