森友学園への国有地売却 8億円値引き 口実崩壊
埋設ゴミ処理 未確認
宮本岳志議員 理事長の参考人招致要求
衆院委
財務省近畿財務局が大阪市内の学校法人「森友学園」(籠池泰典(かごいけやすのり)理事長)に私立小学校用地として豊中市内の国有地8770平方メートルを8億1900万円も値引きし1億3400万円で売却した問題で、国が値引きの理由としていた埋設ゴミの処理工事を確認しておらず、法的に義務づけられた工事でもないことが、21日の衆院財務金融委員会で明らかになりました。日本共産党の宮本岳志議員が追及しました。
この土地を売った時点での更地の価格は9億5600万円。売却にあたり、敷地の大半にあたる5190平方メートルにゴミが埋まっているとして、国はゴミの処理費用8億1900万円を値引きしました。
8億1900万円の費用がかかるゴミ処理工事が実際に行われたかただした宮本氏にたいし、財務省の佐川宣寿理財局長は「確認していない」と答えました。
さらに小学校用地とするため、このゴミ処理工事を必要とする法的根拠があるのかについて、文部科学省の山下修文教施設企画部長は「義務付けられていない」と答えました。
宮本氏は、「国民の財産である国有地を、ただただ値引きして売ってやったということだ」と批判し、事実の解明のため籠池理事長を参考人として招致することを要求。御法川信英委員長は「理事会で協議する」と答えました。
森友学園への国有地売却問題
幼稚園児に「教育勅語」を唱和させることで知られる大阪市の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)が大阪府豊中市に私立小学校の開設を計画。名誉校長に安倍晋三首相夫人の昭恵氏が就任し、当初は「安倍晋三記念小学院」と命名して寄付集めをはじめました。
予定地として財務省近畿財務局から国有地(8770平方メートル)を10年分割払いの契約で2016年6月に購入。その際、国は土地の価格を9億5600万円と鑑定。ところが国は土地に埋まったゴミの撤去費用8億1900万円などを控除して、1億3400万円で売却しました。
土地の売却を認めた国有財産近畿地方審議会や私立小学校の設立を「認可適当」とした大阪府私学審議会でも、売却や認可について異論が続出していました。
ゴミ処理 一部だけ
本紙取材に学園側認める
森友学園の籠池泰典理事長と代理人の酒井康生弁護士は本紙の取材に、学校用地に埋まるゴミは、一部しか処理していないことを明らかにしました。
籠池氏らによると、4月開校に間に合わせるため、ボーリング工事で出たゴミなど一部だけ処理する方法を選択。敷地全体のゴミは撤去していませんでした。処理費用については「工事途中であり、正確な金額はわからない」としています。(しんぶん赤旗日刊2/22付けより転載)