家賃保証トラブル救済を 宮本岳議員、国交省に求める 衆院財金委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-13/2017051304_02_1.html
議事録
動画 https://www.youtube.com/watch?v=tVFO4aG_gs4
https://www.youtube.com/watch?v=vOSuZ0KTD34
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
総裁にお伺いをいたします。
冒頭、総裁は、物価の見通しについて、二%程度に達する時期は見通し期間の中盤になる可能性が高い、こう述べられました。しかし、政策委員の大勢見通しを見ますと、消費者物価指数、除く生鮮食品の中央値は、消費税率引き上げの影響を除くケースで、二〇一八年度でプラス一・七%、二〇一九年度でプラス一・九%でしかありません。これで、どうして二〇一八年度ごろということになるのか、お伺いしたいと思います。
○黒田参考人 この政策委員の見通しでございますけれども、これはさまざまな前提、石油価格をどのように委員が見ておられるか、あるいは為替をどのように見ておられるか等々、いろいろな前提があると思いますけれども、その上で見通しを出されて、その中央値を特に示しているわけですが、御指摘のように、二〇一八年度の中央値はプラス一・七%ということですが、これはあくまでも年度の平均でございますので、二〇一八年度の毎月がプラス一・七になるというわけではなくて、むしろ、普通に言いますと、年度の当初から年度の末にかけて、だんだん物価上昇率は上がっていくということになろうと思います。
ただ、これはあくまでも一般論でありまして、委員方はそれぞれが年度内の四半期ごとの動きとか何かについて一定の考えはおありだと思いますけれども、見通し自体はあくまでも年度の平均値を皆さん示しておられるということでございます。
○宮本(岳)委員 改めて確認しますけれども、この見通し、先ほどの二%の見通しというのは、黒田総裁就任後の金融政策が掲げる二%の物価安定目標の達成時期、これと同じだ、こう理解してよろしいですか。
○黒田参考人 この展望レポート、それから展望レポートに附属しております政策委員の見通し及びその中央値等は、全て政策委員会で議論して合意されたものであります。したがいまして、当然、二%程度に達する時期を二〇一八年度ころとしている展望レポートの記述と、それに附属している政策委員の見通しとは整合的になっているわけで、あくまでも政策委員会で決めたものでございます。
○宮本(岳)委員 現在の金融政策である長短金利操作つき量的・質的金融緩和、これは目標達成時期を、二〇一八年度ごろを経て終了もしくは出口政策に転換する、こう考えてよろしいですね。
○黒田参考人 ここは出口政策等との関連もございますが、あくまでも二%の物価安定の目標を目指して、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作つき量的・質的金融緩和を継続するということにしております。
いずれにいたしましても、金融政策、金融調節方針につきましては、毎回の金融政策決定会合において議論して決めていくということになりまして、何か機械的に、二%になったら一挙に政策が変わるというものではないということであります。これは、米国やその他の中央銀行の金融政策の動向をごらんになっていただいても全く同じことであると思います。
○宮本(岳)委員 機械的にそこで変わるものではないということでありましたけれども、そうしますと、長短金利操作つき量的・質的金融緩和の終了時期については、政策委員の二〇一九年度の見通しを見ますとプラス〇・九からプラス二・〇、こうなっておりますから、二〇一九年度中には見通せない、こういうことでございましょうか。
○黒田参考人 二〇一九年度の政策委員の見通しの中央値はプラス一・九%となっており、見通しの幅についてはプラス〇・九からプラス二・〇というふうになっております。さらにリスク等も、グラフで示されておりますように、委員の見解には一定の幅がございますけれども、先ほど申し上げたように、中央値は、二〇一九年度はプラス一・九ということでありますので、これはあくまでも二〇一九年度の平均ですので、当然、そうした中には二%に達している時期もあるということだと思います。
○宮本(岳)委員 達している時期もあるということでありましょうが、安定的に二%が確保された段階でということでいいますと、なかなかその時期が見通せないということになろうかと思うんですね。
二年をめどに始めた物価安定目標でありますけれども、既に四年が経過をいたしました。さらに二年を費やしても確たることは言えないという状況です。ずるずるとこういう金融政策を継続するのではなくて、ここはしっかり見直すべきだというふうに私は思います。
一方で、金融政策の副作用のリスクが高まっております。
長期国債の保有者内訳について聞くんですけれども、黒田総裁就任の二〇一三年三月では、日銀が保有する長期国債等は九十兆円で、発行済み長期国債等の一一・七%を占める程度でありました。直近の数字を教えていただきたい。三月末の日銀の長期国債等の保有額と保有率は幾らになりますか。
○黒田参考人 二〇一七年三月末時点の日本銀行の長期国債保有額は三百六十八兆円でありまして、これは長期国債の発行残高全体の四一%であります。
○宮本(岳)委員 黒田総裁の四年間で、四〇%にまでこの比率を高めることになりました。これは過去にない、未知の世界を今走り続けている状態だと思います。
多くの研究者やエコノミストがさまざまな理由から長期国債等の買い入れの限界ということを指摘しておりますけれども、黒田総裁は現時点でも買い入れには限界がないとの考えなのか、それともいずれ限界が訪れるという考えなのか、どちらでございますか。
○黒田参考人 これまでのところ、日本銀行の国債買い入れは円滑に行われておりまして、先行きについても、買い入れに支障を来すような事情があるとは考えておりません。
なお、日本銀行は昨年九月、それまでの政策の枠組みを強化する形で、長短金利操作つき量的・質的金融緩和を導入いたしました。具体的には、金融市場調節方針において短期政策金利と十年物国債金利の操作目標を示した上で、これを実現するように国債買い入れを行うこととしております。
新たな枠組みでは、国債買い入れ額などを操作目標としていた従来の枠組みに比べて、経済、物価、金融情勢に応じたより柔軟な対応が可能となり、政策の持続性も高まっているというふうに考えております。
○宮本(岳)委員 仮に、二〇一九年度末、約三年後まで現行の金融緩和策を続けていくということになれば、日本銀行の長期国債等の保有率をさらに二〇%程度高めることになり、六〇%を超えることになります。その程度は問題がない、日本銀行は現行の金融緩和策をその程度まで十分継続できる、そういう見通しでありますか。
○黒田参考人 先ほど申し上げましたとおり、日本銀行の国債保有額は大きく増加しておりますが、これは二%の物価安定の目標のために大規模な金融緩和を行っている結果であるというふうに認識しております。
日本銀行としては、長短金利操作つき量的・質的金融緩和のもとで、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、強力な金融緩和を推進していく所存でございます。国債保有額自体が問題であるとは考えておりません。
○宮本(岳)委員 議論が堂々めぐりになるんですけれども、到底、理論的根拠があるとは思えません。一刻も早く出口戦略を検討すべきだということを申し上げておきたいと思います。
さて次に、私は日銀の金融政策とアパート融資の膨張の問題について取り上げたいと思います。
四月三十日の時事通信の配信によりますと、日銀は、賃貸住宅の建設資金を個人に貸し出すアパートローンの膨張について警戒を強めているといたしまして、一七年度の銀行の立入検査、いわゆる考査でアパートローンの審査体制を重点的に点検する方針だということでございました。
二〇一七年度の考査の実施方針等についてではどのような方針を掲げたのか。また、どのような認識を背景にして重点的な点検方針をとることにしたのか。お答えいただけますか。
○黒田参考人 最近の銀行貸し出しの動向を見ますと、幅広い業種で増加しておりますが、このところ、地域金融機関による貸し家業向け貸し出しの伸びが高まっております。
こうした動きについては、郊外から市街地への人口移動など、貸し家需要の増加、富裕層による資産運用や節税ニーズといった供給側の動機を受けて、貸し家の着工が増加していることが背景にあると考えられます。
現時点では、郊外の物件など、一部に空室率の上昇などが見られるものの、マクロ的に見た貸し家の需給バランスや金融機関のリスク管理などの点で、大きな問題が生じているとは見ておりません。
もっとも、貸し家業向け貸し出しは長期にわたるものが多いために、実行段階における物件ごとの収支見通しの検証だけでなく、実行後における物件の状況変化の早期把握などの面で適切なリスク管理を行うことが重要であります。
こうした認識のもとで、二〇一七年度の考査の実施方針においては、貸し家業向け貸し出しなど、金融機関が与信姿勢を積極化させている分野について、今申し上げた観点から、金融機関の審査、管理が適切に行われているかどうかを点検することとしているわけでございます。
○宮本(岳)委員 ちなみに、アパートローンの実態はどうなっているか。不動産業向け融資、国内銀行の新規融資額、年ベースの直近三年間の額と前年比を、これは理事の方で結構ですので、述べていただけますか。
○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
国内銀行の不動産業向け貸し出しを見ますと、直近三年間で申し上げますと、二〇一四年における設備資金新規貸出額は十・一兆円の増加、前年比で申し上げますと、プラス五・四%の増加となっております。続く二〇一五年につきましては、新規貸出額は十・七兆円の増加、前年比はプラス六・〇%の増加となっております。二〇一六年につきましては、新規貸出額は十二・三兆円、前年比ではプラス一五・二%の増加となってございます。
○宮本(岳)委員 二〇一四年、二〇一五年と五%、六%だったものが、二〇一六年にはプラス一五・二%、これは過去最高の高い伸びであります。
地域経済報告、さくらレポート二〇一七年一月には、貸し家の着工数の増加の原因について各地支店からの報告が掲載されております。金沢及び仙台からの報告はどのような報告でございましたか。これも理事の方で結構です。
○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
さくらレポートにおきまして、金沢支店からは、「県内の貸家の着工戸数は、二〇一五年一月の相続税制度改正を契機とした節税ニーズの高まりと、金融機関の貸出金利低下を背景とした賃貸物件の投資利回りの改善などから、増加している。」と報告されております。
次に、仙台支店でございますが、仙台支店からは、「低金利環境、安定的な家賃収入、相続税対策などを背景に、個人・企業による貸家経営が増加している。特に近年では、株価や為替相場の変動が激しい中で安定的な家賃収入が得られる点が投資家から好感されている。」と報告されております。
○宮本(岳)委員 貸し家着工件数増加の主な要因は、相続税節税ニーズと金融緩和の効果、影響ということであります。
昨年の一月にマイナス金利政策を導入した際に、黒田総裁は、住宅ローン金利の低下による住宅着工数の増加への波及効果というものを私に対しても述べておられました。しかし、持ち家や分譲の戸数は伸びずに、この貸し家系のみが増加したというのが実態でございます。
総裁、これは想定どおりと言えるんですか。
○黒田参考人 マイナス金利政策というものは、あくまでもイールドカーブの起点を引き下げて、大幅な長期国債買い入れとあわせて、金利全般に強い下押し圧力を加えることを狙ったものでございます。これによって、極めて緩和的な金融環境を整え、企業や家計の経済活動をサポートすることを主たる波及経路として想定しております。
こうした強力な金融緩和政策のもとで、貸出金利が短期、中期、長期と大幅に下落し、その結果、不動産関連も含めて資金需要全体が高まったということは、もちろん日本銀行として想定していたところでございます。
○宮本(岳)委員 金融システムレポートを見ますと、「特に、不動産業向け貸出については、世帯数などの需要要因から説明できる水準を大幅に上回って貸出を増やす銀行もみられる。一部地域で賃貸住宅の空室率が高まっていることも踏まえると、貸家市場の需給動向のモニタリングを含め、これまで以上に入口審査や中間管理を綿密に実施することが重要である。」と指摘をしております。
これは、既に一部の地域では供給過剰が起こっているということではありませんか。
○黒田参考人 本年四月に公表いたしました金融システムレポートでは、一部地域で不動産業向け貸し出しが世帯数や景気といった経済の実勢を上回って増加している可能性を示しております。あわせて、郊外の物件など一部に空室率の上昇が見られることも指摘しております。
先ほど申し上げたとおり、現時点では、マクロ的に見た貸し家の需給バランスや金融機関のリスク管理などの点で大きな問題が生じているとは見ておりませんが、郊外の古い物件などを中心に需給が緩みつつある可能性を指摘する声も聞かれております。
日本銀行としては、今後とも、貸し家市場全体の需給動向を注視するとともに、何よりも、金融機関に対して適切なリスク管理を促してまいりたいと思います。
○宮本(岳)委員 これは今の金融システムレポート、「近年は、不動産業向け貸出残高の実績が、経済の実勢で説明できる水準から上方に乖離している。」こういう指摘もあるわけなんですね。
そこで、マイナス金利政策などによりアパートローンが膨張する中で、サブリース業界は活況を呈しております。業界第一位の大東建託は、二〇一七年三月期の決算で、九期連続の増収増益で、売上高は一兆四千九百七十一億円、営業利益は千二百億円と、どちらも過去最高を更新いたしました。第二位の積水ハウスグループは、売上高は初の二兆円を達成し、営業利益は四期連続で過去最高を更新しております。第三位のレオパレス21は、二〇一二年三月期より五期連続の黒字を達成し、一七年三月期も黒字を見込んでおり、近年、売上高も営業利益も伸ばしております。
黒田総裁はこのようなサブリース業界の好調な業績について御存じでございましたか。
○黒田参考人 そうした報告は受けております。
○宮本(岳)委員 御存じだということでありますけれども。
私は、二〇一三年四月十五日の予算委員会第一分科会で、レオパレス21のサブリース問題を取り上げました。当時の森まさこ消費者庁担当大臣は、救済しなければならない問題であると私に答弁をいたしました。
消費者庁に来ていただいておりますが、消費者庁はその後どのような対策を講じられましたか。
○川口政府参考人 お答え申し上げます。
いわば賃貸不動産所有者でございます、サブリースにおける貸し主におきましても、事業者である賃貸住宅管理業者、サブリース業者との間で情報量、交渉力の格差に基づくと思われるトラブルが時に発生しており、当該貸し主が同種の行為を反復継続的に行っていると見られない場合につきましては、消費者安全法や消費者契約法などにおいて消費者と見ることができる場合があり得ると考えております。
このため、全国の消費生活センター等におきましては、自己が所有する土地にアパートを建てサブリース契約をするようにといった勧誘を受けた場合の対応など、サブリースの貸し主の立場の相談にも丁寧に対応しているところでございます。
こうした相談における助言にも役立つよう、国民生活センターでは平成二十六年八月に、機関誌「国民生活」におきまして、「不動産サブリース問題の現状」という特集を組みまして、サブリース問題の論点、被害の実態等について、専門家による論文を掲載したところでございます。
また、国民生活センターが行っている重要消費者紛争解決手続、ADRにおきましても、サブリース契約を前提としたものも含めまして、投資用マンションに係る契約の解約に関する紛争を何件か重要消費者紛争として受け付けまして、手続を進めたところでございます。
さらに、消費者庁におきましては、国土交通省の賃貸住宅管理業者登録制度に係る検討委員会に参画をいたしまして、消費生活センター等に寄せられている消費生活相談につきまして主な事例と課題を説明し、貸し主の保護を含めた取りまとめに協力したところでございます。
以上です。
○宮本(岳)委員 当時の森まさこ大臣の答弁も、政府全体でいえば、一国民が被害に遭う、または苦情を申し出ているのですから、どこかの省庁できちっと引き受けなければならない、救済しなければならない問題であると認識しておりますと。その後、国土交通省等々と連携した取り組みが始まったとお伺いをいたしました。
そこで、きょうは藤井政務官に来ていただいておりますけれども、昨年八月十二日に賃貸住宅管理業者登録制度が改正をされました。また、それを受けて、国土交通省は昨年九月一日、サブリースに関するトラブルの防止に向けてという通知を関係業界宛てに発出いたしました。
どのようなトラブルがふえていて、何が問題と考えての改正なのか。また、通知を出した背景について、国土交通省の問題意識をお伺いしたいと思います。
○藤井大臣政務官 賃貸住宅管理業者登録制度は、賃貸住宅管理業務に関して一定のルールを設け、管理業務の適正化を図るため、平成二十三年に創設されております。
制度開始後五年を迎えまして、第三者の有識者会議、賃貸住宅管理業者登録制度に係る検討委員会での検討を踏まえまして、管理業務の一層の適正化、増加するサブリースへの対応など、現下の諸課題に対応するため、昨年八月、制度の見直しを行わせていただきました。
具体的には、賃貸住宅管理業者につきまして、登録には一定の実務経験者等の設置を必要とし、貸し主への重要事項説明等はその者が行うようルール化、サブリースをめぐるトラブル防止のため、将来の家賃の変動等の条件を重要事項として説明するよう明記するなど、改善を図ったところでございます。
本改正を踏まえまして、管理業務のより適正な運営を確保し、賃借人と賃貸人相互の保護が図られることを期待しておりまして、登録制度の一層の普及に努めてまいります。
また、通知についても御質問をいただきました。
御指摘の通知は、いわゆるサブリースに関しての家賃保証をめぐるトラブルに対応するため、賃貸住宅管理業者登録制度の改正が平成二十八年九月一日に施行されることにあわせまして、その趣旨の徹底を図るとともに、業界団体にトラブル防止に向けた取り組みを依頼するべく発出させていただいたものでございます。
具体的には、サブリースのトラブル防止に向けまして、改正されたルールの遵守を図るとともに、いまだ登録をしていない業者については速やかに登録の検討を行うこと、将来の借り上げ家賃の変動等の説明は賃貸住宅の建設に係る契約の段階から土地所有者等に十分な説明を行うことが重要であり、適切な対応を行うことなどを指導しておるところでございます。
今後とも、関係機関と連携して、サブリースを含む賃貸住宅管理業の適正化に努めてまいります。
○宮本(岳)委員 それで解決されるのかということなんですね。
私のところに届いた一例を挙げますと、家賃十年保証というふうに言いながら、契約した直後に、一室当たり五千円下げてくれないかという話を持ちかけられたと。これは神奈川県の、これまたレオパレスのオーナーの話であります。
今、レオパレスは、オーナー会というものも発足いたしまして、全国的に訴訟ということも既に行われております。
政務官、それで解決する、そうお考えですか。
○藤井大臣政務官 株式会社レオパレス21につきましては、現在のところ、賃貸住宅管理業者登録制度の登録を受けていないという状況でございまして、国土交通省といたしましては、同社に対し登録を受けるよう要請を行っておるところでございます。
いずれにいたしましても、サブリースのトラブル防止に向けて改正されたルールの遵守を図るとともに、いまだ登録をしていない業者については速やかに登録の検討を行うこと、将来の借り上げ家賃の変動等の説明は賃貸住宅の建設に係る契約の段階から土地所有者等に十分な説明を行うことが重要であり、適切な対応を行うことなどを指導してまいります。
○宮本(岳)委員 そうなんですね。この制度に大体入ってないわけですね。
この話は大変悪質な話でありまして、十年間家賃は固定という契約は、実は借り主に不利な条件であるために、たとえ契約書に記載されていても無効だという借地借家法のたな子を保護するという規定がこれに適用されます。つまり、賃料不減額特約の無効というものがレオパレスに適用されるということになるわけですね。それがわかって、そういう営業をかけて物事を進めているわけであります。
入ってないからどうしようもないと言うけれども、実はレオパレスはそれを気にしたんでしょうか、ホームページで、「賃貸住宅管理業者登録制度に登録しないのか。」こういうQアンドAでQを立てまして、当社は登録しておりませんが、定期的に国土交通省と打ち合わせを行っております、こう述べて、そして、国土交通省による不動産取引適正化の諸施策を踏まえ、さらにお客様にとってわかりやすく、契約内容に御理解いただけますよう引き続き丁寧にやっているところでございますと言うんですが、やっていることは、事実、いまだにこういうことが続いている。
これは本当にこんなことで解決するんですか、政務官。
○藤井大臣政務官 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、今後とも、関係機関と連携して、サブリースを含む賃貸住宅管理業の適正化に努めてまいります。
○宮本(岳)委員 では、こういうものが一体どれほどあるかということを確認したいと思うんですね。
一括借り上げのサブリースのトラブルで最も問題視されているのは、家賃十年保証といいながら、保証期間にもかかわらず、業者から家賃の引き下げ要請が強引にされるという今のようなケースなんですね。
二〇一四年三月末と二〇一七年三月末でサブリース契約の件数がどう推移したか、家賃引き下げの件数がどれだけあるか、国土交通省、藤井政務官でもいいですが、お答えいただけますか。
○藤井大臣政務官 賃貸管理業者登録制度の登録業者が管理しているサブリースの管理戸数は、平成二十九年三月末現在で約二百二十九万戸となっております。平成二十六年三月末現在では約百四十四万戸ということでございまして、増加をしておるという形でございます。
○宮本(岳)委員 家賃引き下げ要求件数、わかりますか。
○藤井大臣政務官 ちょっと当方といたしましては、通告をいただいておらないというふうに認識しておりまして、そちらの資料については今手元に持ち合わせておりません。
○宮本(岳)委員 では、通告を、この場でお願いしたら、家賃引き下げ件数について御報告いただけるんですね。
○海堀政府参考人 お答えさせていただきます。
現在、国土交通省で行っております賃貸住宅の管理業者制度、任意の登録制度でございますので、各登録業者の方に問い合わせをして、可能な限りでの件数把握はできると思いますが、義務的な調査などは我々の方では実施できないという状況でございます。
○宮本(岳)委員 つかんでないんですよ。通告してないんじゃないんですよ。つかめてないんです、それは。大手ならつかめると言うならつかんでくださいよ。つかんで、報告を求めておきたいと思います。
日本銀行のマイナス金利などの低金利政策によって、サブリース業界が相続税対策や低金利を売りに営業を盛んに展開し、貸し家融資が膨張している実態があります。これはもう認めておられます。
そこに融資している地域金融機関が、サブリース業者のこの実態を知っていながら、オーナーの土地の担保価値や、家賃十年保証、三十年一括借り上げ、こういう契約を前提に個別の収支計画を評価して貸し付けを行っているとすれば、保証期間中の家賃値下げ要求がなされるケースでいえば、サブリース業者と共犯関係に入ることになりかねません。貸し手としての重大な責任があると言わなければなりません。
最後に、日銀の総裁にお伺いするんですけれども、アパートローンの膨張の裏には、人口の減少や空き室率の上昇にもかかわらず、サブリース業者が積極的な営業で貸し家建設をふやしていることがあり、同時に、家賃保証の契約が事実上ほごにされ、トラブルが発生している実態が少なからずございます。
黒田総裁はこの実態をどう認識しておられるか、最後に御答弁をいただきたいと思います。
○黒田参考人 私どもといたしましては、今後とも、貸し家市場全体の需給動向を注視するとともに、考査、モニタリング等を通じて、金融機関に対して適切なリスク管理を促してまいりたいと思います。
貸し家市場全体の需給動向の中には、当然、サブリースの業界のことも入ってくると思います。
○宮本(岳)委員 マイナス金利、低金利政策のもとで、サブリース契約による事実上の消費者問題が起こっていると私は思うんですね。にもかかわらず、政府の取り組みは遅く、全く不十分だ。藤井政務官、本当に不十分ですよ、これは。
政府を挙げて、この問題に対策をとるということを強く求めて、私の質問を終わります。