2016年4月29日(金)
不公正取引招く危険
宮本岳志氏 銀行法改定案に反対
銀行の出資制限を緩和し、IT企業を子会社化できる銀行法改定案が27日の衆院財務金融委員会で採決され、自民、民進、公明、おおさか維新の各党の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対。
独占禁止法は、銀行による一般企業の株式保有(出資)について、▽融資を通じた企業支配▽融資条件の差別的取り扱いや不公正取引―を招きかねないとの理由で厳しく制限しています。
日本共産党の宮本岳志議員は、改定案が、これまで出資先を金融関連業務などに限定していたのを、IT事業など一般企業にいくらでも広げられるもので、「独占禁止法上の弊害が起こる可能性が高まる。どう規制するのか」とただしました。
金融庁総務企画局の池田唯一局長は「優越的地位の乱用の恐れがないか確認する」と弁明し、「ITイノベーション(技術革新)の成果を生かすためだ」と正当化しました。
宮本氏は、出資制限の緩和で先進的なIT企業が銀行に取り込まれ、かえって技術進歩が抑え込まれてしまうという専門家の論文を引き、緩和は「銀行業界への肩入れだ」と批判。大手銀行がハイリスクの金融商品を中小企業に押し付け販売してきた数々の事件を示し、「日本の銀行は法令順守の姿勢が弱く、中小企業には抑圧的だ。こんななかで規制緩和は行うべきではない」と強調しました。(しんぶん赤旗日刊4/28付けより転載)