福知山線脱線事故13年 兵庫尼崎
癒えぬ心 訴える安全
遺族らが集い JR西に迫る
乗客106人と運転士が死亡したJR福知山線脱線事故から13年になる25日、「追悼と安全のつどい」が事故のあった兵庫県尼崎市で開かれ、約600人が参加しました。主催は事故の遺族たちでつくる「4・25ネットワーク」などの実行委員会。昨年12月、新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかり異音・異臭に気付きながら運行を続けた問題がJR西日本に起きる中、3年ぶりの開催になりました。
同ネットワークの浅野弥三一(やさかず)氏は「鉄道会社の根幹は安全です。JR西日本には安全を突き詰めてほしい」とあいさつ。JR西日本の緒方文人副社長は同社が今年4月に更新した5カ年の安全計画にふれ、安全最優先の意識を土台にしたいと表明。「(亀裂問題を)重大問題として受け止めている」とし、対応する技術力向上に必要な人員を配置すると述べました。
亀裂発見時のJR西の対応を検証する有識者会議の社外委員を務めた向殿政男明治大学名誉教授は「安全が確認されない限り運行してはいけない」と述べ、安全への投資も求めました。浅野氏は「事故が起きる前に予兆をどうつかむか。現場だけにまかせずに考えてほしい」と述べました。
宮本氏らも
JR福知山線脱線事故から13年を迎えた25日朝、日本共産党の宮本岳志、穀田恵二(代理)各衆院議員と地方議員らが兵庫県尼崎市の事故現場を訪れ献花し、犠牲者を追悼しました。
宮本氏は「胸にせまる13年前の痛ましい事故が今もよみがえります。ご遺族の傷はいまだに癒えていません。JR西日本には教訓を風化させず、安全安心な公共交通の役割を果たしていただきたい。JRが国民の財産を受け継いだ原点を忘れ、もうけに進みがちなことは重大な問題。国土交通委員会でJRの社会的責任を指摘し、二度とこのような痛ましい事故が絶対に起こらないようにがんばっていきたい」と語りました。(しんぶん赤旗日刊4/26付けより転載)