高等教育無償化を
宮本岳志議員 世界の常識だ
衆院文科委
日本共産党の宮本岳志議員は4月19日の衆院文部科学委員会で、学校教育法改定に関し、国際人権規約が定める高等教育の漸進的無償化に真剣に取り組むよう迫りました。
改定案は一定の要件を備えた専門学校に専攻科を置くことができるようにするもの。宮本氏は専攻科に通う学生も修学支援新制度の対象になると認めさせた上で、東京都専修学校各種学校協会の調査によれば、専門学校の初年度の学費納付額は平均で128万円だとして、「国際人権規約の精神に立ち、国公私問わず、専門学校の学生を含め、全ての学生の学費を無償化するのか」とただしました。
盛山正仁文科相は「高等教育費の負担軽減を着実に進めていきたい」と答えました。
宮本氏は、有利子が多い日本の奨学金の無利子転換に必要な費用を質問。文科省の池田貴城高等教育局長は約217億円だと答弁しました。宮本氏は「毎年の政党助成金315億円をきっぱりやめれば直ちに無利子転換できる」と訴えました。
宮本氏がデンマークの制度についてただすと、国立国会図書館のローラー・ミカ専門調査員は「デンマークとEU(欧州連合)の学生の授業料は無償」「月収約38万7千円を超えない学生は、1人暮らしの場合月額約13万8千円、学生同士の世帯で子どもを養育している場合は月額約5万9千円の追加給付がある」「90%の学生が給付型奨学金を受給する」など、手厚い給付奨学金があることを明らかにしました。
宮本氏は「漸進的無償化は世界の常識だ」として、実現に取り組むよう迫りました。
(しんぶん赤旗 2024年5月31日)
動画 https://youtu.be/yamNgHWviOk?si=wei2rp_imP4PyRQ7
配付資料 20240419文科委員会配付資料
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
まず確認いたしますけれども、本法案では、入学資格、名称、称号、単位制については、専修学校設置基準や大臣告示などによって既に規定されているものを法的に整備するものであり、新たに創設されるのは専攻科の規定に限られる、こう思いますが、これはそれでよろしいですね。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法改正によりまして、専門学校の高等教育機関としての位置づけの明確化を図るという観点から、入学資格につきまして、現在の規定から、大学と同様のものにするということがございます。そのほかの改正内容につきましては、現在告示で定めているものを明確に法律に位置づけるというものでございます。
また、今回、高等教育機関としての位置づけを明確化するという観点から、生徒の呼称を、専門学生、学生に変えるという改正もございます。
専攻科につきましては、法律に位置づけるのは、これは初めてのものでございます。
○宮本(岳)委員 例えば、現在、助産師養成課程に入学するためには、看護師養成課程三年を修了した後に、助産師養成課程、別の専門課程に入り直す必要があります。特定専門課程を置く専門学校に専攻科を置くことができるようになれば、既に資格取得した人が途切れなく新たな資格取得に向けた学び直し、学びの継続がしやすくなります。
現行制度では、例えば看護師養成課程を修了し、別の専門課程である助産師養成課程に入り直す場合、修学支援新制度を受けることはできますか。
○望月政府参考人 今の御質問に関しては、なりません。
○宮本(岳)委員 そういうことなんですね。修学支援新制度は、二校目の専門学校については対象にならないために、現状、修学支援新制度の対象にはなりません。
今回の法改定がされれば、専門学校専攻科について、修学支援新制度を含むことになるんですね。
○望月政府参考人 今般の法改正によりまして新たに設置が可能となる専攻科につきましては、大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める要件を満たす場合には、高等教育の修学支援新制度の対象となり、今後、その詳細を、基準を定める予定でございます。
○宮本(岳)委員 これは、専門学生の学びに資するものであり、賛成できるものだと考えております。
さて、この間、私もこの分野の専門家からお話を伺ったり、先日は当委員会で専門学校に視察にも伺いました。私が話を伺った専門家の方は、本法案は専門学校の社会的地位の向上に寄与するものだと評価する一方で、優先順位が違うのではないかという指摘をされておりました。外形面よりも、条件整備、経済支援こそ学生や教職員にとって重要ではないかという指摘であります。
それで聞くんですけれども、専門学校の教員の方々の研究体制、教員養成、施設整備など、どのような支援を行うつもりでございましょうか。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
専門学校に対しましては、所轄庁が都道府県でございますので、文部科学省で直接の経常費補助は出してございませんけれども、都道府県が補助しているものに対して普通交付税措置、そして、質の高い、企業と密接に連携した職業実践専門課程につきましては、その上乗せ補助、都道府県の上乗せ補助に関しましての特別交付税を令和四年度から文科省として新設いたしまして措置をして、それが今、都道府県の方に働きかけ、拡大をしている状況でございます。
○宮本(岳)委員 しっかりとやってくださいね。
次に、学費の問題です。
二〇一二年九月、当時民主党政権でありましたが、国際人権規約A規約十三条の2(b)、(c)の留保が撤回されました。高等教育については(c)項ですけれども、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。」とされております。
三月十三日の質疑で高等教育局長は、「漸進的に無償化に向けて取組をしていくというふうに理解しております。」と答弁されました。漸進的に無償化する、この中には、当然専門学校の学生も含まれているわけですね。
○望月政府参考人 宮本先生から御紹介がございました国際人権規約A規約第十三条の2、高等教育の無償化に関することでございます。
この高等教育についての定義が規約の中で定められているわけではなく、その具体的内容は各締約国に委ねられていると認識してございます。
文部科学省では、高等教育の修学支援新制度におきまして、専門学校も高等教育機関の一つとしての支援を実施してきたところでございます。引き続き、専門学生の教育費の負担軽減に取り組んでまいります。
○宮本(岳)委員 含まれるのは当然です。専門学校の在学者数は五十八万千五百二十二人、専門学校は大学に次ぐ高校卒業者の進学先となっております。修学支援新制度について、今回専攻科についても対象にしていくということでありますけれども、専門学校は既に対象となっております。
二〇二二年度の専門学校の新制度採択実績とその割合を答えていただけますか。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
専門学校の在学者数に占める高等教育の修学支援新制度の利用者でございますけれども、令和四年度実績で七万四千八百八十六名、全専門学校生五十八万一千五百二十二名に占める割合は約一二・九%でございます。
○宮本(岳)委員 これは、機関要件の確認割合を見ますと、大学、短大が九八・一%、高専は一〇〇%なんですけれども、専門学校は七八・五%と、他校種に比べ低い割合となっております。
なぜ他校種に比べ専門学校は機関要件の確認割合が低くなっているのか、御答弁いただけますか。
○望月政府参考人 高等教育の修学支援新制度におきましては、大学等における修学の支援に関する法律に基づきまして、教育要件と経営要件といった一定の機関要件を満たすことの確認を受けた学校を対象機関とすることとしてございます。
確認を受けた専門学校の割合は、委員御指摘のとおり、令和五年八月時点で専門学校七八・五%となってございます。
確認を受けた専門学校の割合が大学等と比べて低い要因につきまして、団体からの意見聴取や状況調査を踏まえますと、その主たる要因は、経営面における機関要件を満たすことが困難であるといったことと考えられます。
○宮本(岳)委員 経営上の要件を満たしていないのは学生の責任ではありません。にもかかわらず、進学した専門学校が新制度の対象となっていなければ学生は支援を受けられないということになります。
日本学生支援機構の調査によれば、私立専門学校の学生生活費のうち、授業料、学校納付金、教材費など、修学費の平均額は幾らになっておりますか。これは高等局長でしょうか、違いますか。
○望月政府参考人 今の御質問は専門学校についてでよろしゅうございますか。(宮本(岳)委員「はい」と呼ぶ)はい。
独立行政法人日本学生支援機構による専門学校生の生活調査の令和四年度の結果、三月に公表したばかりのものでございますが、私立専門学校生が一年間に学校に納める授業料等の平均額につきましては、授業料が七十九万二千五百円、その他の学校納付金が十八万七千九百円の合計九十八万四百円となっているところでございます。
○宮本(岳)委員 ただいま御紹介いただいた専門学校生生活調査結果によりますと、おっしゃったとおり、授業料七十九万二千五百円、施設整備費など学校納付金が十八万七千九百円、教材、実習材料など修学費が九万一千四百円、合計で百七万千八百円となっております。初年度はこれに入学金十五万から十六万円がかかるということから、およそ百二十万円ということになろうかと思います。
資料一を見ていただきたい。これは東京都専修学校各種学校協会が公開している納付額平均でありますけれども、百二十八万円、こうなっておりますから、下線部ですね、ほぼJASSOの調査と合致をいたします。
先日視察に伺った専門学校では、例えば、はり、きゅう、マッサージの学科で三年通い、道具などの経費を含めれば、六百万円を大きく超えるとおっしゃっておりました。さらに、鍼灸マッサージ教員になるために教員養成課程に進学すると更に二年間で三百万円、合計では一千万円を超えるという話でございました。
そこで、大臣にまず基本的な点を確認するんですが、前回の質疑で、目指すところは同じだと答弁されました。国際人権規約の精神に立つならば、同じ山頂を目指しているというその山頂は、国公私問わず、専門学校の学生を含め、全ての学生の学費を無償化する、これがたどり着くべき山頂だということに違いはないと思いますが、よろしいですね。
○盛山国務大臣 前回、宮本先生とのやり取りで、目指すところは同じで、山へ登るルートの違いはあるかもしれませんが、登っていきたいという話をしました。
もう少し詳しく御説明させていただきますと、高等教育費の負担軽減につきましては、令和二年度から、低所得世帯を対象に授業料等の減免と給付型奨学金の支給を併せて行う高等教育の修学支援新制度を実施し、非課税世帯の学生に対する高等教育の無償化と、それに準ずる世帯にも一定の支援を行ってまいりました。さらに、この令和六年度からは、この給付型奨学金等について多子世帯及び理工農系の中間層への拡大等を行うとともに、令和七年度からは、子供三人以上を扶養している場合に、国が定めた一定の額まで大学等の授業料、入学料を無償とすることとしております。
この高等教育の修学支援新制度は、現在も専門学校はその制度の対象となっておりますが、今般の法改正で新たに設置が可能となる専攻科についても、大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める要件を満たす場合には制度の対象とし、今後詳細な基準を定める予定であります。
我々といたしましては、このような取組を通じて高等教育費の負担軽減を着実に進めていきたいと考えております。
○宮本(岳)委員 るる述べられましたが、終着点は全ての学生が無償になるということだと思います。
そこで、「すべての者」という国際人権規約の解釈でありますけれども、今日は外務省に来ていただいております。
国際人権規約A規約十三条における「すべての者」には外国人も含まれるということでよろしいですか。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
社会権規約第二条2は、この規約の締約国は、この規約に規定する権利が人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又はその他の地位によるいかなる差別もなしに行使されることを保障することを約束すると規定しております。
したがって、社会権規約第十三条における「すべての者」は御指摘の外国人を含むと解されます。
○宮本(岳)委員 国民的出身によるいかなる差別もなしに行使されることを保障することを約束している、これは外国人も含むんですね。
ところが、文部科学省は今何をしようとしているか、何をしているか。
資料二に、読売、四月二日付の記事をつけておきました。「留学生授業料「値上げ可能」」という見出しでありまして、省令を変えて、これは既に変えて、外国人留学生の授業料の上限を撤廃したわけですよね。
これは、外務省が答弁した、「すべての者」、すなわち外国人も含む高等教育の漸進的無償化に逆行することになりませんか。高等局長、大臣、どちらでもいいです。
○盛山国務大臣 私でよければ私から答弁させていただきます。
今般の省令改正は、国立大学法人が、大学において外国人留学生の受入れのための環境の整備など特に必要がある場合には、標準額にかかわらず外国人留学生の授業料等を設定できるようにするものであり、外国人留学生の授業料を上げることを主眼としたものではありません。
また、外国人留学生に対しては、これまでも国費外国人留学生制度等による経済的支援を行っているほか、令和五年度からは外国人留学生の戦略的な受入れ、定着のための新たな制度を開始しております。
文部科学省としては、引き続き留学生に対する支援の充実に努めることとしており、今回の省令改正をもって社会権規約に一概に反するとは言えないと考えております。
なお、社会権規約では、高等教育の漸進的無償化を図るということにつきましては、先ほど局長から御答弁したところでございますが、具体的にどのような方法を取るかということについては加盟国に委ねられているというふうに承知をしております。
○宮本(岳)委員 上げることを主眼としたものではないという御答弁でありますけれども、では、高等局長、これは上げることはしない、こういうことでいいんですか。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
今回の省令改正は、留学生に対する教育の充実を目指したものでございますので、授業料としては、これまでのとおり標準額の決まりに従わずとも設定できるようになりますけれども、その結果、留学生に対する教育の質が上がるということ、これを期待して、大学の判断でできるようにしたものでございます。
○宮本(岳)委員 留学生の教育を、手厚い支援をする、充実させる、重要であります。だから授業料を上げるということには全くなりませんね。もしもそういうことで上限を撤廃するならば、国際人権規約の精神に反することになりかねない。学費の値上げなどではなく、運営費交付金の増額や私学助成の拡充など、基盤的経費を拡充して対応すべきだと申し上げておきたいと思います。
この提言、つまり、留学生の授業料の上限撤廃というこの提言は、昨年四月の教育未来創造会議の第二次提言、未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ、ここで書かれたということでよろしいですか。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
教育未来創造会議の提言も踏まえて今回の省令改正に至ったものでございます。
○宮本(岳)委員 資料三に、この教育未来創造会議の第四回会議に提出された、東北大学総長大野英男氏の資料をおつけをしておきました。ここに何と書いてあるか。教育の正当な対価として外国人留学生の授業料を別途設定できるようにすべきとありますね。
東工大や千葉大など、今、自国学生の教育内容、環境の向上を理由に学費を値上げするという大学は、これは国内の学生向けも値上げされている大学が、大学で決めて、生まれてきております。仮にその場合でも、一二〇%という枠の中の話なんですね。ところが、今回の留学生についてはその枠さえなくて、事実上、際限なく上げられる。上げるつもりは余りないとおっしゃったけれども、上げようと思えば上げられる。
これは、大臣は、登る道は様々でも頂上は同じだとおっしゃったけれども、そして、前回、私は、山に登るためには上を向いて上がることが大事で、海に潜ることがあってはならないと言いましたけれども、残念ながら、登るどころか海に潜る話になっていないですか。いかがですか。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
漸進的無償化を目指すという趣旨でございますので、先日も御答弁したとおり、修学支援新制度の充実なども含め、令和六年度、七年度からそれぞれ充実をさせたり、一方で、この授業料の省令改正なども含めて、トータルとして大学の教育研究が高まるように、かつ、できるだけ意欲ある学生の負担が軽減されるように、私どもとしても努力しているところでございます。
○宮本(岳)委員 残念ながら、そうなっていないんですね。
例えば、京滋地区私立大学教職員組合がこのほど行ったアンケートがこの前公表されました。やはり学費負担が学生たちに重くのしかかっている。自宅外の学生は、仕送り額を含めると総額二百九十四万五千百七十二円となって、親の年収平均八百七万何がしの三六・五%の重い負担となっている。奨学金の申請予定は四七・三%となって、卒業後に多額の奨学金を返済しなければならない状況を考え、借入れを控える傾向が続いていると書いておりまして、給付型奨学金を充実させてほしいなどの記述が寄せられたというふうになっておりまして、奨学金の返済を心配して借りられないというのは、これは杞憂ではありません。それには根拠がございます。
資料四につけておりますけれども、これは文科省の提出資料ですね。三か月滞納すれば、毎年三万人がブラックリストに載せられております。九か月滞納で、毎年五千人以上に一括返還請求を求めてきました。学ぶために借りたにもかかわらず、返済が滞ったらここまで追い詰められる、だから借りたくても怖くて借りられないという現状があるんですね。
ただでさえ給付にすべきものを貸し付けている、しかも利子がつくということで、有利子の方が現状まだ多いんですね。私は、直ちに無利子奨学金に転換するぐらいはすぐにやらないかぬと思うんですけれども、無利子転換するのに一体幾ら利子補給すればよいのか、これも一応、額をきちっと答弁しておいていただきたい。文科省、お願いします。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
有利子奨学金の利息収入は、日本学生支援機構の令和四年度決算におきまして、約二百十七億円でございます。無利子化を仮に行うとしたら、この規模を毎年度国費で負担する必要がございます。
○宮本(岳)委員 いつも申し上げるんですけれども、毎年毎年の政党助成金というのは三百十五億を超えているんですね。これをきっぱりやめれば、直ちに無利子転換、今では百億円のまだ残が残るというぐらいでありますから、学生のためにそれぐらいのことは当然だと私は思います。
高等教育の漸進的無償化は理想論ではありません。世界の常識であります。国立国会図書館の調査によれば、OECD諸国の多くは、授業料が低廉か、授業料は高くとも公的補助が充実している、こうなっておりまして、日本は非常に非常識な状況だ。
資料五につけましたけれども、これは、国立国会図書館が作成した「諸外国の大学授業料と奨学金」第二版のうち、デンマークのデータでございます。これは二〇一九年当時のデータでありますけれども、ここで、直近のデンマークの授業料及び奨学金の制度について、国立国会図書館に説明していただきたいと思います。
○ローラー国立国会図書館専門調査員 お答えいたします。
まず、授業料について、経済協力開発機構、OECDの調査によりますと、デンマークでは、高等教育を受けるほとんどの学生が国公立の機関に通っており、デンマークとEU等の学生の授業料は無償です。
次に、給付型奨学金についてです。
欧州委員会が各国横断的に実施した調査報告及びデンマーク政府の資料によりますと、デンマークの給付型奨学金は、月収が二千四百三ユーロ、日本円で約三十八万七千円を超えない学生が年齢の制限なく受給することができます。
二〇二二年の金額でありますが、親と同居の学生の場合には、親の収入に応じて月額で百三十四から三百七十一ユーロ、日本円で約二万二千円から六万円、独り暮らしの学生の場合には、月額八百六十ユーロ、約十三万八千円が給付されました。また、学生同士の世帯で子供を養育している場合には、月額約五万九千円の追加給付があります。
なお、学士課程の約九〇%の学生が給付型奨学金を受給しています。
以上でございます。
○宮本(岳)委員 時間が来ましたから終わりますけれども、九〇%の学生が給付型奨学金を受給している、そして、それぞれの学生に手厚い給付奨学金があると同時に、子供が生まれれば、子供の分も、五万数千円ですか、プラスをされるというお答えでございました。
漸進的無償化は理想論ではありません。世界の常識です。私たちの試算では、学費半額や入学金の廃止は毎年二兆円、奨学金の半額免除は一回限り五兆円あればできるんです。軍事費を五年間で四十三兆も使うことを思えば、政策判断の問題です。国際人権規約A規約十三条の2(b)、(c)の留保を撤回し、受け入れたというのであれば、少なくとも、山に登ること、海に潜ったりしないこと、その実現に真面目に取り組むことを強く求めて、私の質問を終わります。