国有地、実質タダで払い下げ/こんな不明朗、許されぬ/宮本岳氏が追及/衆院委(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-16/2017021615_01_1.html
動画 https://www.youtube.com/watch?v=r6gqCMYteZY
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
きょうは、この間、メディアでも報じられている近畿財務局による学校法人への国有地売却問題について質問をいたします。
資料一を見ていただきたい。昨日付の朝日新聞でありますけれども、財務省近畿財務局から大阪府豊中市の国有地を買った学校法人森友学園が、近隣国有地の約一割の価格で買い入れていたことが今大問題になっております。しかし、国有地の売却は近畿財務局の一存でやれるものではありません。
まず、財務大臣に確認をいたしますけれども、国有財産法は、第七条で財務大臣が国有財産の総括を行うことを定めるとともに、財務局ごとに国有財産地方審議会を置くことを定めております。これは一体どのような趣旨でございますか。
○麻生国務大臣 国有財産地方審議会は、土地とか建物、個々の国有地というものの管理、処分等々の事務の大部分が地方財務局においてなされておりますので、その管理、処分に対して、地域的な特殊性、特別性等々を考えながら、地元の意見というのを十分に反映させなければならぬという観点から、いわゆる国有財産法に基づいて各財務局に設置をされております。
国有財産地方審議会は、各財務局長の諮問に応じて国有財産の管理、処分について調査審議を行うほか、意見を述べることができる、これが基本的な考え方であります。
○宮本(岳)委員 一定面積以上の国有地の処分は、国有財産地方審議会にかけられます。当然、この国有地、大阪府豊中市千五百一番の土地、八千七百七十平米を小学校の敷地として処理する事案についても、平成二十七年、二〇一五年二月十日に開催された第百二十三回国有財産近畿地方審議会で審議をされております。
きょうは、このときの議事録全文を資料としてお配りをいたしました。配付資料の三ページ目からの資料三の二ページを見ていただきたいと思います。
この件は、国有地の処分に当たっては売り払いを原則としているにもかかわらず、この国有地については、学校法人森友学園に対して十年間の事業用定期借地による時価貸し付けを行うとともに、十年以内の売買予約による時価売り払いを行おうとするものでありました。
理財局、近畿財務局はその理由をどう説明しておりますか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
未利用国有地の処分に当たりましては、売却を基本としておりまして、貸し付けを行うケースは限定されておりますが、公用あるいは公共用等の用に供する場合で、貸し付け財産の買い受けが確実と見込まれ、賃貸借をすることがやむを得ないと認められる場合には、売り払いを前提として貸し付けを行うことも可能となってございます。
本件、この国有地につきましては、森友学園より、小学校建設等に一時的に多額の資金を必要とするため、学校経営が安定するまでの間は貸し付けにより利用したい旨の要望があったところでございます。
したがいまして、事業用の定期借地の最短期間が借地借家法上十年間と定められていることを踏まえまして、買い受けを前提とした、貸付期間十年間とする定期借地契約を締結したところでございます。
○宮本(岳)委員 金がないので、内部留保が積み上がるまでは、最大十年間、借地契約にしてほしい、めどは八年間と言っておりますけれども、必ず買い取りますからという話でありました。
当然、委員からは、そんな話で経営は本当に大丈夫か、こういう声が続出をしております。
議事録の六ページ、読売新聞の大阪本社編集局管理部長は、今後十年で私立の小学校の経営環境というのはそれほど改善しないと思われるが、いざ売却する段になって、地価が上がっていて、買い手がその価格では買えませんと言い出すリスクはないのかと危惧を表明しております。
七ページ、関西学院大学総合政策学部教授は、その上で十年たって定借延長します、しかし、さらに経営が改善される見込みがなくて募集停止になりましたというような最悪の際には、こういう土地は定借の期間をあるところで打ち切って国に戻すというような流れになるのか、十年後には確実に戻ってくるとは言えないとまで指摘をしております。
これに対して、近畿財務局の管財部次長は、入り口ではきちんと期日までに小学校が実際にできるかどうかというところでまず、もしできなければ、事業予定者とはいえ、その時点でできないのであればもう打ち切りますよと、土地を更地にして返してくださいよということを義務づけていますと答えております。
この、きちんと期日までにできなければ打ち切る、土地を更地にして返すことを義務づけているという期日は、貸し付け合意書によると何年何月何日のことでしたか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
貸付契約におきましては、その指定期日につきましては平成二十八年三月三十一日でございます。
○宮本(岳)委員 審議会会長を務める中野健二郎京阪神ビルディング代表取締役社長でさえ、非常に異例な形だなという感じの印象を持っている、こう述べ、いわゆる学校法人として継続して成立していけるのか、私学審議会の中で検討してチェックしているということだから、言葉は悪いのだが、それを売却する方は信用するしかないと言い、最終的には、附帯条件がついて認可適当というのは、条件が満たされて認可適当になるので、それが満たされるという前提の中で、この審議会としては了とまとめております。いわば、私学審議会の認可適当の答申を信用して了承するということでありました。
森友学園の小学校新設については、配付資料の議事録三ページ、管財部次長が説明しているとおり、二〇一四年十月三十一日に大阪府私学審に認可申請書が提出され、同年十二月十八日の審議会においてその認可について審議されましたが、継続審議となりました。継続審議とされた理由は、小学校建設計画の明細や生徒数確保の見込み等について、根拠資料の追加を求められたためであります。
その後、改めて、翌二〇一五年一月二十七日に臨時で審議会が開催され、認可適当の答申がなされましたけれども、答申には、小学校建設に係る工事請負契約の締結状況、寄附金の受け入れ状況、詳細なカリキュラム及び入学志願者の出願状況等、開校に向けた進捗状況を次回以降の私学審議会の定例会において報告することとの附帯条件が付されております。
これは事実の確認だけですが、文部科学省、間違いないですね。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
事実関係は、今先生から御指摘があったとおりでございます。
○宮本(岳)委員 そういたしますと、ここに一つの疑問が生じるわけであります。
森友学園は、二〇一四年十月三十一日に小学校新設の認可申請書を提出したとなっております。その学校用地である豊中の国有地の十年間の事業用定期借地による時価貸し付け及び売買予約による時価売り払いが検討された第百二十三回国有財産近畿地方審議会は、翌二〇一五年二月十日に開催をされております。認可申請書はこの豊中の国有地の扱いが近畿地方審議会で議論され、決まる半年近く前に提出されたということになります。
文部科学省に聞きますけれども、土地の確保も学校の所在地も定まらないような学校の設置認可の申請などは受け付けられるはずがないと思うんですけれども、なぜそんなものが受け付けられたのか。ましてや、第百二十三回国有財産近畿地方審議会の前に、条件づきだとはいえ、認可適当などという判断がなぜできたのか、お答えいただけますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
私立の小学校につきましては都道府県知事が認可権者でございまして、この場合につきましては、大阪府知事が大阪府の基準に基づいて審査を行うということでございます。
御指摘の点につきまして大阪府に確認をいたしましたところ、設置認可適当との答申を出す際には、申請の段階で現に土地の所有または借用が行われているか、相当程度の確実性を持って土地を所有または借用できる見込みが求められるということで、そういった条件を確認された上でこうした答申が出されたものと考えております。
○宮本(岳)委員 といたしますと、第百二十三回国有財産近畿地方審議会の半年前の時点で、森友学園は相当程度の確実性を持ってこの土地は確保できる、こう述べて申請していたということになります。
ということは、理財局に聞きますけれども、近畿財務局は本件土地の処分について第百二十三回国有財産近畿地方審議会に諮る半年も前から大体確実だという内諾を森友学園に与えていたのではないですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十七年一月二十七日、大阪府の私立学校審議会において、森友学園に対しまして附帯条件を付して学校設置の認可適当との答申がなされたものと承知しておりますが、これ以前に、財務省あるいは近畿財務局から大阪府の私学審の関係者に対しまして、予断を持って森友学園の学校運営の状況等を伝えた事実はございません。
○宮本(岳)委員 いや、この土地については森友学園に貸せるだろうという見通しを伝えたことはないんですね。
○佐川政府参考人 そのようなことはございません。
○宮本(岳)委員 理財局は内諾を完全に否定いたしました。ということは、森友学園が大阪府私学審を偽ったということになります。
文科省、何が認可相当ですか。このような偽りの申請を提出するような学校法人は、答申に付された附帯条件に基づいて厳格に審査しなければならないと私は考えます。厳格に審査いたしますね。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の点につきましては、大阪府に確認をいたしましたところ、土地の買い受けないしは借用を予定している相手方は国であり、森友学園が近畿財務局に対して国有財産の取得要望の申請を行っている事実が確認されたこと等を踏まえてこうした判断をしたものということで伺っております。
○宮本(岳)委員 国が安定した存在であることはそうでしょうが、国、理財局あるいは近畿地方財務局は、第百二十三回国有財産近畿地方審議会の前に、その土地が森友学園によって活用できるという見通しは与えていないということでありますから、これはおかしいんじゃないですか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、基本的に相当程度確実性があるかどうかということでございまして、大阪府におきましては、先ほど申し上げたような状況を勘案しながら判断をしたということで伺っております。
ただ、これは先ほど申し上げましたとおり、大阪府が大阪府の権限、責任において判断されることでございますので、私どもとしては、その判断についてかわって御説明できる立場にはないということはぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○宮本(岳)委員 相当程度確実じゃないんですね。そういうことは何らなかったと理財局が否定しているわけですから、そこはしっかり大阪府にもお伝えいただきたいというふうに思います。
さて、二〇一五年二月十日、先ほど申し上げた第百二十三回国有財産近畿地方審議会の時点で、十年間の貸し付けで本当に十年以内に買えるようになるのかと危惧された森友学園が、打って変わって一年後の六月二十日、貸し付け一年目にこの土地を買い入れたのだから、不思議に思うのは当然であります。
しかも、その額はわずか一億三千四百万円であった。資料二の経緯年表の三行目を見ていただきたいんですが、ほぼ同規模の隣接した国有地を豊中市に公園用地として売却した際の十四億二千三百万円の十分の一以下という、極めて異常な売却額でございました。
理財局に聞きますけれども、国有地の処分は当然適正な価格で売却しなければならないはずでありますけれども、なぜこのような非常識に低い価格で売却したんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
まず、最初の御指摘の豊中市の公園の話でございますが、これは二十二年三月に豊中市に対して公園用地として売却したものでございますが、この点につきましても、きちんと鑑定評価に基づきまして時価で売却しているところでございます。
一方、森友学園に対する土地の売却でございますが、これも、更地の不動産鑑定価格九億五千六百万円から、その時点で借地契約中に見つかりました新たな埋設物がございまして、その埋設物を撤去する費用をきちんと見積もりまして、その撤去費用を差し引いた、まさに土地の時価でもって売却したものでございまして、そういう意味では、不動産鑑定価格に基づいた時価で売却しているという意味では、豊中についても森友学園も同様でございます。
○宮本(岳)委員 適切ならば、こんな大問題にならないんです。
資料一の朝日の記事を見ますと、撤去費を八億千九百万円とした根拠については、財務省は明らかにしていないと報じております。しかし、理財局は私に対して、この算定は国土交通省の大阪航空局が行ったものであることを明らかにいたしました。そして、国土交通省航空局は、私に地下埋設物撤去処分費用の算定方法と題したペーパーを提出いたしました。
きょうは国土交通省航空局にも来ていただいておりますけれども、国土交通省が私に提出したペーパーによると、地下埋蔵物の撤去の対象面積はどれだけですか。そして、撤去する深さは、基礎くいが打たれる箇所とそれ以外でそれぞれ何メートルになっておりますか。
○平垣内政府参考人 お答えさせていただきます。
大阪航空局で、近畿財務局からの依頼を受けまして、地下埋設物の撤去、処分費用の見積もりを行いましたが、その際に、対象面積は約五千百九十平米でございます。
もう一つ、御指摘の基礎くいが打たれる箇所の深さは九・九メートルでございます。基礎くい以外のその他の箇所の深さは三・八メートルと設定いたしております。
○宮本(岳)委員 基礎くいが打たれるところは九・九メートルだが、その他は深さ三・八メートル、埋蔵物を撤去するということでありました。
大阪航空局は、既に二〇〇九年度の調査で、この土地の地下に埋設物が存在すること、また二〇一一年十一月の調査では、土地の一部に基準値を超える鉛や砒素などの土壌汚染があることを認識しておりました。だから、大阪航空局は、まだ土地の貸付契約段階だった昨年の三月三十日に学校法人森友学園と合意書を作成し、地下三メートルまでの埋設物の除去費用及び土壌汚染除去費用として、昨年四月六日を支払い時期として、既に総額一億三千百七十六万円を森友学園に支払っております。
国交省に聞きますけれども、このうち鉛、砒素などの土壌汚染除去費用は幾らで、地下三メートルまでの埋蔵物の撤去費用は幾らでありましたか。
○平垣内政府参考人 お答えさせていただきます。
大阪航空局が学校法人森友学園に対して支払ったコンクリート殻等の埋設物及び土壌汚染の除去費用の総額は、御指摘のとおり、一億三千百七十六万円でございます。その内訳でございますけれども、埋設物対策分が約八千六百三十二万円、土壌汚染対策分が約四千五百四十三万円となっております。
○宮本(岳)委員 昨年六月二十日の売買契約以前に、既に森友学園は国から一億三千万円余りを受け取っておりました。しかし、そうなると、一層不可解なのが売買契約時の八億一千九百万円というこの積算であります。地下三メートルまでの埋蔵物の撤去費用がわずか八千六百万円なのに、基礎くいが打たれる場所以外は、あとわずか八十センチ、三・八メートルですから、そこからわずか八十センチを掘り下げるのに八億一千九百万円かかるという見積もりになっております。
こんな奇妙な積算はないと私は思いますが、なぜ十倍になるんですか、航空局。
○平垣内政府参考人 お答えさせていただきます。
御指摘のコンクリート殻等の埋設物及び土壌汚染の除去費用約一億三千百七十六万円と、地下埋設物撤去費用約八億一千九百七十四万円につきましては、内容が異なるため、一概には比較できないものと考えております。
ただ、いずれにいたしましても、工事積算基準等に基づき、適正な算定を行ってございます。
○宮本(岳)委員 何が適正ですか。三メートルの撤去に八千六百万円なのに、あとわずか八十センチ、三・八メートルまでさらに掘り進めるのに八億円もかかるわけがないんですね。その証拠に、資料一の朝日記事では、森友学園の籠池理事長はあけすけに、ごみ撤去にかかった費用は一億円ぐらいと語っているじゃありませんか。
理財局、埋蔵物の撤去費用を八億一千九百万円と積算し、国民の財産をわずか一億三千万円余りで売ってやる。買った側が、一億円で片づいたと語っている。本来なら、八億五千六百万円で売却しなければならなかったはずを、七億円以上も安く売ったことになるんですけれども、これで問題ないんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
委員提出の資料の、この朝日新聞の記事の見出し「ごみ撤去一億円」でございますが、この報道につきましては、森友学園側からこの報道機関の記者に対しまして、口頭で事実誤認である旨を明確に伝えるとともに、記事の修正も依頼しているというふうに聞いてございます。
いずれにしましても、撤去費用につきましては、国土交通省におきまして、工事積算基準に基づき適正に算定されたものでございます。
○宮本(岳)委員 一億円かどうかわかりませんよ。しかし、国民は誰もこの話は納得しない。
では、航空局に聞きますけれども、航空局が近畿財務局より、森友学園から三メートル以上の深部にもなお埋蔵物が存在する旨を告げられて、地下埋蔵物の撤去及び処理費用を算定してくれと申し出があったのは昨年の何月何日か。そして、それに対して八億一千九百万円余りの算定結果を通知したのは昨年の何月何日でしたか。
○平垣内政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十八年三月十四日に、近畿財務局から大阪航空局に対しまして、小学校建設工事中に深部の土の中から廃材等の地下埋設物が発見された旨の連絡がございました。近畿財務局からの御依頼を受けまして、大阪航空局において、撤去、処分費用の見積もりを行い、四月十四日に、近畿財務局に当該見積もりの結果を通知しております。
○宮本(岳)委員 配付資料二の昨年二〇一六年の経緯を見ていただきたい。
三月十一日に、森友学園が近畿財務局に想定以上の深さにも埋蔵物があることを報告すると、三日後には、近畿財務局が大阪航空局にそれを伝え、撤去及び処理費用の算定を依頼、三月二十四日には、八年間ほどは買い取れなかったはずの森友学園が近畿財務局に土地を買い取りたいと申し出た。三月三十日には、土壌汚染除去等費用一億三千万円余りを森友学園に支払う合意書が交わされ、四月六日には、大阪航空局より支払われました。四月十四日には、大阪航空局より撤去費用八億一千九百万円という過大な見積もりが示され、それに基づく不動産鑑定が行われ、六月二十日には、一億三千万円余りで土地が売却されたわけであります。
これは、二〇一六年、昨年三月三十一日、つまり第百二十三回国有財産近畿地方審議会で議論が噴出し、きちんと期日までにできなければ打ち切る、土地を更地にして返すことを義務づけていると表明した期日である昨年の三月末を前にして、森友学園が買い取れるように便宜を図ってやったのではありませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
まず、その使用指定期間の三月三十日につきましては、森友学園の方からその以前に申し込みがありまして、北部の川から土砂物が流れた、あるいは資材が高騰しているということで、その期限を一年間延ばしてほしいという申し込みがありまして、その変更合意書は既に三月の十日時点で締結をしているところでございます。
それと、なぜ買い取ったかという話でございますが、この買い受け特約を付した有償貸付契約でございますけれども、これは十年以内でございますれば、どのタイミングで買い取るかということにつきましては、これは森友学園の経営判断でございます。
したがいまして、この有償貸し付けの間にまさに学校建設工事を始めているわけでございまして、そのときに、今まで知っていたごみとは別に、新たに地中深くに地下埋設物が発見され、撤去する必要が生じる。さらに、小学校の開校予定時期は約一年後というふうに迫っている中で、こういう工事を、国がまさに撤去工事を対応するといったことをすれば、入札などいろいろな手続がございまして、一定の時間を要します。
さらに、土地の貸付契約の中で埋設物を対策するといったときに、仮に土地の利用計画の変更などが出てくれば、さらに国から承認の手続が要るということで大変時間がかかる手続でございまして、一年後の開校予定ということを森友学園は考えまして、まさに、早期に学校を整備し開校するため、みずから土地を購入して、埋設物の撤去及び建設工事を実施して、開校予定に間に合わすようにしたというふうに承知してございます。
○宮本(岳)委員 一年前の地方審議会の段階では八年めど、十年でも難しいんじゃないかといっていたのに、突如として経営環境が変わった。
大体、本当に一億三千万円で買い取って、それ以外に八億円かけて撤去するというんだったら、はなから九億五千万のお金を持っていたということになるわけでありまして、それなら、もとからこんな話にならないんですよ。
大体、国は、四月六日に、地下三メートルまでの埋設物の除去費用及び土壌汚染の除去費用として、森友学園に一億三千百七十六万円を支払い済みでありました。その上、さらに六月二十日の売買で埋蔵物の撤去費用を八億一千九百万円と見積もり、控除してやったとすれば、合計九億五千万円の支出になりまして、この土地は、国にとってただで手放したということになりませんか。
○佐川政府参考人 土地を国が売却するというのは、何度も申し上げておりますように、不動産鑑定評価に基づいて時価で売却しているわけでございます。
したがって、更地の価格からさまざまな撤去費用を控除したものが時価でございますので、御指摘の値段というのは当たらないというふうに考えます。
○宮本(岳)委員 ここまでの話の流れは全部驚きですけれども、私はこの国有財産売買契約書、これを読んで驚きました。そもそも森友学園は、その一億三千四百万円さえ、国に全額即座に払っておりません。驚くべきことに、森友学園は、頭金二千七百八十七万円を即納した後は、十年間分割払い、千百万円余りを毎年納めればよいという契約になっております。延納利息はわずか一%です。
学校法人に対してこのような延納を認めた事例は、近畿財務局で直近三年間さかのぼってもゼロだと確認しておりますけれども、理財局、直近の三年間で全国で一つでもありましたか。
○佐川政府参考人 まず、延納の話でございますが、基本的に、国有財産の売り払い代金につきましては、国有財産特別措置法で、一括して支払うことが困難である場合、確実な担保を徴し、利息を付した上で分割払いとすることが認められるということでございまして、国有地の売り払いに当たりまして、こういう分割払いというのは一般的に行われている行為でございます。
それで、先ほどの御質問では、学校法人に対しては、この三年間ではないということでございます。
○宮本(岳)委員 ないんじゃないか。
大臣、財政法第九条には、「国の財産は、」「適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」とあります。冒頭述べたように、財務大臣が国有財産の総括を行っているわけでありますから、こんな不明朗な国有財産の処分を許しておいてよいとお考えですか、大臣。
○麻生国務大臣 本件につきましては、これは地方審議会において十分な審議をいただいた上で多分処分をさせていただいたものだと承知しておりますので、その方針に従って、我々としては、法令に基づいて適正な処分が行われたんだというように考えるということしか今の段階で答弁のしようがありません。
○宮本(岳)委員 この結果は地方審議会にも報告されておりません。
徹底的に調査をして、このような不明朗な国有地売却については今からでもきちんと見直すことを強く求めて、私の質問を終わります。