まん延防止対象地域拡大
宮本岳志氏「国が検査負担を」
衆院議運委
衆参両院の議院運営委員会は25日、まん延防止等重点措置の対象地域拡大にあたって、政府から報告を受け、質疑を行いました。日本共産党からは宮本岳志衆院議員と倉林明子参院議員が質問しました。
宮本氏は、政府が「感染不安がある方が無料で検査を受けられる体制を全国で確保している」とする検査体制について、地方ではそうした認識にはないと指摘。大阪府の吉村洋文知事が「無症状の方の検査を無差別に行うのは、どこまで感染対策になるのか」と発言していることにふれ、背景には「検査費用の自治体負担がある。全額、国が負担するべきではないか」と要求しました。
宮本氏は、保健所や医療のひっ迫を理由に、新型コロナウイルスを感染症法上の「5類」とし、「季節性インフルエンザ」と同等の扱いにしようとの議論があることをあげ、「まん延を容認することになりかねない。保険診療で自己負担が出てくることになるのではないか」と質問。山際大志郎経済再生担当相は、「5類にするだけの法改正をすれば、そうなる」と認めました。
宮本氏は、治療薬など患者負担が発生するとして、「保健所体制の抜本的強化に国が乗り出すべきだ」と主張しました。
宮本氏は、在日米軍の新型コロナ感染者数の公表について、「ホームページ上には、まだ公表されていない。しっかり国民に公表してほしい」と求めました。
(しんぶん赤旗2022年1月26日)
動画 https://youtu.be/j4RMyKfP2o0
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
本会議でも総理の答弁がありましたけれども、政府も、無料で検査を受けられる体制を全国で確保する、こういう立場、これは確認できますね。
○山際国務大臣 基本的にはその方向です。
○宮本(岳)委員 ところが、地方ではなかなかそういう状況にないんですね。大阪府の吉村知事は、一月十九日の会見でもなお、全く症状がない方の検査を無差別にやるというのはどこまで感染対策になるのかと懐疑的な見方を示されました。
この背景には、検査費用に自治体負担があるということを聞いております。全額国が負担して、やるべきではないでしょうか。
○山際国務大臣 我々が今行っている無料検査、これは全額国負担でございますので、そこは心配していただかなくていいのではないかと思います。
○宮本(岳)委員 行政検査の方は丸々なんですけれども、その他は、地方と国とが、国が八割、地方が二割というような分担になっているというふうに聞いております。しっかりここも、もうそういう区別をせずに、全て国が最初から持つというふうに進めていただきたい。
一部に、保健所や医療の逼迫を理由に、新型コロナを感染症法上の五類にして、季節性インフルエンザと同じようにしようという議論があります。私たちは、それはコロナ感染の蔓延を容認することになりかねず、時期尚早というふうに考えております。
五類に引き下げれば、健康保険の保険診療となりまして、自己負担が出てくるということになりますね。
○山際国務大臣 二類を五類にという法改正をするだけであれば、委員のおっしゃるとおりになります。
○宮本(岳)委員 五類になれば、高価な治療薬や治療機器の使用に患者負担が発生いたします。保健所の逼迫を解決するためというのであれば、地方財政措置にとどまらずに、保健所体制の抜本的強化に国が人的にも財政的にも乗り出すべきだ、こう申し上げておきたいと思います。
さて、前回、我が党の塩川議員の、在日米軍の感染者数、新規感染者数と感染者総数をホームページ上で明らかにするようにという質問に、大臣も、定期的に、程度は別にして、報告すると答弁されました。
今、何人になっておりますか、それぞれ。
○山際国務大臣 二十五日の在日米軍司令部の発表によりますと、全国の在日米軍施設・区域における新規陽性者数は二百二名と承知しております。そのうち、在沖米軍全体では、新規陽性者数は四十四名というふうに承知してございます。
○宮本(岳)委員 時間が参りましたから終わりますけれども、ホームページ上にはまだ公表されていないんですね。それは恐らく、在日米軍の発表を聞かれたら答えるということになっていると思います。ましてや、一月二十四日の官房長官会見では、今後、新規感染者のみの報告にするということにしております。
これはしっかりやはり国民に公表していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。