宮本たけし 日本共産党衆議院議員

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国会質問データ

  • 2015年06月03日
    [ 国会質問データ ]

    189-衆-文部科学委員会-号 平成27年06月03日

    文部科学委員会一般質問(新国立競技場問題)「日本共産党の5つの対案で新国立競技場建設計画の抜本的見直しを」

    189-衆-文部科学委員会-14号 平成27年06月03日

    平成二十七年六月三日(水曜日)
        午前八時五十分開議
     出席委員
       委員長 福井  照君
       理事 池田 佳隆君 理事 石原 宏高君
       理事 冨岡  勉君 理事 萩生田光一君
       理事 義家 弘介君 理事 郡  和子君
       理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
          青山 周平君    安藤  裕君
          石川 昭政君    尾身 朝子君
          大見  正君    門山 宏哲君
          神山 佐市君    工藤 彰三君
          小林 史明君    櫻田 義孝君
          助田 重義君    瀬戸 隆一君
          谷川 とむ君    長坂 康正君
          馳   浩君    鳩山 邦夫君
          船田  元君    古川  康君
          古田 圭一君    前田 一男君
          宮川 典子君    宗清 皇一君
          山本ともひろ君    菊田真紀子君
          中川 正春君    平野 博文君
          松本 剛明君    本村賢太郎君
          笠  浩史君    坂本祐之輔君
          鈴木 義弘君    初鹿 明博君
          中野 洋昌君    吉田 宣弘君
          大平 喜信君    畑野 君枝君
          宮本 岳志君    吉川  元君
        …………………………………
       文部科学大臣       下村 博文君
       経済産業副大臣      高木 陽介君
       文部科学大臣政務官   山本ともひろ君
       政府参考人
       (財務省主計局次長)   西田 安範君
       政府参考人
       (文部科学省生涯学習政策局長)          河村 潤子君
       政府参考人
       (文部科学省初等中等教育局長)          小松親次郎君
       政府参考人
       (文部科学省科学技術・学術政策局長)       川上 伸昭君
       政府参考人
       (文部科学省研究振興局長)            常盤  豊君
       政府参考人
       (文部科学省研究開発局長)            田中 正朗君
       政府参考人
       (文部科学省スポーツ・青少年局長)        久保 公人君
       政府参考人
       (経済産業省大臣官房審議官)           三又 裕生君
       参考人
       (独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長)  河野 一郎君
       参考人
       (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事)  三浦 幸俊君
       参考人
       (国立研究開発法人理化学研究所理事長)      松本  紘君
       参考人
       (国立研究開発法人理化学研究所理事)       加藤 重治君
       文部科学委員会専門員   行平 克也君
        ―――――――――――――
    委員の異動
    六月三日
     辞任         補欠選任
      安藤  裕君     助田 重義君
      谷川 とむ君     宗清 皇一君
      前田 一男君     石川 昭政君
      宮川 典子君     長坂 康正君
      笠  浩史君     本村賢太郎君
      畑野 君枝君     宮本 岳志君
    同日
     辞任         補欠選任
      石川 昭政君     前田 一男君
      助田 重義君     瀬戸 隆一君
      長坂 康正君     宮川 典子君
      宗清 皇一君     谷川 とむ君
      本村賢太郎君     笠  浩史君
      宮本 岳志君     畑野 君枝君
    同日
     辞任         補欠選任
      瀬戸 隆一君     安藤  裕君
        ―――――――――――――
    六月二日
     国立研究開発法人放射線医学総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
    同日
     教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(長島昭久君紹介)(第一三三九号)
     同(鈴木淳司君紹介)(第一三六五号)
     三十人以下学級実現と障害児学校に設置基準の策定など行き届いた教育を求めることに関する請願(本村伸子君紹介)(第一三四〇号)
     同(宮本徹君紹介)(第一四六三号)
     専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三六六号)
    は本委員会に付託された。
        ―――――――――――――
    本日の会議に付した案件
     政府参考人出頭要求に関する件
     参考人出頭要求に関する件
     国立研究開発法人放射線医学総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
     文部科学行政の基本施策に関する件
     教育現場の実態に即した教職員定数の充実に関する件
         ――――◇―――――

    ○福井委員長 次に、宮本岳志君。

    ○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
     きょうは、新国立競技場整備をめぐるこの間の混迷について質問をしたいと思うんです。
     言うまでもなく、この問題は、去る五月十八日、下村大臣が舛添都知事に対して、整備計画の見直しと東京都に五百億円を超える負担を要請したことが発端であります。都知事は、整備費の正確な見積もりを示すことを求めるとともに、当然のことながら、そのような負担を受け入れることを拒否いたしました。一方、ザハ・ハディド氏のデザインに固執し、開閉式遮音装置などにこだわる方面からは、見直しなどどこで決まったのかという反発が出され、議論が膠着をしております。
     今、各方面からは、このままでは二〇二〇年までに新国立競技場が完成しないのではないか、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックが成功させられないのではないかとの不安や危惧の声が上がっているのも事実であります。
     まず大臣に確認しますけれども、このまま膠着状態が続けば、ラグビーワールドカップが開催される二〇一九年春の竣工に間に合わないという事態も生まれ得るという危機感をお持ちでしょうか。

    ○下村国務大臣 膠着状態ということではありません。ただ、いろいろな新たな課題がありますので、それについては適切に解決をしてまいりたいと思います。
     御指摘がありましたが、政府として、二〇一九年ラグビーワールドカップ、それから二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会、これを成功させるためには、両大会の主会場となる新しい国立競技場を二〇一九年春に竣工させる、これは必須条件であると思います。そのために、今、施工業者等と調整を行っているわけでありますが、大前提として、必ず二〇一九年の春に竣工させるということは当然の大前提で議論しているところであります。
     この事業主体である日本スポーツ振興センター、JSC、ここが第一義的に対応しているわけでありますが、その所管する文科省としても、JSCと緊密な連携を図り、必要なサポートを行いながら、必ず二〇一九年春の竣工に向けて対応するということで取り組んでいるところであります。

    ○宮本(岳)委員 我が党は、二〇一九年ラグビーワールドカップ大会特措法に賛成をいたしました。また、オリンピック・パラリンピック特措法には反対をいたしましたが、それは、五年も前から担当大臣をふやし、全閣僚による推進本部まで設置して進めようとするその中身に、オリンピック・パラリンピックに乗じた大規模開発、東京外環道路の整備など、無駄なインフラ整備等も含まれているという理由で反対したわけであります。
     我が党は、オリンピック・パラリンピックの東京招致には批判的な立場をとってまいりましたが、二〇一三年九月七日、ブエノスアイレスで行われたIOC総会で東京招致が決定して以降は、総会決定を尊重し、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現に努めるという立場で、私もその成功に力を尽くしてまいりました。
     大臣、二〇一九年ラグビーワールドカップの成功及び二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのオリンピック精神に即した成功というのは、アスリートたちの強い願いであるばかりでなく、国民的にもその要望は高いと思います。また、我が国の国際公約でもあると思います。政府がその責任を果たさなければならないというのは当然のことだと思うんですけれども、よろしいでしょうか。

    ○下村国務大臣 それはおっしゃるとおりであります。
     ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に当たって、大会招致の閣議了解を行うとともに、政府保証を発出するなど、国も東京都やJOC、ラグビーフットボール協会、両招致委員会と一体となって取り組んでまいりました。
     また、招致決定後は、両大会の円滑な準備に資するため、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会等に関する閣僚会議を設置するとともに、さらに、去る五月二十七日には、国会において特別措置法も制定していただいたところであります。
     今後とも政府として、両組織委員会や東京都を含む開催自治体と連携して取り組むなど、両大会の成功に向けて必要な責務を果たしてまいりたいと思います。

    ○宮本(岳)委員 新国立競技場は、現在の計画では、ことし十月に着工し、一九年春に完成させて、同年九月のラグビーワールドカップのメーンスタジアムに使用するというスケジュールであります。これを成功させようと思えば、もはや残された時間は限られております。私は、きょう、混迷を抜け出し、成功させるために何が必要か、我が党の提案をお示ししたいと思って質問に立たせていただきました。
     日本スポーツ振興センターにきょう来ていただいておりますが、お聞きをしたい。
     下村大臣は、去る五月二十六日、参議院文教委員会で、JSCにおいて昨年八月から実施計画を行っており、その中で設計者側から、二〇一九年春に竣工させるためには整備内容の一部について工夫、見直しを行う必要があるとの意見が出されたとの報告が私の方にことし四月の時点であったと答弁をされました。
     河野理事長、どのような報告を行ったんですか。

    ○河野参考人 施工予定者であります技術協力者から、二〇一九年ラグビーワールドカップに間に合わせるためには、開閉式遮音装置の二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会後の施工や可動席の仮設化などについて必要との提案を受けました。
     また、建設コストにつきましても、施工予定者であります技術協力者の見積もりとして、予定を大幅に上回るものが提示されました。
     この二点につきまして大臣に報告させていただきました。
     ありがとうございます。

    ○宮本(岳)委員 私は、そもそも、千六百二十五億という額自身が、北京オリンピックの北京国家体育場、いわゆる鳥の巣、総工費約五百億円、ロンドン大会のメーンスタジアム約八百億円に比べても、二倍、三倍の巨額となっていると思うんです。これは、採用されたザハ・ハディド氏の設計デザインが、巨大で超豪華、特殊な工法を必要とするものであることに端を発しております。
     この総工費をそのままにして、あれこれと資金稼ぎの段取りをしても、いたずらに混迷と迷走を続けるだけであり、事態は打開できないと思うんです。ましてや、混迷に乗じたサッカーくじの拡大や野球くじの導入などは、こうした事態を一段と混乱に巻き込むものであり、不見識、不真面目な議論だと言わなければなりません。
     そこで、国立競技場は国立である以上、国が責任を持って建設すべきである、これは極めてシンプルで真っ当な意見であります。マスコミが報じる町の反応でも識者のコメントでも、こういう声が圧倒的に多かったと思うんです。そもそも、政府自身がもともとはこの原則を当たり前のこととしてきた歴史がございます。
     スポーツ・青少年局に確認いたしますが、もともとの国立競技場は全て国費で建設されたのではありませんか。

    ○久保政府参考人 国立競技場は、昭和三十三年に開催されるアジア競技大会の主競技場に充てるために、昭和三十一年に着工し、昭和三十三年三月に完成したものでございます。この国立競技場につきましては、全て国費により建設されたと承知してございます。

    ○宮本(岳)委員 一九五八年に国立霞ケ丘競技場が竣工した際には、国会において国立競技場法という法律がつくられました。これは、国費をもって建設された国立競技場を特殊法人国立競技場に運営させるための法律でありました。
     昭和三十三年二月二十七日、衆議院文教委員会において、当時の臼井荘一文部政務次官は法案趣旨説明でその内容をどのように述べましたか。

    ○久保政府参考人 当時の次官は、国立競技場を最も適切かつ効率的に運営するためには、特殊法人国立競技場を設立し、これによって運営するのが最も適当であることから、競技場の施設設備等の財産を政府から現物出資し、その価格の合計額に相当する額をこの特殊法人国立競技場の資本金とし、運営費についても国庫補助を行い、この競技場の運営を行わせるとともに、体育の普及振興を図らせたいことを、法案を提出した理由として説明しております。

    ○宮本(岳)委員 このときの会議録を私は詳細に読みました。
     当時の文部省福田繁社会教育局長は、今建設中の国立競技場においては全部政府が責任を持ってこれを建設するという建前をとってきたので、将来これの整備あるいは拡張という問題が起こっても、いわば政府としてこの競技場の整備などは責任を持ってやりたいと述べるとともに、管理運営費についても、かような施設については全く独立採算制でもって収入、支出のバランスがとれるということも考えられないので、当分の間、運営費については、これを国から補助してやる、こういうような考え方で経営の方針といたしておると答弁をしております。これも間違いないですね。

    ○久保政府参考人 昭和三十三年三月十八日の参議院文教委員会のやりとりでございまして、御指摘どおりの答弁を行っているところでございます。

    ○宮本(岳)委員 この国立競技場法が一九八五年に日本体育・学校健康センター法、こういう名前に変わりました。今日の独立行政法人日本スポーツ振興センター法に発展をいたしました。
     これは日本スポーツ振興センター河野理事長にお伺いしますが、この国立競技場法の精神、目的は、今日の日本スポーツ振興センター法に受け継がれておりますね。

    ○河野参考人 今御指摘いただきました旧国立競技場法、旧日本体育・学校健康センター法、そして現行の独立行政法人日本スポーツ振興センター法のいずれにおきましても、体育、スポーツの振興を図ること、施設の適切かつ効率的運営を図ること、もって国民の心身の健全な発達に寄与することということで、その趣旨は受け継がれております。
     ありがとうございます。

    ○宮本(岳)委員 受け継がれているわけです。
     ならば、国立競技場の整備は、シンプルに、原点どおり、国費をもって行うのが当然ではないかと思うんですが、文科省スポーツ・青少年局の御答弁を求めたいと思います。

    ○久保政府参考人 独立行政法人の施設の整備についての基本原則は、先生おっしゃったとおりだと思います。
     国立競技場につきましては、二〇二〇年オリンピック競技大会等の東京招致に係る平成二十三年十二月の閣議了解というのがございまして、「施設の新設・改善その他の公共事業については、その必要性等について十分検討を行い、多様な財源の確保に努めつつ、その規模を通常の公共事業費の中での優先的配分により対処し得るもの」とすることが定められております。
     国立競技場の改築事業につきましては、国費による措置に加え、そういう意味で多様な財源の確保に努めることとしているところでございまして、平成二十五年の独立行政法人日本スポーツ振興センター法の改正によりましても、スポーツ振興くじの売り上げの一部を改築事業費に充てることが可能となるとともに、東京都に対しても、事業費の一部負担を要請しているところでございます。

    ○宮本(岳)委員 平成二十三年十二月、これは民主党政権下の閣議了解であります。これが文部科学省と財務省の取り決めの大もとにあるから、都に対して五百億もの負担を求めたり、サッカーくじの売り上げ拡大みたいな話ばかりが出てくるわけであります。
     きょうは財務省主計局に来ていただいております。
     財務省に聞くけれども、財務省は、国立競技場の整備について、多様な財源の確保ができなければラグビーワールドカップ日本大会や二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックは成功しなくても構わないという立場をとっておられるんですか。

    ○西田政府参考人 お答えを申し上げます。
     二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会は、日本の経済社会全体を再活性化させる好機でもあり、確実に運営して成功させなければならないものであると考えております。
     一方で、現下の財政状況は非常に厳しく、また、二〇二〇年には国、地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化するとの健全化目標も実現をする必要があるという状況にございます。
     こうした状況のもと、所要経費につきましては、その必要性、妥当性について十分精査をいたしますとともに、多様な財源の確保に努めていくということが必要と考えております。

    ○宮本(岳)委員 だから財務省は愚かだと私は思うんですね。
     国の財政事情が大変だから多様な財源の確保と今答弁、それも一つの理由で述べられました。しかし、財政が厳しいからといって国費で整備せずに多様な財源でとしたことによって、国会や国民の監視がもはや外れて、三千億円などという法外なデザインが採用され、逆に財政規律を失った計画が進んだ。
     国費であれば予算ですよ、国会でこれを議論することになります。決算だってすることになります。ところが、多様な財源で整備しろと言ったものだから、多様な財源なんだから、我々が段取りしたお金も使ってやるんだから、幾らになったって構わないじゃないか、そういう財政規律に反する事態がやはり進んだ、膨れ上がったと私は思うんですね。
     こういうやり方で本当に国立競技場の整備がやれるのか。いかがですか、財政規律という点で。今はまだ額が出ないんですよ、千六百二十五億をはるかに上回る額が出されている。しかし、こういうことでは本当に財政規律という点でも問題があると私は思うんだが、主計局はどう思われますか。

    ○西田政府参考人 お答えを申し上げます。
     多様な財源を確保するということがあることをもって全体の事業費が放漫なものになっていいというふうに別に考えてはおりません。先ほども申し上げましたように、所要経費については十分精査をして、必要なものにつきまして対応するということであろうと思います。

    ○宮本(岳)委員 大臣、私は今、政治が決断すべきときを迎えていると思うんです。その決断は、今や政治家でなければできないです。
     私は、以下の五点を提案したいと思います。
     一つは、設計デザインを含む当初計画を抜本的に見直し、開閉式ドーム等はつくらず、観客収容八万席のうち一定数は仮設とすること。その際、建築家などの意見を取り入れて、特殊建築工法によるコスト高を削って、そのほか徹底した簡素で無駄のない総工費に抑えるということ。
     二つは、建設に際して周辺住民の生活環境の保持を最大限に尊重し、景観に対する配慮を心がけること。
     三つは、総工費の資金確保について国が責任を持つことを明確にし、そのために総工費の上限を明確にすること。この資金確保には、もとよりサッカーくじや野球くじなどは想定しないこと。
     四つ目には、工費とその進捗状況に係る情報を全て開示し、その膨張を監視し、可能な限り民意を反映して、国民の施設としての機能が発揮されるものにしていくこと。これは、オリンピックアジェンダ二〇二〇が透明性の確保と強調していることにも合致するものであります。
     そして五つ目に、オリンピック・パラリンピック後の使用と維持管理についても、やはり国が責任を持つ。大体、開閉式の膜というものも、音楽のコンサートを開催するために、遮音するための装置でありますから。
     本来、競技場のランニングコストというのは、国立競技場法をつくったときには、これは独立採算にならないんだ、だから国が一定持つのは当たり前なんだというところから始まっているわけですから。もちろん、それは、コンサートをやって悪いとは言いませんけれども、コンサートをするために、わざわざそのための設備に何百億とかけるというのは、余りにも本末転倒していると思うんですね。
     この五点を提案したい。こういう政治的な決断をやって、関係者が集まって、成功のためには本当になすべきことは全部やる、こういうことをやらないと間に合わなくなると思うんですが、いかがですか。

    ○下村国務大臣 批判ではなくて、前向きな、具体的な提言をいただいて、ありがとうございます。
     御指摘の五点でありますが、認識が一致する点もあります。また、一致しない点もありますので、個別具体的に答弁をさせていただきたいと思います。
     まず一つ目の、当初計画の基本的見直しについてでありますが、オリンピック招致を前提とした基本構想のデザインの公募、選定から、基本設計、実施計画と、ルールにのっとって計画的に進めてきた経緯は、これは踏まえる必要があると思います。しかし、余りにも、もともとのザハ・ハディド氏のデザインをそのまま活用すれば三千億というところから縮小して、それでも相当予定よりは高騰しているし、また工期も延びるというところから、いま一度見直しているという経緯がございます。
     抜本的な、ゼロからの見直しということについては、今までの整合的な部分から可能なのかどうかというのはあるとは思いますが、そういう意味で難しい部分もありますが、しかし、基本的に、総工費の抑制、設計の前段階における建設規模の縮小、それから経費の縮減、また、設計作業に入ってからも、工法等の工夫による低コスト化、こういう部分も含めて、トータル的に、この十月にスタートする以前のラストチャンスだと思いますので、しっかりこれは、政治的な決断、判断も含めた見直しについては柔軟に、もう一度総おさらいを私自身としてもしてまいりたいと思います。
     それから二つ目の、周辺環境への配慮についてでありますが、基本設計において高木植栽等の緑化計画を盛り込み、実施計画においてはさらなる充実を図っております。また、国立競技場記念作品等の保存、活用については、改築後においても全ての作品が国立競技場の敷地内に保存、活用されることが望ましく、JSCではその方向で取り組んでいるものと承知をしております。
     それから三つ目の、国による総工費の資金確保でありますが、独立行政法人が保有する施設の整備費は、基本的には国において財源を確保しつつ取り組むこと、それはそのとおりでありますが、先ほどからの答弁にありますように、国立競技場の整備に当たっては多様な財源の確保に努めるとした、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会招致の閣議了解を踏まえ、スポーツ振興くじによる財源の確保や、開催都市である東京都に対して費用の一部負担を要請してきた経緯もありますし、このスタンスは変えないつもりであります。
     それから四つ目の、工事費の情報公開と民意の反映については、工事調達の観点を前提としつつ、随時、開示、説明を行うとともに、さまざまな意見に耳を傾け、民意に配慮する計画となるよう努めていくことが必要であるというふうに考えます。
     それから五つ目の、国による大会開催後の運営管理費の継続的な確保につきましては、独立行政法人が保有する施設の運営管理費、管理費用は、基本的には運営費交付金により賄われるものでありますが、改築後の国立競技場の運営に当たっては、多目的な利活用による収益性の向上や、民間のノウハウを最大限活用することによって、できるだけそれ以降国民の税金を投入しなくてもいいような、やはり効率的な運営は図ることが必要であると考えます。

    ○宮本(岳)委員 一定前向きな御答弁をいただいたと思うんですが、私は、今のままの計画に固執すれば、ワールドカップも、また二〇二〇年東京も、開催そのものがますます危ぶまれる結果となるというふうに思います。
     閣議了解と言うんですけれども、これは民主党政権時代の決定でありまして、あのときと今とでは、もちろん条件も状況も変わっていることもまた事実であります。
     東京オリンピック・パラリンピックの成功は安倍内閣の最重要課題の一つだと大臣もおっしゃってまいりました。我々は反対いたしましたが、こういう決断をするためにこそ、安倍総理を本部長に、全閣僚をメンバーとする東京オリンピック・パラリンピック推進本部を置いたのではないか、特措法をつくったのではないか。閣議で決めたことであれば、閣議で変えればこれは変えられるわけであります。
     ですから、本当に、みんなの知恵をまとめて、徹底的に計画を見直して、せめて一千億を切るところまで建設費を抑えて、そして、もちろん、さまざまな財源ということが、今の時点では閣議了解がかかっているんでしょうけれども、やはり国が成功のためにいわば腹をくくる。さまざまな財源財源と言うだけじゃなくて、仮にそれだけの他の財源がなくても、その分については国がちゃんと責任を持ってやるんだということも財務大臣ともはっきり調整して、もう早くこの方向で踏み出していくということが成功のために必要だし、これが最も原則的で、最も現実的な解決策だというふうに思います。
     重ねて大臣、そういうことについては同意していただけますか。

    ○下村国務大臣 資金調達については、民主党政権のときに閣議決定されたからということではなくて、これはやはり、できるだけ多様な調達ということについては、そういうスキームの前提でしてきた中で、国費と、それからスポーツ振興くじについても売り上げの五%、これは、国立競技場の建てかえについては出していただけるというスキームを改正していただいているわけでありますから、それはぜひ有効活用させていただきたいと思いますし、また、東京都についても、先ほど初鹿委員からもお話がありましたが、これは二〇一六年の招致からの経緯がありますので、ぜひ、引き続き理解を得るようにしていく中で資金調達については考えてまいりたいと思います。
     これからの新国立競技場につきましては、しっかりといろいろな方々の御意見をお聞きしながら、柔軟に、しかし必ず間に合うように、二〇一九年の春の竣工に間に合うように、それから、コストについてもできるだけかからない、そういう創意工夫については十分行うことによって、広く国民の皆様方に理解をしていただけるように努力をしてまいりたいと思います。

    ○宮本(岳)委員 舛添都知事は、新国立競技場建設問題は今や全国民的課題になっており、それをこれまでのように、一部の政治家、一部のスポーツ関係者、一部の設計者、建設業者の密室の会議で決めるのは不可能であると指摘をして、政府は各界を代表する識者を集め、マスコミに公開して透明性を確保し、公平な視点から国民的合意を形成すべきである、こうおっしゃっております。もう答えは問いませんけれども、今大臣も、さまざまな意見に耳を傾けてというふうにおっしゃいましたから、ぜひそういう方向で進めていただきたいと思うんですね。
     ところで、私、委員長に提案があるんですけれども、私は、混迷した新国立競技場建設問題の解決のためにも、国立競技場の規模や設計の見直しについてさまざまな提案をされている建築家、設計士の方々をお招きした参考人質疑が必要だと考えますが、追って理事会で御協議いただけますでしょうか。

    ○福井委員長 追って理事会で協議させていただきます。

    ○宮本(岳)委員 これまで政府は、我が党の反対を聞き入れずに、本来国が国費で確保すべきスポーツ振興の予算を、専らサッカーくじの収益に頼るという誤った道に踏み込みました。当初の言い分は、国の予算もくじの収益もという話でありましたが、結果は、くじが売れれば売れるほど国費は減らされ、最後には、予算が必要になるたびに、くじの拡大に走らざるを得なくなりました。この道がこのような深刻な誤りをもたらすからこそ、私は、スポーツ基本法制定時に、サッカーくじの活用などという規定を入れることに断固反対したのであります。
     二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを本当に成功させたいのであれば、改めて原点に立ち返ることを強く求めて、私の質問を終わります。

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