図書館になじまない 宮本岳志氏 指定管理者制度を批判(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-02/2017040205_01_1.html
動画 https://www.youtube.com/watch?v=wNbGJdkyMAg&list=PL3M7AtnZgh3UHrgMcrb-4s3pw41yisTSe&index=241
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
山本大臣は、所信表明で、地域経営の視点に立った観光地域づくりの中心となる日本版DMOなどの新たな事業推進主体の形成について語られました。
しかし、今必要なのは、施策を横文字で表記するということではもちろんありません。その地域の住民が、自分たちの地域の歴史や文化に誇りや愛着を持ち、地域のコミュニティーをしっかりと形づくって、地域の魅力をつくり、発信する住民自身の取り組みの内容が大事だと思うんですね。
私は、先日、奈良県に行った際に、奈良県葛城地域五自治体による葛城地域観光振興シネマプロジェクトというものの紹介を受けました。これには二〇一六年度の地方創生加速化交付金が交付されていると聞いております。このプロジェクトはどういうものですか。また、どれだけの交付金を受けておりますか。
○奈良政府参考人 お答えいたします。
御指摘の葛城地域観光振興シネマプロジェクトは、奈良県香芝市、大和高田市、御所市、葛城市及び広陵町の四市一町が、当該地域を舞台にした社会的テーマを題材にした、全国展開が可能な映画を制作し、あわせて地域PRを行うというものでございます。
当該四市一町は、地方創生加速化交付金の第一次募集に申請し、平成二十八年三月にそれぞれ一千万円ずつ、合計五千万円の交付決定を受けてございます。
○宮本(岳)委員 このプロジェクトによってつくられた映画が、ウエダアツシ監督、小芝風花さんが主演した「天使のいる図書館」という作品であります。この映画は国立国会図書館の情報ポータルでも紹介をされておりまして、私も早速その映画を見てまいりました。きょうは、この映画のパンフレットの表紙を資料一として間に挟み込んでありますが、つけております。
舞台は、美しい景観に恵まれた神話の里、奈良県葛城地域にある公立図書館。東京の大学を出て地元の図書館に就職し、新人司書として働く主人公は、レファレンスサービスというなれない仕事に戸惑いながらも、地域の人々と触れ合いの中で成長していくという物語であります。この先はぜひ映画を見ていただきたいと思います。
この映画のワンシーンにJR香芝駅が登場いたします。悩んだ主人公が、雨の中、真夜中の香芝駅で物思いにふけるというシーンでありますけれども、私は、その駅にも行って、JR香芝駅をよくする会や地域住民の皆さんから実情も聞いてまいりました。これから観光の拠点にもアクセスの中心にもなるものでありますけれども、そもそもバリアフリー化すら実現しておりません。
きょうは国土交通省に来ていただいておりますけれども、移動等円滑化の促進に関する基本方針では、鉄道駅のバリアフリー化はどのような目標と期日になっておりますか。
○潮崎政府参考人 ただいまお話のありました基本方針においては、バリアフリー化の目標などを定めておりまして、鉄道駅の場合、一日当たりの利用者数が三千人以上の原則全ての駅について、平成三十二年度までにバリアフリー化を図るということを目標として掲げてございます。
○宮本(岳)委員 それ以外の、一日当たり三千人の利用がない駅においても、可能な限り実施するというふうに伺っております。
現在、全ての駅のうち、どの程度で段差が解消されておりますか。また、そのうち、一日当たり平均三千人以上利用の駅ではどこまで進んでおりますか。
○潮崎政府参考人 平成二十七年度末時点のデータでございますが、全国の鉄道軌道の駅、九千四百八十七駅ございます。このうち、バリアフリー法に基づく移動円滑化基準に適合している設備が設置されて段差が解消されている駅は四千二百七十駅、約四五%となっております。
また、一日当たりの利用者数が三千人以上の駅に限って見ますと、全国で三千五百四十二駅ありますが、そのうち、同様に、基準に適合している設備により段差が解消されている駅は三千四十五駅、約八六%となってございます。
○宮本(岳)委員 一日当たり平均三千人以上利用の駅で八六%だが、全駅ではまだ四五%というお答えでありました。
私は、参議院議員時代に、二〇〇〇年に施行された交通バリアフリー法の制定にかかわってまいりました。ぜひとも一日も早く進めていただきたいわけですが、そこで、このJR香芝駅なんです。地域の人たちが大変不便な思いをしているということでありました。
この駅は、改札が一番ホーム側に一つしかなく、二番ホームと一番ホームは老朽化した陸橋のみで結ばれております。二番ホームでおりた人たちは、陸橋を渡って一番ホームまで行くしかないんです。お年寄りの方や足が不自由な方などは、わざわざ二駅先の高田駅まで行って、逆方向に乗りかえて一番ホームにたどり着くという方もいらっしゃる、そういう話を聞きました。陸橋には屋根もありませんので、雨の日などは傘を差して階段を上りおりすることになり、本当に大変な思いをしておられます。
この駅の一日当たりの利用者は三千人を超えていると認識しておりますが、ここのバリアフリー化の計画は、国土交通省、どうなっておりますか。
○潮崎政府参考人 お尋ねのございましたJR西日本和歌山線の香芝駅でございますが、御指摘のとおり、一日当たりの利用者数は三千百六十八人と、二十七年度の実績で三千人を超えてございます。
現在、バリアフリー化はなされておりませんですが、国土交通省としましては、先ほど申し述べました基本方針の目標に基づいて、平成三十二年度までにバリアフリー化すべき駅であると考えております。
現在、JR西日本と地元の香芝市との間で、この具体的なバリアフリー化の整備内容などにつきまして協議を行っているところと聞いておりまして、国土交通省といたしましても、そうした鉄道事業者と自治体との協議の状況などを踏まえて、今後、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 私、これも現場で確認したんですけれども、香芝駅では、ホームと車両の床の高さが三十センチ以上も大きく段差になっているんですね。要するに、ホームより電車の床が高いわけです。
この段差の解消についても、つまり、ホームのかさ上げ等々についても、今お話にあった香芝市とJR西日本との協議の対象ということになるのでしょうか。
○潮崎政府参考人 御指摘のとおり、ここの駅はホームと車両との段差が広くあいてございまして、まだ、電化をする前の古い時代のホームがそのまま残ってございます。
JR西日本と香芝市との間では、現在、この段差をどうするかということの対応についても、これも含めて具体的な整備内容について協議中であると聞いておりまして、国交省といたしましても、この問題も含めて地元と鉄道事業者の協議状況を踏まえ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 観光振興にとっても大事な駅なんですね。
JR香芝駅をよくする会の皆さんの運動もあって、昨年十二月の香芝市議会では、JR香芝駅の早急なバリアフリー化を求める請願が全会一致で採択をされております。ぜひ、迅速に進むように、国としてでき得る限りの支援をお願いしたいと思います。
さて、そこで、図書館の問題なんです。私は、この映画を見て、改めて、公立図書館とそこに働く図書館司書の仕事、レファレンスというものの非常に大事な役割を学びました。
そこで、まず、図書館の基本的な意義を確認したいんですけれども、図書館法第一条では、その目的はどのように定められているか、文部科学省、お答えいただけますか。
○神山政府参考人 お答え申し上げます。
図書館法第一条におきましては、この法律は、社会教育法の精神に基づき、図書館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発展を図り、もって国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とすると定められているところでございます。
○宮本(岳)委員 つまり、公共の公立図書館は、社会教育施設なんですね。
このような公共図書館の意義は、我が国の国内法で定められているだけではありません。一九四九年にユネスコが採択したユネスコ公共図書館宣言は、時代の流れに伴う変化を受けて、一九七二年と一九九四年に改定が重ねられております。
これも文部科学省に確認いたしますけれども、一九九四年ユネスコ公共図書館宣言の前文を御紹介いただけますか。
○神山政府参考人 若干長くなりますが、御紹介させていただきたいと存じます。
社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本的価値である。このことは、十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会において積極的な役割を果たす能力によって、はじめて達成される。建設的に参加して民主主義を発展させることは、十分な教育が受けられ、知識、思想、文化および情報に自由かつ無制限に接し得ることにかかっている。
地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人および社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する。
この宣言は、公共図書館が教育、文化、情報の活力であり、男女の心の中に平和と精神的な幸福を育成するための必須の機関である、というユネスコの信念を表明するものである。
したがって、ユネスコは国および地方の政府が公共図書館の発展を支援し、かつ積極的に関与することを奨励する。
と述べられているところでございます。
○宮本(岳)委員 そして、ユネスコ公共図書館宣言は、「公共図書館は、その利用者があらゆる種類の知識と情報をたやすく入手できるようにする、地域の情報センターである。」と高らかに宣言しております。
そこで、文部科学省に確認しますけれども、今日、我が国には、全ての自治体に公共図書館があるんですか。
○神山政府参考人 平成二十七年度の社会教育調査におきましては、公立図書館の設置率は、都道府県及び市でほぼ一〇〇%、町では六一・五%、村では二六・二%となっているところでございます。
○宮本(岳)委員 町では六割、村では何と四分の一でしかありません。だからこそ、公益社団法人日本図書館協会も、繰り返し、全ての自治体に公立図書館をと提言いたしておりますし、昨年十二月十五日には、地方創生の地域総合計画に図書館施策を盛り込むことを求める要望を提出されております。中身については後ほどまた大臣に聞きますので、まず、こういう要望が出ているという事実、山本大臣も御承知でございましょうか。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、昨年十二月に、公益社団法人日本図書館協会及び一般社団法人日本書籍出版協会より、各政党の地方創生政策担当宛てに、図書館が地方創生に大きな役割を果たす力を持っていることに鑑み、地方創生に資するよう、地域総合計画において図書館の整備充実を推進すべきとの要望がなされたことについては承知しております。
○宮本(岳)委員 大臣も承知をされているということでありました。
ところが、実際には、全く逆行する事態が起きております。この間、図書館、博物館、公民館、その他の社会教育施設に指定管理者制度が導入されてきたことであります。
文部科学省に確認いたしますけれども、社会教育調査報告書による二〇一五年十月現在での公立の図書館数と、そのうち指定管理者制度導入施設数、導入率を示していただきたい。あわせて、二〇一一年十月時点の数字も御紹介いただけますでしょうか。
○神山政府参考人 お答えいたします。
二〇一五年、平成二十七年十月時点では、公立図書館三千三百八施設中五百十六施設が指定管理者制度を導入しており、導入率につきましては一五・六%となっているところでございます。
また、二〇一一年、平成二十三年十月時点では、三千二百四十九施設中三百四十七施設が指定管理者制度を導入しており、導入率は一〇・七%となっているところでございます。
○宮本(岳)委員 公立図書館への指定管理者制度の導入については、日本図書館協会も、我が国の今後の公立図書館の健全な発達を図る観点から、公立図書館の目的、役割、機能の基本を踏まえ、基本的になじまない、こういう立場を繰り返し明らかにしてまいりました。
しかし、体育施設や文化会館、博物館などの他の公共施設よりは低いんですけれども、導入率はこの四年間で五%も引き上がっております。
図書館に指定管理者制度を導入して市民から大きな批判が巻き起こっている悪い実例として、我が党の田村貴昭衆議院議員が昨年四月二十六日の総務委員会で、佐賀県武雄市の市立図書館を取り上げました。
ここの図書館は、蔦谷書店を経営するCCC、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が指定管理者となり、通称ツタヤ図書館と呼ばれております。ここが、文部科学省が大臣告示で定めた、図書館の設置及び運営上の望ましい基準からいかにかけ離れた実態になっているかは、田村質問で明らかにされたとおりであります。
こういった問題が明らかになるにつれて、一旦図書館に指定管理者制度を導入したところでも、再び直営に戻すという自治体が生まれております。
これも文部科学省に御報告いただきたいんですが、現時点でそういう図書館は何県、何施設あるかお答えいただけますか。
○神山政府参考人 公益社団法人日本図書館協会が調査し、平成二十八年八月に報告をしたものによりますれば、十二の県で十四の市町村立図書館があると承知をしているところでございます。
○宮本(岳)委員 今答弁がございました。十二県で十四図書館が、一旦指定管理者を入れたんですけれども、やはりぐあいが悪い、問題が多いと。図書館に指定管理者制度はやはりなじまない、こういうことが明らかになって、もう一度直営に戻しているケースが生まれているわけですね。
ここには、図書館は自治体においてどのような役割が求められているのかということが横たわっているというふうに思います。冒頭述べた映画、この「天使のいる図書館」は、そういった面でも非常に示唆に富んだ映画でございました。
私は、先日、佐賀県に行きまして、田村議員が質問で取り上げたそのツタヤ図書館とともに、その隣町である佐賀県伊万里市の伊万里市民図書館を視察して、塚部芳和伊万里市長にもお会いをして、直接詳しくお話をお聞きしてまいりました。
きょうは、そのときいただいてきた伊万里市民図書館の概要というものを資料二として配付しております。塚部市長は、図書館はぜいたく品だというような見方もあるが、それは間違いだ、自由で公平な情報を提供し、市民の知的自由を守るのが図書館の役割、知識を得てこそ民主主義が育ち、市民が育って初めて町も発展する、伊万里市民図書館は、伊万里をつくり、市民とともに育つ市民の図書館だと力説をされておりました。
文部科学省、このような伊万里市民図書館の活動を御存じでございましたでしょうか。
○神山政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御紹介があったことに加えまして、私どもといたしましては、伊万里市民図書館は、全国に先駆けまして、家読、子供が家で読書をする活動でございますが、こういった活動に取り組むなど、子供の読書活動を推進している図書館であることについても承知をしてございます。このため、平成二十六年度子どもの読書活動優秀実践図書館におきまして、文部科学大臣表彰を行ったところでございます。
○宮本(岳)委員 今、文部科学省からも、文部科学大臣表彰があったということが御報告されました。
この図書館の精神は、伊万里市図書館設置条例に体現されております。条例の第一条には、伊万里市は、全ての市民の知的自由を確保し、文化的かつ民主的な地方自治の発展のため、自由で公平な資料と情報を提供する生涯学習の拠点として、伊万里市民図書館を設置すると、高らかに宣言をしております。人口五万六千人の町で登録者が四万人を超えている。市外の登録者もいらっしゃるそうですが、市民だけをとっても、六割を超えた市民がこの図書館に登録をされているということでありました。
赤ちゃんの三カ月健診で絵本を贈るというブックスタート事業は各地で取り組まれておりますけれども、伊万里では、司書がボランティアと一緒にこの三カ月健診に参加をして、お母さんたちの前で読み聞かせ、家でもこういうふうに読んであげてくださいと伝えております。わからないことや次の絵本の相談はいつでも市民図書館へ、こう伝えている。
移動図書館、ぶっくんというんですが、自動車二台で市内を巡回し、幼稚園や保育所、小中学校など市内七十二カ所を定期的に回っております。一台は古くなったので、この前新品に更新したと言っていましたから。市長さんは、こういうときに自動車の台数を減らすという事例もある中で、我が町はちゃんとこの二台は走らせるんだとおっしゃっていました。
市民図書館は多くのボランティアによって支えられておりまして、図書館の中にはボランティアのための専用室まできちんと設けられておりました。私たちの目指している伊万里市民図書館の姿として、図書館は、人づくり、まちづくりを支え、市民が成長する施設ということが掲げられております。
山本大臣にお伺いするんですが、私は、まち・ひと・しごと創生にとって図書館の持つ役割は極めて重要だと現場でも学んだ次第でありますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のとおりだと思います。地方創生に図書館の果たす役割は極めて重要であります。図書館を一つのまちづくりの核心にしていくことは非常に大きな効果があると認識しております。
例えば、日本図書館協会の図書館事業先進二十例にも選定されております岩手県の紫波町図書館は、官民が一体となり、未利用公有地において、地域の拠点となる官民複合施設オガールプラザの整備を行ったオガールプロジェクトの中核拠点として、図書館等の集客をてこに民間施設が稼ぐことにより、稼ぐインフラを実現した地方創生の成功事例として極めて高く評価されているところであります。
まだ私が大臣になる前に、委員長のときに、この委員会で一緒に視察をさせていただきましたので、そのときは宮本委員はいらっしゃらなかったんでしょうか。大変すばらしい、しかも、それは、まちづくりの中核として皆さんが大変活用しておられます。
また、二週間ほど前に私は開所式に参ったのでありますけれども、福岡県の福智町、ここでは、地方創生関連交付金を活用して、図書館、歴史資料館、物づくり工房、カフェなどの機能を備えた複合公共施設、福智町図書館・歴史資料館ふくちのちを開設するなどして、図書館を活用した地方創生の取り組みが進んでおります。
私としては、このような、地域の人と知の拠点として図書館を活用した取り組みを含め、今後とも、意欲と熱意のある地方公共団体に対して、情報支援、人材支援、財政支援の地方創生版三本の矢で、意欲と熱意のある地方公共団体を強力に支援してまいりたいと思っております。
○宮本(岳)委員 このような、地方創生にとっての公立図書館の重要性は、二〇一二年の公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準の改正に当たって開かれた、これからの図書館の在り方検討協力者会議の報告書でも力説をされております。「図書館は各地における「地域の知の拠点」として、国民の生涯にわたる自主的な学習活動を支え、促進する役割を果たす必要」ということが強調されております。しかし、その報告書では、同時に、図書館の現状は、「厳しい財政状況が続く中、専任職員数は減少傾向にあり、資料費予算額も毎年減少傾向にある。」とも指摘をされております。
これは文部科学省に御報告いただきたいんですが、この報告書に添付された参考資料で、図書館の専任職員数は平成十一年度と平成二十年度とを比べてどのように推移しているか、また、資料費予算額の推移は都道府県立と市町村・広域立の合計で平成十七年度と平成二十一年度を比べてどのように推移しているか、また、それぞれ直近の数字があれば、それも御紹介いただきたいと思います。
○神山政府参考人 専任職員数につきましては、平成十一年度は一万六千百十八人、二十年度は一万四千二百五十九人となっており、直近の平成二十七年度におきましては一万一千四百四十八人となっているところでございます。
また、公益社団法人日本図書館協会の調査によりますと、資料予算額につきましては、平成十七年度は三百二十一億円、二十一年度におきましては二百九十五億円であると承知をしているところでございます。
○宮本(岳)委員 平成十一年度の一万六千百十八人から、平成二十七年度で一万一千四百四十八人へと、十六年間で七割に減っているんですね。資料予算額は四年間で一割減っております。
山本大臣、先ほど御存じだと御報告のあった「地域総合計画に図書館施策を」という公益社団法人日本図書館協会の要望では、先ほど大臣も触れられたように、図書館は、市民が身近に設置してほしいと願っている社会インフラであり、市民の日常生活に不可欠な情報発信基地として、コミュニティーの中核拠点として、産業発展の中核拠点として、地方創生に不可欠な役割を果たしておりますと述べた上で、貴殿におかれましては、図書館が地方創生に大きな役割を果たす力を持っていることに鑑み、ぜひとも、まち・ひと・しごと地方創生に資するよう、地域総合計画において図書館の整備充実を御推進いただくようお願いします、こう述べられております。この要望を受けての大臣の御決意をお聞かせいただきたい、こう思います。
○山本(幸)国務大臣 図書館の重要性は先ほども申し上げたとおりであります。極めて大きな意義があると思いますし、また、図書館を活用して地方創生に取り組んでいる事例も幾つも出てきておりますので、そういう意味で、ぜひ前向きに取り組まなきゃいけないと思っております。
地方創生の分野でそうした取り組みについては考えていきたいと思いますし、また、総務省あるいは文科省なんかとも、そういう方向をぜひ相談していきたいと思っております。
○宮本(岳)委員 重ねて恐縮ですが、今私が取り上げた専任職員数の激減、資料費予算額のやはり減少、これについても今お話のあった文科省や総務省としっかり相談して、この声に応えるように頑張っていただけますか。
○山本(幸)国務大臣 できるだけ頑張っていきたいと思います。
○宮本(岳)委員 日本図書館協会の綱領である、図書館の自由に関する宣言では、侵略戦争の痛苦の歴史を振り返り、「わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。」と述べられております。そして、「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」として、「図書館の自由に対する国民の支持と協力は、国民が、図書館活動を通じて図書館の自由の尊さを体験している場合にのみ得られる。われわれは、図書館の自由を守る努力を不断に続けるものである。」と高らかに宣言をいたしております。
地方創生と地方自治における公立図書館の役割というのは極めて大きいものがあると思います。そういう役割、公共、公立図書館を一層守り、発展させていく、そのために私も全力を尽くす決意を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。