151 – 参 – 総務委員会 – 9号 平成13年05月24日
平成十三年五月二十四日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
五月十七日
辞任 補欠選任
富樫 練三君 市田 忠義君
五月十八日
辞任 補欠選任
市田 忠義君 富樫 練三君
五月二十二日
辞任 補欠選任
八田ひろ子君 筆坂 秀世君
五月二十三日
辞任 補欠選任
筆坂 秀世君 八田ひろ子君
五月二十四日
辞任 補欠選任
山本 正和君 日下部禧代子君
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出席者は左のとおり。
委員長 溝手 顕正君
理 事
入澤 肇君
岩城 光英君
海老原義彦君
浅尾慶一郎君
宮本 岳志君
委 員
景山俊太郎君
鎌田 要人君
久世 公堯君
世耕 弘成君
関谷 勝嗣君
輿石 東君
高嶋 良充君
鶴岡 洋君
富樫 練三君
八田ひろ子君
山本 正和君
松岡滿壽男君
高橋 令則君
国務大臣
総務大臣 片山虎之助君
副大臣
総務副大臣 遠藤 和良君
総務副大臣 小坂 憲次君
事務局側
常任委員会専門
員 入内島 修君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官
兼行政改革推進
事務局行政委託
型公益法人等改
革推進室長 小山 裕君
総務省自治行政
局長 芳山 達郎君
総務省自治行政
局公務員部長 板倉 敏和君
総務省自治財政
局長 香山 充弘君
総務省自治税務
局長 石井 隆一君
総務省総合通信
基盤局長 金澤 薫君
総務省郵政企画
管理局長 松井 浩君
総務省郵政公社
統括官 野村 卓君
郵政事業庁長官 足立盛二郎君
財務省主計局次
長 津田 廣喜君
財務省理財局次
長 牧野 治郎君
厚生労働大臣官
房審議官 鈴木 直和君
農林水産省生産
局畜産部長 永村 武美君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
(公益法人の総点検に関する件)
(特殊法人改革と財投改革に関する件)
(横浜市の勝馬投票券発売税新設に関する件)
(地方交付税の見直しに関する件)
(郵政三事業の民営化に関する件)
(特定郵便局長に関する件)
(地方公務員の勤務時間に関する件)
(地方税財源の充実に関する件)
(市町村合併に関する件)
○電気通信役務利用放送法案(内閣提出)
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宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
小泉政権が発足をいたしました。きょうは郵政三事業の問題について改めて片山大臣と議論をしたいと思います。
宮本岳志君 去る三月二十二日の本委員会で、私は小泉純一郎氏の「郵政民営化論」というこの本の中身を紹介いたしました。資料一を見ていただきたいと思います。二百十一ページをつけておきました。こう言っております。
「選挙のとき、郵政省の約三十万人の職員はどの役所よりも選挙運動を一所懸命やってくれる。特定郵便局長は国家公務員ですが、それでもやっている。税務署職員が「この候補者を支援しなかったら調査に入るぞ」などと言って選挙運動をやったらきっと大問題になると思いますが、なぜか郵政省の職員だけはこれだけ選挙運動をやっても批判が起こらないんですね。」、「自民党に対しては特定郵便局長会というのが約二万くらいあって、これが票を集める。」、はっきり書いてあります。
私の質問に大臣は、どうぞお聞きになるなら小泉さんにお聞きくださいと、こう答弁されました。前回はあのような答弁も、見識がある答弁かどうかは別としてあり得ただろうと思います。しかし、今はその小泉さんはあなたの任命権者ですから、あなたは今ではよもや小泉総理がいいかげんなことを言ったり書いたりする人だとは言えないと思うんです。
改めて大臣にはっきりお答えいただきたい。小泉総理がこの本に書いてあるような事実はあるのかないのか、いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) 私は、小泉総理が総理になられる前にこういうことを言われたわけでございますので、それは小泉総理のお考えとして言われたことで、それはそれで尊重いたしますけれども、私は、この事実は確認したわけでも何でもございませんので、特にそれは詳しいことは私ではわからない、そういう意味で小泉総理にお聞きくださいと申し上げたわけでありまして、その考えは今も変わっておりません。私自身はこの事実をいささかも確認しておりません。
宮本岳志君 これは重大な問題なんですよ。郵政民営化について小泉さんの御意見、また大臣の御意見、さまざま意見に違いがある、それはそうでしょう。しかし、これは事実の問題なんですよ。事実こういうことがやられているとこの本に書いているんです。総理大臣になる前にやられていたものが総理大臣になったらやられていないということはないんですよ。事実は一つなんですよ。そして、小泉さんがこのことに改革の必要を論じているわけですから、これは当然閣内が一致しなければなりません。
改めて、この事実、あるかないかはっきりとお答えいただけますか。
国務大臣(片山虎之助君) それは今申し上げたように、私自身はここに書かれているような事実を確認しておりませんので、確認しておりませんから、正しいか正しくないか申し上げようがない。答弁は以上であります。
宮本岳志君 じゃ、ここに書いてあるようなことは間違いだと。間違ったことを書いていると大臣はお考えなんですね。いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) そんなことはいささかも申し上げていないんで、私自身が確認できないから正しいか正しくないかは申し上げられないと、こう言っているわけであります。
宮本岳志君 小泉総理は郵政三事業の改革というのを改革の目玉にされているわけです。私どもは郵政民営化には反対ですけれども、改革の必要性は小泉さん以上に感じております。そして、どこを改革すべきかといえば、まさにこういった実態がある、だから改革しなさい、やめなさいということを私たちは言ってきた。この事実問題をはっきりさせるというのは、まさにこの改革の前提問題だと思うんです。
それで、事実問題が最後まで事実がわかるわからぬという話で前へ進みませんから、じゃ、私が前回指摘した兵庫県の問題、近畿特定局長会の問題、調査しましたか、事実を。
国務大臣(片山虎之助君) 前回もお答えしたと思いますけれども、宮本委員も御記憶だと思いますけれども、特定郵便局長会というのは、これは御承知のように任意団体ですね。その活動内容について当方として調査する立場にもありませんし、またその権限もないというふうにお答え申し上げたと思います。
宮本岳志君 前回も指摘しましたけれども、国家公務員が選挙運動をぐるみでやっている、あるいは自民党の党員集めをやっているということを私、指摘したんです。これは違法だと。大臣もお認めになったじゃないですか。それでも調べる必要はないとおっしゃるんですか。
国務大臣(片山虎之助君) これも前回答弁しましたが、国家公務員が今、委員の言われるようなことをやるのは、それは公務員法違反ですよね。だから、そういう具体的な、この公務員についてこういう事実があるとすれば、それは御指摘賜れば調査をすることもやぶさかではありません。
宮本岳志君 少なくとも兵庫県の例、近畿の例を事実を挙げて御指摘したわけですから、私、調査するのは当然だと思うんですよ。農水省は、土地改良区の問題であのとき私、指摘しましたよ。調査するんですよ、農水省はと。なぜ総務省はできないのか。農水省はこの五月十六日に実態調査結果を公表していますよ。
それで、これだけ指摘をしても調査をやらないということになれば、それこそ予算委員会で議論になった機密費じゃないですけれども、小泉改革というのは一体何なのか、本当に改革するつもりがあるのかということが問われると思うんですが、どうですか。今後もこれは調査するつもりはないんですか、大臣。
国務大臣(片山虎之助君) だから、今私が申し上げたように、国家公務員の具体の個人についての御指摘があれば、それは調査するにやぶさかではありませんが、特定郵便局長会というのは任意団体なんですから、会がどうだとかこうだとか言われても、当方がそれについてどうこうする立場にないということを申し上げているわけであります。
宮本岳志君 じゃ、聞きましょう。
特定郵便局長会に国家公務員でない者が入っておりますか。
国務大臣(片山虎之助君) 私は局長会そのものは詳しくありませんが、ほとんどが国家公務員ではなかろうかとは思っております。
宮本岳志君 特定局長会は国家公務員ばかりでつくっておる、当たり前じゃないですか、そんなことは。そこまで事実の問題でお認めにならないというんでしたら、新たな事実を示して別の角度から議論をしたいと思います。
<任用試験も問題も明らかにできない>
宮本岳志君 事業庁長官にお伺いしたい。
特定局長の任用について、三月の議論で、足立長官は「決して情実にわたって採用するということはいたしておりません」と断言をいたしました。しかし、そのための面接試験や作文試験の実施については個別に口頭で受験者に伝えているというふうにお答えになっております。個々の局の欠員が生じた都度に、そしてその地域の信望が基準で、欠員が生じた局ごとに受験の対象者を選んで通知すると。そして、三月も指摘しましたけれども、近畿郵政局の例では、例えば筆記試験、作文試験の合格率は九割なんですよ。これは試験を実施する時点で合格者はほぼ決まっている、こういうことじゃないですか、長官。
政府参考人(足立盛二郎君) そのときにも御説明させていただきましたけれども、この特定郵便局長の任用につきましては、いわゆる競争試験ではない、しかし選考試験であると。しかし、選考試験であっても、やはり特定局長というものの職務の性格にかんがみまして、教養試験、作文試験、人物試験等を行っているわけであります。
そこで、具体的にもう少しお話しいたしますと、例えば部内者から登用する場合でありますが、部内者から登用する場合には人事ローテーションの一環という面もございますので、毎年職員の希望状況を聴取しております。また、本人の能力とか適性など、そういったことにつきましても広く情報を収集して選考を行っているわけでありまして、いわば試験といいますのは選考過程における最終的な関門といったことでありますので、合格率が高くなるというのはある意味で当然であると思います。
また、部外の方から採用する場合でありましても、日ごろからその地域におきまして適任と思われる者の情報収集を行っておりますので、その中からいわば試験をして選考しているわけであります。ですから、部内者ほどではありませんけれども、合格率はそれなりに高くなるという面があります。
ですから、合格率が高いということがすなわち何か厳正な選考をしていないということではなくて、いわば特定郵便局長といいますのは、その地域に長くいて、地域のために貢献するということが第一の職務でありますだけに、それにふさわしい選考方法を行っているというふうに御理解賜りたいと思います。
宮本岳志君 面接だけではないと、筆記試験や作文試験もやっているという答弁ですね。その中身は一体どういうものなのかということを私、皆さんにお知らせしたいと思うんですよ。
資料二、これは小泉純一郎氏が経営評論家の方と一緒に出した「郵政省解体論」という、この著書の六十一ページをつけてございます。「なぜ、国家公務員が世襲できるのか」と、こう論じまして、この前も私申し上げたような、特定局長任用規程、二つの基準、二十五歳以上、相当の学識才幹、こういうことが挙げられております。
六十二ページ、それではその相当の学識才幹をどうはかるのかというと、「なんと履歴書を毛筆の縦書きで書いて提出させるのである。この毛筆履歴書によって、最低限の読み書きの能力はわかるというのである。」と書かれてあります。これは本当に私も驚いたんですけれども、これは長官、事実ですか。
政府参考人(足立盛二郎君) 今、この本を初めて見ましたけれども、実際の特定郵便局長の選考に伴いまして行います試験といいますのは、一般教養試験、それからいわば適性能力を見る適性検査、それからいわゆる面接、そして将来その局務の管理者として能力があるかどうかといったことなどを総合的に見るための作文試験、そういったことをやっておりますので、履歴書を提出してどうと、何かこう、試験を終えるといったようなことは全くありません。
宮本岳志君 それなら、私、ひとつその近畿郵政局でいいですから、これまでやられた特定郵便局長任用選考での筆記試験問題、作文試験問題、これは問題でいいですよ。何もその答えとか点数とかそんなことは要らないわけですから、どのような問題が出題されたか、いつのでもいいです、ひとつ私に提出できますか。
政府参考人(足立盛二郎君) 試験問題を見せていただきたいということでありますけれども、前回も御説明しましたけれども、例えば近畿郵政局管内で申し上げますと、年に十五回、いわば特定局長の面接試験、教養試験等を行っているわけであります。これは、言ってみますと、その郵便局におきまして欠員が生じた都度適任者を選考するということでありまして、したがいまして、いわば試験問題等につきまして年十五回行うものを全く中身を全部変えるということではございません。ある内容を少しずつ変えて使っているわけでありまして、何か一時的とはいえその問題を対外的に明らかにするということはできませんので、御理解を賜りたいと思います。
宮本岳志君 試験問題を変えずに一部を変えてやっておられる。そんなの、じゃ前回受けた人に聞けば大体その試験はどういう出題をされるかわかるんですか。
政府参考人(足立盛二郎君) 一般教養試験問題、それから適性試験問題、それから作文につきまして課題を出しまして作文を書いてもらう、また面接につきましても面接試験官というものを指名いたしまして、面接調書というものを作成いたしまして、きちんと選考をやっておるところであります。
宮本岳志君 面接はその都度違うでしょう。しかし、試験問題は変わらなかったら試験にならないじゃないですか。出せないというのは大体おかしいですよ。
大臣、私、幾ら役所が否定しても、世襲公務員だということになっているというのはもう世間の常識ですよ。
宮本岳志君 資料三を見ていただきたいんです。これも先ほどの小泉総理の「郵政省解体論」の百九十二ページから百九十三ページをつけておきました。対談相手が「私には特定郵便局長が世襲できる国家公務員だというのが理解できない」、「この事実はおそらく国民の大部分は知らないと思いますね。」、知ったらまさか納得しないでしょうと、こう述べているのに対して、小泉さん、否定しないんですね、「そういう危機感があったから、政治に頼ったのかもしれませんね。自民党政権に協力して、そういう批判が出てこないように、」と。そして、その後続けて、特定局長になったらほとんどが自民党員になると小泉さんは言っておられます。
これも事実問題として、行政を進める上での中心問題ですよ。しかも、まさに閣内不一致と言われかねない問題です。
はっきり答えてほしいんですが、大臣は、こういう特定局長が事実上の世襲になっていると、この事実はお認めになりますか。
国務大臣(片山虎之助君) 今、足立郵政事業庁長官がるる委員の御質問にお答えしましたけれども、私は、教養試験、作文試験、人物試験等の能力実証を総合的に試験をやりまして、その評定の結果で任用している、こういうふうに思っております。
ただ、私も地元の特定郵便局長さんを見て、やっぱり地元で信望があって事に通じているというと、世襲をされる場合があってもそれは一つも構わないと、こういうふうに思いますよ。議員さんでもそうでしょう。やっぱりそういう意味で、私は世襲だから全くだめだと、こういうことはないんで、ちゃんとした手続、評定の上での世襲ならそれはあっても構わない、こう思っておりますけれども。
宮本岳志君 国家公務員の試験に通れば別に世襲であろうが何であろうがそれは構わないんですけれども、幾ら地域に長じて、たけていても、そういうやっぱり本来国家公務員として必要な水準というものがいいかげんでいいというふうにはならないと思うんです。
宮本岳志君 次に資料四に、私、逓信新報という業界紙の五月二十一日付をつけておきました。去る四月に開かれた特定郵便局長会、いわゆる全特の北海道地方会の総会が大きく報じられております。
その中で富居会長が、「これまでややもすると業務に精通した人材を局長に登用してきた傾向にあるが、今後は地域に根差した人材の後継者育成を図りたい」と述べております。業務に精通することより優先するような地域に根差した人材の育成というのは一体何のことか。また、北海道の郵政局ではそのような任用方針をとっているのか。事業庁長官、いかがですか。
政府参考人(足立盛二郎君) ちょっとこの新聞記事がどのような意味で言われたのか、私つまびらかにわかりませんが、やはり業務を遂行する、業務管理能力があるということがまず求められますし、一方で、その地域に密着したサービスを提供いたしますことから、やはり地域に信望のある人物を選ぶといいますか、そういうことが必要であり、またそういう人材を特定局長として育成するということでございます。
宮本岳志君 今紹介したのは北海道地区会の会長の富居氏の発言なんですよ。これはまた後でも指摘しますけれども、この総会の内容からして、地域に根差したとか社会的影響力の発揮と言っているのは、自民党への票集めを指していると私は思うんです。
大体、自分も特定郵便局長の立場のこの富居という人が、数百人を前にして局長の任用方針を語ること自体が実に普通でない事態ではないかと私は読みました。
改めて聞きますけれども、郵政事業庁は特定局長という国家公務員の任用方針を、任意団体であり、大臣が関知しないような特定局長会に決めさせているんですか。
政府参考人(足立盛二郎君) 特定局長の任用方針といいますのは、やはり任命権者がきちんと決めることであります。
ただ、この特定郵便局長会といいますのは、特定郵便局長たちが集まって、みずからの労働条件あるいは社会的な貢献、そういったことを議論しておる団体であるというふうに聞いておりますので、いわば自分たちの今後のそういった進むべき方向等について議論しているということであるならば、それはそれなりにそういうことなのかなという感じでございます。
宮本岳志君 資料五を見ていただきたいと思うんです。資料五に、特定郵便局長業務推進連絡会議、いわゆる特推連と全国特定郵便局長会、いわゆる全特の役員名簿をつけておきました。これは二つの団体全く一致をしている。全く一体だということは一目瞭然だと思います。この名簿にはちゃんと富居さんがおられます。
私がこの間、特定局長問題を取り上げていることを知って、さまざまな内部告発が私のところへ寄せられております。ある特定局の中心的な職員によりますと、選挙が近づくと特推連の会議が目に見えてふえる。議題は理事会報告とか防犯とかになっているが、職員には会議の内容が報告されない。選挙の話をしているとしか思えないなどという声が届いてくるわけですね。
そこで、先ほどの資料四の逓信新報をもう一度見てほしいんです。この北海道総会では総合政策というものが分科会の共通テーマになっております。
事業庁、この総合政策というのは何ですか。
政府参考人(足立盛二郎君) 私、よく承知しておりません。
宮本岳志君 この場には、私、多分北海道の郵政局長も郵政監察局長も総合通信局長もそろって出ていたと思いますが、事実ですね。
政府参考人(足立盛二郎君) 先生からそのようなお尋ねが事前にありましたので、北海道郵政局、監察局、通信局に確認いたしましたところ、四月二十八日の土曜日、総会があって出席をしたということでございます。
宮本岳志君 郵政局長も監察局長も、また総合通信局長も出た会でこういう議論がされた。この総合政策というのはどういうものか、私、指摘をしたい。
これは、中をずっと読んでいきますと、今しなければ次回にやり直しはきかないようなものだそうであります。竹内全特副会長、今度の会長予定者ですけれども、「風の吹き方が問題だが、国民生活と郵政事業、それに自分たちの生活を守り切れるかの取り組みになる」と述べています。結論部分、「会員一人ひとりの意識高揚を図りながらラストスパートに向けた取り組みを真しに討議した。」と。次回にやり直しがきかず、風の吹き方が問題で、いよいよラストスパートに向かうものといえば参議院選挙しかないじゃないですか。
それで私は、前回本委員会に提出した資料で、近畿特定局長会の選挙総括文書というのをお出しいたしました。あの選挙総括資料の中に実は総合政策というのが出てくるんですよ。OBも総合政策にかかわりたくない思いがあり云々と。総合政策という言葉が出ております。
郵政用語で総合政策あるいは第四事業といえば、選挙のことではありませんか、長官。
政府参考人(足立盛二郎君) そのようなことは私承知しておりませんので、御勘弁いただきたいと思います。
宮本岳志君 ここまで私、事実を挙げて指摘をしている。そして、総合政策というようなことが本当にこうして文面にまで出てきているということをぜひ受けとめて、これはぜひとも調査すべきだと思うんですね。
大臣、これはやっぱり調査すべきですよ、こういうことは。本当にそういうことがやられていないのかどうか。いかがですか、大臣。
国務大臣(片山虎之助君) 総合政策というのは私も初めて今御質問で知りまして、こういう言い方はなるほどと思っておりますが、いずれにせよ、国家公務員が選挙運動をやるということはこれは公務員法に違反することでございますので、いずれにせよ六月に入りましたら早々に私の方の人事・恩給局が中心で、国家公務員に注意をさらに喚起いたします。
宮本岳志君 いや、調査をしないと、そんな一方的な注意なんか幾らでもやっているんですよ。通達だって何遍も出しているじゃないですか。そんなの平気でやっているんですからね。
宮本岳志君 じゃ、郵政監察局が出てきたところで、もう一つ新たな事実を提起いたしましょう。
私は、ある報道機関へ匿名で送られてきた内部告発を入手いたしました。資料六がそれであります。内容は、郵政監察局で職員一人当たり数十名の後援会員獲得が課せられている。一緒に送られてきた資料を見ると、支店総務長という用語でカムフラージュしてありますけれども、注意書きの対話のひな形、これは六の三に出てきますけれども、この注意書きの対話のひな形に「こうそ憲治後援会に入っていただきありがとうございました。」と、こう書かれていることですね。それからその上には「万が一何処に情報やコピーが流れても、現役が関与していることが分からないようにするため。」という言葉からも、郵政監察局の現職職員がこのような活動をやっていることを示すものです。
大臣、このような事実を把握しておりますか。
国務大臣(片山虎之助君) 全く承知しておりません。
宮本岳志君 私、この文書を見たときに、これは信憑性が高いと確信したんです。
と申しますのは、昨年の十月三十一日に我が党あてに直接、ある郵政監察局職員から内部告発がございました。きょうはそれも七の一、二につけてありますけれども、この郵政監察局職員の内部告発に添付されていた資料、七の二を見ますと、やはり同じように「各支店総務長が責任を持ってコピーしてください。」と、各支店総務長という言葉が出てまいります。これは、郵政監察で選挙活動をやる場合に、つまり公務員がかかわっていることがばれるとまずい場合に、この支店総務長という用語をカムフラージュに使っているということをうかがわせるものであります。
これはもう相当そういう意味では大々的にやられていると。これが我が党に寄せられたのは昨年の十月ですし、マスコミを通じて私どもに来たのは四月の話ですから、少し時期的にはずれるわけですけれども、一貫してこの自民党の候補者の選挙活動を郵政の監察の職場でもやられているという事実を示していると思うんですが、大臣、これ本当にその可能性は否定できないとお認めになりますか、可能性は否定できないということは。いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) 御指摘の職員を初め、私、郵政職員につきましては平素から国家公務員法に基づく服務規律に違反することのないようにという強い指導をしておりまして、そういうことは行われていないものと、こう信じておりますので、御了解を賜りたいと思います。
宮本岳志君 事実を突きつけたって、調査しない、そして信じていると。そんなことで行政の責任を果たせますか。
大体、こういう事実がさまざまなところから指摘されているわけですから、少なくとも調査すると。一貫して調査しないという立場じゃないですか、大臣は。調査もしないとなったら、本当に、まともに郵政事業をよりよいものに改革するつもりはないというのと一緒ですよ。調査ぐらい約束すべきじゃないですか。いかがですか。
国務大臣(片山虎之助君) さらに、御指摘の点を踏まえて指導を徹底してまいりたいと思います。
宮本岳志君 小泉改革というのは、マスコミでも議論になっていますけれども、私は、小泉改革の底は割れたと。小泉内閣のもとでやっている大臣がまさにそのありさまですよ。本当にうみを出して、今指摘される、国民から非難されるべき点は全部しっかり解明する、そういう立場にないということですから。私は、小泉内閣も改革内閣の名に値しないということを指摘申し上げたいと思います。
我が党は郵政事業の民営化には反対です。しかし、三事業の改革は絶対に必要だと考えております。それは、郵便法や郵貯法に明記された、あまねく公平なサービスを国民に提供するという郵政事業の責務を本当に果たしていくためには、一部の特権的な官僚とかあるいは特定局長会などによる事業の私物化を排除して、職場を民主的で職員の働きがいのある場所へと変えていく必要がある。そして、それこそ真の事業の効率化につながるからなんです。総合政策とか第四事業とか支店総務長とか、こんな隠語までつくって自民党の選挙にうつつを抜かす、そんなことでは国民の納得は絶対に得られないということを厳しく指摘して、私の質問を終わります。