「教育勅語」教育は不適切 森友学園の幼稚園教育内容 宮本議員追及に文科相 衆院予算委分科会(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-24/2017022415_01_1.html
動画 https://www.youtube.com/watch?v=MZb40OvY7MI&feature=youtu.be
議事録
○宮本(岳)分科員 日本共産党の宮本岳志です。大臣、おはようございます。
まず初めに、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録についてお伺いをいたします。
私の地元、堺市、羽曳野市、藤井寺市と大阪府は、既に世界遺産暫定一覧表に記載されている百舌鳥・古市古墳群が大阪初の世界文化遺産に登録されることを目指して努力をしてまいりました。
まず、文化庁に確認いたしますが、現状はどういう状態でございますか。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
世界文化遺産の推薦についてでございますけれども、これは毎年七月ごろに文化審議会において一件選定をさせていただいているというところでございます。
お尋ねの百舌鳥・古市古墳群につきましては、残念ながら本年度の選定からは漏れたところでございますけれども、その際に、文化審議会から検討すべき課題が提示されております。現在はそれを踏まえまして関係自治体において検討を進めていると認識しておりますが、来年度の推薦案件につきましては、各自治体から三月末までに提出されます推薦書素案に基づきまして、文化審議会における審議を経て選定されていくという段取りになります。
○宮本(岳)分科員 今、何としても国内候補にということで、随分地元でも皆さん頑張っておられます。
去る一月の六日、私もその一員でありますけれども、超党派の国会議員でつくる「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録を推進する議員連盟、こういうことで、知事や市長さんたちとともに、松野大臣や文化庁長官にお会いをして直接お願いをいたしました。大臣も覚えておられると思います。
こういうクリアファイルもつくりまして、今地元でも随分このことに力を入れているところでありますけれども、ぜひ松野大臣の受けとめや御決意をお伺いしたいと思っております。
○松野国務大臣 来年度の世界文化遺産の推薦案件の選定に向けて、関係自治体において、昨年七月に文化審議会から示された課題をクリアするための検討がなされ、完成度の高い推薦書素案が提出されることを期待しております。
○宮本(岳)分科員 ありがとうございます。
さて、この間、連日のように問題となっている、大阪府豊中市内の国有地を近隣国有地の約一割の価格で小学校用地として売却を受けた学校法人森友学園の問題を聞きたいと思うんです。
まず、昨日、臨時の大阪府私学審議会が開催されたと伺っております。文部科学省、その内容をつかんでおられますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
大阪府の方から、電話で確認をいたしましたところ、昨日、私学審議会が開かれ、この森友学園の件について審議が行われた、その結果として、まだ引き続き確認をする事項があるということで、来月、三月にもう一度審議会を開き、その状況を踏まえて最終的に認可についての判断を行うということが想定されているということを伺っております。
○宮本(岳)分科員 昨日のNHK大阪放送局の報道によりますと、この小学校の定員百六十に対し一年生四十五人、二年生五人しか集まっておらず、さらに五人程度の辞退者が出るおそれがあるということが大阪府から報告をされて、校舎の建設状況や入学予定の児童数、資金計画や学校の教育方針等々をめぐって委員の間から懸念する意見が相次いだと。これはNHKの報道であります。
こういう様子だったと聞いておりますが、事実でしょうか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
本件について、委員の方々からさまざまな御意見があったということは聞いておりますけれども、恐縮ですが、その詳細まで全部私ども確認しておるところではございません。
○宮本(岳)分科員 これだけ全国的にも話題になり、連日のようにマスコミ、メディアも取り上げておりますから、ぜひ迅速につかんでいただいて、適正に物事が進むように、不適正なところがもしあれば、それはきちっと、もちろん、大阪府の私学審議会の問題ですから、国から介入のそしりを受けるようなことはできませんけれども、しっかり助言や援助をしていただきたいというふうに思っております。
大阪府私学審がこの学校の設置認可をめぐって委員の間から懸念の声が続出するのは、決して今回の臨時審議会だけではありません。
私の手元に、大阪府私立学校審議会の議事録、これは我が党の大阪府会議員団が大阪府から適正な手続で開示を受けたものでありますが、この場に全部持ってきております。昨日お伺いすると、文部科学省も情報開示手続によって同じ会議録を手にされたというふうにお伺いをしております。
この設置認可が議論され、継続審議となった二〇一四年十二月の定例会議でも、あるいは、そこでは継続審議になり、翌年、二〇一五年一月二十七日、臨時会で、条件つき認可相当、こういう答申が出たその審議会も、議事録を見ていただいたら、本当に懸念の声が相次いでいると言わなければなりません。
例えば二〇一四年十二月定例会でありますけれども、委員からは、普通で言うと、私立学校会計基準で、こういう新しい校地、校舎をやるときは第二号基本金という形でね、毎年積んでいくことになっている、予算的にやっちゃいけないという指示が文科省から今から十年ぐらい前に出ていて、理事会決定に基づいて、こういう構想があるから校地、校舎等の建築資金を第二号基本金という形で積み立てていくようにという指導があるが、第二号基本金はあるのかとの意見が出されております。
これも文科省に確認しますが、この議事録によると、第二号基本金に関するこの指摘に間違いはないか。そして、議事録によると、それに対して、大阪府は二〇一三年度でこの学校の第二号基本金はどれだけあると答えておりますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
二号基本金についてのお尋ねでございますけれども、これは学校法人の会計基準におきまして、必要な資産を継続的に保持するために基本金を組み入れることとされておりまして、二号基本金については「将来取得する固定資産の取得に充てる金銭その他の資産の額」とされているところでございます。
学校法人が将来固定資産を購入するに当たって、具体的には第二号基本金をどの程度組み入れるかにつきましては学校法人の判断によるものでございまして、第二号基本金への計上がないことをもって直ちに学校法人会計基準に違反するものではないと考えているところでございます。
先ほど先生御指摘で引かれました文科省の指導云々というのは、私どもちょっと、確認をしましたけれども、それに直接該当するようなものは例としては確認できなかったところでございます。二号基本金の取り扱いについては今申し上げたところでございます。
それで、森友学園に関しましては、財務状況を大阪府に確認いたしましたところ、本年三月に、府の審査基準に基づいて、必要な資産等の財務状況も含めて最終的な準備状況について確認を行うということでございます。
大阪府の審査基準を拝見いたしますと、二号基本金ということではなくて、法人の全体の資産の状況等について基準を設けまして、その基準に該当するかどうかということで審査が行われていると承知しておりまして、私どもとしては、そうした府の審査基準に基づいて、資産の要件も含めて御判断がなされるものと承知しているところでございます。
○宮本(岳)分科員 二号基本金というものを私立学校会計基準で定めたことはありませんか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
二号基本金については当然定めがあるわけでございますけれども、府の会議で言及されておりましたような、十年前でございますか、何かそういった文科省の指導というものが、直に該当するようなものが見当たらなかったということを先ほど申し上げたところでございます。
○宮本(岳)分科員 いや、事実確認をしているんですけれどもね。
二号基本金を積み立ててやるということが一般的に行われていることは事実ですね。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
二号基本金の積み立てというのが一般的にあるというのは事実でございます。
ただ、これも、先ほど申し上げたように、必ずしもそれ自体が決定的な審査の要因になるわけではないということでございます。
○宮本(岳)分科員 再度聞きます。
会計基準に二号基本金というのはあるわけですね。その基本金は、一体、どういう目的の基本金ですか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、学校法人会計基準におきましては、必要な資産を継続的に保持するために基本金を組み入れる、二号基本金については「将来取得する固定資産の取得に充てる金銭その他の資産の額」というふうにされているところでございます。
○宮本(岳)分科員 学校にとって、校地、校舎は継続的に使用する必要はないのか。これはどちらですか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
当然、校地、校舎は学校の基礎的な財産でございまして、その取得というのは重要な要件でございます。これについては大阪府が審査基準を定めているということで承知しております。
○宮本(岳)分科員 会議録で、この時点で二号基本金の積み立ては幾らだと答えていますか。
○村田政府参考人 私どもの手元の議事録でございますと、それに対して事務局は、平成二十五年度のものなんですが二号基本金はゼロでございますというふうにお答えをされております。
○宮本(岳)分科員 通常積み立てておかなければならないとされている第二号基本金がゼロでありました。
さらには、その上、初年度から黒字とするなどの学園側の収支計画についても、委員たちからは、大丈夫かなどの不安や生徒が集まる根拠への疑問などが続出しております。
同じく二〇一四年十二月の定例会。委員から、流動資産はいいが借入金はどうなっているかとの質問が出ております。事務局が答えた借入金額は、残念ながら開示をされておりません。黒く塗られておりますけれども。それを聞いた委員は、借り入れは今持っているものよりもオーバーしているわけですねと返しているので、容易に借入金の方が上回っていることが見てとれるわけであります。
議事録は、間違いなくそうなっていますね。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
今先生が言及されましたやりとりは、議事録に登載されてございます。
○宮本(岳)分科員 附帯条件つきで認可相当とした二〇一五年一月の臨時会では、それでも梶田会長が条件つきで認可相当を提案した際にも、会長御本人が、今後さまざまなチェックをかけて、事実と違うようなことがあればそれだけでアウトです、今後何回かチェックをかけていただく中で虚偽の内容があればその時点でアウト、また心配な点がより一層明らかになれば指導して、指導してもだめな場合はその時点でまた別の判断を考えないといけないのではないか、一度ゴーにするとお墨つきをもらったようになってしまって、ずっといってしまうと困る、こう述べております。
会長がそう述べても、さらに委員から、率直に申し上げて、条件つき認可となると、やはり後段に記載の言葉から考えると認可ということになるので、提出された資料が妥当であると認めることになるのではないかと違和感を覚える、あるいは、私も全部よしとすることはほとんど難しいと思っている等々、まだ異論が噴出しております。
議事録の事実確認ですが、事実ですね。
○村田政府参考人 これも、議事録を拝見いたしますと、先生が引用されているようなやりとりがあったということでございます。
○宮本(岳)分科員 まずは、財政面でこのように懸念が噴出をしております。
それもそのはずです。この学校法人は、先ほど確認したように、二号基本金ゼロ、借り入れオーバーという状態で認可申請を上げてきているからであります。学校を開設しようと思えば、当然、校地や校舎が必要であります。とてもそのような資金を確保できる状況にはなかった、また、できるという確信が持てなかったわけでありますね。
そこで、今回の森友学園による新しい小学校、瑞穂の國記念小學校の校地取得のいきさつは既に大問題になり、私も財務金融委員会で国有地売却の不明朗な実態を明らかにしてまいりました。
校舎については、木質化を行うことによって、国からサステナブル建築物等先導事業の補助金六千二百万円弱が交付決定されているということが既に明らかになっております。
この補助金は、木質化という場合、補助対象事業費の三・七五%を補助する制度と聞いておりますけれども、これは国土交通省に確認いたします。サステナブル建築物等先導事業における森友学園からの応募申請における工事費、建設費用、設計費を合わせた補助対象事業費及び補助要望額は幾らになるか。これに対し、国土交通省が補助対象とした事業費及び補助上限額は幾らになっておりますか。
○石田政府参考人 お答えさせていただきます。
サステナブル建築物等先導事業は、先生御指摘のとおり、建物の先導的な木造化、木質化を図るプロジェクトを公募した上で、学識経験者の評価委員会を経て補助をさせていただいております。森友学園からは二十七年度に応募がございました。
当該応募申請におきます補助対象事業費は、工事費、設計費合わせて二十一億八千万円、に基づきます補助の要望額は一億一千八百七十五万円となっております。
当該応募につきましては、評価委員会におきまして、木造の建設が難しい防火地域内で、鉄骨の建物の内外装を木質化することで、大規模な木造校舎の内観、外観を再現するという点などが評価されて、採択に至りました。
ただ、補助金の上限額につきましては、木質化をされる部分の延べ床面積の割合を勘案しまして、補助対象とする事業費を、応募事業費のうちの約七割、約十五億二千百五十五万円に絞らせていただきました。さらに、予算の状況等を考慮しまして、先ほど三・七五%とございましたが、設計費の場合二分の一補助という制度となっております。そういった機械的な計算を、先ほどの金額に当てはめた場合の金額からさらに減額を、予算状況等を踏まえてさせていただきまして、補助の上限額を六千百九十四万四千円とさせていただいたところでございます。
○宮本(岳)分科員 大阪府私学審議会でも少し議論がありましたので、これは事実を、事実というか制度そのものを、もう一問教えてもらいたいんですけれども、木造というのと木質化というのとは違うと伺っておりまして、この森友学園の場合は木質化というふうに伺っております。これは事実か。そして、どう違うのか。
○石田政府参考人 木造化の場合ですと、いわゆる建物の構造本体を木を中心に構成するということになります。木質化の場合、今回の場合は鉄骨造がベースでございまして、基本は鉄骨の建物でございます。ただ、その外観、内観を、木を使うということで、見た目を木造のようにするということで、こういった建物を木質化というふうに呼んでおります。
○宮本(岳)分科員 要するに、鉄骨を使うんだが、その外に木を張って、木造のように見えるようにするというのが木質化だと聞いております。
いずれにせよ、森友学園は、相手側から申請してきたときには二十一億八千万の校舎を建てるのだという申請があり、そして、そのうち国交省は十五億二千数百万の分について、今御答弁になったサステナブル建築物支援事業の補助金を六千二百万弱おろすということになっているわけであります。ですから、相当財政的には厳しい状況での認可申請ということになっているわけですね。
ところが、二〇一五年十二月二十四日に開催された大阪府私学審議会の十二月定例会の議事録を読みますと、驚くべき記述が出てまいります。残念ながら額は明かされておりませんが、納付金を大幅に引き下げることができるほどの巨額の寄附金が寄せられたことが推察できます。
議事録によると、これは何人の人から寄せられたものですか。そして、大阪府私学審では、その後どのようなやりとりが交わされていますか。
○村田政府参考人 失礼いたしました。
寄附の話でございますけれども、これも、今、手元の議事録で申し上げますと、これはどういった形で寄附されたのですか、一人が寄附されたものか複数が寄附しているのかどうかで全然状況が違うということで、事務局が、一人の方が寄附をされています、一人の方なんですけれどもどういった方ですか、済みません、把握しておりませんというようなやりとりがあったということを今確認してございます。
○宮本(岳)分科員 それに続けて、どういった方かで全く意味合いが異なると思うので把握する必要があると思いますが、お金というのは出所も大事だと思います、きちんと事務局の方で把握しておく方がよいでしょう、どのような方からの寄附であるのかの確認は必要かと思います、三月の審議会で報告をお願いします、こういうやりとりが交わされているわけです。
これはその後把握したのだろうと思うんですけれども、大阪府に、どういう方であるのかということは確認できますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
大阪府に照会してみることは可能かと存じますけれども、ただ、これは当然寄附者の御意向ですとか、開示をどこまでしていいのかどうか、それは先方のことがございますので、お問い合わせはさせていただきたいと思っております。
○宮本(岳)分科員 ぜひとも問い合わせていただいて、私の方にも御報告をいただきたいと思うんですけれども。
もちろん、それは御本人がどういう御意向かというのはわかりません。しかし、一人の人物が巨額の寄附をして私学を自分の思いどおりに支配するというようなことがあり得るわけでありますけれども、そういうことを避けるために、私学にはどのような制度的な保障や仕組みが存在するか、これも私学部からお答えいただけますか。
○村田政府参考人 これは、私立学校法におきまして、私立学校の管理運営につきましては規定が設けられているところでございます。
これも先生から今御指摘がございましたとおり、私立学校の最終的な意思決定は五人以上の理事から成る合議体である理事会が行うこととなる、それからもう一つは、評議員会の制度が設けられておりまして、重要な事項については諮問を行い議論をしていただく、そういった形で、恣意的な学校運営が行われるということをチェックできるような制度となっているものでございます。
○宮本(岳)分科員 理事会がチェックの役割を果たすと。私も私立学校法改正案を審議しましたから、重々わかっております。
しかし、その理事会も議事録が不十分だと。理事長の発言に対して異議なく了承されたというような中身が報告されるばかりで、それではだめだという議論がこの議事録で交わされております。
もちろん、カリキュラムについても危惧の声が噴出しております。一、二年生の道徳や特別活動の時間が国基準よりも大幅に多い。委員からは、教育内容は何なのか、どちらかというと思想教育のような部分がある、少し違和感は覚えるといった懸念が出されております。
二〇一四年十二月定例会では、森友学園が現在運営している塚本幼稚園について、先日も安倍首相の奥様をお呼びされたり、そういった結構独特といいますか教育勅語を子供たちが覚えてそれを唱えたりとか、幼稚園でやっているようなことの何かを持ってこようということでしょうか、一、二年生というのはという議論が交わされております。
議事録に出てくると思うんですが、事実でしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の議事録において、そのような記述があることは事実でございます。
○宮本(岳)分科員 この塚本幼稚園というのは、幼稚園児に教育勅語を暗唱させていることでも有名な幼稚園であります。
教育勅語をめぐっては、私はかつて衆議院文部科学委員会で下村博文文部科学大臣と相当突っ込んだ議論をやったことがございます。下村大臣も、私とのやりとりの中で、教育勅語の中の徳目の中で「夫婦相和シ」とか「朋友相信シ」とか真っ当なものもあると言いつつも、教育勅語をそのまま使っていいと思うとは一言も申し上げていないと答弁し、当時の前川初等中等教育局長も、教育勅語そのものを教材として使うということは考えられない、こう答弁をされました。
文部科学省に確認しますが、この立場に変更はございませんね。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の、当時の国会でのやりとりがあったことは承知しております。また、文部科学省といたしましては、その立場が変わっているものではないということでございます。
○宮本(岳)分科員 再度確認しますが、教育勅語をそのまま子供たちに教える、これは適当でない、間違いないですね。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
一般論として申し上げれば、そのとおりでございます。
○宮本(岳)分科員 もちろん私は、「夫婦相和シ」とか「朋友相信シ」とかいう、いわゆる十二の徳目と言われるものも、その全てが、「一旦緩急アレハ、義勇公ニ奉シ、以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ。」、ここに係っておりまして、いざというときには全てをなげうっていけるように、日ごろから夫婦は仲よく、友達とも関係をきちっと努めて、後顧の憂いがないようにしておきなさいという意味が込められているのであって、徳目自身が今日の憲法と教育基本法のもとではその価値を認めることはできない、こう私は考えております。
しかし、教育勅語全文の暗唱というものは、文部科学大臣も文科省も一貫して否定してきた教育勅語をそのまま子供たちに暗記させる、教え込むという以外の何物でもありません。
これは文科大臣に聞かなければなりませんが、これを小学校で生徒にそのまま教えるというようなことは、私は適切でないと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
○松野国務大臣 現在、塚本幼稚園において教育勅語を暗唱する活動が行われているということは同園のホームページや報道の内容を通して把握をしておりますが、文部科学省として詳細に承知をしているわけではありません。
今、委員から小学校においてというお話があったかと思いますが、この教育方針が、まだ認可も受けていない小学校においてどう扱われるかというのは、これは仮定の話でございますから、仮定の話に私がコメントすることはございませんが、いずれにしろ、幼稚園にしろ小学校にしろ、所轄庁である大阪府が適切に判断をし、指導するものと考えております。
○宮本(岳)分科員 でも、大臣も、先ほどの文科省の答弁、また前下村大臣の答弁、これは同じですね。
○松野国務大臣 教育勅語に関しては、これは、戦前においての教育勅語の位置、要は、教育勅語を教育の源泉として取り扱うということは適当でないということが文科省の中で引き継がれているということでございます。
○宮本(岳)分科員 ぜひ、しっかりこの中身についても今後つかんでいただきたいと思うんです。
ましてや、この塚本幼稚園では、しつけというふうに称して、児童虐待にもつながりかねないことが日常的にやられているおそれがあることが昨日の分科会でも議論になりました。私も、子供がお漏らししたら、そのままかばんに入れて持ち帰らせるといった話は伺っております。
昨日、大臣は、大阪府にはどういう状況なのか報告を求めると答弁されたようでありますけれども、答弁を求めるとともに、万一不適切なものがあれば直ちに正していただきたい。最後に大臣の答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○松野国務大臣 この事案について、大阪府から状況について聞き取りをしたいというふうに、もう既にこれは聞き取りを電話で昨日行ったところでございます。
委員御案内のとおり、これはもう自治事務でございまして、文科省が直接的にその学校等に指導することはできません。現状においては、大阪府としっかり、この問題についていろいろと聞き取りを進め、状況を把握したいということでございます。
○宮本(岳)分科員 ありがとうございました。
終わります。