昭恵氏関与 財務省も認識 森友疑惑 籠池被告と頻繁に連絡 衆院予算委 宮本岳氏、証人喚問を要求
「昭恵氏が何もかかわっていないなど事実を偽るものだ」―。日本共産党の宮本岳志議員は13日の衆院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐって、同学園が計画した小学校の名誉校長を務めていた安倍晋三首相の妻の昭恵氏の関与についてただし、昭恵氏の証人喚問を求めました。
宮本氏は、同学園の理事長だった籠池泰典被告と妻の諄子被告が2016年3月15日に財務省の田村嘉啓国有財産審理室長(当時)と国有地をめぐって談判した直後に昭恵氏から激励の電話があったと籠池被告が話している音声データに対し、安倍首相は「妻に確認したところ、そのような電話はしていない」と述べており、両者の言明は食い違っていると指摘。自民党が公表した昭恵氏と諄子被告とのメールのやりとりでは、16年6月~17年3月までで計34回、昭恵氏から諄子被告にメールを送るなど、頻繁に連絡をとっていたとして、「どちらかがうそを言っているのであり、籠池氏と昭恵氏に当委員会に来てもらって、うそを言えば偽証罪に問われる形で証言をしてもらうしかない」と昭恵氏の証人喚問を求めました。
安倍首相は「妻が国有地売却の問題や学校認可の問題に関して何らの便宜もはかっていないことはメールのやりとりをみれば明らか」と述べるだけで、昭恵氏が籠池被告と頻繁にやりとりをしていた事実は否定できませんでした。
さらに、宮本氏は、国有地売却に深くかかわってきた財務省の田村室長は昭恵氏付きの政府職員が財務省に問い合わせた15年11月ごろの時点で、昭恵氏が関与していることを認識していたと指摘。
財務省の太田充理財局長は「森友学園に関係しての照会であったことは認識していたと思う」と認めました。
宮本氏は、安倍首相は籠池被告を「ころころころころ言っていることを変える人物」で信用ならないとして、昭恵氏をかばうが、首相自身が17年2月まで「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている」「私の考え方に非常に共鳴している方」と籠池被告を評価していたとして、「(安倍首相も)まったく同じように、ころころ籠池氏の評価を変えた」と指摘しました。(赤旗2018/2/14)
動画 https://www.youtube.com/watch?v=GowGDvyK6Co&list=PL3M7AtnZgh3UwBngS4JL1lVJplHH5b_A4&index=33
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
私からも、豪雪被害に遭われた皆様方に、お見舞いを申し上げたいと思います。
さて、総理、総理は、去る二月一日の参議院予算委員会で、我が党の辰巳孝太郎参議院議員が、二〇一六年三月十六日の音声データの中に、前日の三月十五日、財務省から出た途端に安倍夫人から電話があり、どうなりました、頑張ってくださいと言っていたという籠池氏の発言が録音されていたことについて、翌日、妻に確認したところ、そのような電話はしていないと否定をされました。
私たちは、決して籠池氏の発言をうのみにして事実だと断定しているわけではありません。辰巳議員は、十五日に電話をかけたのかと質問したわけであります。昭恵氏がかけていないとおっしゃるならば、両者の言い分は明確に食い違うことになります。
しかし、この日に電話をやりとりしたかどうかは別として、この間、安倍昭恵氏と籠池氏側が頻繁にメールや電話のやりとりをしていたことは動かぬ事実であります。
昨年三月二十三日の参議院予算委員会で籠池氏の証人喚問が行われたとき、自民党の西田昌司参議院議員は、昭恵さんから許可をいただいて、メールを文字に起こして全部持っていると言い、総理は公表したいとお話しになっていますから、あなたも奥さんに公表させたいということで御了解願いたいと言って、そのメールのやりとりを公表いたしました。
総理に確認いたしますけれども、これは西田議員が述べたとおり、総理も公表を望まれたということでいいですね。
○安倍内閣総理大臣 私から、私が妻と籠池夫人とのメールのやりとりを西田議員に対して公表するということを認めたことは、事実であります。
○宮本(岳)委員 そこで、このパネルを見ていただきたいと思います。
自民党が公表した安倍昭恵氏と籠池夫人とのメールのやりとりで、昭恵氏がメールを送った日付と回数であります。籠池夫人のみが送った日は挙げておりません。この間、三十四回。特に、昨年二月十八日からの一カ月間で昭恵氏がメールを送った日が十日ございますので、まさに三日に上げずメールをしていたことになります。昨年三月十六日まで、こうしてメールのやりとりが続いているわけですね。メールのやりとりは続いているわけですよ、総理。
電話の件でどちらかうそを言っているのだから、結局、籠池氏と安倍昭恵氏にこの委員会に来ていただいて、やはり、うそをつけば偽証罪に問われるという形で証言していただくほかはないと私は思うんですが、総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 これは、籠池さんについては、先ほど申し上げましたように、そういう電話を昭恵がしたことはないということを申し上げたところでございます。いわば籠池さんの発言にのっとった質疑であったわけでありますが、それは根本から違うということを申し上げているわけでございますが。
この紹介したメールにつきましても、口どめともとれるメールが届いたと籠池氏が述べたわけでありまして、これはまことに心外であったわけでありまして、メールの前後の文脈を見ていただければ、籠池夫人から、みずからには非がない旨、勘ぐりをされている、真っ当な人間が真っ当なことをしているのを阻止されるなどと繰り返していたのに対しまして、そしてこちら側から、信じたいと思っています、しかし園長の説明を聞いていても私は人に納得してもらえるように話すことはできません、なぜ売却価格を非公開にしてしまったのですか、やはり怪しまれるようなことはしない方がよかったのかなと思いますと、やんわり籠池氏側を非難した上で、私がかかわったということは、裏で何があるのではと疑われないように、細心の注意を払わなくてはならないということだったのでしょうと言っているわけであります。つまり、かかわったというのは、名誉校長になっていたことを指すわけでございます。
つまり、一部だけというか、籠池さんの発言が、全くこれは誤りなことを向こう側が言ったことに対して、西田さんがちゃんと……(宮本(岳)委員「長いじゃないですか」と呼ぶ)いや、長いといっても、この事実は事実として申し上げなければ全容がわからないわけでありまして、それを私は今説明をさせていただいているわけでありまして、私が説明をしようとすると答弁を遮られたのではちゃんと丁寧な説明ができないわけでありますが、繰り返しとなりますが、妻が国有地売却の問題や学校認可の問題に関して何らの便宜も図っていないことは、メールのやりとりを見ていただければ明らかなことではないか、このように思います。
○宮本(岳)委員 時間稼ぎみたいな答弁はやめてくださいよ。私は、中身なんか聞いていないんですよ。この時点でもメールのやりとりは頻繁にやられていた、電話やメールのつき合いがずっと去年まで続いていたという事実を、私は指摘をしたわけであります。
総理、あなたは、昨年の特別国会の当委員会で、私に対して、当時の理財局長も近畿財務局長も安倍昭恵氏が名誉校長であったことは知らなかった、だから、安倍昭恵氏が名誉校長であることによって値引きされたということには全くならない、こう答弁されました。
しかし、この森友学園への国有地売却に財務省本省理財局でかかわってきた田村嘉啓国有財産審理室長は、籠池夫妻が上京して田村室長と激しい談判をした二〇一六年三月十五日時点では、昭恵氏が森友学園の名誉校長であることを知っていたと財務省は認めました。この田村室長こそ、その前年の十一月ごろ、安倍昭恵夫人付の谷査恵子氏から、ファクスのもととなる問合せを受けた本人であります。
太田理財局長、田村室長は、このときの総理夫人付からの問合せについて、どのように語っておりますか。
○太田政府参考人 お答えをいたします。
宮本委員からは、昨年十二月六日の国土交通委員会においても今の件について確認を求められておりまして、それを受けて、当時の担当者、国有財産審理室長に確認をいたしましたので、その結果を申し上げます。
平成二十七年十一月ごろ、総理夫人付から、当時検討されていた介護施設に適用される定期借地の賃借料についての優遇措置について問合せがあり、当該優遇措置の対象に学校法人は含まれず、また学校法人に拡大する予定もないと回答をしております。また、問合せがあった際、学校法人で定期借地制度を活用した貸付けを行っていたのは森友学園のみであったと認識しておりましたことから、総理夫人付の問合せの内容は、森友学園に関係しての照会であったことは認識していたと思うということでございました。
○宮本(岳)委員 財務省本省の田村嘉啓国有財産審理室長は、既に二〇一五年十一月ごろ、谷査恵子氏からの問合せを受けた時点で、森友学園という学校が、首相夫人である安倍昭恵氏が関係する学校であることをはっきり認識していたというのが今の答弁ですね。
このパネルを見ていただきたい。二〇一五年十一月十七日付で谷査恵子氏、夫人付から籠池氏に送られたファクスであります。
総理は、ファクスの内容にはそんたくはないとおっしゃいますけれども、ファクスの最後には、赤線を引いたところに、「引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。」と書いてあります。ここから、理財局の田村嘉啓室長によるそんたくが始まった、こう言わざるを得ないと思うんです。
総理、昭恵氏が名誉校長を辞任されたのは一体いつですか。
○安倍内閣総理大臣 辞任したのは、こちら側の申入れに従って直ちに先方がホームページから妻を名誉校長だとする記載を削除したということではないかと思いますが、昨年の二月二十三日のことであったと思うわけであります。
先ほど御紹介させていただいたメールは、いわば、うちの妻は向こうからメールが来たことに対しての返信をしているわけでありまして、あの返信の今中身を紹介をさせていただいたわけでございますが、今御紹介をさせていただいた内容だけを見ても、私の妻が何か籠池さんたちに口どめをしているということは全くない、むしろ、ちゃんと、価格は非公開ではなくて公開にすべきだったという趣旨のことを述べているわけでございます。
つまり、中身をしっかりと、一部だけを取り上げるのではなくて、中身を見ていただいた方がいいのではないかということを申し上げているところでございます。
○宮本(岳)委員 中身なんか聞いていないですよ。やりとりがあったという事実を、私はお示しをしたまでであります。
この間、音声データが明らかになった二〇一六年三月十五日の財務省本省での田村室長への談判時点、あるいはその翌日の音声データの時点も、三月下旬から四月にかけての口裏合わせと言われる音声データの時点でも、ずっと安倍昭恵氏は紛れもなく森友学園の名誉校長だったわけであります。
総理、あなたは、このパネルを見ていただきたいんですが、冒頭も言われましたよ。籠池さんの言うことは、ころころ言っていることを変える人物だ、だから信用ならない、こういう論法で安倍昭恵氏をかばい立てております。なるほど、籠池氏が発言を変えたことは幾らもあります。大体、安倍首相に対する評価は、証人喚問の前と後とで百八十度ひっくり返っております。
しかし、それと全く同じく、ころころ籠池氏の評価を変えたのが、総理、あなたですよ。
昭恵氏が名誉校長をやめる前の昨年二月十七日の予算委員会では、妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている、私の考え方に非常に共鳴している方と述べておりました。それが、昨年十月、総選挙中のテレビ番組では、こういう詐欺を働く人物のつくった学校と言い、今国会では、この籠池さん、これは真っ赤なうそ、うそ八百だと。ころっと、あなたの態度が、あなたの答弁が、あなたの発言が変わっているわけですよ。
しかし、変わるまでは、昨年の二月二十三日まで安倍昭恵氏は森友学園の名誉校長であり、昨年の三月十六日までは頻繁にメールのやりとりをしてきたわけですよ。
昭恵氏が何もかかわっていない、こんな話は到底通らないということを、私ははっきり申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。