財務省は昭恵氏関与を認識
辰巳、宮本岳氏会見 証人喚問要求
日本共産党の辰巳孝太郎議員は1日、参院予算委員会で「森友学園」への国有地売却問題について質疑した後、同問題を追及してきた宮本岳志衆院議員とともに記者会見し、辰巳氏が委員会で示した新たな音声データから判明した事実関係などを明らかにしました。
辰巳氏は、問題の音声データは、同学園理事長(当時)の籠池泰典被告と妻の諄子被告が2016年3月16日、財務省近畿財務局と国土交通省大阪航空局の担当者らと面談した際の録音だと紹介。録音には、前日の同15日に国有地に埋まっていたゴミの処分について談判するために訪ねた財務本省を出た直後、安倍晋三首相夫人の昭恵氏から激励電話を受けたと語っている会話が含まれていると強調し、「(この日に)籠池氏が財務省の田村(嘉啓国有財産審理)室長と交渉していたことを昭恵氏が知っていたことになる」と述べました。
辰巳氏はまた、音声データによれば、近畿財務局の担当者が、地下3メートルまでのゴミの撤去については補償ずみだとしながら、地下3メートルより深いところに新たな「ゴミの層」が存在するかのように誘導していると指摘。建設業者を交えて3メートル以下の新たなゴミが出てきたとする値引きのための口裏合わせ(同年3月30日)に先立つ発言であることから、辰巳氏は「森友学園に便宜を図るために、まだ新たなゴミかどうか分からない段階で(国側が)『新たなゴミ』にしようとしていたとうかがえるやりとりであり、非常に重要だ」と指摘しました。
一方、宮本氏は、財務省が同氏に回答した文書で、田村室長が15年11月ごろ首相夫人付政府職員の谷査恵子氏から、国有地の借地料を介護施設と同様に学校法人も優遇措置の対象に含まれるかと問い合わせを受けたことを認めていると指摘。同室長が、「総理夫人付」の問い合わせであり「森友学園に関係しての照会であったことは認識していたと思う」と説明していることを明らかにしました。
宮本氏は「森友学園問題は、今日の辰巳議員の質問も含め、ほぼ全容が解明されつつある」とした上で、「昭恵夫人の応援のもとで近畿財務局および大阪航空局とのやりとりが行われたことはもはや明瞭だ」と強調。このことが明らかになった以上、安倍首相は「総理も国会議員も辞めるという(国会答弁での)言明に照らして辞めていただかなくてはならない」と主張しました。
辰巳氏は、籠池被告が証人喚問に応じた以上、昭恵氏も偽証罪に問われる証人喚問に応じるのは「当然だ」と述べました。(しんぶん赤旗日刊2/2付けより転載)