大学ファンド 私物化狙う
「チーム甘利」実動組織 宮本岳志氏が追及
衆院文科委
日本共産党の宮本岳志議員は3日の衆院文部科学委員会で、自民党の甘利明前幹事長に連なる関係者ら「チーム甘利」が内閣府に自らの実動組織を立ち上げ、10兆円の大学ファンドをテコに大学政策を私物化しようと画策してきた経過を暴きました。
宮本氏が取り上げたのは、2019年に発足した内閣府の「大学支援フォーラムPEAKS」です。第1回全体会合では構成員でない甘利氏がなぜか冒頭の開催趣旨説明に立ち、「チーム甘利」の橋本和仁科学技術振興機構理事長、上山隆大総合科学技術・イノベーション会議常勤議員、五神真・理化学研究所所長の参加の意義を強調しています。(肩書はいずれも現在)
宮本氏が、甘利氏と渡海紀三朗元文科相がその後も毎回、主催者然として冒頭あいさつを行ってきた異様さをただすと、内閣府の合田哲雄審議官は「上山座長の判断」だと答弁。宮本氏は、甘利氏がツイッター上で同フォーラムの「創設者」を自任している事実を突きつけました。
宮本氏は、20年の全体会合で渡海氏が自身と甘利氏をファンドの「発案者」だとし、今後も資金の使い道に関与すると表明したことや、上山氏が「大学という資源を使い尽くす。完全に隅々まで使いつぶして」などと述べたことを指摘。「『チーム甘利』が10兆円ファンドを牛耳ろうということだ。このような形で大学政策が決められていいのか」と迫ると、末松信介文科相は「全く好ましくない。大学政策は政治家のみならず特定の者に左右されるべきではない」と述べました。
(しんぶん赤旗2022年6月4日)
動画 https://youtu.be/W8vQxvjeUOE
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
本日の一般質疑終了後に委員長起草案として採決が予定されている在外教育施設における教育振興法案について、今朝の理事会でも確認しましたけれども、対政府への確認質疑はこの一般質問の中で行うこととなっております。
冒頭、文部科学大臣に確認をしたいと思います。
在外教育施設での在留邦人の子に対する教育について、文部科学省はホームページで、我が国の主権の及ばない外国において、日本の子供が、日本国民にふさわしい教育を受けやすくするために、文部科学省と外務省では、憲法の定める教育の機会均等及び義務教育無償の精神に沿って、海外子女教育の振興のために様々な施策を講じていますと述べています。
在外教育施設における教育は、憲法の定める教育の機会均等及び義務教育無償の精神に沿ったものであることは間違いありませんね、大臣。
○末松国務大臣 宮本先生にお答えを申し上げます。
先生御指摘のホームページの記載のとおり、在外教育は、我が国の主権の及ばない外国におきまして、憲法の定める教育の機会均等及び義務教育無償の精神に沿って行われています。
○宮本(岳)委員 一方、日本人学校の入学金はおおむね十万円、授業料は年間六十から七十万円、さらに、施設利用料や寄附金など、保護者負担が大きいわけです。また、教員については、七七%近くは国内からの派遣教師ということでありますけれども、残りは現地採用の先生であり、この現地採用の教員の待遇が極めて劣悪だという話を聞いております。
今回、法的根拠ができれば、保護者負担の現状や教員の待遇など、実態を調査して、負担軽減策についても検討すべきだと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○末松国務大臣 先生御指摘の、在外教育施設の授業料や現地採用教員の待遇につきましては、様々な実態がございます。入学金、授業料につきましてもそうでありますが。
今後、文部科学省といたしましては、在外教育の振興に向けて、必要な実態把握や対応について検討いたしてまいります。
○宮本(岳)委員 では、次に、私が前回の、いわゆる大学ファンド法案の質疑で取り上げたチーム甘利の問題であります。
私は、二〇一四年五月二十三日の当委員会で、学長権限を強化する学校教育法改正案の審議の冒頭に、大学の自治を最大限に尊重するのは当然だと考えるが、よいなと質問し、当時の下村博文文部科学大臣も、おっしゃるとおりと答弁をいただきました。これは末松文部科学大臣も同じだと思います。
我が党は反対いたしましたが、前回の委員会では国際卓越研究大学法案が可決し、五月十八日には参議院本会議でも可決、成立をいたしました。
改めて大臣に確認いたしますが、大学ファンドがつくられ、運用されることになっても、当然、学問の自由や大学の自治は守られるということでよろしいですね。
○末松国務大臣 先生にお答え申し上げます。
国際卓越研究大学の制度が開始をされましても、学問の自由、大学の自治は引き続き十分尊重されるべきものと考えております。
○宮本(岳)委員 ところが、もし、大学改革の方向性や大学ファンドの制度設計など、本来は各大学が自主的、自律的に決めるべきものを、与党の政治家が自分の個人的人脈を使い、チームまでつくって進めているとすれば重大な問題だと。絶対に放置するわけにはいきません。
前回の委員会で、委員長の御指示で文科省から理事会に報告されることになり、理事会に先立って、文科省が私のところへ説明に参りました。そのときに文科省が持ってきた資料が資料一であります。大学を支援するファンドに関する制度の主な検討経緯と表題がついております。冒頭に、平成三十年、二〇一八年五月の自由民主党知的財産戦略調査会提言というものが挙げられております。これが端緒であるという説明でありました。
自ら資料に書き込んできたんですから聞くんですけれども、このときの自民党知的財産戦略調査会の会長は、研究振興局長、誰でしたか。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。
提言が作成された平成三十年五月時点の会長は、甘利明衆議院議員であったと承知しております。
○宮本(岳)委員 やはり出発点は甘利明さんですね。
次に、文科省は、資料一、検討経緯の二つ目に書いてある内閣府総合科学技術・イノベーション会議第二回基本計画専門調査会で大学ファンドをプレゼンしたのはCSTI委員の安宅和人慶応義塾大学環境情報学部教授、ヤフーCSOだと言い、示した資料が資料二であります。
資料二の左側の下線部を見ると、なるほど確かに、国家基金が十兆円程度あると、ほとんどの国立の研究大学は救い出すことができる、是非本気で考えるべきだと、二〇一九年十月に開かれたCSTIの基本計画専門調査会で安宅氏は熱弁を振るったことが書かれてあります。
しかし、読み進めていくと、右側の下線部、しかし、二一年度当初予算の編成前、党重鎮の甘利明元経済再生担当相らがファンドを後押しして潮目が変わった、菅義偉首相、当時が、渋る財務省側の提示を、甘利さんが言っていることと全然違うと突き返したこともあったというなどと書かれております。まさに甘利氏が動いて潮目が変わったと書いてあります。
文科大臣、これこそ、まさにチーム甘利が後押しして進めてきた何よりの証左ではありませんか、大臣。
○末松国務大臣 今般の大学ファンドの創設は、政府内において、与党での議論も踏まえて検討し、制度設計を行ってきたものでございます。これは、私なりにそういう判断をいたしてございます。
○宮本(岳)委員 資料三、私が前回の質疑で配付した、チーム甘利についての文部科学教育通信の記事でありますけれども、次の資料四を見ていただきたい。甘利氏と山際大臣の共著である、この「INNOVATION ECOSYSTEM ニッポンは甦る!」という本の十六、十七ページであります。
CSTIには民間から有識者を多数招いているが、この民間の有識者の中で、その後、事務局長的立場として唯一の常任議員になっていただいたのが、元政策研究大学院大学教授であり、同学の副学長であった上山隆大先生だ、同氏を強く推薦いただいたのが既CSTIメンバーの橋本和仁東大教授であった、橋本教授にはその後も随分と助けていただいたとか、上山先生には、政策研究大学院大学の学長職も目前に控えている中、私と一緒に日本を変える仕事をしませんかと呼びかけて快く応じてもらったという、ほぼ同じ話が繰り返されております。
この上山隆大氏は、二〇二一年三月二十四日、CSTI第一回世界と伍する研究大学専門調査会の会長として、大学ファンドについて、資料五の下線部、第二の運営費交付金となって、いろんな大学にばらまかれるようなものではなくて、世界に伍する大学を選定し、そこに対しての組織への支援ということを考えていると発言し、さらに、資料六を見てください。二〇二二年、今年の五月二十日の毎日新聞の記事でありますけれども、広く資金をばらまけば世界と戦えるようになるわけではない、ばらまきは税金由来のお金の使い方として理解を得られないなどと述べております。
高等教育局長に聞きますけれども、運営費交付金というものは、国民の理解が得られないような税金のばらまきなんですか。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
国立大学法人運営費交付金のうち、各大学の基盤的な教育研究に活用できる基幹運営費交付金につきましては、学生数や教員数の規模に基づき算定されていた国立大学の法人化前の国費投入額を基に算定される基幹経費と、主に各大学からの提案に基づいた意欲的な組織改革や教育研究設備整備などを支援するミッション実現加速化経費に分けて配分しておるところでございます。
国立大学が継続的、安定的に教育研究活動を実施するために必要な支援と、自らのミッションに基づき自律的、戦略的な経営を推し進めていくために必要な支援を同時に行うということで、国立大学全体として教育研究の成果を最大化できるよう配分を行っているところでございますので、その配分の目的、効果を考えずに配るといった、いわゆるばらまきと言われるような予算であるとは考えておりません。
○宮本(岳)委員 考えていないと。それでいいんですよ。運営費交付金は、各国立大学法人がそれぞれの中期目標、中期計画に基づき、安定的、持続的に教育研究活動を行っていくために必要な基盤的経費であると、文部科学省のホームページにもそう書いてありますから、それでいいんです。
資料七は、昨年十一月四日にオンラインで開催された内閣府の大学支援フォーラムPEAKSの二〇二一年度全体会合議事概要であります。
大学ファンドによる大学支援について、下線部、一律に配分するような運営費交付金のような運用は絶対に行うべきではないと、まるでおぞましいものを見るような口ぶりで書いてありますけれども、この会合でPEAKSの活動と政策形成について説明したのが上山隆大氏であり、甘利明、渡海紀三朗の両衆議院議員も参加をしております。
今日は、この大学支援フォーラムPEAKSを担当する内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局にも来ていただいております。
これは一体誰の発言ですか。運営費交付金のことを、こういう、一律に配分するような運営費交付金のような運用は絶対に行うべきではないと発言したのは誰なのか。また、内閣府はそのように考えているんですか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、先生御指摘いただいたPEAKSでございますけれども、平成三十年六月十五日の閣議決定、統合イノベーション戦略に基づきまして設置されたものでございまして、各大学における経営課題やその解決策などの意見交換、情報共有の場を設け、好事例の水平展開、大学の経営層の育成を実施するということが明記されたものでございます。
その上で、御指摘をいただいた昨年のPEAKSの会合でございますけれども、このときのPEAKSでございますが、この全体会合におきましては、世界銀行のビクター・ムラス氏ですとか、あるいはスタートアップ企業のSTATION Aiの佐橋代表など、様々な方が様々な御発言をなさいました。二十人を超える方々のかなり活発な御議論がございましたので、一つ一つの発言について発言者を特定するのは困難でございますし、内閣府としては、大学支援フォーラムPEAKS、これは大学人等による団体、フォーラムでございますけれども、自由闊達な御議論の確保の観点からも、個々の発言者を特定することは考えていないというところでございます。
○宮本(岳)委員 では、この大学支援フォーラムPEAKSというものがいかなるものなのか、議論をいたしましょう。
資料八は、PEAKSについて説明を求めたら内閣府が持ってきた、PEAKSの設置経緯と目的というペーパーです。内閣府が持ってきたものです。
内閣府、このPEAKS設置の経緯は、第三十八回総合科学技術・イノベーション会議における上山隆大議員の発言から始まっていますが、間違いないですね。
○合田政府参考人 先ほど申し上げましたように、統合イノベーション戦略という閣議決定に基づいて、政府全体の意思決定の下設置されたものでございますが、様々なきっかけの一つとして上山議員の御発言があったというふうに承知をいたしてございます。
○宮本(岳)委員 閣議決定より前に上山議員の発言があり、それを内閣府のペーパーは冒頭に掲げております。
資料九を見ていただきたい。二〇一九年五月十七日に行われたPEAKS第一回全体会合の議事概要であります。実に奇異なことに、冒頭の議題一、開催趣旨説明、挨拶は甘利明衆議院議員が行い、科学技術担当の平井卓也内閣府特命大臣の挨拶はその後になっております。しかも、ここでも甘利氏は、相も変わらず、下線部、橋本先生に御相談した際に、イノベーションとアカデミアの両方に通じる人材が必要だという認識から、上山先生に来ていただこうとアドバイスをいただいた、上山先生に要請した結果、大いなる決意を持って参画をいただきました、五神総長にも総長になられる前から御参画いただいているなどと、チーム甘利のメンバーを次々挙げております。
内閣府に聞きますけれども、この甘利明衆議院議員と渡海紀三朗衆議院議員は、毎回、冒頭で、大臣と前後して、主催者のごとく挨拶しておりますが、この二人はどのような立場でこのPEAKSに出席しているんですか。
○合田政府参考人 お答え申し上げます。
大学支援フォーラムPEAKSでございますけれども、先ほど申し上げましたように、大学関係者、国立研究開発法人関係者、産業界、関係府省などが構成してございますが、同時に、その規約上、座長が必要と認めるときは、構成員外の関係者の出席を求め、全体会合の討論、検討に参加させることができるというふうに、このPEAKSの規約上、なってございます。
そのため、私ども内閣府の担当職員が科学技術イノベーション政策について立法府の先生方と常日頃対話する中で、PEAKSの全体会合への御参加の希望のあった立法府の先生方について、上山座長の御判断で参加いただいているものというふうに承知をいたしてございます。
○宮本(岳)委員 上山座長の御判断、まさにチーム甘利だからだと私は思いますけれども、大体、おかしいですよ。
資料十を見ていただきたい。当の甘利明氏のツイッターであります。昨年の十一月四日、今日は大学支援フォーラムPEAKSの全体会合が開かれます、創設者の一人として毎年来賓挨拶をしますが云々と書いてあります。
内閣府の大野副大臣に聞きますけれども、創設者の一人としてと本人が言っているわけですよ。まさに、このPEAKSこそチーム甘利ではありませんか、大野さん。
○大野副大臣 お答え申し上げます。
PEAKSというのは、あくまで、大学のガバナンスであるとか運営の在り方について、大学側と、それから、例えば産業界の、実際に会社を経営される方等と、この交流の場をつくり上げるために、交流の場を提供するという事業でございますので、誰が創設するというよりは、場を提供するということが基本的に重要なポイントになってくるんだと思います。
その上で、あえて申し上げればですけれども、甘利先生がツイッターにお書きになったことについて、その意図、私は把握をしておりませんのでお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、思いを語られたんだと思います。
○宮本(岳)委員 いやいや、広く意見交換する場だ、メディアにも開いている、何ら隠すものはないとおっしゃるわけですけれども、しかし、議事録というものは公開されていないわけですね。
このPEAKS全体会合を見ますと、令和二年十月八日の令和二年度議事概要はほぼ議事録並みに公開されております。後で皆さんに御紹介申し上げます。しかし、昨年十一月四日、まさに大学ファンド法案取りまとめの前段の議事概要は、全く不十分な状況なんですね。
内閣府、合田さんに聞きますけれども、この昨年十一月の全体会合は公開できない事情でもあるんですか。
○合田政府参考人 お答えを申し上げます。
PEAKSの全体会合につきましては、PEAKSの判断によって、産学官が大学の経営課題や解決策などについて意見交換、情報交換を行う開かれた場という観点から、広くメディアに公開した形で対話や意見交換をしてございます。その上で、議事の内容、審議経過などを記録した議事の記録をホームページ上に公表してございます。
その議事の中身でございますけれども、今申し上げたように、PEAKSは国の機関ではございませんで、任意団体であることから、議事の内容、議事の経過などを記録した議事の記録の公開の判断につきましては、PEAKSにおいて判断されるべきところでございます。
また、その運営については、規約八条の、フォーラムの運営を助け、及び庶務を処理するための事務局を、委託する事業者に置くということでございまして、毎年度、内閣府が事務局を委託する事業者が対応することとなってございます。令和元年から令和二年は有限責任監査法人トーマツが、令和三年度は学校法人先端教育機構が事務局をそれぞれ担っており、その受託した事務局の判断により、議事の記録の公開の形式に差があるというふうに承知をいたしてございます。
○宮本(岳)委員 先端教育機構、そこには議事録、ありますね。答えてください。
○合田政府参考人 お尋ねは、先端教育機構には議事録があるのかというお尋ねでございますか。
これにつきましては、私ども、先端教育機構、受託者に対しまして、仕様書の中で、全体会合の実施の内容、議事録を含むとしてございます。
これは、調査研究が確実に行われていることを確認し、また、どのような内容の議論であったかを承知するためのものでございまして、私ども、この仕様書で言うこの議事録というのは、一般的な意味、すなわち議事の内容、審議経過、議決事項などを記録したものでございまして、逐語による作成を求めるというものではございません。
内閣府から具体的に、逐語で記録すべきだとか、何字以上であるべきであるといったような指示はしてございませんで、どのような形式でその意味での議事録を作成するかは、この議事の内容、審議経過等が分かる範囲で、事業者の判断に委ねられているということでございます。
このように、内閣府としては、事業者に対して逐語による作成を求めているものではなく、既に事業者との契約は完了していることから、私ども、逐語による議事録の作成を事業者に求めるということはいたしかねるということでございます。
○宮本(岳)委員 合田審議官、昔と政治状況も変わりました、確かに。子供たちのためには様々な努力も必要でしょうけれども、悪魔と契約するようなことだけはやってはならないんです。
私は、この問題は大変重大な問題であって、改めて明らかにする必要がある。これはメディアにもオープンにしているというんですから、今からでも議事録を明らかにしなければ、どういう議論か確認するための議事録だというんですから、出してもらわなきゃ困ります。
これはまさに政務三役に、この場ではっきり、これは明らかにすると、議事録を、お答えいただきたい。
○大野副大臣 先ほどお答え申し上げましたように、その趣旨、目的というのは、政策を決定をするということでは全然なくて、大学側の皆さんの意識というもの、あるいはその考え方というのを幅広く、この交流を通じて醸成をしていくことが重要なんじゃないかということでございますので、あくまで、先ほど合田審議官からお答えをさせていただきましたとおり、全くこれは国の機関というものでもございませんので。
その上で、メディアにも公開されておりますし、関係者の皆さんも当然この内容は把握をされていると思っておりますが、あえて、お尋ねいただきましたので改めて申し上げますと、その議事の公開の在り方については、このPEAKSの参加者で協議をいただいて、どのようにするかというのを決定をされるというふうに伺っておりますので、御理解を賜ればと思います。
○宮本(岳)委員 国の機関でもないところで国の政策を決めているから言っているんじゃないですか。だから出せと言うんですよ。出せないというのは通らないですよ、これは。
それで、私は、じゃ、改めて議事録の公開を求めておきたいと思います。三年とも、仕様書には議事録という文書が、委託先に募集するときの仕様書には書かれてあります。
では、ほぼ議事録並みに公開されている、令和二年度、PEAKS、二〇二〇年十月八日の全体会合を取り上げたい。
この会合では、井上信治内閣府特命担当大臣や甘利氏、渡海氏等の挨拶の後、上山隆大座長がPEAKSの活動と政策形成について詳しく報告をしております。上山氏は、PEAKSにビジョン策定委員会を置き、二〇二〇年の二月二十七日には、大学支援フォーラムPEAKSビジョンというものを策定したと述べております。
そのくだりが資料十二であります。見ていただきたい。下線部、世界で最もイノベーションに適した国を目指して、大学という資源を使い尽くす、完全に隅々まで使い潰して、日本に貢献するべきだと。字になっているでしょう。字になっていますよ。高等教育局長も、科学技術・学術政策局長も、このPEAKSの幹事会メンバーで出席しているんですよ。
大学という資源を使い尽くす、完全に隅々まで使い潰して、日本に貢献するべきだ。このようなひどい発言を高等教育局長は黙って聞いていたんですか、局長。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
昨年十一月四日に開催されたこのPEAKSの令和三年度の全体会合に、私もメンバーでございますので、出席いたしました。
この会合では、確かに、世界と伍するスタートアップエコシステムの拠点の形成とか、大学を取り巻く現状、改革の方向性などの議論が行われたというふうに記憶しております。確かに、その場では、産業界、大学からの出席者によって議論が行われまして、大学ファンドによる支援の在り方とか、大学の方向性とか、若手研究者の支援などの御意見があったと記憶しております。
ただ、大学を使い尽くすということについての記憶はございませんが、大学は当然、社会貢献という観点がありますので、一定程度、当然、使われるという観点はあると思い……(宮本(岳)委員「いいですよ、もう」と呼ぶ)
以上です。
○宮本(岳)委員 よくもそんな答弁しますね。
あなたはおととし出ていないから、それはそうですよ。あなたは去年でしょう。伯井さんなんですよ、このとき出た局長は。伯井さんに来て答弁してもらいたいけれども、あなた方は、つかさつかさで責任持って答弁するというんでしょう。だから、あなたなんですよ。
このときの会合でこんなことを言われて、一体文科省はどうそれを聞き流してきたのか。
大臣、これは大臣に答弁していただかなきゃならない。大学を日本の国のために使い潰すというようなことをこのPEAKSで議論している。どう思われますか、大臣。
○末松国務大臣 お答え申し上げます。
ここの文脈で、世界で最もイノベーションに適した国を目指して、大学という資源を使い尽くす、完全に隅々まで使い潰して、日本に貢献すべきだと。ここだけ下線なので、どういう、前後の文章をちょっと読んでみないと分かりませんけれども、その意図を一度私なりに調べてみたいと思いますけれども。
この会議、私も、PEAKSというのは、先生、今初めて御指摘ありましたので、名称だけ知っておりましただけなので、よく、ここで御意見として受け止めたいと思います。
○宮本(岳)委員 こんなことを言わせておいたのでは、日本の大学、高等教育を所管する文部科学省の責任を果たせないと思います。
最後の資料十三を見ていただきたい。二〇二〇年度全体会合議事概要の四ページ、甘利氏の後にステージに立った渡海氏の発言です。基金をつくると決めたのだから、政府が責任を持ってつくれなどと述べた後、それをどう使うかということについては、やはり発案者として我々も、いろいろと物を言っていかなければならないと言っております。大学ファンドの使い方について、我々も発案者として物を言うと言っているんですよ。
大臣、結局、私が前回指摘したとおり、甘利氏や渡海氏など、いわゆるチーム甘利が、文部科学省を押しのけて、十兆円大学ファンドを牛耳ろうということじゃありませんか。そんなことで大学政策が決められていいんですか、大臣。
○末松国務大臣 全く好ましくないと思います。
大学には、高度な学術研究を行うとともに、幅広い分野で活躍することができる人材を育成するための高等教育を行うこと、また、それら教育研究の成果を生かした社会貢献を行うことが求められております。このような役割を持つ大学に関わる政策は、政治家のみならず特定の者に左右されるべきではなく、大学関係者はもとより、広く国民や産業界、公的機関の声も踏まえながら検討されるべきものであるというように考えております。これは私の考えであります。
大学ファンド法案はせんだって可決をいただきましたけれども、少し遠くから聞こえてくるのは、まあ、生みの親という方が多過ぎるなという感じは。だから、どなたがどうというわけではないんですが、皆さんそれぞれの立場で。でも、甘利さんとお話はしたことがありませんので、私自身。
以上でございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、だからこそ、議事録を明らかにしてもらわなければ、重大な疑惑があるということを申し上げているわけです。
私がこれにこだわるのは、ただただ不正追及ということじゃないんですよ。大学ファンドをつくって大学を応援するというけれども、その中身は、今私がるる資料を示したとおりのことがある。そうしたら、その被害者は、やはり日本の学術研究なんですよ、高等教育機関なんですよ。そして、学生、院生、研究者こそ最大の被害者になる。だからこそ、たださなきゃならないということを申し上げて、私の質問を終わります。