「給付奨学金始めず」 宮本岳志氏追及に政府答弁 (しんぶん赤旗)
「給付奨学金始めず」 (動画)
第190回国会 財務金融委員会 第12号
平成二十八年四月五日(火曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 宮下 一郎君
理事 うえの賢一郎君 理事 神田 憲次君
理事 藤井比早之君 理事 古川 禎久君
理事 松本 洋平君 理事 木内 孝胤君
理事 古川 元久君 理事 伊藤 渉君
井上 貴博君 井林 辰憲君
越智 隆雄君 大岡 敏孝君
大野敬太郎君 大見 正君
勝俣 孝明君 木村 弥生君
國場幸之助君 今野 智博君
鈴木 隼人君 田野瀬太道君
竹本 直一君 中山 展宏君
根本 幸典君 野中 厚君
古川 康君 務台 俊介君
宗清 皇一君 山田 賢司君
落合 貴之君 玄葉光一郎君
鈴木 克昌君 西村智奈美君
前原 誠司君 宮崎 岳志君
上田 勇君 宮本 岳志君
宮本 徹君 丸山 穂高君
小泉 龍司君
…………………………………
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 麻生 太郎君
内閣官房副長官 萩生田光一君
財務副大臣 坂井 学君
財務大臣政務官 大岡 敏孝君
厚生労働大臣政務官 三ッ林裕巳君
農林水産大臣政務官 加藤 寛治君
政府参考人
(財務省主計局次長) 美並 義人君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 松尾 泰樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 吉本 明子君
政府参考人
(農林水産省農村振興局農村政策部長) 三浦 正充君
参考人
(日本銀行総裁) 黒田 東彦君
参考人
(日本銀行審議委員) 櫻井 眞君
財務金融委員会専門員 駒田 秀樹君
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委員の異動
四月五日
辞任 補欠選任
助田 重義君 古川 康君
根本 幸典君 大見 正君
福田 達夫君 今野 智博君
宗清 皇一君 木村 弥生君
鷲尾英一郎君 西村智奈美君
同日
辞任 補欠選任
大見 正君 根本 幸典君
木村 弥生君 宗清 皇一君
今野 智博君 福田 達夫君
古川 康君 助田 重義君
西村智奈美君 鷲尾英一郎君
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四月四日
株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
三月二十三日
消費税の再増税を中止し、生活費非課税・応能負担の税制を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第八九一号)
所得税法第五十六条の廃止に関する請願(篠原孝君紹介)(第九二二号)
消費税増税の中止に関する請願(真島省三君紹介)(第九二七号)
同月二十九日
消費税一〇%へのアップ中止を求めることに関する請願(真島省三君紹介)(第一〇四三号)
所得税法第五十六条の廃止に関する請願(本村伸子君紹介)(第一〇六九号)
同(中川正春君紹介)(第一一二四号)
消費税の増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇七〇号)
同(池内さおり君紹介)(第一〇七一号)
同(梅村さえこ君紹介)(第一〇七二号)
同(大平喜信君紹介)(第一〇七三号)
同(笠井亮君紹介)(第一〇七四号)
同(穀田恵二君紹介)(第一〇七五号)
同(清水忠史君紹介)(第一〇七六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一〇七七号)
同(島津幸広君紹介)(第一〇七八号)
同(田村貴昭君紹介)(第一〇七九号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇八〇号)
同(畠山和也君紹介)(第一〇八一号)
同(堀内照文君紹介)(第一〇八二号)
同(真島省三君紹介)(第一〇八三号)
同(宮本岳志君紹介)(第一〇八四号)
同(宮本徹君紹介)(第一〇八五号)
同(本村伸子君紹介)(第一〇八六号)
同(本村伸子君紹介)(第一一二五号)
消費税増税の中止に関する請願(本村伸子君紹介)(第一一二六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
財政及び金融に関する件
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○宮下委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
財務大臣と給付型奨学金の創設について議論をしたいと思うんです。
我が党は、去る三月十七日、国立も私学も、十年間で大学学費を半減する、月額三万円の給付型奨学金を七十万人に支給する等々を内容とする学費・奨学金の抜本的な改革提案というものを発表させていただきました。今、学生とその家庭の経済的貧困の問題は、各党とも党派を超えた真剣に取り組むべき課題となっております。
そういう状況の中で安倍総理は、三月二十九日、予算の成立を受けた記者会見で、家庭の経済事情に関係なく、希望すれば誰もが大学にも専門学校にも進学できるようにしなければなりませんと言い、返済が要らなくなる給付型の支援によってしっかりと手を差し伸べてまいりますと語られました。
こう言われれば、誰もが、ついに政府も給付型奨学金の導入に踏み切る腹を固めたと受け取るのは当然のことであります。時事通信は「給付型奨学金を創設」と配信しましたし、産経も「安倍首相 給付型奨学金創設を表明」と報じました。「首相、給付型奨学金創設を明言」という共同通信の配信記事は、ロイターによって世界に発信をされました。
そこでまず、きょうは、総理にと思いましたが御出席がかないませんので、萩生田内閣官房副長官にお出ましを願っております。
首相は記者会見で、日本学生支援機構等の奨学金事業に給付型奨学金を創設することを明言したんですか。
○萩生田内閣官房副長官 お答えします。
三月二十九日の総理記者会見では、児童養護施設や里親のもとで育った子供たちが進学した場合、毎月家賃相当額に加えて五万円の生活費を支給し、卒業後五年間仕事を続ければその返還を免除する新しい制度を始めた旨言及をされました。
これは、平成二十七年度補正予算で措置したものであり、現在、早期の募集に向け準備を進めているものであります。
御質問者がおっしゃったように学生支援機構で給付型奨学金を始めるというのではなくて、まずできるところから今年度スタートしようということの一つの例示として、この児童養護施設や里親の皆さんの例を示しました。
もう一つは、現在政府において、不幸にして犯罪被害に遭われた子供たちに対する給付型奨学金を創設すべく準備をしている、このことも公にしているところでございまして、全ての奨学金を給付型に切りかえるという段階にはまだ至っておりません。
○宮本(岳)委員 首相会見の翌日、三月三十日には、菅官房長官が火消しに躍起になっておられます。
配付資料一をごらんいただきたい。これが首相会見の該当箇所であります。
ふたをあけてみれば、児童養護施設や里親のもとで育った子供たちが進学した場合に毎月五万円の生活費を支給し、卒業後五年間仕事を続ければ返還を免除する、こういう新しい制度を説明して、この制度を給付型の支援と呼んでおられるだけだという説明でありました。
児童養護施設や里親と関係のない、あるいは先ほど御答弁のあった、不幸にして犯罪被害に遭われた子供、こういう特別な子供でなければ、ただ単に一般の貧困家庭の学生たちに給付型奨学金が創設されるという話ではないわけであります。
ですから、これは本当にぬか喜びだった、私に言わせれば、言葉は悪いですけれども、給付型奨学金詐欺ではないかと言わざるを得ないんですね。
もちろん、児童養護施設や里親のもとで育った子供たちに返済が要らなくなる給付型の支援をすることは、これは必要なことでありますし、よいことであります。
そこで、きょうはこの制度を所管する厚生労働省に来ていただいております。
首相は、「新しい制度を始めました。」、こう語ったわけでありますけれども、この制度、今すぐにでも、きょうにでも申請はできることになっておりますか。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまお尋ねのございました新たな自立支援貸し付けでございますけれども、本事業につきましては昨年度の補正予算について新たに措置されたものでございます。
本事業につきましては、一部の道府県に対しましては既に補助金の交付決定をいたしております。現在、その他の県も含めまして、各都道府県におきまして早期の募集に向けて準備を行っているところでございまして、今後募集が開始された際には、補正予算が成立しました一月にさかのぼって貸し付けをさせていただくことも可能としているところでございます。
○宮本(岳)委員 始まりましたとおっしゃったわけですが、現時点ではまだどこでも始まっていない、これからだということであります。
資料二を見ていただきたい。厚生労働省がこの制度を説明したポンチ絵であります。
児童養護施設退所者の大学等への進学率はわずか二二%と言われておりまして、一般の七割に比べても格段に低くなっております。児童養護施設は十八歳までしかいられませんので、退所した後は家賃も生活費も自分で稼がなくてはなりません。とても進学どころではないという経済的な理由が背景にあります。
この制度は、それらの若者たちに家賃相当額を支援するとともに、進学する若者には、それに加えて生活費月額五万円を貸し付け、卒業後五年間の就業継続で返還を免除しようという制度であります。
厚労省に重ねて聞きますけれども、この貸付金は、卒業後五年間について返済が求められるのか、そして仮に、最初に就職した会社がさまざまな事情で合わなかったという場合、泣く泣く五年間勤め続けなければ、会社をやめたら直ちに返還が求められる、こういうことになるんですか。
○吉本政府参考人 ただいまの貸付事業でございますけれども、大学等に在学中に貸し付けを受けていた方が卒業して就職した場合、就業を継続している間につきましては返還は猶予でございます。
また、最初に就職した企業を離職した場合でありましても、例えばすぐ再就職をなさるとかいった形で、就業を継続している場合と同等と考えられる場合につきましては、できる限り柔軟に取り扱いたいと考えております。
○宮本(岳)委員 それは当然のことだと思うんですね。
もう一度、この資料二を見ていただきたいんです。
これで、児童養護施設等の退所者で進学する方には、緑色の家賃、それから、黄色の生活費五万円も支給され、そして、五年間継続して働けば返済の必要もなくなる、その五年間も返還は求められません。
ところが、その上に、各種奨学金(日本学生支援機構等)という赤枠のものが乗っかっております。これは、国立で年間五十万円強、私学なら年間百万円を超える高い学費を日本学生支援機構から借りる制度なんですね。日本学生支援機構の奨学金は、全て貸与型であります。給付型の奨学金は、現状は全くありません。
文部科学省に聞きますけれども、児童養護施設退所者等が学費のためにこれを借り入れた場合、この返還はいつから始まることになりますか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
日本学生支援機構の奨学金でございますが、貸与が終了した月の翌月から数えまして七カ月目から返還が始まることとなっております。
具体的には、大学等を三月に卒業いたしまして貸与が終了した場合には、その年の十月から返還が始まることになっておりますが、年収三百万以下など、経済的理由により奨学金の返還が困難な方々に対しましては、毎月の返還額を減額し長期間かけて返還をいただいております減額返還制度、または、返還期限猶予制度により対応を行っているところでございます。
特に、返還期限の猶予制度につきましてでございますが、卒業後の御本人の年収が三百万円を超えるまでは、お申し出により、最長十年まで返還を猶予することが可能となっております。
特に、平成二十四年度から導入されました現在の所得連動返還型無利子奨学金制度でございますが、これにつきましては、無利子奨学金の採用時に親権者等がいない場合、これは児童養護施設の退所者が想定されるわけでございますけれども、卒業後の御本人の年収が三百万円を超えるまでは、お申し出により、無期限で返還を猶予する、そういう制度になってございます。
○宮本(岳)委員 今の所得連動返還型無利子奨学金、こういったものは全て一種奨学金しかないわけですよね、成績要件が厳然とついておりまして。もちろん、児童養護施設等退所者の方でも成績優秀者はいらっしゃると思うんですけれども、しかし、これはなかなか枠が狭いわけでありますし、そもそも、今の話、前段の厚生労働省の説明では、生活費、家賃の方は、就労を継続しておりましたら五年間請求されないわけでありますけれども、学費の方は、結局、七カ月たてば返還が求められてくる。三百万に達するまでは猶予できるとはいうものの、そういう手続をとらなければ、猶予も受けられないということになります。
文部科学省は、二〇一二年度予算概算要求で、かつて一度だけ、日本学生支援機構の奨学金について、給付型奨学金の創設を要求したことがございます。
文部科学省に聞きますけれども、このとき要求した大学等修学支援奨学金事業の事業目的はどういうものでありましたか。
○松尾政府参考人 お答えさせていただきます。
平成二十四年度概算要求におきまして要求させていただきました大学等修学支援奨学金事業の目的でございますが、意欲と能力のある者が経済的理由により大学進学等を諦めることがないよう、無利子の奨学金貸与のみでは修学が困難な者に対しまして、給付型の奨学金を支給するということにより、教育の機会均等を図るということであったと思います。
なお、当該概算要求の結果でございますけれども、給付型奨学金につきましては財源の確保等の課題によりまして盛り込まれないこととなり、その代替策として、入学時の家計支持者の年収が三百万以下である場合には、卒業後の本人の年収が三百万円を超えるまでは返還期限を無期限に猶予するという現行の所得連動返還型無利子奨学金制度が導入されるということになったと承知しております。
○宮本(岳)委員 このとき文科省は、無利子の奨学金貸与のみでは修学が困難な者が確かに存在するという現状認識の上に立って、この給付型奨学金の概算要求を行ったわけであります。
聞きますけれども、このときには確かに存在した無利子の奨学金貸与のみでは修学が困難な者というのは、その後いなくなったんですか、今はいないんですか。
○松尾政府参考人 結果といたしまして、無利子、有利子、両方で貸与いただいておりまして、その上で、返還の猶予が可能となります、現在、二十九年度導入を目指しております所得連動返還型奨学金制度等々になっていると理解しております。さらには、返還困難な方に対しましては、減額で月々返還をいただくという現在の制度になっているという理解でございます。
○宮本(岳)委員 二〇一二年に文科省が給付型奨学金の創設を概算要求したときに、これを冷たく却下したのは財務省だというふうに聞いております。
麻生大臣は、私がこの間、予算委員会等々で給付型奨学金の創設を何度求めても、「借りたお金は返すというのは当然だ」、「日本人の良識として、これが一番肝心なところだ」、こう繰り返すばかりでありました。
大臣、では聞きますけれども、総理は先日、給付型の支援を行うと述べたわけでありますけれども、この総理のお言葉は日本人の良識を踏み外したものだ、そうお考えですか。
○麻生国務大臣 子供の未来というものが家庭の経済状況によって左右されるということはあってはならぬ、これは基本的なところだと思っております。
学生の経済的な負担については、これまでの奨学金の充実とか授業料のいわゆる減免措置等々によって軽減に努めたところですが、二十八年度の予算においても、大学の無利子奨学金を一・四万人増員、それから、大学の授業料減免についても、国立、私立合わせて五千人増等々とさせていただいております。
その結果、先ほど話が出ておりますように、年収三百万円以下の世帯については、学力の基準を満たせば、無利子奨学金は全員に貸与、また、国立大学でほぼ全員が授業料減免の対象となっているというのが現状だったと認識をいたしております。
さらに、奨学金の返還月額が、卒業後の所得の連動により、より充実な所得連動返還型奨学金制度を平成二十九年度進学者から適用することを目指して、制度の設計及びシステム開発を今行っているところだと思います。
私どもは、基本的に申し上げておりますのは、まず大学生というものになりますと、その人が受ける生涯賃金は、大学に行かなかった人の所得、賃金より多い。その大学に行かなかった人たちが納めている税金でそれを賄っているという状態に関しては、明らかに公平さを欠くという点に対してはどう考えられますかという点に関しては、私どもは基本的に答えをしっかり用意しておかぬといかぬところなんだと思いますよ。
そうした上で、私どもは、こうした基本というものを確実に実施していくことで、経済負担等の減免というのはこれまで少しずつやらせてきていただいておりますが、基本的に、今申し上げたように、金利は今〇・一%ですから、無利子、無利子と、〇・一%まで下がってきておるという現状もあわせて御理解いただいておかぬと、昔のように六%とかの時代とは違います。
○宮本(岳)委員 そういう答弁なんですね、何回聞いても。
では、その無利子転換というのと所得連動返還型奨学金ということについて、短時間、ちょっと聞きたいと思うんですね。
私は、二月二十五日の衆議院予算委員会第四分科会で、残存適格者、つまり、無利子奨学金を受ける資格があるのに、予算が足りずに、利子つき奨学金を借りざるを得ない学生が、今年度予算が成立してもなお二万四千人も残されていることを示し、単年度でわずか百六十一億円あれば一掃できる、文科省もそれを要求したのに財務省はなぜ削ったのかと岡田財務副大臣にお聞きをいたしました。
岡田副大臣の答弁は、これまた相も変わらず、「これは厳しい財政状況を踏まえるとなかなか重い財政負担である」というものでありました。
財務大臣、総理は、可能な限り速やかに、必要とする全ての子供たちが利子のない奨学金を受けられるようにすると述べたわけですから、少なくとも、残存適格者、資格があるのに予算が足りないがために利子のない奨学金が受けられない、こんな学生などを残すことは大問題だと思います。これぐらいは当然措置すべきじゃないですか、財務大臣。
○麻生国務大臣 今のお話ですけれども、無利子奨学金の残存適格者を解消するために百六十一億円が必要という計算ですけれども、これは、学年が進行すると国費負担はこれよりふえるということで、単年度の話じゃありませんから、その点も忘れていただくと困るところなので、返還金だけで賄えるようになるまでの中長期間は国費負担というのはふえ続けるという、必要がありますので、これは財政状況を考えると極めて厳しい財政負担ということが言えるのではないかということがまず大前提です。
それから、無利子奨学金の貸与の拡充ということにつきましては、これは、そもそも家計基準が適切な水準となっているのかという観点からの検証とか、また、国以外にも、地方公共団体、学校などからの奨学金や授業料減免制度が存在をしております。また、有利子奨学金も含めますと、既に希望者ほぼ全員が貸与を受けることができているということなどを踏まえながらこれは検討していかねばならぬところだと思っておりますので、いわゆる意欲と能力のある学生というものの学習機会の確保のために、低所得者層等への十分な配慮を行っていくということが重要だと考えておりますので、厳しい財政事情を踏まえながらも予算を配分しておるというのが実情であります。
○宮本(岳)委員 答弁は端的にしてほしいんですが、結局、無利子転換も、残存適格者すら一掃できない。
それから、今お話のあった所得連動返還型奨学金でありますけれども、これは、年収三百万円に達しない限り無期限に返還を猶予するという制度は既にあるんですけれども、今度文部科学省が制度設計しているもの、有識者会議の中身を見ますと、年収ゼロ、課税所得がゼロでも二千円の返還を求め、返還猶予は十年までと、今ある制度より後退する制度設計になっているんですね、今ある所得連動型よりも。
ですから、私は、この無利子転換という話も、所得連動返還型奨学金という話も、残念ながらどちらもこれも総理がおっしゃるような形になっていない。その最大のネックが、結局、財政的に厳しいという話ばかりやっているわけですから、この際、やはり未来ある若者のためにしっかり予算を確保して、この前総理が語ったそのとおりにしっかり進めることを求めて、時間が来ましたから、私の質問を終わりたいと思います。