加計で決まりのプロセス 前川前次官「背景に官邸の動き」 宮本岳・田村智両議員が質問 閉会中審査(赤旗)
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議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
まず冒頭、今般の九州豪雨によりとうとい命を落とされた方々に心から哀悼の意を表します。また、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。また、政府には、復旧復興に全力を挙げることを強く求めておきたいと思います。
さて、きょうは、いわゆる加計学園問題について、この当時の事務方トップであった前川喜平前文部科学事務次官に参考人としておいでいただいております。
早速、前川参考人に確認するんですけれども、あなたは六月二十三日の会見でも、獣医学部新設をめぐって行政がゆがめられたという意識を持っており、これについてはやはり国民に知る権利があると思った、そのまま事実が隠蔽されたままでは日本の民主主義は機能しなくなってしまうのではないか、こういう強い危機意識を述べられております。
この問題で文部科学省の行政がゆがめられたというのはどういうことなのか、また隠蔽された事実とはどういう事実を指しているのか、前川参考人、お答えいただけますか。
〔秋元委員長退席、永岡委員長着席〕
○前川参考人 国家戦略特別区域法に基づきまして、国家戦略特区における規制改革事項という形で獣医学部の新設を認める、こういう結論に至ったわけでございますけれども、その結論に至るまでのプロセスにおいて問題があるというふうに私は認識しております。
規制改革をするかどうかという問題と、その規制改革によってどこにその事業を行わせるかという問題と、二つの問題がございますが、私は、より問題だと思っておりますのは、どの主体にその事業を行わせるかというこの決定に至る過程でございます。先ほど申し上げたように、穴をあけるかどうかではなくて、むしろ、穴のあけ方、その穴を通ってどの主体が結局その規制緩和の恩恵を受けるか、この決定のプロセスに、非常に不公平であり、また不透明な部分があるというふうに考えております。
具体的に申し上げれば、十一月九日の諮問会議の決定の際に、広域的に獣医学部の存在しない地域に限りという条件が付されました。また、特例を設ける共同告示のパブリックコメントが十一月十八日に行われておりますけれども、その際に、平成三十年度開設という条件が付されております。さらに、一月四日に共同告示が制定された際には、一校に限りという条件が入っているわけでございますけれども、これらの条件が次々と付される中で、結局、今治市における加計学園だけが残る、こういうことになったわけであります。
これは、私ども、その渦中にいた者から考えますと、初めから加計学園に決まっていた、加計学園に決まるようにプロセスを進めてきたというふうに見えるわけでございますけれども、共同告示に至るプロセスにつきましては、文部科学省というよりは、内閣府あるいは内閣官房の中でこのプロセスが進んできたということで、文部科学省からも見えない部分がございます。
また、新しい事業者に獣医学部の新設を認めるに当たっては、大前提として、国家戦略特別区域法が求めております国際競争力の強化でありますとか国際経済拠点の形成といった目的に資するかどうか、これは検証されるべきことであったと思いますけれども、その検証はほとんど行われていないというふうに思います。
また、平成二十七年の六月に閣議決定されました「日本再興戦略」改訂二〇一五で提示された四つの条件、この四つの条件に照らして、この具体的な提案、つまり、今治市が提案してきた内容がその四つの条件に合致しているかどうかということにつきましては、十分な議論がされていない。むしろ、ワーキンググループにおきましては、文部科学省はこの四条件を満たしていないと主張していたわけでございますが、それに対して有効な反論がないまま決定されている。
こういった経緯がございますので、この点についても非常に不公平であり、また、国民の目からよく見えないところで決定が行われている不明朗さがあるというふうに思っております。
○宮本(岳)委員 この間明らかになった文書に、十月七日の日付が入った萩生田副長官御発言概要と題されたペーパーがあります。
前川参考人は、これを現職時代に見たということを認めておられますけれども、この文書について、いつごろ、誰から、どのように説明を受けられましたか。
○前川参考人 お尋ねの文書は、十月七日の日付入りの萩生田副長官御発言概要というものだと思いますけれども、これは、私は、十月中に、文部科学省の事務次官の現職中に、高等教育局の専門教育課の職員から説明を受けた際に、私が受け取って目にした資料でございます。
○宮本(岳)委員 続けて前川参考人にお伺いするんですが、この萩生田副長官御発言概要という十月七日付文書は一体どういう意味を持つ文書だったのか、当時の文部科学省はこの文書の内容をどのように理解していたのか、お答えいただけますか。
○前川参考人 当時のことを思い起こして考えますと、昨年の九月になりまして、内閣府から強く、国家戦略特区における獣医学部の新設について、文部科学省としても検討を進め、同意するように、その際には三十年四月開設が大前提である、このような要請があり、文部科学省としても検討が必要であるという状況でございました。
しかし、文部科学省といたしましては、先ほど申し上げました日本再興戦略の四条件がございますし、その四条件を満たしているかどうかということをきちんと検証する必要がある、その際には獣医師の将来需給の見通しというものがどうしても必要であるし、そのために農林水産省あるいは厚生労働省の実質的な参画が不可欠である、こう考えておったわけでございます。
しかし、内閣府の方は、文部科学省だけでいいんだ、このような姿勢でございましたので、それでは困るということで、文部科学省の者が、相談の上、萩生田官房副長官に一定の調整をしてもらえないだろうか、このようなことを考えていたというふうに承知しております。
三十年四月という期限を切ることにつきましても、非常に性急ではないかと考えておりました。その点につきましても調整していただけるのではないか、このような期待を持って御相談に伺った、その御相談の経過を示した資料だというふうに思っております。
○宮本(岳)委員 この資料を見ますと、前川参考人も述べられたように、平成三十年四月は早い、無理だと思うとの言葉も出てまいります。文科省だけでこの案件をこなすことは難しいということはよくわかる、農水省などの協力が必要、私の方で調整しようという言葉もあります。これは、文科省の再調査で存在が確認された大臣御指示事項という文書の内容とぴったり一致いたします。
そこで、さらにその背景を聞きたいんですけれども、当時、文科省が、平成三十年四月は早い、もう少し時間の余裕を持ってゆっくり検討する必要がある、こう考えたのはなぜなのか。前川参考人、お答えいただけますか。
○前川参考人 大学の学部を新設するとなりますと、やはり一定の期間が必要でございます。
設置認可の申請及び審査及び設置認可に至るプロセスにつきましては、これは、確かに一年間あればできるわけでございますけれども、それ以前に、文部科学省においては、担当者が十分に申請予定者と打ち合わせをする、その上で、どのような資料が必要であるか、どのような条件を満たすことが必要だと予想されるか、そのような下相談をするのが常でございまして、それがなければ、一年間の審査で学部を開設するということは難しいわけでございますが、獣医学部の場合には、申請ができない建前になっておりますことから、十分なそういった事前の相談ができないわけでございます。
昨年の十月の時点から国家戦略特区で議論を始めるということであれば、三十年四月の開学に間に合うように準備を進めることは大変難しいのではないか、そういった感触は担当局は持っていただろうというふうに思っております。
○宮本(岳)委員 まあ、三十年四月というのはなかなか難しいというのは誰もが思うところだと思うんですね。
同じく背景を聞きたいんですが、農水省や厚労省を引き込みたい、その協力が必要と当時の文科省が考えたのはどういう理由ですか。
○前川参考人 獣医学部という学部の性格でございますが、これは獣医師国家試験と密接に結びついております。獣医師国家試験の受験資格というのは、原則といたしまして獣医学部を卒業しているということでございますので、獣医学部の規模をどうするかということは、結局、とりもなおさず獣医師の全体の規模をどうするかということになるわけであります。
そういたしますと、獣医学部の規模を考えるに当たりましては、将来の獣医師の需要というものをやはり念頭に置かざるを得ないわけであります。
農林水産省がはっきりとした形で需給を示したのは、私の理解では平成十九年でございますけれども、平成十九年度に農水省が明らかにした方針によれば、将来的に獣医師が不足するということはない、そういう見通しがございましたし、近年におきましても、農水省からは、将来、獣医師の確保に困難が生じるという見解は示されていないわけであります。これは、従来型の獣医師の業務を考えた場合に、農水省が将来不足するとは言っていないという問題でございます。
さらに、今回の議論に当たりましては、新たな分野の需要というものを考えようという議論になっていたわけでございまして、従来型ではない獣医師の対応すべき分野というものがあるとすれば、先端ライフサイエンスの分野でありますとか、あるいは創薬でありますとか、そういった分野で獣医師が活躍する余地があるのではないか、こういう議論もあったわけですが、そうであれば、そういった分野を担当する厚生労働省といった役所が責任を持って参画して一緒に議論する体制をつくらないと、将来の需給見通しはつくれない、こんなふうに考えていたわけでございます。
○宮本(岳)委員 少し角度を変えるわけですけれども、去る六月二十四日に、安倍首相は、神戸での講演で、中途半端な妥協が国民的な疑念を招いた、速やかに全国展開を目指したい、二校でも三校でも、どんどん獣医学部の新設を認めていく、こう語りました。
これに対して、獣医学教育関係者からは、獣医学教育改善の取り組みの現状と獣医師の需要動向に関する適正な検討なしに、根拠を欠く規制緩和の題目のもとで妥当性を欠いたまま進められたことが問題であると考えます、その結果として、国民生活を支える獣医師の養成教育の深刻な質低下が生じる可能性が危惧されます、こう述べて、まさに驚愕すべき発言との抗議も出されております。
前川参考人は、この総理の発言についてどうお感じになりますか。
○前川参考人 獣医学部を、今治のみならず、二校、三校とつくっていいのではないかという議論は、確かに、諮問会議、ワーキンググループの中でもあったと承知しておりますし、また、山本大臣の国会での答弁でもそのような意向が示されたことがあるというふうに承知しておりますけれども、獣医学部のような学部につきましては、先ほど申し上げましたとおり、一定の計画養成そして入学定員の管理といったものが必要であるというのがこれまでの文部科学省の考え方でございます。
それを全体として見直すのであれば、これは、国家戦略特区でどうするかということではなくて、もっと根本にさかのぼって、大学の設置認可のあり方から考えるということが必要であろうというふうに考えております。
仮に、国家戦略特区の仕組みの中で、別の特区、別の特区につくることを認めていこうというお考えだとするのであれば、まずは今治での成果をきちんと評価するということが必要になってくるわけであります。
今治での成果を評価するということは、来年開設されると考えられます獣医学部、来年一年生を入れてから卒業生が出るまで六年かかるわけであります。少なくとも六年見なければいけない。そこで卒業生が出て、その卒業生がどういう分野で活躍することになるのか。
さらに、研究者の養成ということであれば、六年では足りません、さらに数年を要するわけでありますから、研究者の養成のために大学院をつくり、つくるかどうかわかりませんけれども、大学院をつくり、研究者養成をした上で、その研究者がどのような分野で活躍するか。
そういったことを評価しなければ、二校目、三校目の議論はできないのではないかと思いますので、少なくとも十年内外は必要ではないか。今すぐ二校目、三校目をつくるということは、これは論理的にできないことではないかなと思っております。
○宮本(岳)委員 なるほど、よくわかりますね。
話を少しまたもとへ戻しますけれども、つまり、この当時、文部科学省は、三十年四月開学は早過ぎるということ、それから、農水省や厚労省にぜひとも出てきてもらいたいということ、こういう意向を持っていた。十月七日の時点で、萩生田副長官は、そういう文部科学省の思いもよく知った上で常盤高等教育局長と会って、私の方で調整しようと引き受けたというのが前川参考人の認識ですか。
○前川参考人 十月七日の面談の結果につきましては、私は担当課からその文書をもって説明を受けたわけでありますけれども、そのときの私が理解した内容といたしましては、萩生田官房副長官が私の方で整理しようとおっしゃっていますので、何らか、内閣府を中心に、文部科学省だけではなくて、農水省、あるいは場合によっては厚労省も入った形で、きちんとした一定の方針をつくる、そういった取り組みができるのではないかというふうに期待をしていたところでございます。
○宮本(岳)委員 そこで、萩生田副長官に聞きたいと思うんですね。
あなたは、十月七日、常盤高等教育局長から、平成三十年四月は早過ぎるから内閣府と調整してほしい、文科省だけではこの案件をこなすことは難しいので農水省の協力を取りつけてほしいと頼まれて、調整を約束したのではありませんか。
○萩生田内閣官房副長官 御指摘の文書につきましては、存在が確認できなかった文書でありますけれども、私の方でも確認し、十月七日夕刻に当時の常盤局長とお会いをしたのは事実であります。案件は、大方は給付型奨学金の件だったんですけれども、確かに特区のことについても説明をされた記憶がございます。
私は、まず大前提は、私の方が文科省に何かを依頼するとか要請をするというのじゃなくて、文科省の求めに応じて私はお会いをしました。前川参考人もそのことは認めているとおりだと私も思うんです。
もう一つの大前提として、文部科学省がこの特区に対して反対であるという意思表示を受けたことはないんです。自分たちとしては、この必要性は一定理解しているんだけれども、獣医師の過不足について説明ができないので、農林水産省にもう少し前へ出て説明してもらえないかというような趣旨を、この日だったか、あるいはさらにこの翌日だったかわかりませんけれども、そういうような話を受けたのは事実でありますので。
整理という言葉が意味しているところは私はちょっとわかりませんけれども、官房副長官として各省庁からさまざまな報告を受けることはもちろんあります。
その上で、例えば獣医師の需給について、文科省だけではなくて、農林水産省も参画して検討を進める必要があるのではないかという報告が文科省からあれば、農林水産省に対してその点について問い合わせをしたり、関係者の間でよく話し合いをするようにと伝えることはあります。
加えてですけれども、厚生労働省もぜひそういうことで協力してくれと言われた記憶は全くありません。
○宮本(岳)委員 まさに、そのときに文科省が持っていた問題意識の片方、獣医師の過不足についての説明は文科省でなく農水省でやってもらいたい、この要請に応えて農水省に問い合わせをした。これはもう委員会でも認めておられる。今も認められましたね。
それで、では、もう一つの方、三十年四月は早い、無理だと思うということは内閣府に言ったことがありますか、言わなかったんですか。
○萩生田内閣官房副長官 御指摘の開学の時期とかは、私の方では全く予備知識がございませんでした。
私の方から、具体的な日付等々を文科省の方に話した記憶はございません。
○宮本(岳)委員 それは信じられませんね。三十年四月開学というスケジュールが本当に性急なものであるというのは、別にこの事例に照らさなくたって、誰が考えたって大学がそんな一年余りでできるものかと思うのは当たり前であって、まさに萩生田さんがそういう意識だったとは思えないと思うんですね。
最初は、そういう形で一応話を聞き、問い合わせまでしたわけですよ、あなたは。ところが、わずか二週間で事態は一変いたします。
ここに、NHKのスクープによって明らかになり、翌日、文部科学大臣も存在を認めた、十月二十一日に萩生田官房副長官が常盤局長に語ったとされる発言をまとめた、萩生田官房副長官御発言概要というペーパーがあります。
前川参考人にお伺いしますけれども、このペーパーについて、その信憑性を疑うような話も出ているわけですが、前川さんはどうお考えですか。
○前川参考人 私はこれを現職中に見たものではございません。
しかし、このペーパーを見る限り、文部科学省の責任ある職員が書きとめたものであるというふうに思われますし、その内容につきましてはほぼ信憑性がある。
ただし、主語が誰であるかということについてはやや曖昧なところがありますので、確かにタイトルが萩生田副長官御発言概要となっておりますけれども、その中には萩生田副長官御自身の発言でないものも含まれている可能性はあるというふうに思っております。
○宮本(岳)委員 ここには、萩生田氏が和泉首相補佐官とも話した結果として、総理は三十年四月開学とお尻を切っていたとか、農水省は了解しているのに、文科省だけがおじけづいている、何が問題なのか整理してよく話を聞いてほしいと言われた、官邸は絶対やると言っている等々、逆に文科省を説得する立場にがらりと、この文書を見る限りは変わっているわけです。
前川参考人、十月七日から十月二十一日、この二週間で萩生田官房副長官は大きく変わったという印象を持っておられますか。
○前川参考人 変わったというよりも、明確になったような印象を持っております。
○宮本(岳)委員 つまり、官邸の側で文科省を説得する立場であることが明確になったというふうにお感じになったということですね。
確認された文書によると、萩生田副長官がわずか二週間で、文科省に頼りにされる存在、調整役から、官邸の意を受けて文科省を説得する側へとがらりと変わったと私も思います。
この二週間の間に一体何があったのか。これは萩生田さんに聞くしかないんですが、総理や菅官房長官から指示があったのではありませんか。
○萩生田内閣官房副長官 お答えします。
そもそも、先ほど申し上げたとおり、私は文部科学省がこの件について反対をしているという意思表示を確認したことがありません。ですから、説得をする必要もないと思っております。文科省の求めに応じて、その都度真摯に対応してきたつもりでございます。
二十一日の文書につきましては、文科省からの申し込みによりまして高等教育局長と面談をしたときのやりとりだというふうに言われているんですけれども、私は率直に申し上げて、この八つのパラグラフ、どれを見ても、私が明確に発言したセンテンスがあるわけではないんですね。文科省側も、著しく正確性を欠く個人のメモ的なものだったということで私の方にも説明もありましたから、私の方としては、それで、間違った文書なんだなということで納得しているんです。
先ほどの前川参考人のお話にありますように、七日の文書のように、これが私の発言で大事なものであれば、次官にもちゃんと説明を、見せればよろしいんじゃないかと私は思うんですね。
ですから、私はこの文書の中身について問われても詳しくわかりません。
加えて、この間までの間に何か心変わりがあったかのような御指摘があったんですけれども、私は、総理からも別に何の指示も受けていませんし、一貫して文科省の相談に真摯に乗っていたつもりでおりますので、その点は変わりはございません。
○宮本(岳)委員 この文書が文科省から出てきたということは事実であって、しかし、この中身は萩生田さんが語ったものばかりとは限らないということは、確かに説明はされております。
常盤局長は、自分の方から説明をした内容等も含めて担当官に話したので、それが混在しているというふうに話しているわけですけれども、常盤局長に確認したい。
では、この中で萩生田さんが確かに語ったことはどれですか。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
この十月二十一日の文書でございますけれども、この文書につきましては、私が専門教育課の担当者に説明した内容をもとに、担当者の備忘録的なメモという形でまとめられたものであるというふうに認識をしてございます。本来、部外への公表を予定したものではございませんので、官房副長官はもとより、私も、事前にも、事後的にも、チェックをしたというふうなものではございません。
文書につきましては、今お話がございましたように、私からの説明の内容、官房副長官の質問や感想、それから、面談では言及のなかった周辺情報等が含まれておりますので、全体として、特に表題との関係で申しますと、正確性に欠けているというふうに、大変残念ですが、申し上げざるを得ない状況でございます。
その中で、どの部分について萩生田副長官のお話かということでございますけれども、その点について、私自身がこの面談の具体的なやりとりについてそれぞれ記憶をしているわけではございませんが、その中で、副長官からの御質問というふうな形で出ているものがございます。例えば、獣医学部を受け入れる地元自治体として、一般的な獣医の養成を望むのではないかというふうな点については、副長官の方からの御質問をいただいたのではないかというふうに思ってございます。
○宮本(岳)委員 それではわからないんですよ。ちゃんとこの中身で萩生田さんが語ったかどうかということを明らかにしなければなりません。
とりわけ、三十年四月は早過ぎるということに対して、いや、それはもうそういうことで決まっているんだということ、あるいは農水省は既に了承しているということについては、あなたが語ったんですか、萩生田さんが語ったんですか、どちらも語っていないんですか。どちらですか。常盤さん。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
今申し上げましたように、この文書の性格が、私からの説明、それから、副長官からの質問あるいは感想というようなことを含んでいるというように思ってございます。これは、先ほど前川参考人も、この文書の中には発言の主体について複数の者が混在しているという話があったということでございます。
今御質問をいただきました、二つ目のパラグラフでございましょうか、農水省との関係ということについて御質問をいただいているわけでございますけれども、この点につきましては、農水省の考えに関する記述でございます。これについて、私、個々のやりとりを記憶しているわけではございませんが、当時私が認識をしていた事実関係で申し上げたいと思います。
事実関係といたしましては、農水省において、その前に国家戦略特区の会議の中で今治市の構想説明という機会があったわけでございますけれども、その際に特に異論も述べなかったということがございますので、文科省としては、農水省は、異論がなく、差別化ができるという考えと認識しておりますので、これが、私の説明なのか、あるいは萩生田副長官のお話かわかりませんが、特にその点については目新しいものであったというふうには思ってございません。(宮本(岳)委員「事実関係だけ答えればいいじゃないか」と呼ぶ)
そういう意味では、事実関係を申し上げているということでございます。
○宮本(岳)委員 もう一つは。
○常盤政府参考人 もう一点でございます。これは先ほどもう既にお答えを申し上げてございます。
事実関係といたしまして、これは、局長、私でございますけれども、から副長官に対して御説明をしたわけでございます。この場で副長官から何らかの指示を受けたという記憶はございません。
○宮本(岳)委員 前川参考人のお話と、そして今の御答弁との間に、やはり大きなずれがあると思うんですね。かくなる上は、我々野党が要求してきたとおり、前川参考人と萩生田官房副長官、きょうは来ていただけませんでしたが、和泉洋人首相補佐官の証人喚問が必要だと私は考えます。また、総理出席のもとでの集中審議が必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。