名称変更なぜ認可か
統一協会問題 宮本岳志氏ただす
衆院文科委
日本共産党の宮本岳志議員は8日の衆院文部科学委員会で、2015年に行われた統一協会(世界平和統一家庭連合)の名称変更を巡る問題、同協会と政治家、都倉俊一文化庁長官とのかかわりについてただしました。
宮本氏は、同協会への解散命令請求の根拠とされる文化庁の認めた民事判決32件のうち、「協会による09年の『コンプライアンス宣言』以前、また宣言から名称変更前までに出された判決は何件か」と質問。文化庁の合田哲雄次長は、それぞれ21件、6件と回答し計27件にのぼることを明らかにしました。
統一協会を巡っては、コンプライアンス宣言以後も被害の組織性、悪質性、継続性が指摘されています。宮本氏は、「27件もの判決が出ていたにもかかわらず、文科省が15年に名称変更を認めたのか。政治家のかかわりがあったのではないか」と述べ、名称変更申請時の文化庁と同協会の面談記録、下村博文・文科相(当時)に対する名称変更の申請受理および認証決定の説明資料の提出を求めました。
宮本氏は、事実上、国際勝共連合と一体の組織である「スパイ防止法制定促進国民会議」が制作した映画に都倉俊一文化庁長官がかかわっていたと指摘。「多様性を受け入れる心豊かな社会の形成」などをうたった文化芸術基本法の前文の立場と「文化活動を通じて不当な影響力を行使している」国際勝共連合の立場は「決して両立するものではない」とし、都倉氏と同協会とのかかわりを厳しく批判しました。
(しんぶん赤旗 2023年11月10日)
動画 https://youtu.be/8ImCy3sI7ow?si=FcsRKI5h-k4XmREB
配付資料 20231108文科委員会配付資料
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
今日から所信に対する質疑ということで、店開きということになるんでしょうけれども、当然、筆頭間協議、理事会での協議が今も続けられております。私は、基本的に、委員会の運営、これは合意に基づいて円満に進めるべきというふうに考えておりますけれども、蛇足ではありますけれども、委員長、よろしいでしょうか。まず、その点、御確認いただけますか。
○田野瀬委員長 もちろんそのとおりでございます。
○宮本(岳)委員 是非よろしくお願いいたします。
一昨日、超党派、夜間中学等義務教育拡充議員連盟として大臣にお会いをして、資料一につけた「夜間中学の更なる設置促進・充実に向けた提言」をお渡しをいたしました。その場には当委員会の田野瀬委員長もいらっしゃいました。提言には、下線部にあるように、来年度、夜間中学の統廃合を進めようとしている大阪市の姿勢が議連の総意に反するものであり、断じて容認することはできないと厳しく指摘をしております。
大臣にもお伝えしたとおり、大阪市長宛ての同趣旨の提言は、決議を上げた十月三十一日当日、超党派議連のメンバーで横山大阪市長に面会し、直接御本人に手渡しをいたしました。
大臣は午前中も浮島理事に答弁されましたけれども、夜間中学を全ての都道府県・政令市に少なくとも一校、こうおっしゃるのは、一校さえ残せば、あとはどんどん減らしてもよろしいとおっしゃっているわけではないと思うんですが、よろしいですね。
○盛山国務大臣 一昨日の六日、宮本議員を始め、浮島議員も含め、夜間中学等義務教育拡充議員連盟の方々から、今議員から御指摘のある申入れというんですかね、決議、これをベースに様々な御提言をいただきました。
その場でもお答えをしたところでございます。我々は、夜間中学が全都道府県・指定都市に少なくとも一校設置されることを目指すと申し上げましたが、その心は、夜間中学での学びを望む方が一人でも多く夜間中学に通うことができるようにいろいろな対策を進めていきたい、こういう趣旨で申し上げたところでございます。
○宮本(岳)委員 是非その思いを受け止めていただいて、よろしくお願いをしたいと思います。
では、次に、統一協会問題です。
大臣は所信で、「旧統一教会に関しては、昨年十一月以来七回にわたる報告徴収、質問権の行使や、その他の情報の収集、分析を行った結果、旧統一教会の活動に係る実態が十分明らかになり、解散命令事由に該当するものと判断されるに至ったため、宗教法人審議会の意見も伺った上で、去る十月十三日、解散命令の請求を行いました。今後、裁判所における審理等への対応に万全を期すとともに、関係省庁とも連携し、被害者の救済に係る取組に最大限努力してまいります。」と述べられました。
遅きに失したとの声もあるんですけれども、解散命令の請求を行ったことは率直に評価申し上げたいと思います。
旧統一協会の活動に係る実態が十分明らかになり、解散命令事由に該当するものと判断されるに至ったということは、統一協会の不法行為、不当行為に、従来から解散命令請求の基準とされてきた組織性、悪質性、継続性の三つがいずれも確認されたということでよろしいですね、大臣。
○盛山国務大臣 基本的にそのとおりでございます。
当省では、先ほど議員がおっしゃったとおり、報告徴収、質問権の行使に加えて、被害者やその親族等の方々から情報収集を行い、分析した結果として、信者による献金、勧誘等が全国的に画一的な方法で行われていることなどから、これらの行為は、宗教法人である旧統一教会の業務、活動として行われているものと認められる、組織性があるということ。そして、旧統一教会に対する損害賠償を認容する民事判決として三十二件の判決があり、その他の、被害回復を求めた約千五百五十人の方々の和解や示談の事実関係が把握され、それらの解決金等の総額は約二百四億円に及ぶなど、財産上の影響はもとより、その親族の生活の平穏を害するなど、多数の方々に様々な悪影響を及ぼしたという悪質性。そして、これらの行為は遅くとも昭和五十五年頃から継続的に行われている、継続性があるというふうなことを我々は判断し、解散命令請求が相当と判断したということでございます。
○宮本(岳)委員 まさに、組織性、悪質性、継続性の三つ全てが確認されたということですね。
そこで、継続性について聞きたいと思うんです。
継続性といいますけれども、今回、解散命令請求の根拠として文化庁が認めた民事判決三十二件のうち、統一協会がコンプライアンス宣言なるものを発出した二〇〇九年三月二十五日以前に判決が出ていたものは何件で、それ以降、統一協会が家庭連合に名称変更が認められた二〇一五年八月二十六日までに出た判決は何件で、そして、名称変更以降には何件の判決が出ているか、次長からお答えいただけますか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
今回の解散命令請求に当たり、文化庁において把握した事実のうち、御指摘のとおり、旧統一教会の損害賠償責任を認めた判決は三十二件ございます。
そのうち、平成二十一年三月二十五日のコンプライアンス宣言以前に確定した認容判決の件数は二十一件、同コンプライアンス宣言以降から平成二十七年八月二十六日の旧統一教会の名称変更までの間に確定した認容判決の件数は六件、旧統一教会の名称変更以降に確定した認容判決の件数は五件となってございます。
○宮本(岳)委員 文化庁が遅くとも昭和五十五年と述べている一九八〇年から、統一協会がコンプライアンス宣言なるものを出した二〇〇九年までの二十九年間で二十一件、二〇〇九年にコンプライアンス宣言、すなわち法令遵守を約束してから以降も、現在までの十四年間で十一件にも上るわけですね。つまりは、コンプライアンス宣言以降も問題が継続してきたということであります。継続性ということであります。
ところが、その統一協会について、文化庁は、二〇一五年に世界基督教統一神霊協会から世界平和統一家庭連合に名称変更を認証したわけです。二〇一五年当時、既に霊感商法で多くの被害者を出し、損害賠償請求を認める判決も出ておりました。世界基督教統一神霊協会として係争中の裁判もあり、社会的にもその名前で認知され、その名前で活動してきた実態があるのに、手前勝手に名称を変えさせるわけにはいかないのは当然であります。
前川喜平元文部科学事務次官は、一九九七年に僕が文化庁宗務課長だったとき、統一協会が名称変更を求めてきた、実体が変わらないのに名称を変えることはできないと言って断ったと発信をしております。
改めて聞きますけれども、解散命令請求の根拠として文化庁が悪質性や継続性を認めた民事判決三十二件のうち、既に大半の二十七件もの判決が出ていたにもかかわらず、なぜ二〇一五年八月には名称変更を認めたんですか。次長、お答えいただけますか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
宗教法人の規則の変更の認証につきましては、宗教法人法第二十八条において、当該規則の変更をしようとする事項が法令の規定に適合していること、手続が同法第二十六条の規定に従ってなされていることという要件を備えているかどうかについて審査し、備えていれば申請受理から三月以内に認証しなければならない羈束行為でございます。
そのため、宗教法人法上、形式上の要件を備えた申請は所轄庁において受理される必要があり、所轄庁は、申請を受理した場合、申請要件を備えていると認めたときは申請する旨の決定を行う必要がございます。
旧統一教会の名称変更につきましては、宗教法人法の規定に従って手続を行い、その審査の過程において法的な検討を重ねた結果、本件は認証すべき案件であると事務的に判断したものでございます。
○宮本(岳)委員 法律のたてつけはいいんです、知っているんですね。
今回、まさに解散命令を請求した、悪質性、組織性、継続性と認めた団体について、今おっしゃったことをやったわけですね。
私は、統一協会について三つの課題があると考えてまいりました。一つ目は、統一協会に裁判所から解散命令請求を出させること。二つ目は、被害者の救済。三つ目は、政治家との関係を明らかにし、断ち切ることであります。
一つ目は、時間がかかったものの、ようやく解散命令の請求までこぎ着け、二つ目の被害者救済についても、今国会でも議論が進められているところであります。しかし、肝腎の三つ目については全く解明されておりません。
一九九八年の国会では、我が党の木島日出夫衆議院議員が質問し、当時の文化庁前川喜平宗務課長が今後とも関心を持って見守ってまいりたいと答弁し、統一協会は既に問題のある団体として注視していたはずなのに、どうして二〇一五年の名称変更の申請がすんなり受理され、名称変更が認証されたのか、そこには政治家の関わりがあったのではないか、これを明らかにしなければなりません。
改めて聞きますけれども、名称変更申請時の文化庁と統一協会との面談記録の提出を求めたいと思いますが、出せますか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
基本的な前提といたしまして、先生御案内のとおり、二〇一五年、平成二十七年以降、旧統一教会からの名称変更に関する相談が複数回ございましたけれども、当時の文化庁においては、名称変更が社会に与える影響を検討し、慎重な対応が必要であるとの認識から、申請の取下げを強く慫慂しており、結果として名称変更の申請がなされなかったと承知いたしております。
一方、平成二十七年の名称変更の申請につきましては、これまでと異なり、文化庁からの申請の取下げの行政指導には従わない明確な意思表示がございました。
旧統一教会の名称変更につきましては、宗教法人法の規定に従って手続を行い、例えば行政手続法第三十三条などの法的な検討を踏まえて審査を行った結果、本件は認証すべき案件であると事務的に判断したものでございます。
その上で、ただいまの御質問につきましては、御指摘の面談記録につきましては、宗教法人に関する非公知の事実に関するものは、公にすることによって権利を侵害するおそれがあり、情報公開法第五条第二号イ等に該当することから、不開示としてございます。
○宮本(岳)委員 取下げを強く慫慂したにもかかわらず、このときに関しては明確な意思表示があったと、法的措置も辞さないという。それを知るためにはこのときの面談記録が要るから聞いているんですよね。今あなた方は、問題のある宗教法人として解散命令の請求までやったわけですから、これは出していただかなくてはならないと思うんですね。
では、もう一つ聞きましょう。
このときの大臣は下村大臣でありましたけれども、名称変更の申請を受理したとき、認証の決定の決裁をしたとき、二度にわたって説明をしたということになっておりますが、このときの大臣への説明文書というものが存在すると永岡前文部科学大臣は私に答弁をしております。これを開示していただけますか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
宗教法人法では、信者その他の利害関係人に宗教法人の事務所備付け書類の閲覧を認めておりますが、誰を信者その他の利害関係人と認めるかは各宗教法人が決めるということになってございます。このため、宗教法人から所轄庁に提出された書類を公表することについては、外部に知られていない事実を公にすることになり、こうした事実は情報公開法では不開示となります。
御指摘の報告資料は、宗教法人から所轄庁に提出された書類の内容が含まれております上に、報告資料は行政内部の意思形成に関する文書にも該当します。したがいまして、情報公開法に基づき、不開示といたしてございます。
○宮本(岳)委員 全く納得できないんですね。
この際、改めて、公文書管理法及び情報公開法の立法趣旨を確認しておきたいと思います。
公文書管理法を所管する内閣府に聞きますけれども、公文書管理法第一条は法律の目的をどのように規定しておりますか。
○原政府参考人 お答え申し上げます。
公文書管理法第一条において、行政文書等の適正な管理を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする旨規定されております。
○宮本(岳)委員 続けて、情報公開法を所管する総務省に聞きますけれども、情報公開法は第一条で法の目的をどのように定めておりますか。
○河合政府参考人 お答えいたします。
情報公開法第一条におきまして規定されておりますとおり、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的といたしております。
○宮本(岳)委員 どちらの法律も、第一条、今読まれたその直前に「国民主権の理念にのっとり、」という文言が掲げられるとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにするために、公文書をきちんと管理し、情報公開によって国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的としているわけであります。
公にすることにより、率直な意見の交換又は意思決定の中立性等が不当に損なわれるおそれがあるなどといって公開しなくてよいのなら、これら情報公開法制は有名無実となります。
そもそも、内部の検討に関するものであっても、公開されてきた公文書は幾つもあります。しかも、何もかも全て公開せよと言っているのではないんですね。被害が続いており、実体が変わっていない中で、なぜ名称変更が行われたのか。これこそ、中立性が不当に損なわれた事態ではないか。それを明らかにするために必要な文書だと申し上げているわけですね。
委員長、私は、この二〇一五年の名称変更に関わって、名称変更申請時の文化庁と統一協会との面談記録、下村大臣に対して名称変更の申請受理及び名称決定した説明をした際の説明資料について、当委員会への提出を改めて求めたいと思いますが、お取り計らいをお願い申し上げます。
○田野瀬委員長 ただいまの件につきましては、理事会での協議をさせていただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 都倉俊一文化庁長官と統一協会との関係について、私は、一九八四年十一月十日に、統一協会の政治組織である国際勝共連合が開いた集会に都倉氏が参加し、挨拶した事実を明らかにいたしました。また、一九八四年九月から十二月にかけて計十三回にわたって、国際勝共連合の機関紙である思想新聞にコラムを寄稿していることも明らかにいたしました。
都倉氏と統一協会との関係は、これだけにとどまるものではありません。
資料二を見ていただきたい。この映画のDVDのパッケージをつけておきました。一九八七年、都倉氏は、「暗号名(コードネーム) 黒猫(ブラックキャット)を追え!」という映画で音楽を担当いたしました。赤線傍線部に、音楽、都倉俊一の名前がはっきり出ております。
この映画のDVDの出版元は、スパイ防止法制定促進国民会議であります。これは、一九七九年二月に国際勝共連合や自民党の議員などにより設立された団体であります。
都倉長官は、当初、四十年前のことで記憶が定かではないという弁明を繰り返しておられましたが、今ではそれも通らなくなりました。なるほど、この映画が作られたのは一九八七年。四十年近く前ではありますけれども、このような特異な映画は当然のことながら一般の映画館ではほとんど上映されず、今ではこういうDVDの形で販売しているわけであります。
この映画をDVD化したのが二〇〇八年。そのとき、都倉俊一氏は、週刊新潮二〇〇八年六月二十六日号の「マイ・フレーズ」という連載で、再びこの映画について書いておりました。
この本は、その連載をまとめて二〇〇八年十一月三十日に発行された「あの時、マイソング ユアソング」という本でありますけれども、同じ文書を、「幻の映画音楽 「暗号名 黒猫を追え!」」を資料三の一におつけをいたしました。
資料三の二を見ていただくと、二〇〇八年の文書であることが分かります。二〇〇八年といえば、今から十五年前のことです。四十年前のことで長官自身の記憶が定かでないとおっしゃいますが、十五年前には、その四十年前のことを克明に覚えておられたことが分かります。
四十年前のことで長官自身、記憶がないと言うのはもう通らないと思うんですが、これは、もうそういうお答えは撤回されていると理解していいんですね。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
文化庁長官に確認をいたしましたところ、映画の制作については、文化庁長官に就任するはるか以前の四十年前のことでございまして、具体的にどのようなやり取りをしたのか、その詳細なやり取りについての記録も残っていないため、お答えを差し控えさせていただきたいということでございました。
○宮本(岳)委員 そうおっしゃるんですが、資料三の一を見ていただきたいんです。この映画制作には当時国会において議論されていた通称スパイ防止法案を推進していた議員団、支援団体の後押しがあり、八五年に一度廃案になったこの法案を復活させようという政治的背景があったようであるとあります。そして、その支持組織からも、この映画の制作に援助があったらしい、そういう意味では制作費は潤沢で、ふだんは隅っこに追いやられている音楽制作予算もいつもよりも多く、私も驚いたほどであると述べて、音楽制作の対価を受け取ったことがうかがえます。
十分覚えているじゃありませんか。そして、この支援団体というのは、国際勝共連合、つまり統一協会のことではありませんか。
○合田政府参考人 文化庁長官に確認いたしましたところ、御指摘の映画の音楽を担当したのは、団体からではなく、プロデューサーや監督との御縁で請け負ったものとのことでございました。
いずれにいたしましても、文化庁長官は、約四十年前の映画音楽の担当以外、国際勝共連合とは関係を持っておらず、そもそも統一教会とは当初から関係はないということでございました。
○宮本(岳)委員 同じことの繰り返しが続くんですけれども、このDVDを作ったスパイ防止法制定促進国民会議という団体は、事実上、国際勝共連合と一体の組織であります。私は、このDVDを堂々とスパイ防止法制定促進国民会議に申し込んで、私の衆議院議員会館の住所に送っていただきました。二千円で買いましたけれどもね。
そのときに向こうが送ってきたスパイ防止法制定促進国民会議の住所というものは、実は国際勝共連合と全く同一住所でありまして、いやいや、同じフロアでも別室なんじゃないかと、ちょっと調べていただきましたが、ワンフロアのビルの一室でありますから、別に区切るということはできない。全く同じ住所であります。すなわち、国際勝共連合が看板だけ替えているのが、このスパイ防止法制定促進国民会議というものであります。
そして、この国際勝共連合こそ、統一協会と表裏一体。自民党の調査で、先ほど政務三役がずらずらと関係を持ちましたかと言われて、関連団体とこういうことがありましたというときに報告しなければならないのは、統一協会だけではなく、国際勝共連合は自民党の調査でも関連団体に入っているはずです。関係を持てば、再び関係は一切持ちませんという対象団体ですよね。
この支援団体が勝共連合、統一協会であるならば、今まさに問題になっている霊感商法など、被害者から巻き上げた潤沢な資金でこの映画が作られ、その音楽を担当して対価を受け取ったことになりかねないわけです。
本来は被害者に返還すべき、今、百億円がどうとかという議論をやっていますけれども、その分をまさにこのときに音楽の対価として受け取っていたとすれば、重大な問題であり、古い話とか個人的な話では済みませんね。
大臣、統一協会と表裏一体の国際勝共連合、さらに、それと一体のスパイ防止法制定促進国民会議と深い関係を持って、映画制作では音楽を担当して、いつもより多い音楽制作予算を受け取ったとおっしゃる都倉俊一文化庁長官は、個人的な活動などでは済まないと私は思いますが、説明させるべきではありませんか。
○合田政府参考人 改めて申し上げますが、文化庁長官に確認いたしましたところ、先ほど来申し上げているように、映画の制作については四十年前のことでございまして、先ほど金銭のことがございましたけれども、作曲家としての都倉俊一氏との間の金銭のやり取りを含め、詳細なやり取りについての記録も残っていないため、お答えは差し控えさせていただきたいということでございました。
○盛山国務大臣 今、文化庁の方から答弁したとおりでございますが、その上で、都倉長官につきましては、我が国を代表する作曲家として、文化芸術に関する優れた知識経験や日本音楽著作権協会等における高い組織マネジメント能力、豊富な国際経験等を有していることを踏まえ、文化庁長官に就任していただいております。
就任後、文化財の保存、活用の促進に向けた取組や博物館法の改正、文化芸術施設等における官民連携の推進などの諸課題に取り組んで成果を上げていただいておりますので、引き続き、文化庁長官としてリーダーシップを発揮し、我が国の文化行政の総合的な推進に尽力されることを期待しております。
○宮本(岳)委員 いや、私も、都倉さんについて今大臣がおっしゃったようなことを、その功績、作曲家としてのこれまでの功績を否定するつもりは毛頭ないんです。
ただ、このことに関しては、それとこれとは話が別であって、古いことなので忘れたとか、よく分からない、今となっては分からないでは済まない問題がここにあるんじゃないですかと。もしもこれが、統一協会や勝共連合の資金が潤沢に入っていたということであれば、そのお仕事をしたということが今日の立場との間で矛盾することになる。ですから、自らお調べになって、分からないではなくて、ちゃんと御説明いただく必要があるということを申し上げているわけですよね。
文化庁で文化行政を所管する長官が、日本がスパイ天国で、日本国内で外国の工作員たちが様々な工作活動を行っている、つまり、文化活動を通じて不当な影響力を行使しているというような認識で文化庁長官が務まるかといえば、私は、務まらないと思います。
これは、長官自身はどう受け止めておられるんですか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
文化庁長官に確認いたしましたところ、今、宮本委員より、スパイ活動に含まれる文化活動を通じて不当な影響力を行使するという文化工作についてのお尋ねにつきましては、文化庁長官として、そのような行為の存在や具体的な内容を把握できる立場にはないため、現在、そのような活動が行われているかどうかについては承知をしていないということでございました。
その上で、一般論で申し上げると、文化芸術基本法の前文にございますとおり、文化芸術は、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものであると認識しており、文化庁長官としても、このような基本的な考え方に基づき、文化芸術に関する施策を推進してまいりたいとのことでございました。
○宮本(岳)委員 資料を見ていただいたら分かるように、私が言っているんじゃないです、これ自身が「「スパイ天国」と言われる日本社会」と言っているから、私、指摘しているんですよ。
文化庁長官が文化芸術基本法の前文の立場を守ることは当然のことであります。文化活動を通じて不当な影響力を行使する活動の存在や具体的な内容等を把握できる立場になく、承知していないと言うのであれば、スパイの暗躍やスパイ防止法の必要性を力説する根拠もないはずであります。
都倉長官が言う文化芸術基本法の前文の立場と、日本はスパイ天国で外国の工作員たちが文化活動を通じて不当な影響力を行使しているというような、国際勝共連合の特異な立場とが決して両立することはないということを申し上げて、私の質問を終わります。