ゴミ「場内処分」が発端 宮本氏、格安売却の経過を追及 衆院国交委(赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-07/2017120702_05_1.html
動画 https://www.youtube.com/watch?v=dL2PP61dGa0&index=17&list=PL3M7AtnZgh3X8G58OvJCKgaDefXzCr4-F
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
先日の予算委員会でも取り上げた森友問題は、国民の疑念は一向に払拭されておりません。直近のJNNの世論調査でも、政府の説明に「納得できない」とする国民が八割を超え、「納得できる」はわずか一割であります。
この間発表された会計検査院の報告書については、総理も各大臣も重く受けとめると述べておりますが、当然のことであります。
ところが、石井大臣は、十一月二十四日の閣議後会見で記者に問われて、資料配付しておきましたけれども、資料の三枚目、赤線のところでありますが、「細かい事柄については私ども会計検査院の指摘を一〇〇%受け入れているわけではありません。 範囲だとか深さだとか混入率等々については我々の考え方はございます。」などと述べられました。
そこで、改めて大臣に聞きますけれども、会計検査院の指摘で受け入れていない事柄は一体何ですか。
○石井国務大臣 大阪航空局の見積もりにつきましては、これまでも国会等で御説明しているとおり、売り主の責任が一切免除されるとの特約をつけることを前提に、その実効性を担保するため、大阪航空局等が行っておりました既存の調査に加えまして、工事関係者からの新たなごみの報告や職員による現地確認など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものであります。
会計検査院の報告書では、仮定の仕方によっては処分量の推定値は大きく変動する状況にあることなどを踏まえれば、撤去、処分費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていたと指摘されておりますので、今般の会計検査院の御指摘を重く受けとめ、今後、同様の事務を遂行する場合には、見積もりに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努める必要があると考えております。
一方で、大阪航空局の見積もりは、平成二十八年三月三十日に近畿財務局から依頼を受け、四月十四日に近畿財務局に報告をするという、わずか二週間という限られた時間の中で検証、見積もりを報告しなければならないという状況下で行われたものであり、ぎりぎりの対応であったと認識をしておりまして、そのような認識を申し上げたところでございます。
○宮本(岳)委員 そこが理解できないんです。限られた時間の中でぎりぎりの対応と繰り返されるわけですけれども、一体何をそんなに急いでいたのか。
昨年三月三十日、近畿財務局から期日を切って見積もりを依頼されましたか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
近畿財務局から大阪航空局への撤去、処分費用の見積もりの依頼は、特に期限を設けて依頼したものではございません。
当時の状況を若干申し上げますと、森友学園側から早期の土地買い受け要望が出されてからも、翌年四月に開校が予定されるなどのスケジュールもあり、校舎の建設工事は引き続き進められておりました。その際、新たな地下埋設物が見つかったことにより損害賠償の提起も想定される状況の中、早期に売買契約を締結する必要があったものでございます。
○宮本(岳)委員 それは急いだ理由にならないんです。
会計検査院の報告書の四十一ページにも出てきますけれども、それは、「国自らが撤去工事を実施すると予算措置や発注業務等に時間を要することとなり、これにより学校設置に影響が生じた場合、損害賠償請求を受ける可能性がある」ということであります。
なるほど、くい打ち工事まで完了していた小学校の建設工事を一旦とめて、地下埋設物の撤去工事を国がやれば、それは開校がおくれる可能性があったと思います。
しかし、この見積もりは全然そんなことではないんです。売り払うための見積もりなわけです。昨年六月二十日に行われた売買契約が、七月であろうが八月であろうが、いや、別に翌年四月の開校時期を過ぎようが、何の関係もありません。国有地の所有権登記が動くだけの話であって、校舎等の建設工事に何の影響もないわけです。
何を一体そんなに急ぐ必要があったのか。どういう理由ですか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
本件につきましては、さまざまな工程を切り詰めた結果、最終的に、六月の二十日に契約を締結したものでございます。
こうした工程が何かしらの要因でおくれるということになりますと、先ほど申し上げた、校舎の建設工事が進む中で、多額の損害賠償を請求されるといった事態も想定されたところでございます。
いずれにいたしましても、早期に契約を締結するため、さまざまな形で期間を短縮せざるを得ない状況であったと考えております。
○宮本(岳)委員 全く理由になっておりません。
会計検査院から、「十分な根拠が確認できない」とか「慎重な調査検討を欠いていた」と指摘されるような、いわばずさんな見積もりを、限られた時間の中でぎりぎりの対応だったと言って、そこまで言ってやらねばならないどんな理由があったのか、さっぱりわかりません。急いでいたからという言いわけは完全に破綻したと言わなければならぬと思います。
結局そこには、私が先日の予算委員会で明らかにし、財務省もその存在を認めた、音声データに記録された大幅値引きの口実をつくるための口裏合わせがあったと考えざるを得ないのであります。
まず航空局長に確認いたしますが、財務省は私に、三月下旬から四月にかけて行われたこの音声データに記録された会合に大阪航空局の職員も出席していたということを認めましたけれども、それは事実ですね。そして、それは大阪航空局の何という職員でありましたか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
大阪航空局の職員に確認いたしましたところ、森友学園との打ち合わせにつきまして、三月下旬から四月にかけての打ち合わせにつきましては、詳細な記憶はないものの、衆議院予算委員会において財務省理財局長が御説明されておりますとおり、出席していたということでございました。
出席していたのは、大阪航空局の補償課の担当でございます。
○宮本(岳)委員 補償課の担当の何という方ですか。
○蝦名政府参考人 補償課長とほか担当官一名ということでございます。
○宮本(岳)委員 補償課長という肩書までしかおっしゃっていただけないわけですが。財務局の方は、池田さんという名前が既に出ております。
きょうは、私、この大阪航空局の職員の方の出席を求めたわけでありますけれども、残念ながら、与党の合意を得られず、実現しませんでした。
ただ、要求する際にも、名前がないものですから、大阪航空局の職員という要求になっておりますので、やはりここは、何も全員つぶさに明らかにせよと言いませんので、課長さんの名前ぐらい教えていただいて、何々さんに参考人をということで要求できるようにしていただきたい。
参考人として可能かと思いましたが、なかなかうまくいっておりません。
委員長、改めて、私はこの大阪航空局の補償課の課長の証人喚問を求めたいと思いますが、御協議いただきたいと思います。
○西村委員長 理事会で協議いたします。
○宮本(岳)委員 さて、三月十一日に、新たなごみが発見されたと森友学園籠池氏から近畿財務局に連絡があり、近畿財務局と大阪航空局が三月十四日に現地確認を行いました。
参議院予算委員会で太田理財局長は、私の示した音声データに生々しく録音されていた、三メートルより下にはごみは余りないと主張している校舎建設工事業者の発言について、三月十一日に三メートルより深くからごみが出てきたと言ってきたのは森友学園側だ、三月十四日に工事関係者から九・九メートルのくい工事の過程において発見されたものであると説明を受けたなどと答弁し、あたかも工事業者が三メートルより深いところにごみはないと主張するはずがないと言わんばかりの答弁を行いました。
航空局長に確認をいたします。
三月十四日の現地確認の場で、九・九メートルのくい工事の過程において発見されたものであると説明したのは、工事業者ではなく設計業者だったのではありませんか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十八年三月十四日の現地確認では、大阪航空局の職員が近畿財務局の職員とともに現地に赴きまして、買い主側の工事関係者であり、工事の設計、監督を行っておりました設計業者から、深さ九・九メートルの掘削工事を実施する過程においてごみを多量に含む新たな土砂が発生したとの報告を受けたものと承知しております。
○宮本(岳)委員 設計業者と校舎建設事業者というものは別であります。
これは会計検査院に事実を確認しますけれども、会計検査院報告書の四十ページから四十一ページにかけて、設計業者というものと校舎建設事業者というものは明確に区別して叙述してありますね。
○戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。
突然のお尋ねでございまして、確認させた上でお答えさせていただきたいと存じます。
○宮本(岳)委員 四十ページから四十一ページにかけて。見てください。
○戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。
設計業者と工事業者は別に記載してございます。
○宮本(岳)委員 答弁ぐらいちゃんとすぐにできるようにして出席してくださいね。
九・九メートルのくい工事の過程において発見されたものであると説明したのは、設計業者であり、工事業者ではありませんでした。
私が予算委員会で事実を示したとおり、この工事業者は、全ての工事を終えたことし六月の時点でさえ、会計検査院に提出した見積書でも、地下三メートルより深いところにごみはないという試算をしております。私が示した音声データに何の矛盾もないわけであります。
にもかかわらず、三月十一日に籠池氏が近畿財務局に、三メートルより深いところから新たなごみが見つかったと連絡をした。この理由は簡単です。籠池氏は、前年に行った対策工事、後で有益費で国が支払うことになる地下埋設物の撤去工事で、土壌汚染や大きなコンクリート殻等は撤去したが、今まさに問題になっている廃材、廃棄物混合土をほとんど撤去していないという事実を知らされていなかったからであります。籠池氏が三月十一日に敷地内に廃棄物混合土が積み上げられているのを見れば、それは三メートルより深いところから出たものだと思ったでしょう。籠池氏は、三メートルまでのごみは前年の対策工事で全て除去されているはずだと思っていたからであります。
ところが、籠池氏は、まさにその三月十一日、設計会社から、通常国会で私が明らかにした、一昨年九月四日、近畿財務局九階会議室で行われた会合の打ち合わせ記録というものを見せられました。このときの工事業者は別の業者でありますけれども、設計業者は全く同じ業者であります。ここには、借り主との紛争も避けたいので場内処分の方向でお願いしますという財務局の発言がはっきりと示されております。
だからこそ、事実を設計業者から知らされた籠池氏は、夫婦で上京し、三月十五日、財務省で田村嘉啓国有財産審理室長と一時間半にわたって談判をした、面談をした、こういうことではありませんか、財務省。
○富山政府参考人 お答えいたします。
先生今御指摘の前半の部分の、八月一日放送の関係のものについては、本人の確認をしてございます。
音声データは、国側の同意なく録音されたものでございまして、全体ではなく、一部のみが切り取られたものでございますが、職員に確認した内容としまして、一点目は、報道されている音声データは、平成二十八年三月十一日に新たなごみが見つかったとの連絡を受けた後、先方から買い受けの要望があるまでの間の三月中旬ごろに行われたやりとりではないかと思われます。先方からは、新たに見つかった地下埋設物について国において早急に対応するよう強く求められ、その後の先方との調整が円滑に進むよう低姿勢で対応をしていたと記憶しているとのことでございました。
後段の方の三月十五日の件でございますけれども、これにつきましては、これまで国会答弁もさせていただいておりますが、引き続き現地で近畿財務局が大阪航空局と連携して対応するという旨を先方にお答えをしているところでございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、この打ち合わせ記録というものを見せられて、三メートルまでのものも取っていないじゃないかという談判に行ったんじゃないですか。
○富山政府参考人 お答えをいたします。
当時の、理財局におりました田村前室長の方にも確認をして御説明をさせてきていただいているところでございますが、音声データははっきりせず不明瞭な点が多かった、また、当日のやりとりという部分でも、先方お二人が同時に話されることもあってよくわからないことも多かったということで、全体についての詳細な記憶がないということでございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、既に音声データは明らかになって、全文を起こしたものもあるわけですから、見ていただいたら記憶が戻ると思うんですが。
この中を見ますと、一時間半にわたる籠池夫妻とのやりとりを音声データで聞きますと、この打ち合わせ記録を示して、それを知ったのは、私たち、金曜日ですと言っております。二〇一六年三月十五日は火曜日でありますから、その前の金曜日といえば、ずばり三月十一日のことであります。
この音声データの真実性は既に財務省も認めておりますけれども、この三月十五日の面談の結論、それは一体どういう結論になっておりますか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げましたとおり、当時の審理室長の方からは、引き続き現地で近畿財務局が大阪航空局と連携して対応する旨をお答えしているところでございます。
○宮本(岳)委員 現地において近畿財務局と大阪航空局が連携して対応と。まさにここから、口裏合わせをして売却というシナリオが始まるわけであります。
三月十五日のこの音声データの最後のところでは、あの、本日の夕方にでもですね、早急に理事長の携帯の方にお電話をして、あす近畿財務局の方からお伺いをして、今後の土地の処理をどう進めていくかというのをと、財務省職員の音声が入っております。籠池氏の奥さんの方は、国の指導があって近畿財務局が動くと言って正確に言わなあかんと言うと、財務省は、はいと答えています。
この音声データのとおり、昨日財務省が認めた三月十六日の音声データでも、まず近畿財務局の池田靖国有財産統括官が、冒頭、まず一点おわびの点はですね、地下埋設物の撤去工事に関しては、きちっと森友学園理事長、副園長に情報が伝わっていなかった点は我々も反省点としてありまして、今後の対応については大阪航空局さんから御説明いただこうと思っていますと話を切り出しておりますから、大阪航空局が同席していたことは間違いないんです。
この経緯に、財務省、間違いないですね。
○富山政府参考人 先ほども職員への確認の内容を申し上げたとおりでございますけれども、いずれにしましても、それまで把握されていなかった廃棄物の混合土が発見されたという報告を受け、国において何かしらの対応を求められることが想定されるという状況でございました。
また、森友学園側は既に小学校建設に着手しておりまして、新たなごみへの対応が円滑に行われずに、例えば開校の延期といったような事態になれば損害賠償などに至る事態も予想される中で、貸し主として丁寧に対応することが重要だということを確認していたところでございます。
○宮本(岳)委員 それはきのう辰巳孝太郎議員が随分やりとりしたんですが、そもそも三メートルまでのものを取っていないわけですよ、籠池さんは御存じなかっただけで。ですから、それが出てきたからといって、三メートルより深いところのものが現にあったということにはなりません。
一時間半にわたってそういうやりとり。中身を聞くと、大声でまくし立てる、まるでクレーマーのような談判をしております。そうしたら、国の指導で近畿財務局が動き、平身低頭、大阪航空局と連携した対応が始まったと。これが口裏を合わせて、ただ同然で売り払うという流れに結びついていきます。
逆に聞きましょう。財務省は日ごろから、本省に乗り込んできて大声で一方的に一時間半まくし立てるような人が来たら、帰ってくれとも言わず、一時間半もじゅんじゅんと聞き取って、翌日、平身低頭、低姿勢で対応し、言うがままになって、それで行政が左右されているんですか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
個別の御相談、対応についてつまびらかにお話しすることはできませんけれども、財務省あるいは現場の財務局としましては、お問い合わせ等、御相談といったことについては、できるだけ丁寧に対応していこうというふうに考えているところでございます。
○宮本(岳)委員 今、田村嘉啓氏の語ったことを少し前にお話しになったじゃないですか、一方的にまくし立てられたと。私、音源を聞きましたけれども、まさに一方的にまくし立てる。よくもまあ一時間半これを我慢したものだというぐらいの生々しいやりとりですよ。なのに、それを聞き取って、そして翌日、その音源に示されたとおり、十六日の会合は、まずおわびしなければならない、反省しなければならない点だということになっているから不思議なんです。
これは、田村嘉啓という人が、その前年十月から十一月に、安倍昭恵夫人付と名乗って森友案件を相談する電話を、谷査恵子さんから森友案件を相談する電話を受けた、そのことがあったからこそ、このような対応になっているんだと思うんです。
そういう流れの中で、三月下旬から四月にかけて、私が音声データで示した口裏合わせをやったのではありませんか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
本件につきましても、国有財産の管理、処分といったものは、その相手方の役職、位といったものにどういった方がついておられるのか、あるいはその相手方がどのような方と関係しているかということには関係なく、法令に基づき行っているところでございます。
○宮本(岳)委員 一つだけ確認しておきましょう。
私、田村嘉啓氏御本人から直接聞き取りましたけれども、谷査恵子さんからは電話で問い合わせがあったと。電話で問い合わせがあったけれども、ただただ谷査恵子ではどこの誰かわからないので、御本人は、何者の谷査恵子か名乗ったでしょうと聞いたら、安倍昭恵夫人付の谷査恵子ですと名乗った電話であったと。
相談内容は、学校に定期借地で貸している、その借地料を介護施設のように下げてくれという相談であったということでありますけれども、当時、借地で学校に国有地を貸していたのは森友学園以外にないわけですから、すぐに森友学園のことだと気づいたでしょうと聞いたら、御本人は、それはぴんときたとおっしゃっていました。
前年の十月、十一月の時点で谷査恵子さんという安倍昭恵さんの関係者から問い合わせのある森友学園だという認識はあったと私は聞きましたが、事実ですね。
○富山政府参考人 お答えいたします。
今先生御指摘の点については、確認がとれておりません。
○宮本(岳)委員 では、確認していただけますか。
○富山政府参考人 一定のお時間をいただいて確認をさせていただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 口裏合わせの事実が音源で示されたわけでありますけれども、これは口裏合わせでないという根拠はどこにあるんですか。
○富山政府参考人 先生が今おっしゃっている音声データ、どの時点のものかがあれですけれども、これまでもこの国会での答弁をしてきておりますように、例えばこの五月半ばごろの音声データにつきましては……(宮本(岳)委員「五月半ばは聞いてないですよ、三月下旬から四月」と呼ぶ)
それでは、その件について申し上げますと、これについても、やりとり等について本人への確認をしているところでございますが、三月十一日の、新たな地下埋設物が出た、その連絡が森友側からあり、三月二十四日には森友学園から新たな……(宮本(岳)委員「いいですよ、もう」と呼ぶ)よろしいですか。
○宮本(岳)委員 ちゃんと答弁できるようにして来てくださいよ。私は理財局長を要求した。寸分たがわず答弁できるからといって、次長に差しかえてくれと言われたんですよ。なぜそんな答弁になるんですか。
なぜ口裏合わせでないと言えるのかと聞いているんです。
答えられないんだったら時計をとめてください。
○富山政府参考人 当時のさまざまなやりとりでございますけれども、地下埋設物の撤去費用を見積もるためには資料が必要でございました。三メートルよりも深いところから出たものについては新たな地下埋設物になるという認識のもとで、必要な資料の提出をお願いするといったことにより、いろいろなやりとりをしているということでございます。
○宮本(岳)委員 全然答弁になっていないんですよ。
太田さんがそう問われてやった答弁というのは、大阪航空局の見積もりは、三月三十日に近財から大阪航空局に依頼して四月十四日に受け取っている、結果を。不動産鑑定は、四月二十二日に出して五月三十一日に受け取っている、先に八億二千万が出ているじゃないかと。時間的にそういうふうな口裏合わせで価格の操作は難しい、そういう言い分なんですよ。それがそもそも実は眉唾なんです。
四月二十二日の不動産鑑定士の選任は一体どういう手続で行いましたか。一般競争入札でしたか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
本件土地の売却に係る鑑定評価を行った不動産鑑定士につきましては、二十八年の四月十四日に埋設物の撤去費用の見積もりを航空局から受領した後、四月十五日に不動産鑑定業者に対して見積もり合わせを行う旨連絡をいたしまして、四月二十二日に不動産鑑定業者三社の間で見積もり合わせを行い、選定されたものでございます。
加えて申しますと、本件手続は、少額随契ということを前提に、こういった手続でございます。
○宮本(岳)委員 少額随契なんですよ。一般競争入札じゃないんですよ。三社、近畿財務局の側から声をかけてやっているんです。
この不動産鑑定業者は、この五年間で近畿財務局の不動産鑑定の依頼を何回受けておりますか。
○富山政府参考人 お答えいたします。
近畿財務局に確認いたしましたところ、平成二十四年から二十八年度で、本件を除きまして二十八件の発注実績がございます。
○宮本(岳)委員 本件を加えて二十九件ですよ。完全な顔見知りなんです。
四月二十二日に本件の鑑定依頼を受けてから五月三十一日に不動産鑑定評価書を出すまでの期間、近畿財務局や大阪航空局とやりとりをしながら鑑定評価額を出しております。
会計検査院、報告書八十ページの最後の行から八十一ページ五行目まで、何と書いてありますか。
○戸田会計検査院当局者 今回の報告書におきましては、「委託を受けた不動産鑑定業者の不動産鑑定士は、近畿財務局が考慮することを依頼した地下埋設物撤去・処分概算額について、不動産鑑定評価基準における「他の専門家が行った調査結果等」としては活用できなかったとし、近畿財務局の同意を得て、次の事項を総合的に考慮するなどして、地下埋設物の存在を価格形成要因から除外する想定上の条件を設定して鑑定評価を行っていた。」としております。
○宮本(岳)委員 あらかじめ同意を得て不動産鑑定をやっているわけです。
財務省が十一月二十七日の予算委員会で真実性を認めた四十五分の音声データ、五月十八日のものでありますけれども、この時点でまだ近畿財務局は、理事長が言うゼロに近い額までできるだけ努力する作業をしているなどと話しております。この時点で努力できたとすれば、不動産鑑定価格が、有益費の一億三千二百万円に、大阪航空局があらかじめ見積もったこの八億二千万円を加えた九億五千万余りに落ちつくように努力するしか努力しようがないんです。
このような奇怪な土地取引がいかにして可能になったのか。その背景には安倍昭恵名誉校長の存在があったのではないか、国民の誰もが持つ疑問であります。名誉校長だったのは安倍昭恵氏であって、安倍首相ではありません。
だからこそ、安倍昭恵氏初め関係者の証人喚問は避けて通れないということを指摘して、私の質問を終わります。