一極集中是正に逆行
宮本岳志氏 政府の政策批判
日本共産党の宮本岳志議員は19日の衆院地方創生特別委員会で、東京一極集中の是正に逆行する政策を批判しました。
政府は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、2020年に地方・東京圏の人口転出入の均衡目標を設定。しかし18年には東京圏への約13万人の転入超過となるなど、一極集中に歯止めがかかりません。有識者でつくる政府の検証会は、均衡施策の大半は「進捗(しんちょく)している」と評価する一方、均衡目標自体は「政策効果が必ずしも十分に発現していない」としています。
宮本氏が「施策が進捗しても転出入均衡につながらない。誤ったものだったのではないか」と迫ると、片山さつき地方創生担当相は「簡単に数字が出るものではなかった」などと答えました。
宮本氏は「政府は逆に一極集中を進める政策を取ってきた」として、東京国家戦略特区の規制緩和で超高層マンション建設が相次ぎ、「人口が集中するのは当然だ」と強調。片山担当相は「(実態を)どこまで補足できるかは難しい」などと弁解しました。
宮本氏は、石破茂担当相(当時)が16年3月の同委で、超高層マンションの影響を調査する必要性を示したのに、その後調査されていないと指摘。「破綻済みの施策を進めようとしている」と批判しました。(赤旗2019/3/25)
動画 https://youtu.be/Fy0aTj9WpsA
配布資料 2019031901 2019031902 2019031903 2019031904 2019031905
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
大臣は、所信で、東京圏への転入超過は十三万六千人程度と述べられました。資料一は、二〇一三年以降の転入超過数の推移のグラフであります。
まち・ひと・しごと創生総合戦略では、二〇二〇年に転出、転入を均衡させる、こういう目標であったはずでありますが、この目標は達成できますか、大臣。
○片山国務大臣 グラフでお示しいただいたとおり、昨年の東京圏への転入超過数が十三・六万人になるなど、二〇一四年以降、地方創生をやってまいりましたが、ふえてしまっている部分がありまして、残念ながら、現状では二〇二〇年の均衡目標達成は大変厳しいものと言わざるを得ないと思っております。
要因につきましては、ここに来るまでいろいろ議論させていただいたように、転入超過の大半が十代後半、二十代の若者が占めており、基本的には、若い世代の大学などへの進学や就職が東京への移動のきっかけとなっていると考えられますので、全国的な景気回復が進む中で、東京圏の労働需要が高く、こういった部分が転入超過の改善にまでは結びついていない。
まち・ひと・しごと創生総合戦略で仕事づくりを進めてきてはいるが、そこまでになっていないものと大変残念に思い、人の流れを太くするためのUIJターン創出支援制度、あるいはきらりと光る大学づくり等取り組んでおりますが、いずれも、きちっと決まっても四月以降に効果が発するようなものばかりでございまして、今後も、この一極集中の動向について、要因を十分に分析により、更に手だての検討を進めてまいりたいと考えております。
○宮本(岳)委員 資料一を見ていただければ、目標達成が絶望的なのは誰の目にも明らかだと思います。
そこで、問題は、政府は東京一極集中の是正にまともに取り組んできたのかどうか、このことが問われると思うんです。具体的に聞きたいと思います。
総合戦略では、「年間四十七万人の地方から東京圏への転入者を年間六万人減少させ、年間三十七万人の東京圏から地方への転出者を年間四万人増加させる。」、こうしているわけですね。そのために、今大臣がお述べになった、政府関係機関の地方移転、企業の地方拠点強化、地方創生に資する大学改革、地域における魅力ある仕事づくりの推進、子供の農山漁村体験の充実、地方移住の推進という六つの施策に取り組んでまいりました。
これらの施策によって、毎年どれだけの転入者の減少、転出者の増加を見込んできたのか、それぞれ六万人の減少、四万人の増加をカバーするものになっていたのか、内閣府、お答えいただけますか。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
地方への人の流れをつくるの基本目標につきましては、地方への転出四万人増、東京圏への転入六万人減により転出入を均衡させるということを設定しております。
また、この目標を達成するために、現在、先ほど委員から御指摘いただいたような施策について推進をすることとしております。
これらの施策の中には、例えば、子供の農山漁村体験の充実などが典型的なものだというふうに思っておりますが、将来的な人の流れをつくるのには寄与するものの短期的に効果を発現するとは限らないものなども含まれておりまして、委員御指摘の目標について、毎年どの程度カバーするかということについての算定は行っておりません。
○宮本(岳)委員 年間六万人の減少、四万人の増加という目標を定めておきながら、それをカバーする各施策の転出入についての数値目標も定めていなければ、目標達成の保証はありません。
では、その六つの施策について見ていきたい。
資料二は、第二回検証会で配付された資料であります。「今般のKPI検証の考え方」として、下の枠に、「第一回検証会で受けたご指摘を踏まえて」と記載され、三つにランク分けしております。1は「目標達成に向けて進捗している」、ここを更に第一回の指摘を受けてABCと分類しております。2は「現時点では、目標達成に向けた政策効果が必ずしも十分に発現していない」。そして3は「その他」としております。
そして、資料三を見ていただきたい。これは、東京一極集中の是正のKPIを検証したものであります。基本目標のKPI、つまり、地方、東京圏の転出入均衡という成果指標について、その進捗は2、「現時点では、目標達成に向けた政策効果が必ずしも十分に発現していない」、こうなっておりますね。
間違いないですね。
○伊藤政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。
○宮本(岳)委員 この基本目標を達成するために講じた二十一の各施策のKPIの検証が、その下段から、以下四ページにわたって記載されております。
各施策の進捗について見ますと、資料3の2の五十四番、新規学卒者の道府県内就職割合、資料3の3の六十三番、子供の農山漁村体験の取組人数、資料3の4の七十番、UIJターンによる起業、就職者数を除けば、残り十八の施策全部が1、すなわち「目標達成に向けて進捗している」ということになっております。これも間違いないですね。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘の今般のKPIの検証の考え方の資料でございますが、これは第一期のまち・ひと・しごと総合戦略に関する検証会の資料でございまして、一月二十八日に第一回、三月一日に第二回をやっているところでございます。
二回やっているところでございますが、この際、第一回の検証会のときには、前回の二〇一七年の中間的なチェックのときのものを時点修正して整理をしていたところでございますが、これでは達成についての進捗がわかりにくいということもございまして、その御指摘も踏まえて、まず1、目標達成に向けて進捗をしている、それについてABCという評価、それから、現時点では目標達成に向けた政策効果が必ずしも十分発現していないというのを2番、その他ということで再度整理をしたものでございます。
今御指摘ございましたおのおのの施策につきましては、その目標に向けて少しでも進捗しているものにつきましては1の目標達成に向けて進捗しているというふうに分類しておりまして、地方への人の流れをつくるといった個別施策の二十一のうち、十八は、御指摘のとおり、少しでも進捗がしているということで整理をさせていただいているところではございます。
ただし、これについては、現時点で目標を達成しているというAではなく、非常にB、現時点で目標は達成していないけれども、やや上方に行っているというものがほとんどというのは、見ていただいたとおりかというふうに思っております。
○宮本(岳)委員 検証会で進捗がわかりにくいからといってやったというんですが、一層わかりにくくなっております。二十一の具体的な施策のうち、十八もの施策が、目標達成に向けて進捗している、こういう評価なんですね。にもかかわらず、なぜ、基本目標のKPIの方は、現時点では目標達成に向けた政策効果が必ずしも十分に発現していないというようなことになるのか。これでは、つじつまさえ合っていないと言わなければなりません。
各施策の評価が1であれば、それを総合的に講じた結果である基本目標のKPIの進捗も、同じ1になるはずであります。にもかかわらず、なぜ基本目標が2になるのか。
そうなると、あなた方が各施策の評価を1、目標に向けて進捗していると評価していること自体が偽りであるのか、それとも、これらの各施策が仮に進捗したとしても基本目標は一向に進捗しないような、そもそも誤った施策であるのか、どちらかしかあり得ないと私は思うんです。大臣、どちらですか。
○片山国務大臣 今回の地方創生、二〇一四年に開始しましたときに、まず、大きな前提として、やはり地方が自発的に、自主的にみずからの持続可能な社会的、経済的発展ということのためにいろいろな施策を行っていくということ、それを総合的に応援するという話でございまして、過去、いろいろな地域再生、地方活性化をやってまいりましたが、経験に学んで、単にばらまきということが言われることなく、KPIをきちっと設定していこうということで始まったものでございます。
その今御指摘の各種のKPIでございますが、私は、設定されている目標につきましては、基本的に、こういう方向のことは、社会経済上の変化としての人の流れを巻き起こそうということの意味でも、超少子高齢化の対応という意味でも、それほど不適切なものは、今、再度見返した上でもないと思いますが、実際に評価を始めてKPIの検証ということをやってみると、そう簡単に数字が出るものではなかったということもあるんだと思います。
その中で、項目によって進捗があるものについてはそういう判断をしたということで、委員からは大変厳しい評価が下されているわけでございますが、仮に、何か評価がしづらいようにしているとか、あるいは目標が何だかわからないようにしているということであれば、そもそも、こういったものをきちっと公表してレビューするということをしなければいいわけですから、それを全て一〇〇%お出ししてPDCAサイクルを回している、そういう私たちのアプローチということは御理解をいただければと思います。
○宮本(岳)委員 そう簡単に数字が出るものでもないとおっしゃったんですけれども、私が聞いているのは、各施策については1で進捗しているといいながら、全体が進捗していないと。なぜそうなっているかということを明らかにしなければ、検証なんてできないんですね。
大臣は、所信で、東京一極集中の是正に取り組むため、政策を総動員すると述べられました。しかし、間違った政策をどんなに総動員しても、効果など上がるわけがないんです。
しかも、東京一極集中の是正に真面目に取り組まなかったばかりか、政府は逆に、むしろ東京一極集中をより強力に進める政策をとってきたのではないか、私は、そう、きょうは指摘をせざるを得ないんです。
東京では再開発がメジロ押しであります。二〇一三年以降、首都圏、東京二十三区内で、タワーマンション、二十階建て以上の超高層マンションの竣工は、一体、何棟、何戸になるか。また、今後完成予定のタワーマンションは幾つあるか。国土交通省住宅局、お答えいただけますか。
○眞鍋政府参考人 いわゆるタワーマンションについての御質問がございました。
お答え申し上げます。
今御質問いただきましたタワーマンションの竣工の実績、あるいは今後完成予定の件数、国土交通省としてぴったりとしたデータを把握してございませんが、民間企業、これは株式会社不動産経済研究所が調査、公表している超高層マンション市場動向二〇一八というようなデータによりますれば、二〇一三年以降に竣工した二十階建て以上の超高層マンションは、二〇一八年三月末現在で、首都圏で百三十棟、四万二千六百十二戸、東京二十三区内では八十八棟、二万八千九百十六戸とされております。
また、同じ調査によりますと、二〇一八年以降に完成を予定している超高層マンションは、首都圏で百八十一棟、八万三百三戸となっております。そのうち、二十三区内で百二十三棟、五万五千五百七十戸というふうに記されております。
○宮本(岳)委員 まだこれからですよ。首都圏で百八十一棟、八万戸、東京二十三区内で百二十三棟、五万五千と、全国の五一・一%をこれは占めているんですね。
それで、政府は東京国家戦略特区で容積率の緩和を行ったために、タワーマンションがたくさん建てられる結果になりました。それだけではありません。今、東京オリンピック・パラリンピックに向けた開発が進んでおりますけれども、オリパラが終わった後も、その跡地に住宅や商業施設を建設するとされております。
国土交通省の都市局に聞きますけれども、東京の晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業では、住宅は何戸建てる計画になっておりますか。
○清瀬政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業でございますけれども、東京都が施行する事業でございまして、その住宅戸数につきましては、東京都から約五千六百五十戸というふうに聞いてございます。
○宮本(岳)委員 地下一階、地上五十階、高さ約百八十メートルの超高層マンション二棟を含む、計五千六百三十二戸、新たに約一万二千人規模の町をつくる計画であります。
この晴海五丁目だけではありません。東京都では、虎ノ門や大手町、品川など、三十二の再開発事業が進められております。
大臣、これだけ超高層マンションや住宅を建てれば、人口が集中するのは当たり前のことではないですか。
○片山国務大臣 委員におきましては、かつて、このタワーマンション問題について石破元大臣にもお聞きになっていただいておられるということで、タワーマンションについてアンケートというんですか、聞き取り調査をしたデータがございまして、それによりますと、全体の九三%のタワーマンションに新規で入られた方が首都圏から来られているんですよ。その全体の六割ぐらいはそもそも東京都二十三区内から来られているというデータがあります。
実は、私も長らくタワーマンションの新築から入っている住人で、防災管理人もしておりましたが、知る限り、ほとんどの方がやはり近郊からの転居組でいらっしゃいまして、やはり、突然いわゆる地方圏からあのタワーマンションに住むというのは相当大きな居住環境変化なので、余りその例は、少なくとも私の地域は、三万人ぐらいの集落がこの二十年ぐらいでできたところですけれども、多くないということは実感としてありますが、いずれにしても、委員の御指摘もございますので、今後とも注視してまいりたいと思っております。
○宮本(岳)委員 きょうは、その石破大臣の御答弁のあった議事録を資料四で配付をしております。
二十三区にお住まいだった方がタワーマンションに住まれたということであって、外から来られた方ではないと答弁されていますけれども、同時に、今まで住んでおられたところに誰が入ってきたのか等々、また調べなければいかぬ、そこはよく分析をした上で対策を講じなければいけませんとも述べられました。
内閣府、調べたんですか。
○中原政府参考人 現時点において、その調査、調べておりませんけれども、石破大臣がおっしゃっておりますように、いずれにしても、ちゃんと分析をしないままお答えをしてはいけませんので、そこはよく分析をした上で対策を講じなければいけませんと述べられておりまして、東京一極集中の原因が、先ほどのように数もふえておりますので、そこの要因分析をしっかりとやってまいりたいと思っております。
○宮本(岳)委員 だから、分析をしたのかと聞いたんですけれども。
総務省に来ていただいております。総務省に聞きますけれども、二十三区の二〇〇九年から二〇一三年までの転入超過数、それから二十三区外の東京圏の転入超過数はどうなっておりますか。
○佐伯政府参考人 お答えいたします。
総務省の住民基本台帳人口移動報告により、日本人移動者の動きを見ると、東京二十三区の転入超過数は、二〇〇九年が三万七千三百九十一人、二〇一〇年が三万三千九十八人、二〇一一年が三万五千四百三十五人、二〇一二年が四万九千六百五十五人、二〇一三年が六万一千二百八十一人となっています。
また、二十三区を除く東京圏の転入超過数は、二〇〇九年についてはデータがないため算出できませんが、二〇一〇年が五万九千七百三十一人、二〇一一年が二万七千三百七十四人、二〇一二年が一万七千五百五十四人、二〇一三年が三万五千二百四十三人となっています。
○宮本(岳)委員 東京二十三区も二十三区外の東京圏も、毎年一貫して数万人規模で転入超過が続いているんですね。超高層マンションに移り住んでいるのが二十三区の住民だとしても、二十三区にはそれを超える人々が移り住んでいる。二十三区外の東京圏にも、地方からの流入が流出数を超えております。
大臣、容積率の緩和による超高層マンションの建設が東京への地方からの人口流入を促進しているということは、否定はできないのではありませんか。
○片山国務大臣 住宅、土地の統計調査では、現在の居住地をもとにして、その居住住宅に対して直前の住居の場所や所有関係が調査されているということはあるんですが、そこから更にさかのぼってということまではされていないので、委員が石破大臣に御指摘されたようなところがどこまで捕捉することができるかというと、それは非常に現状では難しいというのが今のお答えだとは思うんです。
私、たしか小泉政権のときにも容積率の緩和で似たような議論があって、そういうお話を記憶しているんですが、その後、バブルの崩壊とかリーマン・ショック等もありまして、いろいろな状況を見ている限りで、必ずしもそのように結びつくような状況にあるのかなということが一つ感じられますのと、更に申し上げると、仕事がなくて、東京の容積率緩和された住宅に移り住む流れが一方的に起きるかというと、それはまず余り考えられないわけですよね、ある程度居住コストが高いですから。
そうなると、仕事の問題でやはり人の流れというのは、あるいは学校への就学の問題で起きるんじゃないか、そこが本質なのではないかということを先ほどからるる申し上げている次第でございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、難しいじゃないんですよ。本当にそれはこっちのせりふだと言いたいんですけれどもね。
大体、東京一極集中の是正を掲げて五年やってきて、よくなるどころか、年々悪化しているわけですよ。一方で、その東京にあちこちタワーマンションが建ち並んで、かつての地方創生担当大臣も気にされて、調査分析しなければいかぬと答弁した。当たり前のことですね。
国土交通省に確認するんですけれども、国土交通省は、内閣府からこの問題の調査の依頼を受けたり、調査の検討を行った事実はありますか。
○眞鍋政府参考人 お答え申し上げます。
石破大臣が御指摘の委員会で答弁された以降に内閣府から依頼を受けたこと、それを受けて実際の調査を国土交通省で行ったかどうか、調べましたけれども、そのような事実は確認できておりません。
○宮本(岳)委員 依頼もされていなければ、検討した事実もない。不真面目きわまりないと言わなければなりません。
東京一極集中は、人口だけの問題ではもちろんありません。政治、経済、金融、外資など、あらゆる分野が東京に集中している。
先ほど来、女性の動向という議論がありましたが、女性がどうこうという問題ではないんです。あなた方は、国際競争力強化を口実に、地方創生のかけ声とは裏腹に、東京一極集中を促進する政策を実行してきたんですね。根本的な転換が必要だと言わなければなりません。
しかも、これだけ地方創生の失敗が明らかになったにもかかわらず、真剣な総括や反省もなく、「現時点では、目標達成に向けた政策効果が必ずしも十分に発現していない」などという言い方でお手盛りの検証を行い、相も変わらず、これまでどおりの破綻済みの政策を進めようとしております。
政府は、検証のためと称して、第一期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に関する検証会というものを設置し、既に二回の会合を開いてまいりました。
内閣府に確認しますけれども、この二回の検証会で、委員の中から、政府の政策がそもそも間違っていたのではないかという趣旨の発言は一人でも、一回でもありましたか。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
今までの二回の検証におきましては、今のそのKPIについて現時点でのチェックを事務的に行ったことが一つ、それから、東京一極集中についての要因についての意見交換をするということを二回においてやっております。
その中においては、個別の施策において、この施策は失敗であったとか、あるいは、だめだったんじゃないかというような御指摘はいただいていない状況であります。
なお、検証委員会は二回やっておりますが、検証委員会のほかに、片山大臣のもとで、検証と今後どうしていくかという推進会議を三月十一日から開いておりまして、これから、施策そのものについては、今後どういうことをやっていったらいいかということは、その中においても更に議論をするということにしているところでございます。
○宮本(岳)委員 時間が参りましたので、ここで一旦おきますけれども、大体、この検証会は、その進め方について、総合戦略の全てのKPIについて、進捗状況の検証を行い、十分な効果が発現していない施策や取組が十分でない施策についての方策等について検討する、こうしておりまして、政府の施策には不十分はあっても失敗の文字はないとでも言うような、実につまらぬ検証会だと言わなければなりません。
資料五につけておきましたけれども、これは第一回検証会の議事要旨ですよ。下線を引いておきました。
東京一極集中の是正に係る地方、東京圏の転出入均衡という目標は余りに厳しい指標だったのではないかと述べ、頑張っても仕方がないというふうに見えてしまうのは非常に残念なので、第二期では、政策の成果を前向きに評価できるような他の成果指標を検討してもよいのではないかと述べております。
これは結局、第一期がうまくいかなかったのは厳しい目標を立て過ぎたからだ、今度はもっと緩い目標にして、施策の成果が出やすいようにしようじゃないかと。こんな検討は幾らやっても前に進むことはないということを申し上げて、私の質問を終わります。