森友問題 財務省「適正」根拠、ぼろぼろ 国有地格安売却の核心に迫る 宮本岳議員が追及 衆院財金委(赤旗)
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議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
財政法第九条は、「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」とありまして、国有地の売却、貸し付けに適正な対価を求めております。
当然、国民の財産を売り払うわけですから、公正公平な手続で行わなければならない。当然だと思いますけれども、財務省はこのような姿勢で国有地売却に当たっているのかどうか、まず冒頭に確認をしたいと思います。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今委員おっしゃいました財政法九条、「国の財産は、法律に基く場合を除く外、」「又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」ということでございまして、私ども、この財政法に基づきましてやっておるところでございます。
○宮本(岳)委員 先週、二十一日金曜日の衆議院国土交通委員会の私の質疑で、佐川理財局長は、近畿財務局の職員が「今後の手続きについて(説明資料)」という文書を作成し、私学審で検討される前に森友学園に渡したことを認められました。配付資料一がその文書であります。しかも、大阪府私学審議会で初めて審査される直前の二〇一四年十二月十七日に、近畿財務局内で担当職員から森友学園側に手渡され、説明を受けたとされております。
文書は、大阪府私学審が認可適当とし、国有財産近畿地方審議会が認可することを前提に、そのスケジュールを十四の手続ごとに説明しております。森友学園が提出すべき書類について、その時点で明確な内容を書き込んだひな形を六種類、別添資料として財務省が用意するなど、普通、財務省の対応としてあり得ないぐらい懇切丁寧な説明をしているとの印象を持ちました。
佐川理財局長は、事務手続が円満に進むように、先方に対して参考となるものを渡している、何ら不自然なことはないと答弁しておられましたけれども、とても、そのようなことをふだんからしているとは思えません。
確認いたしますが、国有財産近畿地方審議会の二カ月も前に、その後の手続を文書にして購入希望者に説明するようなことを、理財局は国有地売却の手順として通常行っているのかどうか、お答えいただけますか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
委員の御提出の「今後の手続きについて」という説明資料でございます。
国有地の処分の手続につきましての説明資料につきましてですが、私どもは、国有地の処分に当たりましては、その国有地を要望する者が、国有地の取引の経験に乏しく、必要となる事務手続を承知していない場合、あるいは、要望者が想定するスケジュールが、国側が必要とする期間を考慮していない場合などには、要望者が国有地を取得した後に円滑な事業の進捗等に影響が生じるため、必要となる手続、スケジュール等につきまして、相手方が理解をした上で事務を進めることは不可欠でございます。
したがいまして、財務局の方から要望者に対しまして、処分方針の決定前におきまして、処理方針が確定していないということを明らかにした上で、国有財産の処分に係る制度、必要となる事務手続、想定されるスケジュール等を説明することは、各財務局において一般的に行われているところでございます。
それで、今の委員の御質問のことでございますけれども、そういう国有地を処分する際に、相手方に対する説明でございますが、各財務局の現場におきましては、相手方にもよります、それから土地の状況等にもよると思います、そういうものを考慮しながら、例えばですけれども、参考となる法令などを参照しながら、もちろん口頭で説明を行うケースもあろうかと思いますし、今のように、手続あるいはスケジュールをわかりやすく資料にまとめた文書を手交して説明を行うなど、各事案ごとに、現場でさまざまな工夫を行いつつ対応が行われているというふうに承知してございます。
○宮本(岳)委員 森友学園のこのケースでは、別添資料として、国有財産有償貸付合意書や売買予約契約書などに、金額や名前などを除き、確定できるものは全て書き込んでおります。半年後に締結する実際の契約書とほぼ同じものであります。常識的に考えて、認可の是非を検討する審議会の前に契約書のひな形を購入希望者に示すことは通常の手順とは到底思えません。
配付資料二を見ていただきたい。別添資料二の確認要望書というものであります。
森友学園が提出すべき近畿財務局長への要望書でありますけれども、その理由までが書き込まれております。財務局の職員が森友学園の事情をまさにそんたくし、「今回の計画は小学校新設であるため、校舎建設等に多額の初期投資を必要とすること等から、当初の費用負担を極力抑えたいと考えております。」と、森友学園の要望を書いております。
ここまで準備をすれば、ひな形の説明というよりも、むしろ代筆ではありませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
まず、最初の御質問の方でございますけれども、森友学園の方は、この手続書を先方に渡したのが二十六年の十二月ということでありますが、二十五年、一年以上前の九月に取得等要望書が出てございますので、その間、近畿財務局との間でさまざまなやりとりをしているところでございます。
そういう中で、そういうやりとりを踏まえて、先方は、最初は買い受けをできないので貸し付けで、その後に買い受けということでございましたので、そういう意味では、売買予約つきの定期借地契約というような少し難しい契約でもございますし、そもそも、国有地の取引になれておらないということもございましたし、それから、その土地の状況が地下埋設物あるいは土壌汚染があるといったようなことで、通常の国有地の処分ということに比べますとかなり複雑なものでございますので、そういう意味では、二十五年、前年の九月に取得要望が出されてからの先方とのやりとりも踏まえまして、そうした内容を、通達上に、私ども、貸付契約の標準的な様式がありますので、そこに織り込んで、それを先方に対して説明をしたというところでございます。
それから、二番目の御質問の、今の要望書のお話でございます。この要望書につきましては、私どもは、まず、今申しましたように、前年の九月に取得等要望書を受け付けておりますけれども、その後に、さらに定期借地契約の締結についての要望書も受け付けているところでございます。
森友に対する買い受けを前提とする貸し付けにつきましては、期間内に買い受けをできない場合には更地返還ということになってございまして、そういう定期借地契約を結ぶということになってございます。つまり、私どもは、買い受けの確実性を高めたいということで当時対応しておりました。
したがいまして、そういう点について森友学園が承知していることを明確化するということと、早期の国有地の購入について森友学園側が認識をしてもらう必要があるということがありましたので、そういう早期購入を促す内容を近畿財務局側で記載しまして、森友側が内容を確認した上で、改めて要望書の提出を求めたというふうに聞いてございます。
○宮本(岳)委員 何の説明にもなっていないですよ。そうしたら代筆するんですか。
その続きの文面も驚きです。「国有地の処分は売払いが原則であることは伺っておりますが、このような事情を斟酌いただき、下記国有地について十年間の事業用定期借地契約と売買予約契約の締結をお願いいたします。」とあります。
財務省の職員が財務省に対し、おもんぱかって、しんしゃくしてほしいなどといった文書を作成している。これは試験官が答案を代筆してやっているようなものでありまして、余りにも職務を逸脱しているんじゃありませんか。こんなものを近畿財務局の職員はふだんからつくっているんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今答弁をしたことと重複いたしますが、私どもは、本件国有地につきましてはなるべく買い受けをしていただきたいというふうに思っておりますが、学校法人ということで、最初は、資金の関係もあり、貸し付けから始まって、それで買い受けということでございました。
したがいまして、定期借地契約とすることで、更地返還が必要となるということで、買い受けの確実性を高めていただくということでございましたので、そういう意味で、先方に、先ほど申しましたが、森友側もこれをきちんと明確化してもらいたい、それから、早期購入についてもきちんとしたいということで、要望書という形でございましたので、このような形でありますが、中身につきましては、いわゆる早期購入を促す内容ということでございます。
○宮本(岳)委員 答弁になってないじゃないですか。要望書というのは、森友学園が近畿財務局に出すんですよ。何で近畿財務局が書くんですか、その中身まで。そんなことが普通にやられているわけがないんですよ。
「予断を持って国有地売却等の是非について申し上げた事実はございません。」佐川理財局長は繰り返し答弁をしておりました。土地購入希望者に成りかわって、財務省に対してのお願いの文書まで作成してくれれば、誰だって、よもや財務省が、やはり国有地は売れませんと言い出すとは考えないでしょう。ここまで文書をそろえるとは、まさに不動産屋並みのサービスじゃありませんか。
籠池氏に限らず、このような資料を審議会の二カ月前に提供してもらえば、財務省は積極的にこの国有財産の売却手続を進めていると理解するのは当たり前です。この事実こそが、暗黙の承認を与えてきたということを示しているんじゃないですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
この説明資料の冒頭に書いてございますように、この説明資料そのものは、先ほどから御説明しておるように、仮に全体の手続が終わって、ここにありますが、別添資料の各書式は現時点で確定したものではありません、定期借地契約は、大阪府私学審議会において本件計画が認可適当と答申され、国有財産近畿地方審議会で本件売り払いを前提とする貸し付けが適当と答申された後に締結されることになります、こういうふうになってございますので、私どもは、事務手続上、先方とのやりとりを踏まえた上での今後の手続について説明をしただけで、そういう意味で、どういうふうに今後処分するかという是非について、先方に申し上げるということはございません。
○宮本(岳)委員 いやいや、こういうものをあらかじめつくって示してやれば、またそれを見せられれば、当然、この国有地は財務局によって売り払われるという予断を与えることは明瞭でありまして、私学審議会開催の直前にこういうものまで渡して、そして、財務省は大阪府と協力をして、私学審議会の認可適当を得るために、積極的にこの国有地売却を進める姿勢を示してきたことは、これはもう逃れられない事実だと私は指摘しなければなりません。
では次に、埋設物撤去費用の算定基準となる深さ九・九メートルと三・八メートルについてお伺いしたいと思います。
森友学園へのもう一つの優遇ぶりを示すのが、八・二億円という値引き問題なんですね。この間、何度質問いたしましても、地下埋設物撤去費用の算定基準となる深さ九・九メートルと三・八メートルについて、その根拠をまともに答えられないわけです。
くい掘削工事で、深さ九・九メートルのところから廃材等のごみが出た後、工事関係者により八カ所の試掘がなされました。工事関係者と近畿財務局、大阪航空局が参加をして、二〇一六年三月三十日と四月五日に現地確認がなされました。くい打ち部分以外は深さ三・八メートルとすることが決まったわけであります。
多くの議員から要請されている、その八カ所の試掘場所が示された資料と、メジャーで三・八メートルがはかられた写真というものを国会に提出してもらいたい、こういう要求について、航空局は、業者に確認をとると言って、提出を拒否しております。
これは国土交通省に聞きますが、工事業者にはいつ要請をして、どのような返事を受け取っておりますか。
○和田政府参考人 お答えをいたします。
八カ所の試掘場所を図示した図面や御指摘の写真につきましては、本件土地の売却をめぐる一連の問題が本年二月に発覚して以降、随時、工事関係者に対して、国会への提出について了解を得るべく連絡をとっているところでございますが、現段階では了解を得られていないところでございます。
○宮本(岳)委員 もう何日もたっているんですけれども、なぜ了解を得られないんですか。
○和田政府参考人 お答えをいたします。
工事関係者からは慎重に対応したいというお答えをいただいておりますけれども、本日、宮本委員からも御指摘をいただきましたので、改めて提出を要請させていただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 直ちに提出していただきたいと思うんですね。
配付資料三は、財務省が作成したものであります。財務省作成資料の試掘箇所七カ所について確認したいと思うんですね。
この資料の三カ所は、校舎建設予定場所になっております。すなわち、くい打ち工事は既に終わっていたはずです。この場所をどのように試掘していたのか。くいの間を縫って試掘をしたんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
三月三十日の、財務局が確認をしたこの位置図でございますが、まず、この点について御説明をさせていただきます。
まず、十一日に新たな埋設物が発見され、三月十四日に近畿財務局の職員と大阪航空局の職員で現地に赴いております。その後、三月三十日ですが、学園側において業者が試掘を行ったとの話を受けまして、近畿財務局の職員が現地の確認に参りました。そのときにつくった資料でございますが、これは、私どもの職員でございますので、現地に大量の廃棄物が存在していたことを記録に残すことを目的として作成されたものでございます。
事実関係を申しますと、担当者がその場に行って、現地でそこを歩きながら写真の撮影をいたしまして、その後に執務室に戻りまして、本人の記憶に基づいて図面上に記したものでありますので、基本的にこの担当者の目的は、あくまで、業者の試掘の跡に大量の廃棄物があることを記録するためでございます。
そういう意味では、その試掘の個数などにつきましては、精緻に記せていない可能性があるということについては御理解を賜りたいというふうに思いますが、ただ、確認の状況でございますが、現地に大量の廃棄物が存在していたことは確認してございます。それについては、現地で穴も掘られており、その周辺にカラーコーンが配置されているという状況も確認できたものというふうに承知してございます。
○宮本(岳)委員 では、間を縫って穴が掘られているのを確認したんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
現地にその職員が赴いて、写真も以前に提出をさせていただいているところでございますけれども、そういう敷地の上に大量の埋設物が出ているところを写真を撮ったということでございまして、具体的に、先ほど申しましたように、試掘の場所がどこであるかということを精緻に確認するということを企図したものでもございませんので、そういう意味では、そこを歩きながら写真を撮り、埋設物があることを確認し、それを執務室に戻ってから、記憶に応じて番号を書いてみたり、試掘の場所じゃないかと思うところを書いてみたということでございますので、その点については御理解を賜りたいというふうに思います。
○宮本(岳)委員 四月六日の参議院国土交通委員会で、試掘箇所の一カ所で三・八メートルを確認したと答弁されました。そのほかでは、深いところで二・七メートル、浅いところで一・二メートルであることが公表されております。
校舎建築物内の三カ所の試掘箇所で、ごみが確認できた深さは、それぞれ何メートルでしたか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の答弁は、私ではなくて、多分、国土交通省の方の答弁かというふうに思われます。
したがいまして、私どもは、三月三十日に、学園側において業者が試掘を行ったという話を受けまして、取り急ぎ現地の状況を確認してございます。
先ほど申しましたように、現地に大量の廃棄物が存在していたことを確認しておりますが、ごみが確認された深さというものについて、その三月三十日の時点で、そこで何かはかったということでもございません。
○宮本(岳)委員 近畿財務局と大阪航空局は、くいの掘削部分は九・九メートルまで廃材等のごみが埋まっていると判断をいたしました。これは試掘をする前のことであります。ならば、くいとくいの間の試掘では、なぜ九・九メートルまで行わなかったのか。三・八メートルより深いところのごみの確認をしなかったのはなぜですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
大変恐縮でございますが、多分、宮本先生と国土交通省との間の答弁のやりとりの中での今の御質問かというふうに思われます。
私どもは、先ほど申しましたように、三月三十日に行ったときには、現地に大量の廃棄物が存在しているということを確認したところでございまして、そういう意味では、その試掘の詳細で、どういうふうに業者が細かく確認しようとして試掘したかということにつきましては、私どもはちょっと承知してございません。
○和田政府参考人 お答えをいたします。
私どもが把握しているのは、工事関係者による試掘は全八カ所でございます。それから、なぜ三・八メーターよりも深く掘らなかったのかという点ですけれども、この試掘は工事事業者によって行われておりまして、私ども、詳細は承知をしてございません。
私どもは、八・二億の見積もりに当たりまして、検証可能な材料で積算をしたということでございます。
○宮本(岳)委員 配付資料の四を見ていただきたい。これは国土交通省の提出資料であります。
くい打ち部分は、建築物の下で均等に配置され、約四百本のくいが建築物の下に埋まっております。そのエリアの地下埋設物の分布は、くい掘削部分では九・九メートル、くいの部分以外では三・八メートルと、ごみが埋まっている深さは違うというのが、埋設物撤去費用の見積もりの条件なんですね。
これは、廃材などのごみが均等に、しかも深さを変えて埋まっている、こういうことでいいんですね。
○和田政府参考人 お答えをいたします。
くい掘削部分に関しましては、九・九メーターのくい掘削工事の過程でごみが出てきたということでございました。
それから、くい掘削箇所以外のところにつきましては、工事関係者の試掘によりまして、三・八メーターまでごみがあるということが確認できたものですから、そういった材料を用いて見積もりを行ったということでございます。
○宮本(岳)委員 結局、このような手順を見ると、今の答弁を聞いても、今回の見積もりでは、どれだけ廃材などのごみが地下に埋もれているかどうかはどうでもいいのではないか、こう思います。
佐藤航空局長は、この見積もりの考え方についてこう答弁をいたしました。「売却時点のみならず将来見込まれる分も含めまして、将来地下埋設物が出てくるリスクを見込んでどれだけ価格を下げておくべきかということを地下埋設物の撤去処分費用という形で見積もった」、三月二十四日の参議院予算委員会、辰巳議員に対する答弁でそう述べました。
つまり、ごみがどこまであるかどうかは重要ではなく、どれだけ価格を下げておくべきかが判断基準だったということですね。
○和田政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、平成二十九年三月二十四日の参議院予算委員会におきまして、私どもの航空局長が御指摘のとおりの答弁をさせていただいております。
○宮本(岳)委員 お認めになりました。
どれだけ価格を下げるかということについてでありますけれども、将来発生するごみのリスクについて、佐川理財局長は、三月十五日の衆議院財務金融委員会で、「ほかの部分についても、そういった土壌汚染がある可能性も否定はできない」と述べました。
さらなる土壌汚染も撤去費用の見積もりの瑕疵担保に係る将来リスクとして考えているようでありますけれども、このリスクに対する国の責任を金額でどれだけ算定しているんですか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆる隠れた瑕疵のお話でございまして、本件土地には既に土壌汚染の履歴があることはもう明らかになってございます。浅い部分についてあったわけでございますが、そういうことも踏まえますと、ほかの部分においても土壌汚染がある可能性は決して否定できないという点につきまして、私どもは答弁申し上げました。
ただ、本件の土地の適正な価格を決めるに当たっては、当時、契約の相手方である森友は、学校建設が迫る中、大変急いでおったということで、国による責任で開校がおくれるとかできないとかということであれば、私どもは責めを問われるおそれがあったということは答弁申し上げておりますが、そういうことを念頭に、いまだ明らかとなっていないものも含め、本件土地に関する一切の国の責任を免除するとの特約条項を付すことを念頭に置きながら、近畿財務局から、私どもは知見と経験のある大阪航空局に撤去費用の見積もりを依頼しまして、両者の協議、調整を踏まえまして、更地価格から撤去費用を差し引いた時価によって土地を売却したということでございます。
○宮本(岳)委員 佐川理財局長はまた、二〇一七年四月二十日、参議院の国交委員会において、木くずの腐食により、建設物の安全性に重大な影響を及ぼす、さらに、地下水の汚染や異臭、風評被害等を引き起こすおそれもあると例示をし、もう一切国として今後責任をとらないというふうに瑕疵について免除されるという特約をつけるべきだという必要性から、埋設物の撤去費用を見積もったと答弁しております。
本当にこのようなリスクがあれば重大であります。将来的には、建物の建てかえまで想定されなくてはなりません。これを配慮して撤去費用を見積もるのであれば、大変な額に上る可能性が出てくると思うんですね。
常識的に考えて、普通、顕在化されていない将来のリスク、いわゆる隠れ瑕疵については、年限を設けて売り主の瑕疵が免除される条文が契約書に盛り込まれるのが通常であります。いつまでたっても、永久に売り主の瑕疵担保責任が追及されるというのはあり得ない話であります。実際、森友学園との売買予約契約書の別紙の第七条にも、引き渡しの日から二年間の瑕疵担保特約を盛り込んでおります。
しかし、今回の見積もりに当たっては、まさに将来にわたる過大な見積もりで八・二億円という額を差し引いた、こういうことではありませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
国有地を売却する場合、今委員がおっしゃいましたように、通常、売買契約の中に、引き渡しの日から二年間の瑕疵担保条項というのを盛り込んでいるところではございます。
ただ、本件につきましては、まさに学校側が建設工事を進める中で新たな埋設物が発見されまして、私どもは、民法上、貸し主であります国として埋設物に対応しなければならない。先ほど申しましたように、万が一小学校開設に影響が出ればそれなりのリスクもあるという中で、私どもは、本件土地に小学校が建設されることを前提に、今後さらにどういう埋設物なり土壌汚染が出てくるかわからない中で、隠れた瑕疵も含めて一切の瑕疵について売り主である国の責任を免除するということを念頭に、大阪航空局におきまして、十分な知見に基づきまして適正に処分費用を見積もって、不動産鑑定士の評価した更地価格から控除して売却価格を算定したというところでございます。
○宮本(岳)委員 まさにそういう値引きが過大な見積もりを生み、そして、いかに価格を引き下げるかということで、これは検討された、答弁にあったとおりであります。
八億二千万円もの地下埋設物撤去費用が見積もられ、値引きされた要因の一つが、二〇一五年の秋の土壌改良工事のときに埋設物を全て撤去せず、そのまま放置されたことがあります。なぜ放置されたかを解く鍵となるのが、私が最初に明らかにした、二〇一五年九月四日の近畿財務局の会議室で行われたこの打ち合わせ記録であります。その時期に、地下埋設物の撤去に関して、近畿財務局、大阪航空局及び森友学園側との間で打ち合わせが持たれていることは佐川理財局長も認めております。
再度確認しますけれども、佐川局長は、この打ち合わせ記録に書かれている九月四日の近畿財務局で行われた打ち合わせの事実を近畿財務局及び理財局の職員から確認できなかったということですね。そしてあわせて、かつ、その打ち合わせ記録について、森友学園の関係者から説明を受けたり、もしくは提供されたとの報告を現時点で近畿財務局及び理財局の職員から受け取っていないということですね。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の九月四日の建設業者が作成したとされるメモということでございます。これにつきましては、過日、この財務金融委員会で御法川委員長から、事実関係の確認をするように御指示をいただきまして、私が当時の担当者の統括官に確認をいたしまして、途中は少し省略いたしますが、「二十七年九月当時」、「九月初旬に大阪航空局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行っていた記憶はある。」「ただし、業者に対して、産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかった。」ということでございます。
それから、最後の方の御質問でございますが、この打ち合わせ記録についての提供を受けているかということについては、私どもは、財務局の方で持っているかどうかについては承知してございません。
○宮本(岳)委員 二〇一五年のこの時期に実施していた土壌改良工事では、結果として、廃材などの地下埋設物は、有益費の対象であるにもかかわらず、取り除かれなかったわけです。有益費として財務省に請求もされておりません。
打ち合わせ記録のポイントは、埋設物の撤去はせず、埋め戻すことを財務局により指示されたことが記録に残っているということであります。
例えば、打ち合わせ記録によれば、建築に支障のある産廃及び汚染土は瑕疵に当たるため費用負担義務が生じるが、それ以外の産廃残土処分が通常の十倍では到底予算はつかないが、借り主との紛争も避けたいので、場内処分の方向で協力お願いしますと財務局の職員が述べております。これは、しかし、職員の側は認めていないということでありましたね。打ち合わせ記録において、キアラ設計は、小学校の開校も延びたので、設計段階で可能な限り場内処分計画を検討します、こう述べてもおります。
埋設物の埋め戻しを財務局の職員が示唆したと言われるこの打ち合わせ記録について、三月二十三日の証人喚問で籠池氏は、二〇一六年三月のくい打ち工事中に新しいごみが発見され、十四日に現地で近畿財務局と大阪航空局との三者で確認したときまでにその打ち合わせ記録を見ていないと、葉梨議員の質問に答えております。暗に、三月十四日ごろに打ち合わせ記録の内容を知ったことをほのめかしております。
翌三月十五日に、籠池夫妻は、東京の財務省理財局を訪れ、理財局の国有財産審理室長、いわゆる谷査恵子氏のファクスで回答した職員、田村室長と面談をいたしました。新しいごみが発見されてすぐに上京するぐらいですから、相当頭にきていたと思います。
その直後、籠池氏が言う神風が吹いて、八億二千万円が値引きされる、このスキームに流れていくわけですね。三月十五日から、撤去費用を値引くスキームが決まる三月三十日の約二週間で、大きく事態は動いたということであります。
この時期の出来事を見れば、三月十五日の理財局訪問の最大の目的は、三月十一日に発見された新たな廃材とごみの処分だけではなく、土壌改良工事のさなかの打ち合わせで財務省職員の示唆により廃材等ごみがその場に埋め戻されたことを知って、現場の近畿財務局ではなく、理財局側と直談判することで打開しようとしたと考えられます。
確認するけれども、その理財局との面談において、九月四日の打ち合わせ記録が話題となり、財務省職員の埋め戻し発言について何か籠池氏側からクレームがあったのではありませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
二十八年の三月十一日に新たな埋設物が発見をされまして、その後、近畿財務局の方に籠池理事長が、新しいのが見つかったという話があって、その後、本省にアポの電話があって、私どもの審理室長が籠池理事長御夫妻と面会したということについては前にもここで御答弁したと思いますが、そのときに担当のその室長に聞いてございます。
そのときの経緯につきまして聞いたところ、先方より、これまでの経緯についての説明があり、その後、新たな埋設物が発見されたので至急対応してもらいたいという要望があった、それで、当方からは、事実を踏まえて法令に従って対応する、引き続き、現地で近畿財務局が大阪航空局と連携して対応するというふうに対応したと聞いてございます。
今委員の御質問の点でございますけれども、本人、室長に聞いておりますけれども、新たに発見された地下埋設物への早急な対応を求められ、現場で適切に対応すると応じておりますが、その以前にこれまでの経緯についての説明があったようでございますけれども、そうした経緯の中で今みたいな有益費の関係についても言及されたかもしれませんけれども、本人の記憶では、新たに発見された埋設物への早急な対応というのがそこでやりとりをしたという記憶でございまして、その他につきましては、具体的な内容等については記憶していないということでございます。
○宮本(岳)委員 かもしれないという答弁でありましたね。
例えば、理財局の面談で田村室長に対し籠池氏は、金曜日に現地で総合打合会があった、山のように土が埋もれている、全体、そこにはビニール、革靴、長靴があったと現地でごみを見たときの描写をして、理財局の職員がそのまま埋め戻してほしいと言ったことについて非難をしたというような事実はございませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
随分前から、この籠池理事長夫妻が審理室長に、訪問した話については御質問いただいてございますので、審理室長には聞いております。
その中で、審理室長が言うには、まず、もちろん初対面でございましたので、要望書を出して以来のこれまでの経緯について御説明がるるあって、それから、今回新たに発見された埋設物への早急な対応というようなお話だったというふうに本人は記憶しておりますので、そういう意味で、これまでの経緯についての説明の中では、当然、有益費とかさまざまな、二十五年九月以来の経緯でございますので、そういうものについても言及をされたかもしれないけれども、具体的な内容については記憶をしていないというのが本人の説明でございます。
○宮本(岳)委員 かもしれないとは述べられました。
もう一つ聞きましょう。
前年の秋に谷査恵子夫人付を介して行われたやりとりを思わせる話をして、紹介者に対して申しわけないとか、あの方自身が愚弄されていると思ったから僕来たんですと、自分の支持者には安倍総理や安倍昭恵夫人がいることを示唆し、交渉したのではありませんか。
○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
新たに発見された地下埋設物への早急の対応を求められたということについては強く覚えて、現場で適切に対応するということで、近財と大阪航空局で連携して対応するということはお答えしているようでございますけれども、それ以外の経緯等のお話につきましては、それ以外の具体的な内容については本人は記憶していないということでございました。
○宮本(岳)委員 田村審理室長との面談は、八・二億円の埋設物撤去費用がどのような交渉の中で決まっていったのか、この日を境に神風なるものがどうして吹いたのか、その経緯を知る上で重要な面談であります。
私は、三月十五日の面談内容について、根拠を持って佐川理財局長にただしたわけですけれども、全て否定をされております。
二〇一五年九月四日の打ち合わせ記録が理財局との面談で籠池氏側から提示されているならば、あなた自身も、私が打ち合わせ記録を初めて取り上げた二月二十四日の予算委員会の答弁から、ずっと虚偽の答弁をしてきたことになります。
この面談について、録音された音源があるとの情報があります。明らかにされれば、それは重大な証拠となります。
とにかく、当委員会に当事者を参考人として出てきていただいて、事態の解明を進めることが必要だと考えます。当委員会にて、田村嘉啓国有財産審理室長と籠池前理事長の参考人招致を要求したいと思いますが、委員長、理事会での御協議をお願いいたします。
○御法川委員長 後ほど、理事会で協議をいたします。
○宮本(岳)委員 この問題は、決して幕引きなど許されるものではありません。引き続き、徹底的に追及することを申し上げて、本日の質問を終わります。