岡山・吉備中央町PFOA汚染
国は調査し企業責任問え
衆院予算委 宮本岳志氏要求
日本共産党の宮本岳志議員は8日の衆院予算委員会で、岡山県吉備中央町で水道水や住民の血液から有害な有機フッ素化合物PFOAが高濃度で検出された問題をとりあげ、汚染源とされる使用済みの活性炭がどこから来たのか国の責任で調査するよう求めました。(関連記事)
同町の浄水場で2020~22年度に1リットルあたり800~1400ナノグラム(ナノグラムは10億分の1グラム)と、国の暫定目標値の16~28倍のPFOAが検出。水道水を飲んだ住民は1000人に上るとされます。
宮本氏は、岡山県の調査によると汚染源は浄水場の上流にある「満栄工業株式会社」の資材置き場で山積みにされていたフレコンバッグに入った使用済み活性炭だと指摘。活性炭から1リットルあたり455万ナノグラム、土壌から75万ナノグラムの汚染が確認されたとして、「基準値の9・1万倍、1・5万倍であり、放置するわけにはいかない」と迫りました。
また、「県任せで済む問題ではない。汚染された水道水を知らずに飲まされ続けた事件だ」と強調。住民への血液調査の結果、1ミリリットルあたり100ナノグラムを超えるPFOAが検出され、米国アカデミーでがんなどのリスクが高まるとされる指標の5倍に上ると指摘し、「とんでもない結果だ。高濃度に汚染された活性炭はどこから来たか承知しているか」とただしました。伊藤信太郎環境相は「県から出どころは不明だと聞いている」と述べました。
宮本氏は、化学事業大手ダイキン工業が1950年代からPFOAの開発に着手し、生産を続けていた代表的な企業で、2004年に活性炭を使ったPFOA除去設備を設置し、17年に活性炭によるPFOA処理技術の特許を取得したと指摘。「国の責任で、満栄工業とダイキン工業に説明責任を果たさせるべきではないか」とただしました。伊藤環境相が「まずは地方自治体による原因究明が重要だ」と消極的な姿勢を示したのに対し、宮本氏は「国の責任で徹底的に原因究明し、企業に責任をとらせることが必要だ」と求めました。
住民より企業利益か
PFOA規制 宮本岳志氏が追及
衆院予算委
日本共産党の宮本岳志議員は8日の衆院予算委員会で、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFASの一種、PFOAを大量排出し深刻な汚染を引き起こしたとされる化学事業大手ダイキン工業に対し、国・自治体が企業利益を守り、住民の健康を後回しにしてきた実態を追及しました。
大阪府摂津市にある同社工場隣接地の農業用井戸水から暫定基準値の440倍のPFOAが検出されています。宮本氏は、大阪府の開示資料を示し、府がダイキンに行ったヒアリングで、工場からのPFOA排出量を「府に報告(ただし、企業秘密として公表はしない)」としていると告発。「行政が大企業の利益を守っているのか」と批判しました。
宮本氏は、PFOAの製造・販売が禁止される「第一種特定化学物質」への指定(2021年10月)が予定よりも1年先送りされた経緯について府開示資料を提示。指定期日変更が報告される20年1月16日の審議会開催の3週間も前の19年12月24日に、経済産業省が指定期日先送りの連絡をダイキン側にしていた事実が記されているとし「こういうやり方が適正な行政なのか」とただしました。斎藤健経産相は「あくまでスケジュールだけお伝えした」と強弁しました。
宮本氏は、ダイキンから自民党政治資金団体への献金は17年間で合計8400万円に上ると指摘。「こういうお金の関係が大企業の規制に手心を加えた結果になっているのではないか」と強調し、企業・団体献金は禁止すべきだと主張しました。
(しんぶん赤旗 2024年2月9日)
動画 https://youtu.be/jlCxq1xWaWs?si=nFcBnEbhjgO-qhVs
配付資料 20240208予算委員会配付資料
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
各地で水の高濃度汚染が問題になっている有機フッ素化合物、PFOAについてお尋ねをいたします。
事前に伊藤大臣に「ダーク・ウォーターズ」という映画を御覧になっていただきたいとお願いをしておりました。大臣は、御自身も映画監督でございますし、超党派映画議員連盟で御一緒もさせていただいております。
映画「ダーク・ウォーターズ」は、一九九八年、アメリカ・ウェストバージニア州の農場が、大手化学メーカー、デュポン社が出したPFOAという化学物質によって土地が汚されて、百九十頭もの牛が病死した、こういう事件を題材にしたものであります。主人公の弁護士であるロバート・ビロットの調査によって、デュポン社が発がん性のある有害物質の危険性を四十年間も隠蔽して、その物質を大気中に又は土壌に垂れ流し続けてきたという疑いが判明し、七万人の住民を原告団とする集団訴訟で追い詰め、この闘いによって、デュポンからの金で七万人の血液検査を行って、そして健康調査もやられて、その結果、二〇一二年には、PFOAと妊娠高血圧症や精巣がん、腎細胞がん、甲状腺疾患や潰瘍性大腸炎など六つの症状との関連性が確認をされたわけですね。
大臣は、まず、この映画に描かれたこれらの歴史的事実を御存じでございますね。
○伊藤国務大臣 お答え申し上げます。
映画は拝見いたしました。この映画は、ドキュメンタリーではありませんけれども、実際に起きた事件をモデルとして、脚本家が本を書いた劇映画だと思います。
今委員御説明のとおり、環境中に排出したPFAS、これに関わって訴訟を提起した主人公、弁護士、これを主人公とする、ある意味で数十年にわたるいろいろな展開、これが描かれた映画だと思います。
ここは映画評論の場所ではないので、映画そのものに対する私のコメントは差し控えたいと思いますけれども、非常に興味深い作品だと思います。
○宮本(岳)委員 ところが、昨年十月、岡山県吉備中央町で、驚くべき濃度のPFOAが水道水から検出されました。吉備中央町の円城浄水場からの水道水には、二〇二〇年度から二二年度までの何と三年間にわたって、一リットル中に八百ナノグラムから千四百ナノグラムというような極めて高濃度のPFOAが検出されておりました。ちなみに、ナノグラムとは十億分の一グラムのことであります。政府が定めた水道水の暫定基準値は五十ナノグラム・パー・リットルですから、その十六倍から二十八倍もの値となります。
PFOAという化学物質は、代表的なものは、焦げつかないフライパンのフッ素コーティングやあるいは撥水スプレーなどに使われてまいりました。しかし、吉備中央町には、PFOAを作る工場もない、フライパン工場もありません。早速、私は、岡山県吉備中央町の現場に行って調査をしてまいりました。
配付資料一を見ていただきたい。
岡山県が私に提出した「公共用水域等の調査地点及び結果(その一)」という資料であります。
赤い丸で囲ってある河平ダムが水道の水源だった場所ですけれども、上流に遡って調査をすると、その二と書かれた緑色の枠の中、西側沢F1が最も高濃度でありました。
その二を大きくしたものが資料二であります。
西側沢F1と書かれた赤丸で示した地点の湧き水から、六万二千ナノグラム・パー・リットルという恐るべき濃度のPFOAが検出されました。
さらに、岡山県が汚染源を調査したところ、奥吉備街道と書かれた広域農道沿いの資材置場、ここは満栄工業という活性炭の製造や処理を行う会社の資材置場でありますけれども、そこにはフレコンバッグに入れられた使用済活性炭が山積みにされておりました。
この使用済活性炭を調べたところ、資料四を見てください、二十七という番号が割り振られた採取地点の活性炭から、実に四百五十五万ナノグラム・パー・リットルという桁外れのPFOAが検出されました。
今では活性炭は撤去されて倉庫で管理されているということですけれども、撤去後の表層土壌五センチを取って調べたところ、七十五万ナノグラム・パー・リットル、暫定基準値の一万五千倍のPFOAが検出されております。
大臣、基準値の九万一千倍とか一万五千倍とか、こんなことがあってよいのか、大臣の所感をお伺いしたい。
○伊藤国務大臣 基準値を大幅に上回るPFOAが検出されたことは大変遺憾だと思います。
○宮本(岳)委員 それはもう当然大変なことなんですけれどもね。これをこのまま放置するわけにいきませんね。
このことを見たときに、岡山県任せで済むような問題ではないんです。
この吉備中央町のPFOA汚染は、五百二十二世帯、一千人もの住民が国の暫定基準値の二十倍もの水道水を、分かっているだけで三年間、知らずに飲んできた。岡山県は私に、このフレコンバッグ、活性炭、十五年ほど前からこの資材置場に置かれてきた、こう語りましたから、そうならば、十年以上にわたって国の暫定基準値の二十倍もの水道水を知らずに飲まされ続けてきたという大事件です。
その結果、この水道水を飲んできた住民二十七人の血液検査を行ったところ、百ナノグラム・パー・ミリリットル、血液ですから今度はミリリットルですけれども、これを超える血中濃度の方が確認されております。この百ナノグラム・パー・ミリリットルという血中濃度は、米国アカデミーが定めた二十ナノグラム・パー・ミリリットルの実に五倍。
大臣、この結果は極めて重大で、とんでもないことが起こっているという認識はお持ちですか、環境大臣。
○伊藤国務大臣 今るる御説明で数字もお伺いしたところでございますけれども、現時点では、国際的に見ても、PFASの血中濃度と健康影響の関係を評価するための科学的知見は十分ではないというふうに承知しております。
そのため、環境省では、全国十万組の親子の協力を得て実施しているエコチル調査等を通じて、引き続き科学的知見の収集に努めてまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 そんなことを言っている場合じゃないんですよ。アメリカのアカデミアが既に定めている基準、その五倍という数が出ているわけですよね。
では、この高濃度に汚染された活性炭、汚染源ですけれども、岡山県もこの活性炭が原因であろうとおっしゃっているわけですけれども、これは一体どこから来たものなのか、環境省はつかんでおられますか。
○伊藤国務大臣 御指摘のように、昨年十月、吉備中央町の円城浄水場で暫定目標値を超えるPFOS、PFOAが令和二年度から検出されたことが吉備中央町から発表されております。
これを受けて岡山県が調査を行ったところ、円城浄水場の水道の水源である河平ダムの上流の河川から暫定目標値を超えたPFOS、PFOAが検出されたほか、ダムの上流域にある資材置場の土壌や置かれていた活性炭からPFOS及びPFOAが検出されたと承知されております。
御指摘の活性炭については、岡山県からはその出どころは不明だと聞いております。
環境省としては、引き続き、岡山県と連携しながら、情報の収集を努めてまいりたいと思います。
○宮本(岳)委員 当然、不明で済みませんよね。しっかりとこれは突き止める必要があると思うんですけれども。
そもそも、PFOAは、先ほどの映画に描かれたデュポンが生産をしてまいりました。日本ではダイキン工業などが生産をしてまいりました。
ここに持ってきたこの本は、ダイキン工業自身が二〇一五年に出版した、「拓く」と題された、ダイキン工業九十年史であります。
ここにはこう書いてあります。ダイキンは、一九五一年十月に、デュポンが開発した名刺大のフッ素樹脂を入手するや、三か月後には弗素化学研究委員会を設置、直ちにPFOAの開発に着手、そして一九五九年には、デュポン社のテフロンに全く遜色のない、世界最高の分子量を持つポリフロンM11の開発を見たと、自画自賛しているわけでありますけれども。
経済産業大臣に来ていただいております。
日本でPFOAを生産してきた企業は何社ですか。また、そのシェアはどういう比率になっておりますか、齋藤大臣。
○齋藤(健)国務大臣 PFOAは、二〇二一年に第一種特定化学物質として指定される以前には化審法上の一般化学物質に位置づけられておりまして、製造、輸入を行う場合には、同法に基づく製造・輸入数量の届出が義務づけられております。
その届出によれば、この届出制度が導入された二〇一〇年度以降最も届出が多かった同年におきまして、四社から製造、輸入の届出が行われたものと承知をしています。
○宮本(岳)委員 その四社、お名前、出ますか。
○齋藤(健)国務大臣 化審法の届出により把握している化学物質の製造・輸入業者名及び生産シェアにつきましては、事業者の競争上の地位を損なうおそれがあるため、公表はしておりません。
○宮本(岳)委員 そうなんです、公表していないんですね。
このPFOAという物質は、お話があったように、ストックホルム条約では附属書A、つまり廃絶と定められております。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法、こちらでも、分解せず、高い蓄積性があり、かつ人に対して長期的な毒性があるとして、第一種特定化学物質に指定をされて、製造も駄目、輸入も駄目、使用も禁止された化学物質になっております。環境中に放出されてはならない、管理が必要な化学物質ですね。
そういいながら、どこにどれだけあったのか公表もしないというのがあなた方の立場なんですね。でも、自ら明らかにしている、今のダイキンは作っていたことを明らかにしております。旭硝子、AGC、三井・ケマーズフロロプロダクツ、この三社は自ら作ってきたということを明らかにしているんですけれども、なぜこれを明らかにせずに、この後、管理できるのかということが問われてくると思うんですよ。
資料五を見ていただきたい。
産経新聞二〇〇七年五月二十二日付でありますけれども、京都大学大学院医学研究科の小泉昭夫教授らのグループが、二〇〇七年当時、既に、PFOA、京阪神で水質汚染と指摘をしておりました。
資料六は、私が情報公開請求により大阪府から入手したものでありますけれども、先ほどの産経報道の一か月後、二〇〇七年六月二十二日午前十時から十二時に、大阪府の担当者が摂津市のダイキン工業淀川製作所内で、ダイキン工業の化学事業部研究開発技師長らからヒアリングを行ったペーパーであります。
この資料六によると、ダイキンは、二〇〇四年にPFOA排出処理のために活性炭吸着塔二基を設置し、PFOA除去率は九五%以上と語り、破過、つまりそれ以上吸着しなくなることですけれども、そうなれば、活性炭メーカーが引き取って再生してくれると書いてあります。
既にダイキン工業は二〇〇〇年頃から、含フッ素界面活性剤の回収方法、すなわちPFOAの除去法の特許取得を目指して、活性炭吸着法を研究をしてまいりました。そして、ダイキン工業は、二〇一三年、東京都江東区のオルガノ株式会社と共同で、有機フッ素界面活性剤含有排水の処理方法および処理装置という特許を出願をし、二〇一五年には特許を取得しております。内容は、有機フッ素界面活性剤含有排水をリン酸のカルシウム塩と接触させ、接触された接触処理水を活性炭で処理するというものであります。
特許庁に確認しますけれども、公開特許公報で特開二〇一五―五八三九八と言われる、発明の名称、有機フッ素界面活性剤含有排水の処理方法および処理装置は二〇一五年三月三十日に公開されておりますね、特許庁。
○清水政府参考人 お答え申し上げます。
議員御認識のとおり、御指摘の発明については、ダイキン工業株式会社及びオルガノ株式会社により二〇一三年九月に特許出願され、二〇一五年三月に公開公報が発行されました。その後、二〇一六年六月に審査請求がなされまして、その後に審査を行い、二〇一七年十一月に特許として登録をされてございます。
○宮本(岳)委員 確認されました。
このように見てくると、吉備中央町のフレコンバッグに入った四百五十万ナノグラム・パー・リットルという国の基準の九万一千倍ものPFOAを吸着させた活性炭が一体どこで発生したのか、どこから運ばれたのか、一定の類推はできます。しかし、確かに証拠はありません。これは国の責任で調べる必要があると思うんですね、これがどこから来たのか。
私は、これを保管していた満栄工業株式会社やダイキン工業に説明責任を果たさせる必要があると思いますが、環境大臣、そう思いませんか。
○伊藤国務大臣 この吉備中央町におけるPFOS、PFOAの検出事案については、地元地方公共団体において原因究明の取組が進められているところと承知しております。
環境省としては、まずはこのような地元自治体による原因究明の取組が重要だと考えてございますが、引き続き、連携して情報を収集するとともに、必要に応じて技術的助言などを行ってまいりたいと思います。
○宮本(岳)委員 大臣、映画と一緒ですよ。今度はあなたが先頭に立って、国がこの原因究明を行って、その原因企業に責任を取らせ、原状回復させ、結果に責任を取らせるために頑張らなければならないと思うんですね。
大阪府摂津市にあるダイキン工業淀川工場の周辺地域も、この間、深刻なPFOA汚染が報告されております。私も現場を見てきました。摂津市のダイキン隣接地の畑の農業用井戸からは、暫定基準値の四百四十倍、二万二千ナノグラム・パー・リットルというPFOAが検出をされ、摂津市に隣接する大阪市内でも、四十倍、二千ナノグラム・パー・リットルを超えるような濃度が報告をされております。
また、この地域でも血液検査が市民団体によって行われておりますけれども、現在、百三十余りのサンプルで、既に百三十ナノグラム・パー・ミリリットル、米国アカデミーの基準の六倍以上という結果が報告されております。
ダイキン工業淀川工場のある摂津市の森山一正市長が、昨日、環境省を訪れ、環境管理課長と面会されたということも聞いております。
摂津市議会は、PFOA等についての健康基準を速やかに定めるとともに健康影響調査及び疫学調査を求める意見書というのを全会一致で採択をしておりまして、やはり、敷地内の地下水のPFOA調査を行って公表する、この必要があると思うんですけれども、環境大臣の御所見を聞きたいと思います。
○伊藤国務大臣 お答え申し上げます。
御指摘のように、昨日、摂津市長が環境省を訪問され、担当者が面会したところでございます。
環境省からは、二つの専門家会議において、PFASに対する総合的な戦略、PFOS、PFOAに係る水環境等の目標値等の取扱い等について検討していること、それから、これまでに専門家会議で取りまとめられた今後の対応の方向性及びPFOS、PFOAに関するQアンドA集について説明したと承知しております。担当者が説明した環境省の取組について、引き続きしっかり進めてほしいと御要望もいただいたとも聞いております。
摂津市長とも今後も綿密に協議して、この問題の解決のために環境省も努力したいと思います。
○宮本(岳)委員 もっと国が乗り出して、責任を持ってやる必要があると思うんですね。
ダイキン工業は、我が党を始め自民、公明、大阪維新なども含む超党派の摂津市議団がダイキンに責任を持って汚染を除去するよう求めたのに対して、PFOAによる健康被害が発生する状況とは認識していませんので、現時点では対応する考えはありませんなどと回答いたしました。それどころか、敷地内のPFOA濃度の公表さえ企業秘密、こういうことで拒否しております。
資料七を見ていただきたい。資料六と同じ大阪府の開示資料です。
二〇〇七年十一月二十七日の、PFOA削減の取組に関するヒアリング結果という文書。下線部一を見ると、排出量を府に報告としつつ、ただし、企業秘密として公表はしないとなっています。下線部二、共産党大阪府議会議員団の視察では、受け入れることは了承しつつ、ただし、視察時に府の同席を希望するとあり、御丁寧にも録音についてはお断りしたいとあります。
つまり、大臣、これは、ダイキンの企業秘密という言い分に従って、住民の命と健康のために企業を規制するのではなくて、住民から企業の利益を守ってやってきたということではありませんか。結局、大阪府などの行政も、国の環境行政も、大企業の利益を守ってやっているだけ、こう言われても仕方がないと思いますが、違いますか、大臣。
○伊藤国務大臣 PFOS及びPFOAについては、環境省としては、関係省庁と連携しつつ、製造、輸入等の原則禁止、安全側に立った水環境の暫定目標値の設定、自治体と連携した環境モニタリング、暫定目標値を超えた場合の暴露防止に関する助言などの対応を進め、安全、安心の確保に努めてきたところでございます。
また、今御説明申し上げましたが、二つの専門家会議を設置し、PFOS等に関する総合的な戦略等や、PFOS、PFOAに係る水環境の目標値等の取扱いについて、最新の科学的な知見等を踏まえて御議論をいただいているところでございます。
昨年七月、専門家会議において、PFASに関する今後の対応の方向性が取りまとめられ、環境省としては、これを踏まえて、国民の安全、安心のための取組を更に進めているところでございます。
このように、PFOS及びPFOAについては必要な取組を進めておりまして、特定の企業の利益を守るために環境行政が遅れたという御指摘は当たらないと認識してございます。
○宮本(岳)委員 そうは言えないんですね。時間が参りましたからまとめて聞きますけれども、同じような資料をその後にも紹介しております。資料八でありますけれども。
この資料八、二〇一九年十二月二十五日の神崎川水域PFOA対策連絡会議第十八回の議事録です。化審法に基づいて第一種特定化学物質にPFOAが指定される前夜のものですね。
第一種に指定されれば製造販売が禁止されることに触れて、昨日、経済産業省から連絡があり、諸般の理由で半年以上延びることや、令和二年十月以降の規制となる見込み、一月十六日の審議会でスケジュールの引き直しがある、こう述べております。
このときに実際そういうことがやられたのかと調べてみたら、明確に、この翌年の一月十六日の審議会で、延期されることが、スケジュールの変更が報告をされております。
私どもが一番重大だと思うのは、審議会を開く前にですよ、一月十六日の、これは十二月二十五日、しかも昨日と言っていますから、十二月二十四日に経産省から電話を入れて、延びることになりましたよ、御安心くださいと語ったということがこの文書から分かるんですね。
齋藤大臣、これは本当に適切な、まともな行政だと言えるんですか。
○齋藤(健)国務大臣 まず、御安心くださいなんということは言っていないということであります。
それから、化審法に基づく規制の実施については、環境省、厚労省、経産省の三省合同の審議会にお諮りして意見を伺った上で行う、こういうたてつけになっています。
委員御指摘のダイキンの発言があった二〇一九年十二月は、PFOAの第一種特定化学物質への指定について、審議会の意見を踏まえてパブリックコメントが終わった時期に当たります。パブリックコメントの実施に至る過程においては、事業者とやり取りがあることは当然であります。
特に、ダイキンが経産省から伝えられたと発言している規制見直しのスケジュールについては、パブリックコメントの結果を踏まえまして、実は、必要不可欠な用途を検討せざるを得ないことになりまして、必然的に生じた、あくまでもスケジュールの遅れについての事実関係でありまして、スケジュール自身については審議会にお諮りした上で決定する事項ではありません。
そのため、審議会への報告の前に事業者に伝達したことが不適切だったとは考えていません。あくまでもスケジュールだけお伝えをしたということであります。
○宮本(岳)委員 そう言い逃れをしますけれども、実際には前もってダイキンにそのスケジュールが伝わっているわけですよね。
なぜそういうことがあるのか。最後の資料を紹介だけしておきますけれども、資料九につけましたが、ダイキンから自民党の政治資金団体、国民政治協会への献金額、二〇〇六年から二〇二二年までの足かけ十七年間で合計八千四百万円ですよ。二〇〇八年以降は、定期会費のように、年二回、五百二十万円を献金しております。結局、こういうお金の関係が大企業のそういう規制についても手心を加えてやった結果になっているのではないか、国民がそう疑っても仕方がありません。
この際、企業・団体献金はきっぱりと禁止するということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。