政府出資に公然と道
宮本岳志氏 インフラ輸出法案に反対
衆院委可決
衆院国土交通委員会は11日、海外インフラ事業に日本の民間企業の参入を促進する「インフラ輸出」促進法案を賛成多数で可決しました。同法案は、独立行政法人など公的機関が国内で積み上げてきたノウハウを民間のインフラ輸出に提供し、事業を支援させる内容です。日本共産党は「民間企業による海外インフラ事業に、政府が出資することに公然と道を開く」として反対しました。
採決に先立ち質疑に立った日本共産党の宮本岳志議員は、日本のインフラ輸出のモデル事業とされる米テキサス州での新幹線事業で地元住民から反対意見が上がっていることや、インドネシアのバタン石炭火力発電事業をめぐって同国の国家人権委員会が日本政府に人権重視など求める書簡を送ったことを紹介。地元住民の意思を反映することや、相手国の法規制が未整備の場合の手続きなど、今回の法案には規定がないと批判しました。
さらに宮本氏は、独立行政法人は本来、多国籍企業支援のために設立されたものではないとして、政府の見解をただしました。
石井啓一・国交相は、インフラ輸出は日本経済の成長に寄与することから、独立行政法人を活用する意義はあると答えました。
宮本氏は「独立行政法人は国内のインフラ整備を担ってきた国民の財産」だと強調し、国内の老朽化したインフラ対策を率先してやるべきだと主張しました。(しんぶん赤旗日刊5/15付けより転載)