土地所有者権利奪う
宮本岳志氏 特措法案に反対
衆院委で可決
衆院国土交通委員会は23日、所有者不明の土地利用を進める特別措置法案を賛成多数で可決しました。日本共産党は、憲法29条の財産権に基づく土地所有者の手続保障の権利が不当に奪われるとして反対しました。
同法案は、道路などの公共事業の際に行う土地収用法の手続きを簡素化し、収用委員会による裁決を都道府県知事の裁定に代える特例などを盛り込んでいます。
日本共産党の宮本岳志議員は、法案の目的が公共事業を進めるコストと時間を省くことだと指摘。住民合意のない公共事業で、安易に所有者不明土地とされる危惧があると批判しました。
宮本氏は、事業者である都道府県知事が裁定者になった場合、客観性が保てないとただしました。国交省土地・建設産業局の田村計局長は「事業の担当と異なる部署が裁定を担当することで一定の客観性・中立性が担保される」と答弁。宮本氏は、担保にならないと反論しました。
22日の参考人質疑では、公共事業改革市民会議の橋本良仁代表が、事業者と裁定者が知事である場合について「左手で答案用紙をつくって右手で解答を出してパスさせる、これでは何でもありとなる。極論だがそういう危険性がある」と述べています。(しんぶん赤旗日刊5/29付けより転載)