自民地方議員も癒着
統一協会問題 宮本岳志議員 首相の認識問う
衆院予算委
衆参予算委員会は24日、岸田文雄首相と関係閣僚が出席する集中審議をそれぞれ行い、日本共産党は衆院で宮本岳志議員が統一協会と自民党地方議員との癒着について、首相の姿勢をただしました。
宮本議員は、自民党元衆院議員のもとで私設秘書を務めてきた元信者の証言として、▽選挙支援の見返りに協会信者の秘書を将来的に地方議員に立候補させる契約を交わしていた▽秘書となった信者たちは定期的に招集された会議で議員の動静を協会に報告していた―事実を挙げ、「このような実態をご存じか」と質問しました。
岸田首相は「地方でさまざまなケースがあるのは承知しているが全体であるとは思っていない」「(統一協会と)関係を断つ方針を明らかにし、具体的な方策を進めている」などと答え、地方での癒着についても調査する意思のない姿勢を示しました。
(しんぶん赤旗 2022年10月25日)
統一協会と自民地方議員の癒着
首相の指示で調査せよ
衆院予算委で宮本岳志議員
日本共産党の宮本岳志衆院議員は24日、予算委員会で統一協会(世界平和統一家庭連合)と自民党地方議員との癒着の実態を示し、「本当に(関係を)断ち切れるかどうかは地方がカギだ」として徹底調査を求めました。
宮本氏は、統一協会の信者が自民党の国会議員秘書となり、さらに地方議員になるルートが存在すると指摘。統一協会が選挙支援の見返りに「秘書を将来的に地方議員に立候補させる契約を結んでいた」と、自民党元衆院議員の私設秘書を無償で務めた元信者が証言していると紹介しました。
さらに宮本氏は、学生時代に入信し集団結婚までした信者が、自民党元衆院議員の秘書から大阪市議になっている実例をあげ、「地方議員についても、自民党で首相の指示で調査すべきだ」と迫りました。岸田文雄首相は「地方においても関係を断つという方針を徹底する」と述べるだけで、調査については一切言及せず、宮本氏は「このようなルートを放置して関係が断てるわけがない」と強調しました。
宮本氏は、全国の地方議会の状況を調査した結果、自民党が「統一協会と政界との関係の徹底解明を求める」趣旨の意見書に8府県(滋賀、京都、愛媛、高知、茨城、石川、新潟、千葉)で反対し、「統一協会の被害防止や救済を求める」趣旨の意見書にも3府県(京都、大分、千葉)で反対したと指摘。自己申告の調査を「こうした取り組みはわが党だけだ」と繰り返す岸田首相に、「こうした妨害をやっているのも自民党だけだ」と批判しました。
宮本氏は、統一協会の関連団体「世界平和連合」の支部代表を先月まで7年間務めた板橋一好栃木県議が、党の方針は守るといいながら「(党が)冷静な判断ができるようになれば状況が変わる」と発言していることをあげ、「地方では、ほとぼりが冷めればまた(関係を持つ)となっている」と指摘。「地方議員と統一協会の関係を断つ。統一協会には直ちに解散命令を請求する。これなしに関係は絶対に断ち切れない」と主張しました。
(しんぶん赤旗2023年10月25日)
動画 https://youtu.be/qrh0BrwBOSY
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
総理は、先週の予算委員会で、党として統一協会と関係を絶つ、さらには、地方に対してもその方針を徹底すると答弁をされました。しかし、本当に断ち切れるかどうかは、地方が鍵だと私は思います。
霊感商法対策弁連の渡辺博弁護士は、九月に行った講演で、自民党元衆議院議員の下で無償で私設秘書を務めてきた元信者の証言として、統一協会は、選挙支援の見返りに、当選後に泊まり込みでの原理講義を受け、秘書を将来的に地方議員に立候補させるという契約を結んでいた、こう語られました。さらには、秘書となった信者たちは、統一協会の指示で定期的に招集されて会議を行い、自分たちが仕える議員の動静について統一協会に報告していたという驚くべき事実を明らかにいたしました。
総理は、このような実態を御存じですか。
○岸田内閣総理大臣 地方において様々なケースがあるということについては私も承知をしております。しかし、これが全体であるということは私は思ってはおりません。
だからこそ、政府として今回、実態を明らかにするとともに、関係を絶つという方針を明らかにし、そのための具体的な方策を今進めております。自民党において、党のガバナンスコード、これを改定し、指針、これを明確にいたします。そして、それを担保するための個別の取組、個別照会に応じる事前のチェック体制の構築など、そうした体制を用意いたします。
そして、地方ということで申し上げるならば、こうした方針、そして具体的な対応、これを今月中にも地方の都道府県連、さらには全国の党所属国会議員に対し周知徹底することを今用意をしております。
今現在、地方においては、各都道府県や個々の政治家の判断で調査、説明をされているということであると承知しておりますが、党本部として、今申し上げました方針や具体的な対応、これを周知させることによって、地方においても党の関係を絶つという方針を徹底していきたいと考えております。
○宮本(岳)委員 ガバナンスコードと言いますけれども、東京新聞、報じていますよね。決別の言葉もない、関係を絶つという言葉もない、地方議員に対する記載もないというふうに東京新聞の報道が出ていますね。
統一協会の信者が国会議員の秘書から地方議員へというルートは、これは紛れもない事実であります。現に、私の選挙区である大阪市此花区でも、学生時代に入信し集団結婚までした信者が、自民党元衆議院議員の秘書から大阪市会議員となって今も議席を持っておられる事例、実例がございます。
総理が幾ら関係を絶つとおっしゃっても、このようなルートを放置しておけば、関係が絶てるわけがないんです。地方議員についても全て、自民党で、あなたの指示で、ちゃんと調査すべきじゃありませんか。
○岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げました取組を通じて、地方においても党の方針を徹底してまいります。地方においても、党の方針に従ってもらわなければ党との関係を考えてもらわなければならない、このように思っています。
今月中にも、方針と、そして具体的な対応について、全国の都道府県、そして国会議員に対して、党としてしっかり指示を発して、徹底させていきたいと考えております。
○宮本(岳)委員 先ほどから議論を聞いていますけれども、ちゃんと自ら調査するとおっしゃらないわけですよ。地方だってそうですよ。今度のガバナンスコードだってそうなっていないんですね。
総理は二言目には、地方に自民党がやっているこの方針が、我が党だけだ、しっかりやっているというふうに答弁でもおっしゃるけれども、私、実は、全国の地方議会の状況を、我が党地方議員団を通じて、全て調査を、都道府県議会について調べてみました。
統一協会と政界との関係の徹底解明を求める趣旨の意見書に、自民党は、滋賀県、京都府、愛媛県、高知県、茨城県、石川県、新潟県で反対をして否決をしております。全会一致で可決したものの中に、被害者の救済、被害防止を求める意見書というのもあるんですけれども、京都、大分県、千葉県では、被害救済を求める意見書にすら自民党は反対しているんですよ。私が調べた限り、自民党が都道府県議会で徹底解明に賛成した事例は一つもありませんでした。
総理、我が党だけだと言うけれども、こんな妨害をやっているのこそ、自民党だけじゃありませんか。
○岸田内閣総理大臣 社会的に問題のある団体等の間に様々な接点があり、そのことによって政治の信頼を損ねることになったことについて率直におわびを申し上げた上で、各議員、関係者が当該団体との接点をそれぞれしっかり説明した上で、未来に向けて関係を絶つ、これが自民党の方針であります。この方針を徹底することによって信頼を回復していきたいと申し上げております。
今、個別な、具体的な事例を紹介いただきましたが、こうした方針を徹底することによって、党として、そして政府として、この問題に対する被害者救済とそして再発防止、こうしたものにつながると信じて、信頼回復に努めていきたいと考えております。
○宮本(岳)委員 静岡朝日テレビの番組内で、自民党の藤曲敬宏静岡県議は、統一協会の信者であることをお認めになりました。
十月二日放送のNHKスペシャルで、自民党の板橋一好栃木県議は、先月まで七年間、統一協会の関連団体である世界平和連合の支部代表を務めていたことをお認めになっております。この自民党県議は、番組内で、今のところ、党の方針としてつき合うなということなので、党の方針は守るが、まあ、これがいつまで続くか、もう少し冷静な判断ができるようになれば状況が変わると言っております。
総理、あなたが幾ら関係を絶つと言ってみても、地方では、ほとぼりが冷めればまたとなっているんですね。こういう人を来年の統一地方選挙で公認しないと断言できますか。
○岸田内閣総理大臣 個人の方がいろいろな発言をされることについて一々コメントはいたしませんが、自民党としての方針は、先ほど来説明したとおりであります。それを今月中にも徹底するということで、地方においても関係を絶つ、こうした方針を徹底してもらいたいと思っております。
地方選挙においても、党の方針に従うかどうか、自民党との関係を考えた場合に、大変重要な要素になるということは当然のことだと思っております。
○宮本(岳)委員 教団幹部の勅使河原氏は、同じ番組内で、総理が一切の関係を絶つとおっしゃったことについては残念と言いつつも、まあ、落ち着いたらまたいろいろと対話ができるようになるかもしれないと語っているんですね。栃木県議と一緒じゃありませんか。
総理が幾ら関係を絶つと言っても……
○根本委員長 申合せの時間が過ぎておりますから、簡潔にお願いします。
○宮本(岳)委員 地方議員と統一協会の関係を絶つこと、そして、統一協会には、時間稼ぎを許さず、直ちに解散命令を請求すること、これをしなければ絶対にこれは断ち切れないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。