異次元緩和 失敗明らか
宮本岳志議員 日銀の姿勢ただす
衆院財金委
日本共産党の宮本岳志議員は2日、衆院財務金融委員会で「量的・質的金融緩和」(異次元の金融緩和)について日銀の姿勢をただしました。
日銀が1日、2%の物価目標の達成時期を2018年度ごろに先送りしたことについて、宮本氏は「異次元緩和自体の失敗が明らかになった」と指摘しました。
日銀が金融緩和で金利全体を引き下げ、その恩恵で政府は超長期の財政投融資債を発行してリニア中央新幹線の建設など公共事業を拡大しています。黒田東彦日銀総裁は「日銀が緩和的な金融環境を整え、政府が積極的な財政出動を実施すれば相乗効果をもたらす」と述べました。宮本氏は、政府の財政規律が緩み、「内外の投資家から財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)とみなされても仕方がなくなる」と批判。「財政は悪化し、国民にばく大な借金を肩代わりさせ、悪性インフレを引き起こす懸念さえ高まる」と警告しました。
また、異次元緩和によって日銀が年間6兆円増のペースで株価指数連動型上場投資信託(ETF)を買い入れていることについて宮本氏は「株価の買い支え」と批判。黒田総裁は「金融政策で資産価格が上がるのは当然」と開き直りました。宮本氏は、日銀の保有するETFが発行総額の約6割になっていることについて「市場の価格形成機能をゆがめる」として、ETFの大量購入をやめるよう求めました。(「しんぶん赤旗」日刊紙2016/11/3付けより転載)