財務省あげ国会欺いた
「森友」証人喚問・資料開示 宮本岳志議員迫る
衆院予算委
日本共産党の宮本岳志議員は31日、衆院予算委員会で、学校法人森友学園への国有地払い下げをめぐり公文書改ざんを強要され自ら命を絶った財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さんが残した決裁文書の改ざん記録(赤木ファイル)を取り上げ、関係幹部の証人喚問と問題の全容解明を迫りました。
宮本氏は、財務省が改ざんを指示するため近畿財務局へ送った電子メールに、決裁文書を「議員に持っていくつもりはまったくなく」とか「物を出せと言われたら、近畿に探させているけどなかなか…と引き取る」などと書かれ、「冨安課長も了承済みだ」と記されていたことを明らかにし、「省をあげて国会を欺いてきたということだ」と追及しました。
鈴木俊一財務相は「深くおわびする」と述べ、岸田文雄首相は「必要に応じて説明責任を尽くす」と答えました。
宮本氏は、当時の冨安国有財産企画課長の証人喚問を求めました。
さらに宮本氏は、野党議員が要求した資料を与党へ提出したとする近畿財務局あての本省のメールを示し、役所が与党の下請けになり下がっていると指摘。また、日本共産党の山添拓参院議員の国会質問に対する答弁準備のため、財務省から近畿財務局へ送られたメールに添付されていた「応接録(議員レク)」などの資料が全てマスキング(覆い隠す)されているとして「開示すべきだ」と迫りました。
財務省の角田隆理財局長は「議員と職員との率直なやりとり」などと述べ、開示を拒否しました。
宮本氏は、岸田首相が説明責任を尽くすと言いながら、再調査を行わず、新たに開示された文書もマスキングを外さないと批判。改ざんや隠ぺいに関わった職員でも「政権を守った者は出世・栄転させている」として、「岸田政権は腐敗・隠ぺい体質でも安倍・菅政権と何ら変わらない」と批判しました。
(しんぶん赤旗2022年2月1日)
動画 https://youtu.be/VeQ1nb6dZqA
配付資料 20220131予算委員会配布資料
議事録
安倍政権以来、公文書や統計の改ざん、虚偽答弁が繰り返されてまいりました。その出発点であり、いまだに何も終わっていないのが森友問題、赤木さんの事件であります。
赤木雅子さんが起こした裁判で、昨年の六月の二十三日に、ついに赤木ファイルが提出されました。これは、故赤木俊夫さんが命に代えて書き残した決裁文書改ざんの記録であります。
資料一を見ていただきたい、パネル一でございますが。
これは、赤木ファイルにとじられた、財務省本省理財局から近畿財務局宛ての、二〇一七年二月十六日、一番最初の電子メールであります。
五年前の二月十六日といえば、私が衆議院財務金融委員会で森友学園問題を国会で最初に追及した翌日、そして、このメールにもあるように、「福島議員からの宿題返しです。」福島伸享衆議院議員の翌日の質問の答弁準備のための、決裁文書のコピーを送れという趣旨のメールであります。
赤い下線を引いたところを見ていただきたい。
ここには、決裁文書を議員に「持っていくつもりはまったくなく、」とか、「物を出せと言われたら、近畿に探させているけどなかなか…と引き取る」などと書かれ、冨安課長も了承済みだとされております。これは、国会議員を愚弄するものだと言わなければなりません。
総理、これは、役所が省を挙げて国会を欺いてきたということではありませんか。
○鈴木国務大臣 国会又は国会議員からの資料要求には可能な限り協力すべきものと考えております。また、そうでなければならないと思います。したがって、決裁文書の改ざんも含め、当時の国会への対応については、誠に遺憾であって、深くおわびを申し上げなければならないと思っております。
その上で、なるべく早く提出をしろということがしばしば言われるわけでありますけれども、国会議員からの資料要求等に対しては可能な限り速やかに対応することとしておりますが、個々の事案の内容に応じまして、不開示情報の有無の確認等の作業など、中身の精査に時間を要することもあるということは御理解をいただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 この文書をよく見てくださいよ。最後のところに何と書いてありますか。「ことが終わったらおごりますとお伝えください」と。そんな、真面目に仕事をしている話じゃないんですよ。ふざけるにもほどがあるんです。こんなふざけた話から始まって、最後には真面目な国家公務員が命を奪われた。
総理、あなたはどう思われますか、これ。
○岸田内閣総理大臣 まず、赤木さんがお亡くなりになったことについては改めて謹んで御冥福をお祈りし、そして、御家族の皆様方には改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
その上で、財務省としても、裁判等を通じて、そして自らの報告書を通じて、さらには会計検査院の調査、そして検察でのやり取りを通じて説明の努力を続けてきたということであると承知をしています。
そして、その文書等についての御指摘については、今財務大臣からも答弁がありましたが、財務省として様々な観点から説明責任を尽くしていかなければいけない、そういったことに関わる部分ではないか。
引き続き、様々な形で財務省として説明を尽くしてきましたが、今後とも必要に応じて説明責任は尽くしていかなければいけない、このように思っています。
○宮本(岳)委員 先ほど申し上げたように、この文書には冨安課長了承済みと書かれていますよ。
冨安泰一郎国有財産企画課長、当時の、今は、デジタル庁に聞きますけれども、デジタル庁にこの人物、戦略・組織グループのグループ長としていらっしゃいませんか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおりでございます。
○宮本(岳)委員 この方は今、デジタル庁で更に栄転されているわけですね。
委員長、私は、真摯に今後も明らかにするとおっしゃるのであれば、元財務省理財局国有財産企画課長、現デジタル庁の冨安泰一郎氏の証人喚問を要求したいと思います。
○根本委員長 理事会で協議します。
○宮本(岳)委員 一杯おごりますという話をやっているわけですからね。これは答えてもらわなきゃなりません。
財務省が国会全体のために働く、国民全体の奉仕者でなく与党の下請に成り下がってきたということを示す証拠はほかにもあります。
資料二を見ていただきたい。
赤木ファイル三百四十九ページにつづられている、本省から近畿財務局へのメール。件名は「与党理事懇談会の資料」となっております。
資料二の二を見てください、めくって。
赤木ファイルでは、これは赤木ファイルにとじられているんですが、その後二ページにわたって全面青塗り。一体ここは何だったのかが全く分からない形になっています。
財務大臣、ここには一体何を書いていたんですか。
○角田政府参考人 ここは、何かが書いてあったというものではなく、青い仕切り紙があったということでございます。
○宮本(岳)委員 この青はマスキングじゃないんですね。
○角田政府参考人 マスキングではございません。
○宮本(岳)委員 これは一体どういうものであるか、最初、全く分からなかったんです。
ところが、この「与党理事懇談会の資料」というところには、添付ファイル、資料・ZIPというものがついております。
私は、この度、財務省からこの資料を入手いたしました。つまり、赤木ファイルに添付されていたメールについても提出があったわけであります。
資料三を見てください、パネル三ですけれども。
ここに添付されていたものは、説明資料、二月二十三日、逢坂誠二議員要求とあります。これは、二〇一七年二月二十三日の予算委員会で逢坂議員が要求した、地中ごみに関する資料です。
問題は、この資料を近畿財務局から本省に送らせているんじゃなくて、逆なんですよ。本省から近財に送っているということなんですね。一体、これは何のやり取りをこのメールがやったのかということを明らかにしてもらわなきゃなりません。できますか、財務省。
○角田政府参考人 お答えいたします。
現時点では、ちょっとどういう趣旨で近財に送ったのか、私どもは承知しておりませんけれども、可能な限り調べさせていただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 じゃ、財務大臣に聞きましょうか。
与党理事懇談会の中身を現場に送って確認することを日常的にやっているんですか。
○鈴木国務大臣 申し訳ありません、存じ上げません。
このことにつきましては、先ほど理財局から答えたとおりでございます。
○宮本(岳)委員 じゃ、はっきり調べてくださいよ。明らかにしなきゃなりません。
役所が国民全体の奉仕者じゃなくて与党理事懇談会の使い走りのようなことになっているとすれば重大ですから、きちっと調べていただかなくてはなりません。
資料四を見てください。
赤木ファイルの二百四十一ページ、ここには、我が党、山添拓参議院議員の国交委員会質問の答弁準備のために本省から近畿財務局に問い合わせたメールがとじられております。
ここに添付していたはずの応接録が赤木ファイルにはありませんでした。ところが、この度提出された資料の中にはその添付ファイルがございました。
それは一体どういうものであったか。全て青塗りです。この青いもの、これを外して公表していただけますか。
○角田政府参考人 御指摘のページですけれども、こちらは、いわゆる質問レクに先立つ、何と申しますか、レクというか、宿題とかをいただいているところでありますけれども、議員と私どもの職員の間の率直なやり取りになってございますので、基本的にはオープンにするというのはいかがかと。
ただ、その翌日の国交委員会で、その議員の御主張は委員会の議事録の形で残っておるということでございますので、そういう意味では役割が果たせているのではないかというふうに思っております。
○宮本(岳)委員 いやいや、何も外さなかったら分からないじゃないですか。本当に誠意を持って説明を尽くすというけれども、結局、再調査もしない、新たに開示した文書もマスキングを外さない、改ざんや隠蔽に関わり処分された職員でも政権を守った者はこれ見よがしに出世、栄転させる、だから、同じような改ざんがあっちでもこっちでも繰り返されるんですよ。
これでは、岸田政権は隠蔽、改ざん体質でも安倍、菅政権と何ら変わるところがないということを申し上げて、私の質問を終わります。