出国税 観光立国に逆行
宮本岳議員
衆院国土交通委員会は20日、日本から出国する際、1人当たり1000円を徴収する国際観光旅客税(出国税)の使途を定める国際観光振興法改定案を自民、公明、希望、維新の賛成多数で可決しました。日本共産党と立憲民主党は反対しました。
日本共産党の宮本岳志議員は、政府が訪日外国人旅客の受け入れ施設整備を口実に大規模開発を加速・推進しようとしていると指摘し、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を掲げた「観光立国推進基本法」の理念にも反すると批判。出国税の使途について、政府が観光政策の“目玉”とするカジノを含む統合型リゾート(IR)に使われることはないのか、とただしました。
田村明比古観光庁長官は、IRの制度は内閣官房で「設計中」だとして「現時点でお答えするのは困難」と明確に否定できませんでした。
宮本氏は、2016年の共同通信の世論調査で居住地域でのカジノ建設計画への反対が75%にのぼったことを紹介し、「地域住民が望まない施設だ。『住んでよし』の理念とはまったく相いれない」と批判。石井啓一国交相は「IRが整備されれば、魅力ある観光資源になる」と強弁しました。
宮本氏は「国民が余暇をとり、観光に出かけ、観光地で消費し、地域が活性化するような観光政策を進めるべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗日刊3/22付けより転載)20180320国土交通委員会