質 疑 応 答 の 概 要
ここに掲載しているのは、宮本たけし事務所の責任でやりとりの概要をまとめたものです。理事会での発言は、通常は公表されるものではありませんが、今回はマスコミにも公開される形で開催されたことをふまえて、質疑の内容を掲載させていただきました。(宮本岳志事務所)
7月22日 個人情報特 理事会概要(17時~、第7委員会室)
(警察側出席者)吉村官房長、加地総務課長、高橋暴力団対策第一課長、樋口人事課監察官○冒頭、吉村官房長より15分程度の報告、ついで質疑に入り、民主・高橋理事、社民・又市委員、民主・岡崎理事の各氏が若干の質問。宮本 A 警視正は、ビール券を受け取っていただけではなく、「平成9年から12年までの間、部下職員多数の信用情報(借金の有無)について武富士に一括照会した」ことが認められている。他の警察官の「ビール券」は送った側と受け取った側の意見が合わないかもしれないが、この信用情報の照会については、明瞭に便宜供与であり、贈収賄での立件が可能ではないか。
警察・吉村 最優先で調べたが、(立件)できなかった。(武富士からビール券が)夏・冬出ていることから、行いと、漏えいとの対価関係が捜査の中で認められなかった。
宮本 ビール券の話ではない。信用情報を取ってもらうということと、(犯罪歴情報の提供)との対価性があるでしょう。といっている。この問題で、便宜を図ってもらうというのは、ちょっとしたお付き合いではないでしょう。明白に。
警察・吉村 それはもちろん、それはね。結果として贈収賄にはあたらない。
<時効が「7年」と聞いて官房長が絶句>
宮本 Bについて、刑事処分の対象にしなかったのはなぜか。
警察・吉村 時効が成立している。
宮本 なるほど、地方公務員法違反なら時効は3年だが、私が質問の中で明らかにした。物証も存在する。仮に過重収賄なら3年にはならないだろう。
警察・吉村 そうだ。
宮本 Bの報告の中に、「電話の架設名義人の漏洩」というのがある。なぜ、名義人を(武富士に)知らせる必要があったのか。
警察・吉村 「この電話を持っているのは誰か」ということだが、これがどういう意図か承知していない。
宮本 この名義人情報を武富士は営業の役に立てたのではないか。
警察・吉村 武富士に教えたのには、暴力団らしき人物が武富士にアプローチして来たときに、名刺でも出したのでしょう。それに電話番号が書いてあったので、その番号の名義人を・・・。営業使用とは関係ない。
宮本 Bが名義人を教えたのは何件か。
警察・吉村 一件。そのほか、機関紙の購読料を振り込めといってきた銀行口座の名義が二件。
宮本 B以外に、名義人情報の漏洩はないのか。
警察・吉村 Cは、同じように、犯罪歴が16件、車の名義が4件、電話の名義が17件です。
宮本 電話の架設名義は、警察なら、電気通信事業者は、簡単に教えるのか。
警察・吉村 教えない。警察では「捜査関係事項照会」という形で照会している。
宮本 当然だ。私は電気通信事業法を所管する総務委員会に所属しているが、電気通信事業者がたとえ捜査当局からの問い合わせであっても適正な手続きを踏まずに顧客情報を漏洩したら、電気通信事業法違反に問われる。口頭などでは教えられない。おそらくこの、入手にあたっては、「捜査関係事項照会」を行って入手したはず。捜査目的に使用する旨が書かれてあるものだ。これは「虚偽公文書作成・行使」にあたるのではないか。
警察・吉村 それも視野に入れたんですけど・・・(樋口に向かって)時効は3年だよな。
警察・樋口 7年です。
警察・吉村 ・・・・。
警察・樋口 今回のそれぞれの照会の経緯が、暴力団のアプローチに対するもので、目的は何ら逸脱したものではなく。そういった観点で、虚偽のものがあったかどうか、数年前なので、文章は。不適正とは認定、把握できなかった。
宮本 適正だったと言うのか。
警察・吉村 (名義人情報の)入手は不適正ではなかったが、その後の伝え方が不適正だった。
宮本「入手は適正だったが(武富士への)伝え方が間違っただけだ」などというのはまったく納得できない。しかも、Cは電話や車の名義も漏洩している。
警察・吉村 金融会社には暴力団関係者からのアプローチも多い。問い合わせに応じて、金融会社に来た連中のことを調べることは十分ありうるが、それをどう扱うかの問題だ。すべてが虚偽とは・・・。
宮本 ?
警察・吉村 やつらはいやってほどたくさんの会社にやってくる。
宮本 電気通信事業法では「通信の秘密をおかしてはならない」というのは電気通信事業者にとっての大原則だ。そして「通信の秘密」という場合、それは通話内容だけではなく、名義も通信の秘密の重要な内容だということは常識だ。通話内容については盗聴法でも「令状による」と定めているが、その他の個人情報もきちんと適正に取り扱われるようにルールが定められている。こんな情報漏洩をしておいて、それが適正だというのは、納得いかない。
<警察官僚天下り先の会社が腐敗に介在>
宮本 最後にCだが、このCは、赤羽署の前に新宿署の警備課にいたな。
警察・吉村 そのとおりです。
宮本 ここに中川一博氏の「意見陳述書」を持っている。今年6月20日東京地裁であった拘留理由開示での意見陳述内容だ。この文書によると、犯歴の入手は元警視庁職員であった岩根社員をつうじて行われたことが述べられている。まず聞くが、この岩根氏は元警視庁の職員だな。
警察・吉村 警察OBだ。
宮本 ここに、その武富士の岩根元社員が武富士在職中のことを仔細に語った文書がある。
この岩根氏によると、武富士に入社した経緯は、福田勝一元警視総監が、武富士の顧問をされていて、誘われたとある。これは事実か。
警察・吉村 わからない。
宮本福田勝一元警視総監が、武富士の顧問をしていた事実は認めるな。
警察・吉村 福田勝一氏が元警視総監であったことは事実だが、武富士の顧問をしていたかどうかは承知していない。
宮本 福田勝一氏が武富士顧問を務めていたことは、ひろく知られていることではないか。そんなことすら認めないのか。
警察・吉村 報道などで聞き及んでいるが、仔細には承知しない。
宮本 この中川陳述書によると、情報は警察官から直接入手した以外に、「日本シークレットサービス」という警備保障会社を通じても入手していた。逆にこの会社の求めに応じて信用情報などを提供していたと述べてられている。
警察・吉村 中川うんぬんが述べたことが、本当かどうかわからない。シークレットサービスと中川の間の問題は、調査の中に入れていない。
宮本 「日本シークレットサービス」をご存知か。
警察・吉村 竹嶋さんの会社ですか。
宮本 会長は山本鎮彦元警察庁長官、社長は千葉行雄元茨城県警本部長、という会社だ。
あなたがたが知らないはずがない。顧問には、鈴木貞敏元警察庁長官、山田英雄元警察庁長官、井上幸彦元警視総監、法律顧問が河上和雄元最高検公判部長。警察のOBが大量にここに就職しているが、この会社にも個人情報が漏洩していたら事態は重大だ。
警察・吉村 中川なる人物の陳述の信憑性は明らかでない。
宮本 ここに私が持ってきたのは、JDBのアクセス記録だ。委員会で明らかにしたものと同じだ。この3枚を見てほしい。これらの右上に、「井坂部長」「日本シークレット井坂より」
「I氏より」とある。この井坂氏は「日本シークレットサービス」の部長ではないか。お調べになる必要があるのではないか。
警察・吉村 かりにそうだとしても、それは武富士とその会社の問題であって、日本シークレットサービスと警察との関係がない。
宮本中川氏の話に信憑性がないとおっしゃったから、物証を出したまでだ。
警察・吉村 確認のしようがない。
<「出頭に応じないので調べていない」>
宮本 私の明らかにしたビール券配布先名簿には、松田光正警部補の名前があるが、調査したか。
警察・吉村 出頭要請をしたが、出てこないので、調べていない。
宮本 でてこなければ調べないのか。
警察・吉村 呼び出したが、仕方がない。
宮本 右翼標榜暴力団員カードについて、警視庁に存在するものが何らかの形で出たのは確かか。
警察・吉村 中川が8年前に同僚から入手したと彼が言ったのだが、その同僚は事実はないと言っている。警視庁のOB、職員、中川の上司も調べたが、入手は確定できなかった。警察情報のコピーかどうかは、公の場で申し上げるわけには行かない。
宮本 あなた方の答弁は、それを言ったら、カードの出所をたどれなかったので、警察のものかどうかいえないと。では、経路がつながったら、お認めになるのか。
警察・吉村 その場合はそうだ。こういう場ですからなんですけど、この人物はもう雑誌にも出ているから、本物かどうか言えといわれても。そういう意味として受けとめてほしい。
宮本 そういう意味として、受け止めればいいということだな。―――17:50理事会終了
(以下、理事懇)
委員長 気の重い話だが。これじゃあ、委員会を開いて、どうにかなるのかなー。今国会で、当委員会でのけじめは必要だが、さあしかし・・・。
宮本 とうてい納得がいかない。福田警視総監が武富士の顧問をやっていたなんて、みんな知ってるでしょう。未公開株の話もあったし。それに、犯歴カード(の入手経路)が(警察にまで)つながらないほうがよかったなどと言うような話。いくら何でも納得いかないね。
民主・岡崎筆頭理事 たいへんな癒着の構造ですね。
自民・若林筆頭理事 文書によって報告がなされ、説明があり、それをめぐって、委員の中から質問があったが、納得できるような答弁が得られない。処理としては、報告することは委員長がします。警視庁の責任において、正式に出されたものとして、委員会宛として。
同時に、理事会で聴取したが、委員長としては、納得が得られないというまあ、宮本というか、言わないかあるが、納得できないと表明されたと、報告し、議事録に留めるのが。
納得いかないのが、どの部分というのをいうと、たいへんな報告書になってしまうから、そこは、その程度に留めるのでどうか。
民主・岡崎筆頭理事 前も言ったが、この調査報告を柱に、大筋について報告を頂いて、宮本議員は詳しいが、どういう質問になるか。研究して、きちんと議事録にしたい。多少やりとりしていただいて。ますます、癒着の問題がでてきた。通達を出されたとのことだが、もうちょっと警察ぐるみだ。こうなってくると途方にくれる。
公明 一時間近く報告と質疑があったわけで、公表できないような話もでてきた。いずれ会期末処理があるのだから、委員長からの報告でいい。
宮本 私は納得がいかない。「うちあわせ会」としてでもやっていただきたい。早々とここでよしとはいかない。
委員長 国会日程のこともあるので。こちらが不信任案はいつ出されるのか聞きたいくらいだ。一度、この件は、私に預からせてください。タイミングを見て、最大の努力はさせていただたい。やむを得なくても、報告が議事録にきっちり残ることだけはします。すいませんが、そうさせてください。(この件は以上)