8億円値引きの国有地で10億円まで借り入れ承認
森友問題 宮本岳志氏が新文書示す
学校法人「森友学園」が、1億3400万円で購入した国有地を元に金融機関から10億円を限度に借り入れすることを、国土交通省が2016年10月に承認していたことが分かりました。12日の衆院国交委員会で、日本共産党の宮本岳志議員が国交省提出の文書を元に明らかにしました。
同省は「将来地下埋設物(ゴミ)が出てくるリスク」を口実に、撤去費用相当の約8億円を値引きする「瑕疵(かし)担保免責」特約を付して、約1億3400万円で売却(16年6月)。宮本氏は、そのわずか4カ月後に、銀行は同地に10億円の価値を認め、国交省も追認していたと批判。値引きの根拠に疑問を呈しました。
宮本氏が示したのは、学園理事長だった籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=が国交省に提出した「質権設定承認申請書」と、同被告が金融機関と結んだ「質権設定契約証書」(いずれも16年10月14日付)。申請書には、国交省の干山善幸大阪航空局長(当時)の承認印が押されています。
宮本氏は、「でたらめな土地取引だ」と批判。石井啓一国交相は「事実関係をよく承知していない」と述べるにとどまりました。
宮本氏は、異例の取引の背景に安倍晋三首相夫妻の関与がある疑いが強いとして、「首相の妻の昭恵氏の証人喚問が不可欠だ」と主張しました。
交渉記録改ざん謝罪
財務省、宮本岳志議員に
財務省が学校法人「森友学園」との国有地取引に関する交渉記録を改ざんし、決裁文書改ざんを認めた後も、交渉記録については改ざん後のものを国会議員に提出していた問題で、同省の富山一成理財局次長が12日、謝罪しました。衆院国土交通委員会での、日本共産党の宮本岳志議員への答弁。
同省は決裁文書改ざんをめぐる4日の調査報告で、交渉記録の一部である2017年2月13、14両日の「応接記録」の改ざんを認めたものの、謝罪はしていませんでした。
富山次長は「深くおわびする」と謝罪。昨年3月中旬以降の改ざん後も、改ざん前の記録が同省内に保管されていたことを認めました。
宮本氏は、3月末に提出を受けた17年2月13日の記録が改ざん後のものだったと指摘。「決裁文書改ざんを謝罪した3月12日から18日もたって、改ざん前の記録も持っていたのに、改ざん記録を出していた」と批判しました。交渉記録の改ざんは、共産党の宮本徹議員の追及(5月29日、衆院財務金融委)で発覚しました。
(しんぶん赤旗日刊6/13付けより転載)