短い工期 事故の遠因
宮本岳志氏 新名神建設実態ただす
日本共産党の宮本岳志議員は16日、衆院国土交通委員会で、西日本高速道路(ネクスコ西日本)の新名神高速道路の建設現場で相次いでいる作業員の死傷事故は余裕のない工期が遠因ではないかと指摘し、同社への指導・監督を政府に求めました。
国交省によると、ネクスコ西日本は今年3月までの約2年間に、同高速道路建設で「重大事故」が6件起き、6人が死亡、8人が負傷しました。今年3月に死亡事故が起きた大阪府枚方市内での橋の建設は、当初の計画を施工会社が勝手に変更。また国交省に提出した作業工程より大幅に遅れていました。
宮本氏は「納期に間に合わないと仕事を切られるから、何が何でも間に合わせる」との現場関係者の声を紹介し、工期を急がせたことが背景にあるのではないかと追及。国交省道路局の石川雄一局長は「現場では、工事の進捗(しんちょく)に応じ工程を見直し適切に対応している」と述べました。
宮本氏は「適切なら事故は起きない」と反論。その上で、ネクスコ西日本は3月の事故後、工事入札の際に「工事関係者の死者2名以上」の事故の有無を評価項目に加えたことについて「死者1名でも評価を下げないのか。言語道断だ」と批判し、指導・監督の徹底を求めました。
石井啓一国交相は、「適切な工程管理のもと、安全第一で進めるよう指導する」と述べました。(しんぶん赤旗日刊5/22付けより転載)