資料なく「返済は確実」
リニア財投「精査」 宮本岳氏が追及
日本共産党の宮本岳志議員は1日の衆院財務金融委員会で、JR東海のリニア中央新幹線計画への3兆円の財政投融資の問題を追及しました。麻生太郎財務相は同社の格付けが高いなどとして「返済は確実」と説明していたものの、リニア事業単体の収益性や財務資料の提出もなく「精査」が行われていたことが明らかになりました。
宮本氏は、2001年の「財投改革」では過去の反省から「償還確実性の精査」が重視され、財務省理財局の冊子では「対象事業の収益性がきちんと確保されているか」を精査すると記されていると指摘しました。
その上でリニアに関して、3兆円のうち1・5兆円の財投計画への追加が決まったものの、財政制度等審議会財投分科会で「償還確実性の精査」が持ち回りの審査会で済まされていると指摘。しかもリニア単体事業の収益性確保を判断する資料は一切なく、3兆円の投融資で同社の資金繰りがどのように改善・負担軽減され、大阪までの開通を最大8年前倒しできるかの根拠も示されていないと追及しました。
佐川宣寿理財局長は、「精査」は同社や国土交通省など「関係機関の調整」によるものだと答弁。宮本氏は、財務省がその程度の検証をするのは当たり前だと強調し、「あまりにもずさんな精査であったことは明白だ」と財投計画の中止を主張しました。(「しんぶん赤旗」日刊紙2016/11/5付けより転載)