「森友」に契約書原案まで渡す 佐川理財局長、事実認める 宮本岳氏が追及 衆院国交委(赤旗)
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議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
森友学園に対する国有地売却問題について質問いたします。
まず、森友学園への国有地売却結果について、石井大臣の評価をお聞きしたいんですね。
これまで、政府は、私たちの質問に対して、財務省も国交省も国有地売却の手続には問題はないとの答弁を繰り返してまいりました。しかし、国民は全く納得しておりませんし、適正だったとは思っておりません。
時事通信の四月の世論調査でも、国有地売却問題をめぐる説明について、納得していないが六八・三%と七割近くに上っております。納得しているというのはわずか一二・三%にとどまっております。
大臣にお伺いしますけれども、国民がまだ納得していない、このことはお認めになりますね。
○石井国務大臣 各種世論調査によりますと、まだまだ御理解が広がっていないのかなというふうに考えております。
国土交通省といたしましては、引き続きわかりやすい説明に努めてまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 何といっても国民が納得できないのは、先ほども議論がありました八億二千万円にも上る大幅値引きの根拠とその説明なんですね。不動産鑑定価格九億五千六百万円の国有地が、地下埋設物撤去費用として八億二千万円も値引きをされたわけであります。
売買以前の昨年四月六日には、森友学園があらかじめ行った汚染土壌やコンクリート殻の撤去費用として、有益費一億三千二百万円が空港整備勘定から支払われました。そして、その二カ月余り後の昨年六月二十日には約一億三千四百万円で土地を売却したのでありますから、差し引き、わずか二百万円でこの八千七百七十平米もの国有地が売り払われたことになります。
大臣は、この事実をどう評価されておりますか。
○石井国務大臣 有益費と差し引いてというふうに今おっしゃったんでしょうか。有益費は実費を提供しておりますから、それと差し引いて考えるのは適切ではないんじゃないかと思っています。
○宮本(岳)委員 では、一つ別のことを聞きます。
そもそもこの土地は、伊丹空港の騒音被害対策のために大阪航空局が買い上げた移転補償跡地でありますけれども、これは航空局に聞きますが、幾らで買いましたか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
本件土地は、伊丹空港周辺の騒音対策の一環として、公共用飛行場周辺における航空機の騒音による障害の防止に関する法律に基づき、騒音対策区域内の住民の求めに応じて、大阪航空局が昭和五十年より順次買い入れを行ったものであります。
一方で、航空機の低騒音化の進展によりまして、平成元年に当該土地が属する騒音対策区域が解除されたことを踏まえまして、行政財産から普通財産に組みかえを行っております。
その後、平成八年に豊中市による土地区画整理事業の事業計画決定が行われまして、平成十七年の豊中市から大阪航空局への換地処分によりまして、本件土地を取得したというものでございます。
このため、本件土地は、騒音対策区域内の住民の求めに応じて大阪航空局が買い入れました土地と同一のものではなく、一対一の関係にございませんので、本件土地の換地前の買収額は不明だということでございます。
○宮本(岳)委員 わからないんですね。
財務省の佐川理財局長は、二月二十二日の財務金融委員会で、私の、なぜ今回の土地を豊中市に無償貸し付けしなかったのかとの質問に、国土交通省大阪航空局より豊中市に対して時価で売り払ってほしいという事務委任を受けたからだと答弁されました。
なるほど、二〇一〇年の豊中市への公園用地売却が審議された第百十六回国有財産近畿地方審議会の議事録というものを見ますと、当時の和田管財部長が、今回お諮りした国有地は大阪航空局が行政目的で買い上げをしたという経緯があり、空港整備のための歳出予算となるという歳出歳入のバランス関係にある、このため、大阪航空局が買い上げた移転補償跡地については時価売り払いを原則とする、この国有財産審議会でそう答えております。
航空局長に聞くんですけれども、この移転補償跡地を大阪航空局が幾らで買い上げたのかがわかりもしないで、歳出歳入のバランス関係など論じられないのではありませんか。このときの議論はうそだったということですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
まず、先ほども申し上げましたように、本件土地は、伊丹空港周辺の騒音対策の一環として、住民の求めに応じて買い入れを行ったということでございまして、そのときのある種の支出というのは、騒音対策としてなされた支出ということになります。
これは、その時点におきましてこの土地が行政財産であったということでございますので、そういう意味では、行政財産であるときのこの土地に関する歳入と歳出、あるいはその効果という点からすると、騒音対策に対してお金を支出したということで、これは、そこで一旦、ある種閉じられているというふうに私どもは評価をしてございます。
その後、先ほども申し上げましたように、騒音対策区域が解除されましたので、行政財産として保有し続ける意味がなくなったものですから、普通財産に組みかえをしたということでございます。
そこから後につきましては、普通財産になったものの売り払いについては全て財務局に委任をしているわけでございますけれども、その後については、時価で売るという考え方でやっていただいているということでございます。
○宮本(岳)委員 それだったら、豊中市の土地も全く同じ性格の土地ですから、このときの説明というのはつじつまが合わないということになると思うんですね。
有益費と土地売却代金とは性格が違うと大臣が御答弁になりました。
有益費一億三千二百万円は、国土交通省が所管する自動車安全特別会計の空港整備勘定から出たはずであります。また、この土地の売却代金一億三千四百万円も空港整備勘定に入るはずであります。これは、航空局長、間違いないですよね。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
ちょっと範囲が広くなるかもしれませんが、まず、本件土地の有償貸付契約に係る貸付料それから売買契約に係る即納金は、自動車安全特別会計の空港整備勘定に係る収入であり、有償貸付契約に係る有益費は、同勘定に係る支出ということでございます。
○宮本(岳)委員 売却したときの土地の代金はどうなりますか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
売却をしたときの土地の代金につきましても、空港整備勘定の収入ということになります。
○宮本(岳)委員 昨年四月六日、空港整備勘定から森友学園側に、紛れもなく有益費一億三千二百万円弱が支払われました。
昨年六月二十日の売買契約によって、この豊中の国有地は一億三千四百万円で森友学園に売却されました。しかし、この売却金額の支払いの方は即金ではありません。
国交省に確認いたしますけれども、これも局長に確認しますが、現時点で土地の売却代金は幾ら受け取っておりますか。
○西銘委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○西銘委員長 速記を起こしてください。
佐藤航空局長。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十八年六月に森友学園と売買契約を締結いたしまして、平成二十八年度中に収納した額は二千七百八十七万円でございます。
○宮本(岳)委員 大臣、空港整備勘定の出入りだけを見れば、有益費一億三千二百万が既に出ていって、入ってくるべき売却代金は、まだ頭金の二千七百八十七万円のみであります。差し引き一億円以上のマイナスに現時点でなっているというのは疑いのない事実であります。それでもこの売買の評価は変わりませんか、大臣。
○石井国務大臣 それは、適切に評価をした、あるいは適切に取引をした結果であるというふうに考えています。
○宮本(岳)委員 この土地は、そもそも豊中市が、隣の同規模の国有地とあわせて、防災公園用地として取得を希望しておりました。豊中市に売却しておれば、土壌改良のみで、このような膨大な埋設物の撤去は必要なかったんです。無駄な支出も必要なかったと思います。
なぜ今回のような売却になったのか、大臣、今後のために分析し、反省することは当然じゃないですか。いかがですか、大臣。
○石井国務大臣 今回、いろいろこの件について取り上げられておりますから、それについては、私どもは適切に行っているというふうに思っておりますけれども、なかなか国民の皆様の御理解も広がっていないという状況は、今後の我々の行政の進め方の糧にはなるかなというふうに考えています。
○宮本(岳)委員 ぜひ、しっかりと総括、反省をしていただきたいと思います。
次に、私が二月二十四日、衆議院予算委員会で示した、二〇一五年九月四日の近畿財務局九階会議室における打ち合わせメモについて聞きます。
財務省は、衆議院財務金融委員長の指示を受けて、この文書に名前が出ている近畿財務局池田統括官に確認し、その結果を文書で財務金融委員会に報告いたしました。
昨日確認したところでは、国土交通省も、二〇一五年九月四日の打ち合わせなどに関する記録は既に廃棄したということでありましたけれども、これを廃棄したのはいつですか。
○佐藤政府参考人 お答えを申し上げます。
事案終了時ということでございますので、有益費の支払いが行われた後かと考えております。
○宮本(岳)委員 全然違うでしょう。事案の終了時というのは六月二十日じゃないんですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
委員の御指摘は、平成二十七年九月四日の打ち合わせの関係でございますけれども、当時の担当に確認をいたしましたところ、平成二十七年九月当時は、まさにこの有益費の方の関係で、低深度の土壌汚染等の除去工事が実施されていたところであり、貸付契約上、その費用は国が有益費として償還することとされておりましたので、九月ごろに近畿財務局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございました。
すなわち、当時の担当者は、この九月四日は有益費に関する打ち合わせをしていたということを言っておるわけでございまして、有益費につきましては、平成二十八年四月六日に支払われておりますので、先ほど私が答弁したのは、そういうことでございます。
○宮本(岳)委員 では、四月六日に破棄したんですね、国交省については。
その担当者は、では、その会議、そういう打ち合わせがやられた相手側、森友側から誰が出席していたか、どういうところから出席があったかということはおっしゃっていましたか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
当時の担当者に確認をしたところ、関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございますけれども、その関係業者の詳細についてまでは、当時の担当者から回答はなかったということでございます。
○宮本(岳)委員 きのうもそう聞いたんですよ。これは奇怪な話ですよ。森友学園側の工事関係者というものは、この当時、キアラ設計と中道組、この二つしかありません。わからぬとか忘れるとか、本気でそんなことをおっしゃっているのかと、極めて奇異な御答弁だというふうに思いました。
では、ちょっと関連して聞くんですけれども、証人喚問で籠池証人は、昨年一月に、有益費の支払いについて、稲田防衛大臣の夫の弁護士事務所で、近畿財務局及び大阪航空局の担当者と会って話し合ったと証言をいたしました。さらに、籠池氏は、私に対して、その担当者について、近畿財務局は池田統括官、航空局は安地氏だったと証言しましたけれども、当時、大阪航空局に安地という職員はおりましたか。また、稲田弁護士の事務所に行った事実は確認いたしましたか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
その前に、先ほど私、九月四日の件に言及いたしましたけれども、当時の担当に確認したところ、九月四日という確定の日にちについての記憶はございませんで、平成二十七年九月当時に近畿財務局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶があるということでございました。
それから、今御指摘の方でございますけれども、本件土地につきましては、森友学園において有益費に関する工事が行われました平成二十七年七月から十二月にかけてと、その後、有益費の支払いについて森友学園、近畿財務局、大阪航空局の三者で合意した平成二十八年三月三十日にかけまして、大阪航空局は、近畿財務局とともに、工事関係者などと、現地確認のほか、工事内容の確認等、有益費の支払いに必要なやりとりを行っております。
したがいまして、御指摘の時期の前後におきまして、有益費の支払いに必要なやりとりを森友学園関係者と近畿財務局、大阪航空局の間で行っている可能性はございます。
今御指摘の安地でございますが、当時、大阪航空局空港部の補償課に在籍をしてございました。が、今申し上げましたように、その時期の前後におきまして森友学園関係者とやりとりを行っている可能性はございますけれども、個別具体的に担当者に確認は行っておりません。
○宮本(岳)委員 個別具体的に確認していないということであります。
この日時も含めて、ちょっと僕は奇異に思うのは、弁護士事務所でそういう打ち合わせをするというのは日常的にやられていることなんでしょうかね。余りそういうことは多くはないと思うんですが、そういうことを日常的にやっているんですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
私どもの理解では、大阪航空局は、近畿財務局とともに、工事関係者など、森友学園の関係者と必要なやりとりを行っているというふうに認識をしているということでございます。
○宮本(岳)委員 ちょっと要領を得ませんね。
委員長にお願いいたします。
この九月四日の打ち合わせ記録に出席者として記載されている大阪航空局高見調整係に対して、会議の開催の有無や会議の内容について確認し、当委員会に報告するよう、委員長の名前で御指示をいただきたい。
同時に、証人喚問で指摘された大阪航空局安地氏についても、国土交通省から直接御本人に確認していただいて、御報告を文書で提出していただきたい。
ぜひとも理事会で御協議をいただきたいと思います。
○西銘委員長 理事会で協議します。
○宮本(岳)委員 高見調整係のパソコンや報告などの公文書の保存はどのようなシステムになっているのか。これは財務省とこの間私はやってきましたけれども、財務省のように、職員が手作業で消去して、消去した過去のデータは二週間で消え、復元できないシステムになっているんですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
行政文書につきましては、電子データにつきましても、公文書管理法及び国土交通省文書管理規則に基づき、事務及び事業の性質、内容等に応じた一定の期間保存されるとともに、保存期間満了後には廃棄等の措置をとることとされております。
その際、これら廃棄された電子データにつきましては、システム上に一定期間残存いたしますが、当省のシステムでは、大阪航空局の場合、一カ月で、システムの負担軽減のため、システム上からも消去され、復元できなくなっております。
○宮本(岳)委員 本当にそういう答弁が続くんですね。これはハードディスクの容量上限まで利用していると言っているようなもので、ちょっと理解に苦しむんです。
財務省とのやりとりで、専門業者に依頼するなど、復元の方法があるはずだという私の指摘に、佐川理財局長は、専門の部局に再度確認すると答弁されましたけれども、これは、財務省、結果はどうでしたか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
近畿財務局のシステムにおきましては、職員が公文書管理法等の規定に基づいて、保存期間が満了したものにつきましては、電子データにつきましても削除するわけでございますが、システム上、削除された電子データは、基本的には復元できない状況になります。
ただ一方、システム上、障害が仮に生じた際の復旧を目的といたしまして、十四日間の期間であれば、バックアップ機能により、システムの専門家が作業をすれば復元が可能というシステムになっております。
したがいまして、電子データを削除した後でございましても、このバックアップ期間の十四日間であれば復元が可能でございますが、この期間を経過すれば、このシステムの運営を業務委託しております運営会社の専門家でありましても、データの復元はできないとのことでございました。
○宮本(岳)委員 犯罪捜査でも国税調査でもデータの復元というのはやられているわけで、これを完璧に消去するには、誰かがやったように、ハードディスクをドリルで破壊するというようなことをやらなきゃならないんですね。
財務省や国土交通省の個々の職員のパソコンが、ハードディスクの容量上限まで利用しており、その全てが日々大量のデータで上書きされているというのは、荒唐無稽な話だと言わなければなりません。
財務省の佐川理財局長は、日付までは特定できないが、二〇一五年九月上旬の時期に業者を交えた打ち合わせが行われたことについては認めております。先ほど国土交通省も、そういう時期にそういうことがやられてきたことは認めておられました。
後に有益費として支払われることになる土壌改良や埋設物の撤去について、コンクリートやアスファルトなどの大きな殻の撤去と土壌改良にとどめた理由は何なのか。そういう打ち合わせがあらかじめあったんじゃないですか。
○佐藤政府参考人 先ほども御答弁いたしましたけれども、当時の担当者に確認をしたところ、九月ごろに、近畿財務局とともに、関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございました。
○宮本(岳)委員 その打ち合わせで、コンクリート殻そして土壌改良にとどめようということは、あらかじめ打ち合わせで決めていたということですね。
もう一つ航空局長に聞きます。
森友学園から、二〇一五年度内に有益費を支払ってほしいとの要望を、航空局は受け取ったことがありませんか。
○佐藤政府参考人 まず、先ほど私の答弁した中で、具体的な有益費の対象となる工事の内容について打ち合わせを行ったということと委員はおっしゃいましたけれども、そうではなくて、例えば、有益費の工事でどこまで地下埋設物を撤去するかということにつきましては、それはあくまでも借り主の判断でございますので、それをあらかじめ、こちらの方とそれについて何か事前に合意したということはないというふうに考えてございます。
それからもう一つ、森友学園側から、有益費について、平成二十七年度、二〇一五年度の予算で払ってほしいという要望を受けたかどうかということでございますけれども、そもそも、平成二十七年度の七月から工事が始まったわけでございまして、私どもといたしましては、その時点で、平成二十七年度の予算の中にそういった有益費をお支払いするような予算は計上しておりませんし、そういった平成二十七年度に支払ってほしいというようなことを仮に言われましても、それは対応ができないというふうに認識をしてございます。(宮本(岳)委員「イエスかノーで。言われたのか」と呼ぶ)
○西銘委員長 要望があったかという質問です。
ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
○西銘委員長 速記を起こしてください。
佐藤航空局長。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
要望があったかどうかということは実は確認できておりませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような事実関係でございますので、平成二十七年度予算で有益費をお支払いするということを私どもの方から申し上げたことはないということでございます。
○宮本(岳)委員 確認してください。
では、地下埋設物撤去費用の試算の三・八メートルと九・九メートル、先ほども議論がありました、これについて聞きます。
改めて聞きますけれども、九・九メートルまでごみがあることを確認したのはいつですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
九・九メートルを、見積もりの際にくい掘削箇所の深さとして用いているわけでございますけれども、どういった根拠に基づいてそういったことをしているのかということでございますけれども、まず、平成二十七年三月十四日に工事関係者から、その三月十四日の前の三月十一日に九・九メートルのくい掘削工事において廃材等のごみが発見されたという連絡が近畿財務局にあったということで、これを受けて、三月十四日に現地に確認をしてございます。この際には、実際に廃材等を含む土砂が積み上がっていることをみずからの目で確認しているということでございます。
また、この三月十四日につきましては、工事関係者からヒアリングを行っているということでございます。また、掘削中の様子を示す工事写真も入手いたしまして、これは、その後日でありますけれども、確認をしてございます。
さらには、本件土地がかつて池や沼であった、昭和四十年代初頭まで池や沼であり、地下の深い層から浅い層にかけて廃材等を含む相当量のごみが蓄積していると考えられることを踏まえまして、見積もりに当たりましては、深さを地下九・九メートルと、これはくい掘削箇所でございますけれども、設定をして見積もりを行うことが合理的であると判断したものでございます。
○宮本(岳)委員 では、九・九メートルまでごみがあるということをそこまでしっかりと確認しておきながら、その後、大阪航空局は試掘を二回やっておりますけれども、なぜ、九・九メートルまでごみがあるかどうかを確認しなかったのか、三・八メートルでやめたのか。いかがですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の、さらに二度試掘を行ったということでございますけれども、それは大阪航空局が行った試掘ではございません。
九・九メートルのくい掘削工事において新たな地下埋設物が発見されたことを受けまして、くい掘削工事箇所以外の部分にも地下埋設物がないかどうかということを確認するために、施工業者が三月に二度試掘を行ったというふうに聞いております。
○宮本(岳)委員 では、それでもいいですよ。
九・九メートルまであるということを三月十四日に確認しながら、その後は三・八メートルでなぜやめたんですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
九・九メートルというのはくい掘削箇所についてのことでございまして、先ほど答弁をいたしました、その九・九メートルのくい掘削工事箇所において新たな地下埋設物が発見されたことを受けて、それ以外の部分にも地下埋設物がないかということを施工業者が試掘をすることによって調べたところ、三・八メートルの深さまで地下埋設物が確認をされたということでございます。
○宮本(岳)委員 三・八メーター掘ったから三・八メーターまで確認されたわけでしょう。
では、端的に聞きましょう。
くい打ちでない部分は、三・八メートルより深いところにごみはあるんですか、ないんですか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
本件見積もりなんですけれども、その考え方でございますが、これは、本件土地の売買契約において、将来にわたって本件土地が抱える一切の瑕疵について売り主である国の責任を免除する特約が付されることを前提として、土地の価値を算定するに当たって想定しておくべき地下埋設物の撤去、処分費用を見積もったということでございます。
その中で、具体的に、くい掘削箇所については、九・九メートルまでごみがあると想定して費用を見積もりましたし、それ以外の場所については、三・八メートルまでごみがあるということを想定して費用を見積もったということでございます。
○宮本(岳)委員 だから、その三・八メートルの根拠が全く定かでないわけですね。
そこで、そのリスクについて聞きましょう、将来埋設物が出てくるリスク。
例えば、籠池氏は、将来的に小学校の用地に中学校を建てたい、そのために校舎を八階建てにしたいと何度も言っておりましたけれども、将来埋設物が出てくるリスクに、建てかえ工事の際に出てくるリスクも想定されておりますか。
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
地下埋設物の撤去、処分費用の見積もりに当たりましては、本件土地の売買契約におきまして、売り主の瑕疵担保責任を免除する特約を付すということを前提といたしまして、当該土地に係る過去の調査結果、職員による現地確認、工事関係者からのヒアリングや工事写真など、検証可能なあらゆる材料を用いまして、校舎や児童の生活の安全性の確保の観点も踏まえて、将来にわたってリスクとなる地下埋設物の存在範囲を設定したということでございます。
その結果が、くい掘削場所の深さにつきましては九・九メートル、その他の深さについては三・八メートルと設定をしたということでございます。
○宮本(岳)委員 全く納得できる答弁じゃないんですね。
最後に、きょうは理財局に来ていただいていますから、佐川理財局長に聞きたいと思います。
事前にお渡ししてありますけれども、私が森友側関係者から入手した資料で「今後の手続きについて」と題されたものがございます。平成二十六年十二月十七日時点における今後の手続の説明資料ですとあり、その後の詳細な手続が記されております。私は、籠池氏の手帳で、この十二月十七日午後一時、近畿財務局と会っている事実を確認いたしました。例えば、平成二十七年二月に予定されている国有財産近畿地方審議会で売り払いを前提とする貸し付けが適当と答申され、その後、見積もり合わせにより貸付料が決定した後に借地契約は締結される、そう具体的に書かれております。
平成二十六年十二月十七日といえば、森友学園の小学校設置申請が継続審議となった大阪府私学審議会の前日、つまり、平成二十七年二月十日に開催された第百二十三回国有財産近畿地方審議会の二カ月近くも前であります。
これは、近畿財務局が森友側に渡した資料に間違いないですね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今、宮本委員の方から御指摘をいただきました、あるいは、この前の玉木先生の方からも御指摘をいただいておりますし、昨日、辰巳先生の方からも御指摘をいただいてございますが、その近畿財務局から森友学園に渡したとされる資料につきまして、近畿財務局からの説明資料ということでございましたので、近畿財務局に聞きましたところ、当時の担当者は、そうした資料を森友学園側に渡した記憶はあるということでございました。
それで、この資料は国有地の処分の手続についてという説明資料でありますので、これについて申し上げますと、国有地の処分に当たりましては、要望者が国有財産の取引の経験に乏しく、必要となる事務手続を承知していない場合、あるいは、要望者が想定するスケジュールが国側が必要とする期間を考慮していない場合などには、要望者が国有地を取得した後に、円滑な事業の進捗に影響が生じることとなりますので、必要となります手続あるいはスケジュール等につきまして、相手方が理解した上で事務を進めることが不可欠でございます。
したがいまして、財務局から要望者に対しましては、処分方針の決定前におきまして、処理方針が確定していないということを明らかにしました上で、国有財産の処分に係る制度、あるいは必要となる事務手続、想定されるスケジュールなどを説明するということは、各財務局におきまして一般的に行われているところでございます。
本件に当たりましても、今の先生の御指摘は二十六年十二月ということでございますが、一年前の二十五年九月に相手方から取得等要望書が提出されておりますので、その間、先方との間で、もともと先方は貸し付けをとってから買い受けをするという希望でございましたので、近畿財務局から、処理方針を確定していないということを明らかにした上で、このような説明を行ったというふうに聞いてございます。
○宮本(岳)委員 本当に、質問妨害みたいなことはやめてくださいね。
この資料に別添されている別添資料がここにあります。この別添資料を見ますと、有償貸付合意書や売買契約書まで、既にほとんどでき上がっていますよ。ここには所在地や面積が既に書き込まれて、あとは日にちと名前を書き入れて印鑑を押せば契約完了というところまで準備しているじゃないですか。
こういうものをつくって私学審議会の前に籠池氏に渡していた。事実なんですね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
土地の面積等はそもそもわかっているわけでございますし、公的取得要望が出ているわけですから、貸し付けをしてから買い受けをしたいというのも全部わかっているわけでございます。
それから、今申し上げましたように、一年前からこういう議論を向こうとしているわけで、今先生御指摘のように私学審の前でございますので、いずれにしましても、私学審が通って、それからその後に、私学審の了解を前提として国有審で仮に適当と答申されれば、こういうような契約書が締結されることになりますという前置きをした上で、事務手続が円滑に進むように、先方に対して参考となるものを渡している、こういうことでございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、そんな甘いものじゃないですよ。単なるひな形じゃないんです。例えば有償貸付合意書の第五条と六条には、土壌汚染及び地下埋設物、いわゆる有益費の支払いについて、この間、当該土地について行われた埋設物の調査について列挙した上で、第六条において、それらの除去費用の扱い、つまり有益費について定めております。まさに個別具体的な森友との契約書そのものなんですよ。
こんなものは近畿財務局以外につくれるわけがないし、私学審の前にはっきり示されているじゃないですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
冒頭申し上げましたように、この資料を森友学園に渡した記憶はあると担当者は答えているわけでございますが、いずれにしても、私学審の前にこういう資料を先方とつくって、それから、今、有益費のお話をされましたが、もともとここに埋設物があることはわかっておったわけですから、そういう有益費の議論もしていただろうというふうに思いますので、そういう意味では、何ら不自然なことはないだろうというふうに思ってございます。
○宮本(岳)委員 二〇一四年十二月の大阪私学審の前日には、翌日には認可適当の判断が出ることを前提に、ここまで手はずが整っておりました。だからこそ、この間発表された大阪府の検証報告書によれば、二〇一四年十二月十八日、私学審で、財務に不安があるとして継続審議となった直後に、近畿財務局は、大阪府に対して、継続審議となった理由を問い合わせ、私学審の結論を出す時期など、ある程度事務局でコントロールすることはできるのではないか、こういう趣旨の発言さえ行い、このシナリオどおりに進めようとしたんですよ。
もちろん、大阪府だって決して被害者ではありません。規制緩和を行い、国と二人三脚でやってきたんです。契約書の中身まで事前に伝え、森友の認可のために、認可がおりる前からせっせと準備を整えて、スケジュールがおくれそうになれば汗をかいて規定路線に戻す、そんなことまで財務省はやってきた。
佐川理財局長は、私に対して、府私立学校審議会の前に、財務省近畿財務局から森友学園に対して、予断を持って国有地売却等の是非について申し上げた事実はございませんなどと繰り返し答弁してきました。この答弁はうそだったということですね。
○西銘委員長 時間ですので、佐川理財局長、簡潔に答弁ください。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今までの答弁どおり、予断を持って処分の方針等について向こうに伝えたことはございません。
○宮本(岳)委員 断じて納得できません。
引き続き追及することを申し上げて、質問を終わります。