災害救援 人員拡充を
能登半島地震 宮本岳志議員が要望
衆院総務委
日本共産党の宮本岳志議員は15日の衆院総務委員会で、能登半島地震の災害派遣にあたる消防局職員などについて、派遣側にも困難な状況が生じているとして、人員体制の拡充を求めました。さらに、被災地の公立病院で看護師らの退職希望が続出している問題をあげ、地域医療を維持するために支援を急ぐべきだと訴えました。
宮本氏は、大規模火災などにより地域の消防隊が被害を受けたことにふれ、当時の状況などを質問しました。総務省消防庁の担当者は、輪島市と珠洲市を所管する奥能登広域圏事務組合消防本部では、救助工作車1台が出動不能になるなどの被害を受けたとし、「今回の災害は、地元消防本部の消防力を大きく超える災害だった」と説明しました。
宮本氏は、応援派遣がなければ救助活動が成り立たなかったと強調した一方で、「自身の町で大規模災害が発生したら対応できないという不安がある」と指摘。消防庁の担当者が「予備車両の活用や職員の週休の時期調整など消防力が低下しないよう工夫している」と述べたことに対し、「派遣職員にしわ寄せがいっている。日頃からギリギリではない体制とすることが今後の教訓だ」とただしました。
また、市立輪島病院など四つの公立病院で合計約70人の看護師が退職する見通しと報じられた問題をあげ、「公立病院の機能を維持するために、どのように支援するかが問われている」と指摘。松本総務相は「厚労省や全国自治体病院協議会などとも連携し、医療従事者の確保など適切に対応していきたい」と述べました。
(しんぶん赤旗 2024年2月16日)
動画 https://youtu.be/gNVIAxov8SY?si=maSlS-32WLJBtQwV
配付資料 20240215総務委員会配付資料
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
先日お伺いした総務大臣の所信について聞きたいと思います。
一月一日に発生した能登半島大地震で貴い命を落とされた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。同時に、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
大臣は、先日の所信の冒頭で、小森卓郎総務大臣政務官が裏金問題で辞任したことについて、総務大臣として厳粛に受け止めていると述べるとともに、事実を正確に確認しての申出だったと説明いたしましたけれども、どのような事実だったのか、御説明いただけますか。
○松本国務大臣 清和政策研究会パーティーに関する政治資金に関して、小森前政務官が代表を務める自民党支部において、当該団体からの令和四年分の寄附七十万円の受入れの不記載が確認をされたというふうに聞いております。
不記載の確認をして、一月三十一日に、清和政策研究会による収支報告書の訂正に合わせ、小森前政務官が代表を務める支部でも収支報告書を訂正されたとのことでございます。
私が申し上げたのは、このような清和政策研究会との間での事実の確認を正確にしたことで、収支報告書を訂正するとともに、政務官の職を辞することを判断され申出をいただいたものというふうに理解しております。
○宮本(岳)委員 この間、自民党も裏金問題での調査をやってきました。公表もされております。だが、その調査は極めて不十分で、金額は出るんですけれども、そもそも何に使ったのかということについては全く明らかになっていないんですね。政治資金報告を訂正して役職を辞任しても、それで済むというような問題ではありません。
そして、この問題は一派閥一議員の問題ではなく、自民党が政党としてなぜこんなにも裏金が膨れ上がっているのか、これを説明する責任が自民党にあると思うんですよ。
そして、政治資金パーティーをめぐっては、松本大臣自身、姫路駅前のホテルの四百名が最大収容の宴会場を会場に一千人近いパーティー券を販売した疑惑をめぐって、二〇二二年の十一月にも何度も大臣と私の間にやり取りがありました。覚えておられると思います。
資料一を見ていただきたい。あなたの政治団体である松本たけあき後援会の令和四年、二〇二二年分の収支報告書であります。総務省が令和五年十一月二十四日に公表した分ですね。政治資金パーティー開催事業費による収入が、七回にわたって、合計四千二百二十四万円報告されております。
一方、この収支報告書を見ますと、政治資金パーティー開催事業費に仕分けられている支出は七百十二万円余りでありますから、利益率は八三%を超えているわけです。大臣、こういう金の集め方は脱法的だといまだに思われませんか。
○松本国務大臣 政治資金規正法における政治資金パーティーに係る規定は、平成四年に、当時の与野党間の議論を受けて、政治資金パーティー開催の適正化等を目的として議員立法によって設けられたものであるというふうに承知いたしております。
私の政治団体におきましては、政治資金規正法の規定にのっとってパーティーを開催し、収支を報告させていただいているというふうに申し上げたいと思います。
○宮本(岳)委員 いや、だから、政治資金規正法を所管する大臣がそういう認識だから駄目なんですよ。私は、はっきり申し上げて、資質が問われると思いますよ。
あなたは、昨年の十二月二十五日、クリスマスの夜に東京市谷のホテルで開かれた大塚拓衆議院議員の政治資金パーティー、大塚拓君を励ます会に出席してスピーチをされましたね。
○松本国務大臣 大塚拓議員とはこれまでも党における政策策定などの活動で共に活動したことがありましたので、御案内をいただいた時点で私は現在の立場ではございませんでしたけれども、出席をする予定としておりまして、同地において、短い時間でありますが、政策策定を共にしたようなことなどを少し御紹介させていただくお話をさせていただいたかと思っております。
○宮本(岳)委員 十二月の二十五日というのは、十二月の十九日に自民党安倍派がパーティー収入をめぐる裏金事件で東京地検特捜部の家宅捜索を受けてから一週間たっていないんですよ。
そもそも、昨年十二月の六日には岸田首相が、政策集団のパーティーは党として信頼回復に向けての取組を明らかにするまでは開催を自粛、年末年始の派閥の行事についても自粛、こう打ち出しているんですね。党全体として一致結束して対応しなければならない大変重要な重たい課題であることを指摘し、思いを共有して取り組んでいくことを指示した、こう十二月の六日に岸田総理が述べたんですよ。
松本大臣は、総務大臣たるあなたは、大変重要な重たい課題であるとさえ思わない、一致結束する気もない、こういうことですか。
○松本国務大臣 重たい課題だと認識し、一致結束し、法に従って、しっかりと政治資金については対応してまいります。
○宮本(岳)委員 いやいや、十二月六日に岸田総理がおっしゃったことは、政策集団のパーティーは党として信頼回復に向ける取組を明らかにするまでは開催を自粛する、年末年始の派閥の行事についても自粛する、こう言っているときにあなたはそこに出てスピーチも行った。なるほど、東京新聞の取材に対して友達ですからと述べて、それ以外は一切何も申しませんと言って去っていったと。ただ、参加者からは、こんな御時世にパーティーとはちょっとどうかしているんじゃないかという声が報道では出ております。
私は、総務大臣、政治資金規正法を所管するあなたは人一倍、このパーティー、政治資金パーティーですね、単なるパーティーはいろいろな形で会費を集めて世間でもやるんですけれども、政治資金パーティーというのは普通のパーティーじゃないんですよ、政治資金を集めるために特別に政治資金収支報告にそういうふうに明記して行うパーティー、こういうものは、私は、企業・団体献金のいわば一つの抜け穴になっている、こういうものはやはり駄目だなという認識を持たなきゃならないと思うんですね。
この裏金問題から何の教訓も学べないようなら、総務大臣を務める資格はありません。形を変えた企業・団体献金である政治資金パーティー自体をきっぱりと禁止するとともに、企業、団体からの献金そのものを禁止する、これが、私は、この問題を本当に断ち切るというんだったら大事なことだと思います。
では、能登半島地震の対応について聞きます。
被災自治体の職員は、自らも被災しながら、困難な中、職務に当たっておられます。総務省は被災自治体のニーズに応えながら支援チームの派遣を行っているとのことでありますけれども、職員の困難な状況もつかみながら一層の支援派遣に対応していくべき、こう考えますけれども、どのように支援に取り組むつもりなのか、これは自治行政局公務員部長、お答えいただけますか。
○小池政府参考人 自治体職員の応援派遣については、災害マネジメントを支援する総括支援チームに迅速に現地に入っていただくとともに、これまで、現地のニーズを伺いながら、現在は千二百名程度の応援職員に避難所運営や罹災証明書の交付に向けた住家被害認定調査などの業務を支援していただいています。
この人的支援においては、被災自治体からのニーズに応えるだけでなく、総括支援チームや総務省から被災市町に派遣している職員から、人的支援のニーズに加えて、断水や道路寸断が続き、自らも被災する中勤務する被災市町の職員の状況も聞き取りながら、被災市町内での応援職員の人員配置を工夫するなど、被災した職員の状況にも配慮した支援に努めているところでございます。
今後とも、引き続き支援に取り組んでまいります。
○宮本(岳)委員 本当に現場の職員の方々は頑張っていただいているんですけれども、同時に、緊急消防援助隊も応援に駆けつけております。まさに、先ほどからも議論があるように、発災直後からみんなが駆けつけて頑張っておられる。テレビでも、輪島市で活動している私の地元大阪市の消防局の職員の必死の活動が放送されておりまして、私も感動いたしました。
大規模災害で現地消防の損失もあったということでありますし、現地消防がどのような状況だったのかということについても少しお伺いをしたい。応援の救助活動はどのような規模だったのか、それぞれ、救助活動について、そして消防活動について、消防庁から御報告いただけますか。
○五味政府参考人 能登半島地震におきまして特に大きな被害を受けた輪島市、珠洲市等を管轄いたします奥能登広域圏事務組合消防本部におきましては、救助工作車一台が横転し出動不能になるなどの被害を受けたところでございます。
地元消防本部では、横転した救助工作車の代替として予備車で出動するなど、災害対応を継続していたところでございます。
いずれにいたしましても、今回の災害につきましては、地元消防本部の消防力を大きく超える災害であったために、緊急消防援助隊や県内応援隊による応援部隊の派遣によりまして、消防、救急、救助事案等への対応がなされてきたところでございます。
特に、緊急消防援助隊につきましては、消防庁長官の指示によりまして、発災当初から約二千名規模の緊急消防援助隊が出動し、その後も連日二千名を超える規模の人員が活動しました。
二月十四日までに二十一都府県から延べ約五万八千名を緊急消防援助隊員として派遣しています。
緊急消防援助隊の活動といたしましては、消火、警戒活動や、倒壊家屋からの救助、捜索活動、避難所からの救急搬送、ヘリによる孤立集落からの救助や物資搬送、病院や高齢者施設からの転院搬送など、被災地で求められる様々な活動に取り組みまして、昨日までに、県内応援隊等と合わせまして二百九十三名を救助、千五百四十九名を救急搬送しているところでございます。
○宮本(岳)委員 派遣がなければ救助活動が成り立たないという状況だと思います、これだけの規模であればね。しかし、送り出している側も、実は余裕を持って送り出している状況ではないとお聞きいたしました。災害こそ、いつ起こるか分かりませんからね。送り出している側も、援助隊として他地域に出かけている間に万一、自分の町で大規模災害が発生したらとても対応できない、こういう思いを持ちながら出かけているということなんだろうと思うんですね。
その点で、送り出している側の体制についてどういう無理や不安があるのか、消防庁、重ねて教えていただけますか。
○五味政府参考人 緊急消防援助隊を派遣した消防本部では、派遣人員を除いた人員で地元の消防業務に当たる必要がございます。
このため、消防庁といたしましては、緊急消防援助隊の派遣に当たりまして、各都道府県に出動可能隊数をあらかじめ確認し、その範囲内で出動の求めや指示を行っているほか、緊急消防援助隊の出動が長期にわたる場合は、各都道府県の消防力を踏まえまして、必要に応じて都道府県単位のローテーションを行うことで負担の平準化を図っております。
各消防本部におきましても、一時的に人員や車両が通常より少なくなりますが、車両については消防本部で所有する予備車両の活用、人員については職員の週休の時期調整などの工夫をすることで消防力が低下しないように取り組んでおります。
これらの取組により、地元消防力の維持確保と、被災地において必要とされる緊急消防援助隊の部隊規模の確保との両立を図っているところでございます。
○宮本(岳)委員 そうなんですよね、命懸けで頑張っていただいているんですけれどもね。それはもちろん大事なことですから、みんながそれに応えてやっていただいているんですが。
それで、今少し話があったように、週休の時期調整ということをやらざるを得ないと。二十四時間体制でそもそも消防本部というのは体制を取っていますね。一つの部隊をそっちへ送ると、どうしてもローテーションに無理が出る。そうすると、派遣が終わった後、休暇を固めて取るようなことになったりとかということになるという話をお伺いいたしました。
私はやはり、それでは本当に申し訳ないと。週休の時期調整といえども、派遣されている職員の方にある意味でしわ寄せが行くというのは申し訳ないことであって、そういう点では、日常的に今の体制がぎりぎりだと、それこそ送るとぎりぎりから割り込むわけですから、そうじゃなくてぎりぎりでない体制をやはり消防についても、その他の分野もそうだと思いますけれども、もっと日頃から置いておかないと、いざというときにどうしようもないということになってしまうので、ここは是非今後の教訓にする必要があると思いますね。
そこで、資料二を見ていただきたいんです。先ほども少し話題になっておりましたね。二月九日付読売の記事であります。「自身も被災 家もなく 看護師「辞めたい」続々」との見出しが躍っております。被災地にある市立輪島病院、珠洲市総合病院、公立穴水病院、宇出津総合病院の四つの公立病院で合計約七十人の看護師が退職する見通しだ、こういう記事であります。先ほどもそれが取り上げられておりました。地域の公立病院の機能が維持できるかどうかの大問題になっています。
そこで、基本的なことを聞くんです。被災地のこの四つの公立病院について、前回の能登半島地震があった平成十九年、つまり二〇〇七年のそれぞれの四つの病院の病床数と、直近のこの四つの病院の病床数、これをひとつ自治財政局長から答えていただけますか。
○大沢政府参考人 お答えいたします。
二〇二二年の奥能登地域にある四つの公立病院の許可病床数を二〇〇七年と比べますと、市立輪島病院は百九十九床で二〇〇七年と比べ増減なし、珠洲市総合病院は百六十三床で二〇〇七年と比べ三十六床の減少、公立穴水総合病院は百床で二〇〇七年と比べ七十七床の減少、公立宇出津総合病院は百床で二〇〇七年と比べ八十八床の減少となっております。
○宮本(岳)委員 そうなんですね、今、お辞めになる、辞めたいという声が出ている以前に、そもそもこの間、一貫してここは病床削減されてきたわけですよ。
今の答えを実は前もっていただいておりまして、資料三に表にしてつけておきました。前回の能登半島地震があった二〇〇七年には四病院合計で七百六十三床だったものが、二〇二二年には五百六十二床、率でいうと七三・六%にまで減らされてしまっております。
市立輪島病院は、病床数こそ前回も百九十九、今回も百九十九となっておりますけれども、実際は、読売の先ほどの記事にあるように、今、百七十五床でやられておりますから、実際に使われているベッドの数はそれでも減っているわけですよね。それが、七十人もの看護師さんがお辞めになれば、たちまち機能は更に縮小せざるを得ない。読売の記事の赤い数を足してもらえば、百三十五床から百四十五床ですから、今あるベッド数と比べても全然後退してしまう、こういうことです。公立病院を維持するためにはどのように支援するかということが問われていると思うんですけれどもね。
事が起こってから厚労省が、さっき言ったように、支援すると。それは当たり前のことなんですけれども、しかし、本当を言うと事が起こる前にそういうことがちゃんと支えられるような体制をきちっとつくっていく必要があると思うんですけれども、この点、総務大臣、こういう状況についてやはり対応する必要がある、こう思われませんか。
○松本国務大臣 御答弁申し上げる前に一点だけ補足をさせていただくと、委員が先ほど御指摘になられた昨年十二月の会は、総理がおっしゃっている、政治資金規正法で言うところのいわゆる政策研究団体の会ではないということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
その上で、看護師さんの退職等に対することについての、公立病院に対する危機感を持った対応をという御趣旨ではないかというふうに考えるところでございますが、まずは、この震災に当たり、奥能登地域の公立病院に対しては、全国の公立病院などから医師、看護師等を数多く派遣いただいておりまして、この場をかりて感謝申し上げたいと思います。今回の被災に当たっては、先ほどもお話ししましたが、厚労省や全国自治体病院協議会等とも連携して、医療従事者の確保など、適切に対応したいと思っております。
公立病院は職員の多くが被災され大変厳しい状況というのは、これも今御指摘があったかというふうに思っております。
先ほどの質疑でも、私も、是非各地域が安心で元気になれるようにという意味では、医療も大変重要な課題であろうというふうには認識しております。
公立病院は、僻地医療を始め、救急や周産期、災害対応など、地域における基幹的な公的医療機関として地域医療の確保のために重要な役割を担っておりまして、能登地域を始めとする被災地域の石川県内の病院について、総務省としては、厚生労働省や石川県などとも連携をしながら、各公立病院の設置主体である地元市町の御事情や御意向をしっかりとお聞きして、地域医療を確保する上で奥能登地域の公立病院が必要な機能を発揮できる経営基盤の確保に向けて支援を行いたいと考えているところでございます。
その上で、あらゆる面で、医療従事者に関しては民間との関係もあって、先ほど技術職員の議論でも同様でありましたが、大変厳しい状況にある中でしっかりと対応することが必要だという御意見をいただいたというふうに受け止めます。
○宮本(岳)委員 私も、じゃ、その前に一言申し上げざるを得ないんですが。
はしなくも大臣がおっしゃったとおりで、政策グループ、つまり派閥と俗に言われるものの解散をしようが、派閥のパーティーをやめようが、個人のパーティーは野放しですから、行っていいんだといって、今、あなたは行ったという話をされたわけですね。だから駄目なんですよ、そうやって幾らでも政治資金パーティーで金を集めることがまかり通っているから駄目なんじゃないですか。それを、これじゃまずいと考えなきゃならないのが政治資金規正法を所管するあなたの務めなんですよ。それを、何の問題もないんだ、派閥でなかったらいいだろうと言っているから駄目なんですよ。それは申し上げておきたい。
さて、それはそれとして、医療の問題は頑張らなきゃならないとおっしゃった、そのとおりだと思います。
次に是非私が取り上げたいのは、通信・放送の問題なんです。大臣もライフラインとおっしゃいましたね。非常時に通信が通じなければ、助かる命も助けられません。無事かどうか、家族との連絡も取り得ないわけですね。大臣は、通信事業者にどのような責務があると考えておられますか。
○松本国務大臣 委員からもお話がございましたが、今回の地震におきましても、私どもとしても、通信をライフラインであると位置づけて政府として取り組んだというふうに認識しております。
御承知のとおり、通信は様々な形がございますけれども、最終的に利用される皆さんにとっては無線でございますけれども、携帯電話通信網全体を維持するためには、光ファイバーであるとか基地局の電源であるとか、言うなればいろいろなものがリレーでつながっているわけで、どこかに支障が出るとしても通信に障害が出るということで、残念ながら今回の地震において様々な形の支障が発生をいたしましたが、そもそも非常用電源を準備していただいているなどの対応で対応できたもの、また、残念ながら基地局そのものが損壊したりしたようなところについては可搬型の基地局を活用していただくとか、今回は海から、いわば基地局を船で活用するなど、様々な方法で各事業者の皆さんも御尽力をいただいたところでございます。
既に公表させていただいているとおり、一月中旬に応急復旧は立入り困難な地点を除いておおむね終了いたしまして、現在は、本格復旧に向けて御尽力をいただき、私どもとしても連携を取って支援しているところでございます。実際に可搬型基地局を運ぶに当たっては、政府一丸となってという意味では、自衛隊の力などもかりたケースもあるというふうに聞いております。
総務省としては、こういった携帯電話事業者が、平時において市町村役場をカバーする基地局に長時間のバッテリーを備えること、重要な通信経路について多重化を行うことなどによって災害に強いネットワークを構築していただくことを期待しつつ、今申し上げましたけれども、発災後は移動基地局や可搬型の発電機、携帯電話サービスの早期復旧に取り組むことを期待しているところで、実際に通信事業者の皆さんに今回も様々御要望もさせていただきましたけれども、しっかりと対応していただけるように総務省もサポートしてまいりたいと思っております。
○宮本(岳)委員 大臣の所信で、ライフラインである通信に関して立入り困難地点を除き応急復旧がおおむね終了と。一月の中旬に電気通信事業者の方からそういう発表があったということですけれどもね。そういう意味でいえば、逆に言えば、立入り困難地域は依然としてライフラインである通信がやはり応急でも復旧していないという状況が残されている。
総合通信基盤局長でいいんですけれども、これは一体、輪島と聞いておりますが、どのような地域なのか、なぜこんなにも長い間、もう一か月半ですからね、通じていないのか、その要因について御説明いただけますか。
○今川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど松本大臣からも御紹介がございましたが、官民が連携して早期復旧を進めた結果、携帯電話事業者四社が一月十八日に、道路啓開がなされていない立入り困難地点を除き応急復旧がおおむね終了したと発表しております。
この立入り困難地点の一部は現在も携帯電話の利用に支障のあるエリアとなっておりまして、例えばNTTドコモの場合ですと、輪島市の北西部に位置する西二又町、上大沢町、大沢町などの一部が該当いたします。こうした支障エリアは、携帯電話事業者各社において、被災前のサービスエリアと比較しますと面積ベースで約一%から二%に相当するというものでございます。
これらの地域には、発災前、三百超の世帯の方々がお住まいでしたけれども、発災後、現在までの間に多くの方々は地域外に既に避難されておられるものと承知をしております。
ただし、こうした地域に残って生活を続けている方がおられる場合には、そういった方々の通信手段を確保するため、総務省として、自治体などを通じまして衛星携帯電話をお届けするなどの対応を取っているところでございます。
○宮本(岳)委員 それなんですよね、依然としてつながっていないところ。
今日は資料をつけました。資料四と五をつけておりますけれども、これは色がいろいろ違いますけれども、下側が現状なんですが。NTTドコモもKDDIもソフトバンクも楽天モバイルも、四社とも、この地域、輪島の、私は西保地域とざっくり聞いたんですが、ほぼ同じ場所ですね、だから、どこか一社が通じるという話ではないんです。駄目なところは全部駄目というふうになっている、この地域は。しかも、ほとんど住んでいないという説明を聞かされるともっと不安になるんです。もうそんな地域には住まなきゃいいじゃないかと言っているみたいでね。そんなばかな話はないのであって。やはりユニバーサルサービスとして、電話をちゃんとライフラインとして確保するというのは当然の責務だと思いますから、しっかりやる必要があると思うんですが。
これもちょっと大臣に、こういう問題の要因を検証して、通信事業者がどのように改善していくのか検討すべきだと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○松本国務大臣 通信がライフラインであると私どもも認識をしている以上は、やはり復旧に全力を挙げるべきだというふうには考えているところでございます。
今回の地震におきまして、立入り困難地点を除きという言い方になりましたように、全ての地域の移動手段等を確保するにはかなり時間がかかったりしている事情もあるということから、先ほど、衛星携帯電話の貸出しなど、できることで対応をまずしていくことということで対応させていただいておりますが、最終的には全面的な復旧を目指している中で、どのように速やかに復旧をしていくことができるかという意味では、事業者の状況も聞きながら、総務省としてできることはやってまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 やはり電源が失われたというのが一番の原因だと聞いているんです。同じように地上波放送も電源が失われて、例えば直後にはNHKの地上波も届かないという状況があった、そこはすぐに切り替えてBSで届けたりということでやっていただいて、今はNHKの方は戻ったんだというふうに報告を受けました。
ただ、放送の方も戻ったというんですけれども、さっきちょっと吉川さんがお話しされましたかね、ここの地域はケーブルテレビでNHKをみんなが見ているというところでありまして、ケーブルテレビの視聴障害というのは激しい状況であります。
実はこれも資料をつけておきました。資料六なんですけれども、輪島市がやっているんです、ここのケーブルテレビは。輪島市のホームページにケーブルテレビの視聴障害と。線を引いているところを見てもらったら分かるように、復旧まで相当な時間がかかると見込まれますと書いていますから、そう並大抵では戻らないと輪島市自身が言っているわけですね。だから、難視聴対策でケーブルテレビでNHKを見ていたという人にとったら、ケーブルテレビの復旧までは見られないという状況が続いていると言わざるを得ないのであって、こうなってくると、どうやって地上波のNHKの放送を届けていくかということも大事なテーマになってくると思うんですけれども。
大臣、放送による情報が依然として届かないところが残されていることについてはどのように受け止めておられますか。
○松本国務大臣 委員からもお話がございましたが、私も常々、ネット等を含めて情報空間が非常に拡大してくる中で、信頼できる情報を提供する放送の役割は大変重要であって、放送が届くようにということで、今回の地震の対応に当たっても、先ほどは通信の話をさせていただきましたが、放送につきましても、様々、政府内の協力も得つつ、また、事業者の皆さんにも本当に使命感を持って取り組んでいただくことで、かなり復旧を速やかに進めていただいたとは思っております。
委員御指摘のとおり、ケーブルテレビでいわば難視聴などで対応している地域については、今回の震災によりまして、土砂崩れによる電柱の倒壊やケーブル網の断線などによって放送が受信できない状況になっておるところでございますが、この被災地域は、能登半島地域の地形の特性にもよりまして、ケーブルテレビの普及率が大変高い地域でございまして、所信でも申し上げましたように、ケーブルの復旧への対応として、人材、財政の両面から充実した支援を行ってまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 電波が届かない地域が輪島というのは多くて、市民の四割がケーブルテレビで放送を受信しているという話ですから、なかなか深刻な問題なんですよ。
ただ、今日はこれで時間が来ましたので、これ以上時間をオーバーすることは避けて終わりたいと思うんですけれども、これは実は輪島市が直接やっているケーブルテレビなんです。つまり、輪島市の職員がこのケーブルテレビをやっているんですけれども、これは一体何人でやっているか、そしてその職員の方々は専任なのか兼任なのか、これを次の質疑で、そこから始めたいと思いますので、どうぞ政府におかれましては調べておいていただいて、引き続きこの問題を皆さんと議論していきたいと思います。
以上で今日は終わります。