2016年2月20日(土)
増税中止で消費喚起を
宮本岳志氏 大企業減税は不公平
衆院予算委
日本共産党の宮本岳志議員は19日の衆院予算委員会で、国民に消費税10%増税を押し付け、大企業には減税をばらまく不公平をただし、増税中止を求めました。
宮本氏は、低所得者ほど負担が重くなる消費税の逆進性が「軽減税率」導入でさらに強まることを指摘。消費税率を8%へ引き上げたために、個人消費が落ち込んだことが直近の家計調査やGDP速報値でも示されているとして、「この経済状況下で、消費税10%増税はきっぱり中止すべきだ」と迫りました。
安倍晋三首相は「消費税率引き上げの増収分は全額、社会保障の充実・安定化に充てる」と増税に固執。宮本氏は「消費税を10%に引き上げた増収分13・5兆円のうち、7兆円は財政赤字の穴埋めや大企業減税に回される」と述べ、首相答弁のデタラメさを批判しました。
宮本氏は、消費税増税の一方で、法人税減税が繰り返され、税のゆがみが拡大していることを強調。2008年のリーマン・ショック以降、法人所得はV字回復しているのに、法人税収は微増にとどまっている(図)として、「法人税率をさらに引き下げれば、ますます企業収益と税収が連動しない構造になる」とただしました。麻生太郎財務相は「(法人税率を)国際的にそん色ないところまで改革できた」と開き直り、宮本氏は「そんな態度では、増税はすべて消費税でやることになる」と批判しました。
宮本氏は、大企業が研究開発減税などの優遇措置を受け、内部留保を増やしている問題を指摘。2014年度の研究開発減税額は6746億円にのぼり、その9割以上が資本金10億円以上の大企業で占めていることを明らかにしました。さらに、減税上位には自動車産業がズラリと並び、トップはトヨタ自動車で1083億円もの減税を受けていることを指摘。「内部留保を15兆円以上もため込んでいるトヨタのような大企業は、減税がなくても研究開発に困ることなどありえない」と迫りました。
「企業に対し設備・技術・人材といった未来への投資を促す必要がある」と弁明する首相に対し、宮本氏は「大企業優遇減税をばらまくよりも、消費税10%増税を中止した方が消費を喚起することになる」と述べ、増税中止を求めました。(しんぶん赤旗日刊紙2/20付けより転載)