「森友」問題 貸し付事前に伝達 宮本岳議員、新資料示す 衆院財金委(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-03-16/2017031601_03_1.html
動画 https://www.youtube.com/watch?v=nEUld3lXtug&list=PL3M7AtnZgh3UHrgMcrb-4s3pw41yisTSe&index=297
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
森友学園への国有地売却問題について聞きます。
私は、去る二月の十五日、当委員会を皮切りに、二月二十一日、二月二十二日、二月二十三日の予算分科会、二月二十四日の予算委員会の集中審議と、五回連続でこの問題を取り上げてまいりました。二月十五日に私が初めて取り上げたときには報道もほとんどありませんでしたけれども、その後、民進党の皆さんも調査チームをつくり、現地調査を行うなど、野党が共同してこの問題を追及し、今では国民的な大問題となりました。
去る三月十日、森友学園の籠池理事長は記者会見を行い、大阪府への小学校設置認可申請の取り下げと、理事長退任の意向を表明いたしました。これで事実上、この瑞穂の国記念小学院の四月開校は不可能となりましたけれども、これで幕引きなどということには断じてするわけにいかないと思います。ごみ撤去費用を名目に、なぜ八億一千九百万円もの値引きが行われたのか、この不可解な取引にどのような政治家が関与したのか、何一つ解明されていない現状であります。国有地は国民共有の財産であり、これが不適正に処分されたとすれば大問題であり、国政調査権を発動して国民の疑念に応えるのは国会として当然の責務だと思います。
大臣は、これまで森友問題について国会で何を聞かれても、法令に基づいて適正な処分が行われたと繰り返すばかりの答弁でございました。しかし、適正であれば、これほど国民の怒りが広がるはずがないわけであります。
毎日が三月十一日、十二日の両日実施した全国世論調査によると、森友学園が小学校開設のため国有地を格安で取得した問題について、政府のこれまでの説明に納得していないと考える人は七五%に達し、納得しているは八%だったと報じられております。
そこで、大臣に確認をいたしますけれども、あなた方が適正と考えているかどうかはともかく、国民はその説明に到底納得していない、適正などとはとても思えないと言っている、その事実は、大臣、お認めになりますね。
○麻生国務大臣 世論調査というものに関する信頼が極めて宮本さんの場合はお高いということなんだというのはよくわかりました。私の場合は、世論調査のとおりやったら選挙に落ちたものですから、世論調査は絶対信用しないと以後思ったおかげでずっと当選し続けているんだと思っているんですけれども。
基本的な考え方として、今おっしゃるような、適正な価格ということをずっと申し上げてきておりますので、それに関して、私どもの気持ちとしては全く変わっておりませんし、適正だったと思っております。
ただ、そういった御意見が世の中には多くあるということは、今言われたとおりなんだということは理解できますけれども、私どもの場合は、部分部分としてはきちんと合っていると間違いなく思っていますけれども、ただ、全体として見て、いま一つ腑に落ちないという気持ちがあるという話はわかりますけれども、私どもの立場といたしましては、きちんとこれまで御説明申し上げてきたとおりだと思っております。
○宮本(岳)委員 財務省のつもりはわかるんですけれども、腑に落ちないという国民の声が多いということは認めざるを得ないと思います。先ほどの答弁もそうだったと思います。
小池晃参議院議員が内部告発に基づいて政治家の関与を示す事実を突きつけても、また、私が、一昨年九月の四日、先ほど議論になった近畿財務局九階会議室で行われた会議、近畿財務局の池田統括管理官、大阪航空局の高見調整係、森友学園側のキアラ設計や中道組との打ち合わせ記録を示して、その会議の事実関係を問いただしても、書類を廃棄した、こう言って、調べようともしない状況では、国民の納得は得られないと思うんです。
先ほどの今井議員の質問に少し続けますけれども、新しいものが出てきたかどうかはともかく、では、有益費に関しては、理財局長御答弁の期間、さまざまな打ち合わせをやってきたとお認めになっているわけですから、九月の四日に近畿財務局九階会議室で有益費に関する話し合いが持たれたことはお認めになりますか。
○佐川政府参考人 答弁申し上げます。
以前にも御答弁したかもしれませんけれども、七月から十二月までの間にさまざまな会議が設けられていたというのは申し上げましたが、何月何日にどこでどういう面会があったかというのについては、記録がないので、その点については申し上げられないということでございます。
○宮本(岳)委員 いや、それこそ、池田統括管理官に聞かれましたか。
○佐川政府参考人 担当官が当時の事業者の方とか大阪航空局の方と御議論していたというのはそうだと思いますが、何月何日にどこで何をしたということについては、そこまで私どもは確認してございません。
○宮本(岳)委員 いやいや、それは池田統括管理官に確認をされましたか。
○佐川政府参考人 直接、池田統括官そのものに、その日に何があったか確認してございません。
○宮本(岳)委員 そんなことで一体誰が納得しますか。これだけ問題になっていて、みずから記録を廃棄したと開き直って、そのことを確認しろと言ったって確認もしない。それは、国民は納得しない七五%は当たり前ですよ。
今まさにこのことが問われている。隠蔽と言われても仕方がないと思います。
去る二月十五日の質疑で、佐川理財局長は、近畿財務局は本件土地の処分について、二〇一五年二月十日に開催された第百二十三回国有財産近畿地方審議会に諮る前に、この豊中の土地の貸し付けについて大体確実だという内諾を与えていたのではないかとの私の問いに、二〇一五年一月二十七日、大阪府私立学校審議会において、条件つきで学校設置の認可適当との答申がなされる以前に、財務省あるいは近畿財務局から大阪府の私学審の関係者に対して、予断を持って森友学園の学校運営の状況等を伝えた事実はないと答弁されました。
この土地については森友学園に貸せるだろうという見通しを伝えたことはないのかという問いに対しても、そのようなことはございませんと答弁いたしました。
理財局長、この答弁は今も変わりませんね。
○佐川政府参考人 私学審での結論が出る前に、先方に対して、国有地の処分について予断を持ってお答えすることはございません。
○宮本(岳)委員 一昨日、大阪府の松井知事は、二〇一五年一月の臨時私学審が条件つきで認可適当の答申をまとめたことについて、当時、国からは、国有地の売り渡しを審議会に諮るため、小学校の認可の見込みを発表してくれと言われた、国の担当者が大阪府教育庁の私学課に何度も足を運んでいたと述べ、府の私学審議会が答申をまとめたのは、国有地の売却を早く進めたい国の要請を受けたものだったという認識を示したとNHKが報じております。
きょうは文科省に来ていただいておりますが、これは事実ですか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
大阪府知事の御発言について、私ども文部科学省がかわって御説明する立場にはないわけでございますけれども、お尋ねがございましたので、大阪府に確認をいたしました。そのことをそのまま御答弁をさせていただきます。
大阪府に確認をいたしましたところ、松井大阪府知事が、十三日の囲み取材で、国の要請を受けたとの発言はなく、以下は松井府知事の発言でございますけれども、卵と鶏の話で、国の売り渡し審議会にかけるために、大阪府として見込みを発表してくれと言われたからです、国からそういう形で府の私学課に何度も足を運ばれて、本当に国が売るなら、私学としてあり得ますという返事をしているだけです、それは当然の話だと思うとの発言があったということでございます。
大阪府によりますと、この御発言は、大阪府において近畿財務局と手続等について事務的な情報交換を行っていたことについて述べられたものであるということで承っております。
○宮本(岳)委員 少なくとも何度も足を運ばれてそういう話があったということをおっしゃっているわけでありますけれども、理財局長、大阪府知事のその説明について、これはそれでいいんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
公的な用途で国有地を処分する場合、まず事業の許認可主体の判断が示されることが前提でございます。それを受けまして、私ども国有財産の地方審議会で審議を行っていただきます。
先ほどの大阪府と近畿財務局の話につきましては、私ども、取得要望を受けた後に、大阪府に対しましては、大阪府の中でこういう取得要望が出ているけれども大丈夫でしょうかとか、審議会の手続とか、そういう事務的な確認は、先ほど文科省の答弁にありましたとおり、行っております。
ただ、いずれにしましても、近畿財務局から、地方審議会で国有地の処分は確実に行われるということを伝えてみたり、国有地の売却を早く進めるために私学審議会の答申を早く出してほしいなどといった要請をすることはございません。
○宮本(岳)委員 鶏か卵かという言葉が出ましたけれども、私は一貫してそのことを指摘してきたんですね。決して、私は、この森友事件について、大阪府が被害者だったとか、松井知事や府議会与党である大阪維新の会が無関係だと言うつもりはありません。
既に報じられているように、二〇一四年十二月の大阪府私学審で、財務状況への懸念などから設置認可が継続審議となった直後に、大阪府豊中市選出で大阪維新の会所属の中川隆弘大阪府議が籠池理事長から小学校の設置認可について働きかけを受けたことを明らかにしております。籠池氏から働きかけを受けて大阪維新の会の中川府議は、府の担当者に認可手続の進捗状況を確認、一五年一月に臨時審議会が開かれる予定であると籠池理事長側に説明をいたしました。
そもそも大阪府では、森友学園の要望後に、大阪府が私立小学校の設置基準を緩和していたことが明らかになっております。これまで幼稚園しか設置していない学校法人は借入金で新設は認められていなかったわけでありますけれども、借入金があっても設置を認めるように、基準を緩和したわけであります。
文部科学省に確認しますけれども、森友学園が大阪府に対して私立小学校の設置基準の緩和を要望したのはいつで、設置基準が緩和されたのはいつか。また、森友学園以外に要望を出したところはあったか。そして、規制緩和後、森友学園以外に小学校設置の認可申請が提出されたことはありますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
これも大阪府の基準の改正に関することでございますので、大阪府にお聞きしたことをそのまま御報告申し上げます。
大阪府に確認をいたしましたところ、平成二十三年七月に森友学園から借入金による小学校の設置について審査基準の改正の要望があり、平成二十四年四月に審査基準を改正したとのことでございます。審査基準の改正の要望は森友学園からなされたということで聞いているということでございます。
なお、大阪府によりますと、本改正は、他の都道府県における取り扱いを踏まえた検討を行った上で、私立学校審議会への報告、パブリックコメント等、所定の手続を経て改正したとのことでございます。
なお、改正された基準を活用した私立小学校設置認可の申請件数は、森友学園からの瑞穂の国記念小学院に関する一件とのことでございます。
○宮本(岳)委員 要望も森友学園一件のみでありますし、それに基づいて申請が上がったのも森友学園一件ということであります。
本日、橋下徹元大阪府知事は、これはまずかった、このときは自分の責任だということを、反省の言葉をツイッターで明らかにしております。
二〇一五年一月二十七日の臨時私学審議会での条件つき認可適当の答申に至る経過、これをめぐっては、国と大阪府でやはり大きく食い違いがあるというふうに言わなければなりません。
そこで、委員長に申し上げるんですが、松井大阪府知事は、国会で大阪府私学課の職員に対する参考人招致要求があったことに関して、私学課を呼ぶなら僕を呼べばいいと自身が応じる構えを見せております。
私は、本件審査のため、松井一郎大阪府知事を当委員会に参考人として招致することを求めたいと思いますが、お諮り願いたいと思います。
○御法川委員長 理事会で後刻協議をいたします。
○宮本(岳)委員 そこで、大阪府私学審議会であります。
昨日、NHKは、昨年十二月に開かれた審議会の議事録を入手した旨を報じ、ある委員から大阪府が学園側に入学志願者について問い合わせても人数は教えてもらえていないなどと、開校予定まであと三カ月余りとなった昨年十二月の時点でも、大阪府に対し入学する見込みの人数を報告していなかったことを報じました。
配付資料の一を見ていただきたい。これは、その昨年十二月二十二日の大阪府私学審議会の議事録であります。日本共産党大阪府会議員団を通じて、昨日、私が入手したものであります。
二枚目、九ページというページ数を打っている下線部を見ていただきたい。さる委員から、安倍首相の奥様が名誉校長になられたという記事について、その経緯の裏づけとかどういうバックでもってなられたのか、大阪府は把握されているのですかという質問が出ております。それに対して、事務局である大阪府私学課が、大阪府には正式になったという報告はいただいていないと答え、さらに、現首相の奥様が名誉校長になっていることが気になるんですよとの声が出され、パンフレットに載っています、パンフレットに載っているのですか、一般的に何でそうなるか興味が湧くでしょうし、我々も、何でこういう経緯でと、当然気になります、途中で切れていますけれども、それをスルーしていくと、後で大きな問題になるのかなと思います、それで聞いてみたんですというやりとりがその後交わされております。
そういうふうになっていることは、私学部長、間違いないですね。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
今先生がお示しした資料の御指摘いただいたところには、そのような記述がございます。
○宮本(岳)委員 安倍首相の夫人が名誉校長になっていることに委員から疑問が出され、これを放っておくと後で大きな問題になりかねないという危惧の声が出されているわけです。まさにその後、大きな問題となり、名誉校長をやめることになりました。やはり、これは誰が考えてもおかしなことであって、安倍首相夫妻の政治的、道義的な責任は免れないと言わなければならないと思います。
さて、私は、近畿財務局と大阪府私学課は、片方だけが悪者で片方が被害者などというものではなく、どちらも陰にひなたに手に手をとって、あらかじめ示し合わせ、手はずも段取りも整えた上で今回の認可申請と国有地の処分を行ってきた、いわば共犯関係であると断ぜざるを得ません。
まず、国土交通省航空局に確認をいたします。
森友学園が新関西国際空港株式会社へ助成事業計画概要書を提出し、騒音対策のための空調整備費を申告したのは一体いつだったか。幾らの申告だったか。それが内定し、新関空会社が森友学園に内定通知を郵送したのは何年何月何日でしたか。
○佐藤(善)政府参考人 お答えを申し上げます。
委員が配付された資料二、これは関西エアポート株式会社の発表資料でございますが、そこにもございますように、平成二十六年、二〇一四年でございますけれども、九月二十九日に、森友学園が新関空会社に対しまして助成事業の計画概要書を提出してございます。このときは、騒音対策としての空調の整備に対する助成の要望の受け付けということでございますけれども、空調整備費は一億四千八百万円ということでございました。
これに対しまして、新関空会社から森友学園に対しまして内定通知を出しましたのは、平成二十七年、二〇一五年三月二十三日ということでございます。
○宮本(岳)委員 配付資料二につけておきました。
これは極めて奇妙なんですね。森友学園が空調の整備費一億四千八百万円の申告を提出したのは二〇一四年九月二十九日。大阪府に小学校設置の申請を提出する一カ月も前のことになっております。国有地の取得はもちろん、その前の定期借地契約すらなされていない段階で、早々と豊中の国有地を想定した空調設備の申告書を提出しております。校舎など、それこそ影も形もない段階であります。
理財局長、これは、二〇一五年二月の国有財産近畿地方審議会どころか、大阪府私学審に小学校の設置認可の申請を行う以前から、事実上、この土地の定期借地契約や十年以内の売却について、森友学園に見通しを与えていたということですね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
委員、大変恐縮でございますが、承諾書の、この三の件でございますか。何の件で。済みません、申しわけございません、本当に。
○宮本(岳)委員 関西エアポートに二〇一四年九月二十九日に申請を出しているというのは、私学審への申請よりもはるかに前であるわけでありまして、以前からちゃんと見通しを与えていたんでしょう。
○佐川政府参考人 大変失礼いたしました。申しわけございません。
今のこの助成金、関西エアポートに関しましては、私どもは全く承知してございません。
○宮本(岳)委員 関西エアポートにこの申請を出すということは、まさに空港の近辺に小学校をつくるという話なんですね。それは、そこの土地を借りられるという見通しがなければ申請しようがないと思うんですけれども。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申しましたように、私ども、公的な用途での国有地の処分につきましては、あらかじめ事業の許認可権者、地方公共団体の判断を受けて行っておりまして、事前にそのようなことを先方に申し上げることはございません。
○宮本(岳)委員 では、申し上げてもいないのに勝手に動いていたということをおっしゃっているわけですか。
○佐川政府参考人 繰り返しでございますが、私ども、あくまで地方公共団体の、私学審なら私学審での答申を得まして、国有審にかけて、その処分について決定してございますので、ちょっと、委員がおっしゃっております関西エアポートに対する助成金の話については私ども承知してございません。
○宮本(岳)委員 国交省、間違いなく出ていますよね。
○佐藤(善)政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、この平成二十六年九月二十九日の助成事業計画概要書でございますけれども、これは助成に対する要望書でございます。新関空会社のこの助成事業の交付要綱によりますと、毎年、助成年度の前年度の九月三十日を締め切りとして助成希望者から提出を受けるということになっているということだそうでございます。
平成二十六年九月の時点で提出があったということは、提出者である森友学園の御判断によるものだと考えられますけれども、平成二十六年九月当時、近畿財務局が実施をされた本件土地に関する公用、公共用の取得要望に対しまして、森友学園のみが唯一手を挙げた段階でもありましたので、そうした状況も踏まえ、提出がなされたのではないかというふうに考えてございます。
○宮本(岳)委員 そんな漠とした要望じゃなくて、一億四千八百万円という額が書き込まれた申告が出ているわけですね。
それで、配付資料の最後、資料三を見ていただきたい。これは、近畿財務局が二〇一四年六月三十日付で豊中市長に提出した承諾書であります。
「下記一の国有地について、学校法人森友学園が行う下記二の小学校新設計画に係る下記三の行為について承諾します。」とあります。下記一の国有地とは、豊中市野田町の八千七百七十平米の土地、下記三の承諾する行為とは、「開発行為等協議申出書の提出に関する行為」となっております。承諾書の三行目から、「当該国有地の国と学校法人森友学園との貸付契約については、大阪府私学審議会において本件小学校新設計画が認可適当な旨の答申及び国有財産近畿地方審議会において本件国有地の貸付契約が適当な旨の答申を得た後で行いますので、学校法人森友学園が下記一国有地を使用できるのは、貸付契約の締結後となります。」と書いてございます。
ですから、もちろん正式にはそのときになりますよと断り書きがあるんですが、もうこの二〇一四年六月三十日の段階で、近畿財務局長心得という肩書の方のお名前になっておりますけれども、近畿財務局はこういう文書も示して、この土地については森友学園に貸せるという見通しを学園側に与えていた何よりの証拠じゃないですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
本件のこの承諾について御説明する前に、まず、今委員がお読みになったこの三行、まさに私学審の答申や地方審の承認がないと貸付契約にはなりませんということを書いてございます。
それで、そもそもこの承諾書の中身でございますが、豊中市の条例におきまして、一定規模以上の土地の開発を行う場合には、開発行為者は豊中市へ開発行為に係る計画の内容について相談が義務づけられているところでございます。
御指摘の承諾書ですが、本件のこの土地につきまして、公的取得要望が森友から出まして、取得がまだ正式ではもちろんありませんけれども、豊中市に対して開発行為について相談ができないかという問い合わせがございました。
これに対しまして、財務局の方から、本件国有地は公的取得要望が一件だということもありますが、一定規模以上の国有地の処分につきましては地方審議会の了承を当然要しますが、開発行為者は、豊中市に対して、開発行為に係る相談を行うことが条例上義務づけられておりますので、地方公共団体との間で相談を行うことを妨げる理由はないということでございまして、豊中市と議論をいたしまして、こういう開発行為に係る相談を行うことを認めているというのがこの承諾書でございます。
ただ、いずれにしましても、こうした事前の地方公共団体に対する建築関係の相談、国有地を活用しての介護施設の整備とか、そういうことについては、取得要望後、事業者において、契約締結までの間に地方公共団体との間で開発計画に関する事前相談等を行っている事例というのは、そういう社福を初めとして幾つもございますので、何か特別なことをしているわけではございません。
○宮本(岳)委員 特別なことですよ。
二〇一五年二月十日の国有財産地方審議会で、枠組みでもう決まった後の話ならともかく、そもそも、国有地は売却が原則だ、何でこんな十年貸し付けなんという異例なことをやるのかという議論が翌年の二月の十日に出てくるような、その審議会の前に、前といったって、それこそ六月ですから、もう一年近く前に、ここは借りて開発できるよという前提で、相談に乗ってあげてくださいという文書が出ているわけでしょう、この文書を見れば。
これは全くおかしいんじゃないですか。何もそういうことはやっていないという答弁は撤回してください。虚偽答弁ですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今御答弁申し上げましたように、ほかでもやっている話でございます。社会福祉法人や何かでも、事前に、もちろん、取得要望の後に、契約締結の前に、やはり地元の自治体ときちんと相談をしないと、例えば一定の面積の公園の設置とか、そういうことが地方公共団体との間では当然のことながらその要件になったりしますので、そういうものについて事前に相談をすることを妨げるということではございませんので、それの一つとしてここでもやっているというだけのことでございます。
○宮本(岳)委員 いや、そんなことを聞いていないんですよ。
異例の取引だと審議会でも出るような話なんですね。社会福祉法人じゃないんですよ、学校なんですよ。しかも、一括売却じゃなくて貸付契約なんですよ。そんなことが早くから決まっているわけはないんですよ。それをもう早くからそういう話が進んでいるじゃないですか。だから、問題にしているんですよ。
○佐川政府参考人 学校法人もそうでございますし、社会福祉関係の施設もそうでございますが、会計法令上、きちんと随意契約、公共随契を結ぶことができるというふうにされておりまして、そこは同列でございます。
したがいまして、今申しましたように、ほかにおいても、事前に、地元との関係で、開発計画に関する事前相談を行っている例はございますし、その方がスムーズにいくというようなこともございますので、あえて相談を妨げておらないということでございます。
○宮本(岳)委員 いや、全くそれは通りませんね。
最初の答弁は、二月十日の国有財産審議会以前には予断を与えるようなことはやっていないと、最初確認したとおりですよね。私学審の申請よりもまだ前から物事は動いている。おかしいと思って調べたら、六月二十日にはもう既にこんなお墨つきまで渡して、もうその見通しで動くことを認めてきている。だから、私は、このまさに文書に書いているとおりですよ、あなた方の近畿財務局と大阪府私学審は示し合わせて、お互いに手に手をとり合って、この森友学園が開校できるように手はずを整えてやったということになるんじゃないですか。そういう立場でやってきたんでしょうか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
ほかにも例があることはもう答弁申し上げたとおりでございます。
それで、委員が最初に御紹介になった文書にありますように、当然のことながらでございますが、私学審や国有審においての答申を得た後でなければそういうふうになりませんというふうにわざわざ書いてあるわけでございます。
○宮本(岳)委員 そんなことは当たり前じゃないか。その前から決まっているなんという話があったら、えらいことじゃないですか。
そうじゃないんですよ。そうではあるが、もう今から段取りしてもらって結構だ、そういうお墨つきを与えているから問題だと言っているわけでしょう。最初の答弁と食い違う、虚偽答弁じゃないかということを私は申し上げているんですよ。何度聞いてもそういう答弁だったら、それはもういいですよ。
この鞆田周一さんという人は、お珍しいことに、肩書が近畿財務局長心得、そういう肩書になっているんですね。この人は、二〇一四年六月二十七日に近畿財務局長心得兼理財部長兼務近畿財務局総務部長となり、そのわずか四日後の二〇一四年七月一日、関東財務局東京財務事務所長に転出をしております。間違いないですね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の心得ということでございますが、これは、財務省におきまして、上位の官職が空席となった際に、下位の官職の者が空席となった上位の官職を兼務する等の際に発令しているものでございます。
本件につきましては、前任の近畿財務局長が六月二十七日付で異動となりまして、また、後任者の発令は七月四日ということでございましたので、財務局長が空席となる期間が生じますので、業務遂行に支障がないように、近畿財務局長において、総務部長であったこの鞆田氏に近畿財務局長の心得を発令したものでございます。
○宮本(岳)委員 六月二十七日に異動になった人というのは財務省をやめているんですが、枝広直幹さんという福山市長を務めている方、この方が六月の二十七日に異動しておやめになっているわけですね。その後、今の方が、鞆田さんが心得ということになっております。
今、この鞆田周一氏は何をやっておられますか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
大変恐縮でございますが、鞆田氏が今どの官職にあるか、ちょっと私は存じません。
○宮本(岳)委員 この方は、二〇一六年七月一日、財務省を退職しております。
きょうは内閣人事局にも来ていただいております。
昨年十二月二十日付の国家公務員法第百六条の二十五第一項等の規定に基づく国家公務員の再就職状況の報告、平成二十八年七月一日から同年九月三十日分において、百六十四番、鞆田周一氏の再就職はどのように報告されておりますか。
○加瀬政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十八年七月一日に元財務省大臣官房付で退職された鞆田周一氏については、国家公務員法第百六条の二十四第二項の規定に基づく再就職状況の届け出によりますと、平成二十八年九月一日に再就職をされ、再就職先は飯能信用金庫、再就職先における地位は執行役員監査部長となっております。
○宮本(岳)委員 昨年七月一日付で退職をし、わずか二カ月後には金融機関に役員として天下っているわけです。しかも、埼玉県飯能市は、鞆田氏が退職時まで勤めていた関東財務局の管内であります。しかし、今は既に財務省におられない方に聞くわけにはいきません。
この鞆田周一氏が二〇一四年七月一日付で関東財務局に異動した後、近畿財務局長に就任したのが冨永哲夫氏であります。冨永氏は現在、国土交通省政策統括官という役職にございます。
きょうは来ていただいておりますけれども、冨永政策統括官、あなたが二〇一四年七月一日、近畿財務局長に就任した当時、この森友学園への国有地の貸し付けに当たって承諾書を出していることは、鞆田周一局長心得から引き継ぎを受けたか、また知っていたか、いかがですか。
○冨永政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの件につきましては、現在、本件を担当している者が責任を持って対応しているところでございます。
私がこの場に出させていただいておりますのは、国土交通省の政策統括官としてでございまして、本件についてお答えする立場にはございません。
○宮本(岳)委員 この承諾書が振り出された翌日、二〇一四年七月一日付で近畿財務局長に就任されたことはお認めになりますか。
○冨永政府参考人 私の経歴についてでございますので、記憶が間違いなければ、七月一日ではなくて、七月四日であったかと思います。
○宮本(岳)委員 では、五日後に就任されたわけですね。
冨永さん、あなたは、二〇一五年二月十日の第百二十三回国有財産近畿地方審議会のときも、二〇一五年五月二十九日、当該国有地の十年の定期借地と十年以内の買い取りの特約を結んだときも近畿財務局長でありました。あなたはそれを知っておりましたね。
○佐川政府参考人 近畿財務局の国有財産行政でございますが、平成二十七年二月の十日に国有財産近畿地方審議会を開催してございます。この地方審議会は、当然のことながら、近畿財務局全体として承知しているということでございます。
○宮本(岳)委員 答弁しないんだったら、本当に話にならないんですね。真相を解明し、国民の理解と納得を得ようという姿勢が全く見られない、まさに隠蔽だと言わなければなりません。
では、仕方がありません。
冨永哲夫国土交通政策統括官は、二〇一四年七月四日から二〇一五年七月七日まで約一年間、近畿財務局長でありました。その後を継いで、二〇一五年七月七日だと思うんですが、近畿財務局長に就任したのが武内良樹氏、現財務省国際局長であります。
武内国際局長、あなたは、昨年六月二十日、まさに、この豊中市野田町の国有地を八億二千万円も値引きして、森友学園にわずか一億三千四百万円で売却したときの近畿財務局長でしたね。
○佐川政府参考人 二十八年の六月二十日の、売却のときの御契約のお話でございます。
二十八年の六月の二十日でございますれば、それは近畿財務局長は武内ではなかったのではないかと思います。
○宮本(岳)委員 誰ですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今ちょっと手元に正確な日付はございませんが、六月の二十日以前に人事異動がございましたので、現在の近畿財務局長であるというふうに思います。
○宮本(岳)委員 誰ですか。
○佐川政府参考人 現在の近畿財務局長は、美並近畿財務局長でございます。
○宮本(岳)委員 とにかく、この当時の方々に語っていただかなければ、どういうやりとりが現場であったのかは、やはりわからないんですよ。書類は全て廃棄している、そして、わからないという答弁が一方で出る。それなら、池田さんにとか、あるいは先ほどの冨永さんに語ってくれと言っても、それはもう語れないというのでは、本当に審議はこれ以上深まらないというふうに思います。
既に野党が参考人招致を要求している迫田英典元理財局長、現国税庁長官を初め、この件にかかわった人たちはみんな出てきていただいて語っていただく、そのことがまず第一でありまして、これを拒んでいるという状況では、納得できないと思っている国民の理解は絶対に得られないということを申し上げておきたいというふうに思います。
さて、今回の事件で解明されていない疑惑の一つが、校舎の建設費をめぐる三種類の価格の問題であります。
二〇一五年二月の第百二十三回近畿地方審議会においても、森友学園への国有地売却について、小学校校舎の建設費に寄附を見込んでいることなど、森友学園の収支計画が議論になっております。収支計画書では、校舎の建設費は幾らとなっておりますか、理財局長。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
校舎の建築費等、個別のところについてのエビデンスはもらってございません。
それから、収支計画書そのものにつきましては、これはそれぞれの法人の事業経営内容そのものでございますので、その点につきましては、情報公開法の関係上、開示できないというふうになってございます。
○宮本(岳)委員 大阪府は、既に七億五千六百万ということを明かして、これは虚偽の申請である可能性があると告発を検討していると報じられているわけですね。七億五千六百万円であれば、同じく財務省も告発すべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
私ども、大阪府が告発をするかどうか承知してございませんので、私どもとしてのコメントは差し控えさせていただきます。
○宮本(岳)委員 大阪府がどうあれ、理財局は、近畿財務局は問題なしとする、こういうことですね。
○佐川政府参考人 今申し上げましたように、収支計画について申し上げることはできないということでございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、ここで言えないということと、校舎の建設費に虚偽があろうが何であろうが、七億五千六百万であろうが、大阪府がどうしようが、国のあなた方はお構いなし、結構、こういう態度でいくということですね。
○佐川政府参考人 私ども、さまざまな法令と契約に基づいて行政をしておりますので、それぞれの状況に応じて適切に判断してまいりたいというふうに思います。
○宮本(岳)委員 余り適切に判断するように見えないので聞いているんですね。極めて答弁が、この間の流れでも不適切だから聞いているわけですよ。
さて、財務省は三月十二日付で森友学園に対し通知書を発しました。売却した土地について、契約書の二十六条に従い、買い戻し特約を発動して買い戻しを請求する、あるいは三十二条に従い、契約解除の権利を行使し原状回復を求める、こういうことになると思うんですが、これはどういう基準でどういうふうに求めていくんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
三月十日に森友学園が設置認可の申請を取り下げましたので、委員がおっしゃいましたとおり、私ども、三月十二日に、売買契約上の森友学園の義務、今月末までに本件土地を小学校の用に供する義務が果たせない見込みというふうになりまして、国として、今後土地の返還を求める契約上の権利を行使することとなる旨、森友学園に伝えたところでございます。
いずれにしましても、これにつきましては、法令と契約に基づきまして適切に対応していきたいというふうに考えます。
○宮本(岳)委員 籠池理事長はこの土地と建物に固執する発言をしております。再度認可申請をして小学校をこの場所で開校すると今も言い続けております。
仮に、森友学園が買い戻しを拒否して売買契約の解除の適合性が裁判に委ねられる事態も想定されると思うんですが、いかがですか。
○佐川政府参考人 現行は契約に基づいてきちんと対応していきたいと思いますが、今委員がおっしゃったような事態、仮定のことでございますので、その点についてのコメントは差し控えますが、さまざまな状況が出てきますれば、さまざまな状況に応じ、我々、法令と契約に基づいて適切に対応してまいりたいと思います。
○宮本(岳)委員 いやいや、さまざまな状況が出てきたらさまざまに対応すると言うけれども、私に対しても財務省は、売買契約を結ぶまでの交渉過程について面談記録などは全て廃棄した、こう答弁しているじゃありませんか。
契約者同士の訴訟リスクもある国有地の売却、こういう問題を、六月の二十日の売買契約書ができたらそそくさと廃棄する。もし訴訟になった場合に改めて出さなきゃならなくなったら、そういうときには出てくるんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
私ども財務省の中で、公文書管理法に基づいて文書管理規則をつくってございますが、その中にはきちんと決裁文書で、契約書、あるいは相手方から提出された売り払い申請書、登記関係書等々を全てファイルして保存してございますので、仮にそういうことになりますれば、そうした書類に基づいて対応してまいりたいというふうに思います。
○宮本(岳)委員 きちっと対応できる、それはここで断言できるわけですね。
○佐川政府参考人 適切に対応してまいりたいと思います。
○宮本(岳)委員 もう時間が来ましたので、残りはまた次の機会に譲りたいと思うんですけれども。
大臣は、去る二月二十一日の当委員会での私とのやりとりで、私が、国有財産近畿地方審議会を開催して、本件土地のその後の状況について報告して議論せよ、こう要求したのに対して、今後の地方審議会において報告はさせたい、こう答弁をされました。
早々に近畿地方審議会を開いて報告をする、この点についてはよろしいですね。
○麻生国務大臣 これは二月の二十一日のこの委員会で答弁したところですけれども、その後、森友学園の方から、小学校設置の認可申請を取り下げということになっております。
したがって、さまざまな動きがありますが、次回の地方審議会の開催日程について、他の審議案件もあることから、現在日程を調整いたさせております。決まり次第、地方審議会を開催し、報告させていただきたいと存じます。
○宮本(岳)委員 この問題についての国民の怒りが高いのは、やはり国民の共有財産であるべき国有地が、最初は非公開という形で、破格の値段で売られたということが明らかになった。中身を見たら八億二千万という値引きがされているけれども、その値引きの根拠というものも、国会でこうしてお尋ねしても釈然としない。そして、文書は廃棄したといいながら、その御当人を出してくれと言っても出さない、その御当人に聞いてくれと言っても、聞いてももらえない。こんなことで納得しようがないわけですよね。
数々の問題が残されております。とりわけ、政治家の関与、責任の徹底解明が必要であることは言うまでもありません。引き続き、私どもも徹底解明に向けて頑張るということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。