衆参予算委森友疑惑証人喚問 首相夫妻関与、否定根拠示せず 佐川氏、証言拒否を乱発
小池・宮本岳議員、怒り込め抗議
学校法人「森友学園」との国有地取引での財務省の決裁文書改ざん問題をめぐり、当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が27日、衆参両院の予算委員会で行われました。佐川氏は「刑事訴追を受ける恐れがある」として証言拒否を乱発。その回数は55回にのぼりました。参院での喚問で日本共産党の小池晃書記局長は「これでは喚問の意味がない。この証人喚問で終わりにするわけには絶対にいかない」と怒りを込めて抗議し、喚問が一時、中断する事態となりました。疑念がますます深まったもとで、野党側は安倍晋三首相の妻の昭恵氏に加え、昭恵氏付職員だった谷査恵子氏、迫田英典元理財局長らの証人喚問を要求しています。(関連2・3・4・14・15面)
佐川氏は自民党の丸川珠代参院議員から、安倍首相や昭恵氏、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相などから改ざんの指示があったのか問われ、「ございません」と断言しましたが、いっさい根拠を示せませんでした。
一方で、佐川氏は自らの関わりについては証言を拒否。小池氏が財務省の太田充理財局長が「(昨年)4月4日に(決裁文書の)変更をした」と答弁していることを指摘し、昨年2月、3月の佐川氏の答弁は「(改ざん前の)決裁文書を前提に答弁したのか」と質問したのに対しても佐川氏は「いつ書き換えが行われたかに直結する」として証言を拒否しました。
小池氏が、2015年1月9日に近畿財務局が森友学園を訪問した事実が改ざん前の決裁文書に記載されているにもかかわらず、佐川氏が国会答弁で6回も否定したことをあげて「決裁文書と正反対の答弁をしたのは、なぜか」と追及しても、佐川氏は「やはり、その件は書き換えの経緯にかかわる。答えは差し控えたい」と答弁を拒否しました。
さらに、小池氏が、改ざん前の決裁文書に昭恵氏の名前が載っていることの印象を問うても、佐川氏は「決裁文書をいつ見たかといっているんですね」などと、質問をねじ曲げて答弁を拒否。小池氏は「訴追の恐れがある以外のことも全部答えない」と佐川氏の答弁姿勢を厳しく批判しました。
また、日本共産党の宮本岳志議員は衆院の喚問で、佐川氏が国会答弁で「(森友学園側との)交渉記録を確認したところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録はなかった」と述べていることをあげ、「これは虚偽答弁か」と追及。佐川氏が「(保存期間が1年未満という)財務省の文書管理記録(規則)の取り扱いをもって答弁した」と交渉記録の確認を怠ったことをごまかしたのに対し、宮本氏は「そんなの通らない。偽証か、虚偽答弁か、二つに一つだ」と厳しく批判しました。
( 赤旗2018/3/28)
動画 https://www.youtube.com/watch?v=D_T_-zVHSuw&t=0s&list=PL3M7AtnZgh3UwBngS4JL1lVJplHH5b_A4&index=44
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
この森友問題、これは昨年二月十五日の私の当院財務金融委員会の質問から始まりました。いわば、この問題は、この質問を端緒にして、私とあなたの間で争われてきたと言っても過言ではありません。
そこで聞くんですが、あなたは昨年二月二十四日の衆議院予算委員会で、面会等の記録は平成二十八年六月二十日の売買契約締結をもって破棄している、こういう答弁を私に初めてなさいました。この答弁は虚偽答弁でありましたか。
○佐川証人 委員おっしゃるとおり、二月の半ばから委員の御質問で始まったことでございまして、今のお話の、六月二十日をもって廃棄をしたという私の答弁は、財務省の、ここで何回か申しました、財務省の文書管理規則の取扱いをもって答弁したということでございまして、そういう意味では本当に丁寧さを欠いたということでございます。申しわけありませんでした。
○宮本(岳)委員 そういう問題ではないんですね。
あなたは、午前中の証言で、個別の事案についてもきちんと確認をして答弁をしなかったという点で丁寧さを欠いた、こういう答弁をしているんですね。
しかし、二月二十四日の私に対する答弁、あなたの答弁は、昨年六月の売買契約の締結に至るまでの財務局と学園側の交渉記録につきまして、委員からの御依頼を受けまして確認しましたところ、近畿財務局と森友学園の交渉記録ということはございませんでしたと。
このとき、確認をして、なかったと答弁しているので、一般的な規定を答弁しているんじゃないです。これは全く、どちらかがうそですね。
○佐川証人 大変申しわけありません。その確認をしたという意味ですけれども、理財局に、本省で文書の取扱規則を確認したということで、そういう答弁をしてしまいました。申しわけありません。(宮本(岳)委員「だめですよ、そんなの。答弁になっていないですよ。そんなの通らないですよ。とめてくださいよ。答弁になっていないじゃないか」と呼ぶ)
○河村委員長 再答弁してください。
○佐川証人 本当に申しわけありませんでした。
文書の取扱規則の話をしてございました。済みません。
○宮本(岳)委員 では、この答弁については虚偽答弁を認めますか。
○佐川証人 それを虚偽というふうにあれですけれども、私自身は、虚偽という認識はそのときはございませんでした。
○宮本(岳)委員 確認をしてというのが、規定をただただ確認しただけだと。通りませんよ、それは。そして、きょうやっている証言は、確認をしていなかったから丁寧さに欠けたと言っているんですよ。これは、午前中の答弁が、まさに証言が偽証であるか、昨年の答弁がまさに虚偽答弁であるか、二つに一つですよ。
じゃあ、午前中の答弁、撤回してください。
○佐川証人 ですから、おわび申し上げますが、昨年の委員に対する答弁がそういう趣旨の答弁だったということでございます。
○宮本(岳)委員 全く納得できません。これは本当に重大なことだし、午前中の証言のまさに信憑性にもかかわる問題だと思います。
先ほどからあなたは、決裁文書について問われたら全て答えないという態度をとっておられます。しかし、あなたは、書換えはあったということを、これは事実を認めて、そしてその責任をとっておやめになった。これは認めておられるんですね。
書換えの事実があったとあなたが認めているのは、まさに決裁文書に書換え前のものと書換え後のものと二つある、これは確認されたということですね。
○佐川証人 やめたというのは、長官の話でございましょうか。
それは、当時、この報道が出て、その週、国会が空転をするような状態になったということも踏まえて、ほかに幾つかの理由を申し上げましたが、そういう意味で、この決裁文書を提出した当時の理財局長として責任を痛感したというふうに、そのとき心から申し上げました。
それから、事実を改ざん、決裁文書の書換えがあったかどうかの事実関係というのは、それは、財務省の理財局が国会にきちんと提出をして、明らかにこれは事実関係として間違いなくて、書換えがあったということでございますので、それは書換えがあったというのは認識をしてございます。
○宮本(岳)委員 つまり、二つの文書については確認をしたんですね。
○佐川証人 財務省が十二日に提出した、その調査結果は見ました。
○宮本(岳)委員 だったら、その中身について答えればいいんですよ。何の問題もないじゃないですか。
時間が来ましたから、これ、全然不十分なんですよ。
先ほど来あなたは、最終的には不動産鑑定をやったから正当なんだということを繰り返しているんですよね。しかし、昨年十一月に提出されたこの会計検査院の報告書では、不動産鑑定価格から八億二千万を差し引いた、それは鑑定士にとって、他の専門家の調査結果としては使えなかった、まともなものじゃなかったと出ているんですよ。それをもって正当だったということは全く通らない。
引き続き、この問題の解明は絶対に必要だということを申し上げて、私の質問を終わります。