国有地売却 3.6億円分の工事せず
8億円値引きで森友学園 宮本岳氏追及
衆院財金委
安倍晋三首相夫人の昭恵氏が名誉校長を務める、大阪市内の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)が新設する私立小学校用地として豊中市内の国有地が格安で払い下げられた問題で、土地に埋設されたゴミの処理工事費として値引きされた8億1900万円のうち約3億6000万円は、実際に工事が行われていないものであることが、22日の衆院財務金融委員会で明らかになりました。日本共産党の宮本岳志議員が追及しました。
財務省近畿財務局はこの土地の売却で、更地価格9億5600万円から埋設ゴミ処理工事費として8億1900万円などを差し引き、価格を1億3400万円としました。工事費は土地を管理していた国土交通省大阪航空局が算定しました。
森友学園の籠池理事長は20日放送の民放ラジオ番組で、建物の下しか埋設物の処理はしておらず「運動場の下は触っていない」とのべました。
宮本氏が「この通り工事が行われていないなら、地下埋設物撤去・処分費用の算定はどれだけ安くなるのか」とただし、国交省の平垣内久隆航空局次長は「建物が建設されていない部分の金額は約3億6000万円」と答えました。
宮本氏が「3億6000万円、見積もりより安くあがったことは確実だ」とただしたのに、財務省の佐川宣寿理財局長は「今後どんな埋設物が出てくるか分からない中で適切に算定した」と強弁しました。
宮本氏は「今回の売却劇ほど不可解なものはない。徹底して追及していく」とのべました。(しんぶん赤旗日刊2/23付けより転載)