パーティー人数 答えず
松本総務相 宮本岳志議員追及に
衆院総務委
日本共産党の宮本岳志議員は28日の衆院総務委員会で、会場収容人数を大きく上回る政治資金パーティー券を販売し、政治資金規正法違反が疑われる松本剛明総務相に参加人数を明らかにするよう求めました。同氏はこれを拒否し疑惑を晴らしませんでした。
同法は、パーティーを「対価を徴収して行われる催物」と定めています。参加予定のない者が購入した場合は「寄付」にあたる可能性があります。同氏の資金管理団体の収支報告書には、寄付の記載がなく規正法違反が疑われています。
宮本氏は、松本総務相の▽パーティーの案内で購入者に参加をお願いしている▽来場者への対応ができる準備をしている―との説明が正しいか確かめるため、案内状の提出と参加人数を明らかにするよう迫りました。
松本氏は人数について、「おいでいただいた方で、入場できなかったことはないと記憶している」と答弁。その上で、法令で定められた事項はすべて報告したとし「(その他は)申し上げられるような形で持ち合わせてない」と述べました。
(しんぶん赤旗 2022年11月30日)
マイナカード 保険証一体化
医療から排除するな
宮本氏質問
日本共産党の宮本岳志議員は11月28日の衆院総務委員会で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について、「マイナンバーカードをつくらず、健康保険証利用登録も行わない国民を医療から排除するのか」とただしました。
日原知己厚生労働省審議官は「保険料を納めていれば保険診療を受けられるのは当然」と答弁しました。
宮本氏は、全国保険医団体連合会が実施したオンライン資格確認義務化についてのアンケート(全国4747診療所が回答)の結果を紹介。「運用開始は26%、『導入しない』『できない』という回答も14%ある。義務化されれば閉院せざるを得ない」として、資格確認設備の設置強制で地域医療を壊すことになれば問題だと迫りました。日原審議官は「地域医療を壊すことがないよう丁寧に対応」すると答えました。
宮本氏は「カードをつくらなければ今より不便になるのか」と質問。内山博之デジタル庁審議官は「原則、今より不便になることはない」と述べました。
宮本氏は、地方交付税の算定にマイナンバーカードの交付率を反映させることについて、「ペナルティーで減額させることはないか」と質問。松本剛明総務相は「普通交付税を減額させる趣旨のものではなく、ペナルティーでもない」と答えました。
(しんぶん赤旗 2022年12月2日)
動画 https://youtu.be/MpKYoGN6hmI
配布資料 20221128総務委員会配付資料
議事録
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
資料一を見ていただきたい。前回、十一月二十四日の当委員会の速記録であります。
傍線部、「私の後援会、政治団体のパーティーでは、御案内で、御来臨賜りますようお願い申し上げますと、パーティー券を御参加いただく対価として購入をしていただいており、おいでいただいた方に対応できるように準備させていただいております。」大臣は私にこう答えた後は、その後の参議院でも、この答弁を繰り返しておられます。
そこで、順に確認をしたい。
まず、案内に、御来臨賜りますようお願い申し上げますと書いていたと言いますけれども、それはまだ私は確認しておりません。この前提を欠けば、これは全て崩れるということになりますから、案内状、提出していただけますね。
○松本国務大臣 もう委員御案内のとおりでありますが、政治資金パーティーとは、対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動に関して支出することとされているものでありますので、私の後援会のパーティーにおきましては、この政治資金規正法にのっとりまして、政治資金規正法第八条の二に規定する政治資金パーティーであるということで、御来臨賜りますようお願い申し上げますと、御参加いただく対価として販売をさせていただいております。
なお、私どもは、報告すべきことにつきましては、この政治資金パーティーにおきましても、政治資金規正法にのっとって開催し、法令で報告を求められるように定められた事項につきまして全て報告できるように報告しておりまして、その他の事項につきましては、報告で申し上げられるような形で持ち合わせておりませんと申し上げさせていただきました。
今も、政治資金規正法の趣旨にのっとりましてパーティーを開催をさせていただいており、先ほどの繰り返しになりますが、御来臨賜りますようにお願い申し上げておりますということを重ねて申し上げたところでございます。
○宮本(岳)委員 答弁になっていないんですよ。
この案内状を出していただけますか。
○松本国務大臣 繰り返しになりますが、私は……(宮本(岳)委員「繰り返さなくていいんですよ」と呼ぶ)
御質問をいただきましたので、御答弁は繰り返しになるので申し上げさせていただいたところでございますが、政治資金規正法で御報告、法令で報告を求められることにつきましては、報告できるように準備して、収支報告で報告をさせていただき、その他の事項につきましては、御報告できるような形で持ち合わせておりませんというふうに申し上げさせていただきました。
○宮本(岳)委員 あなたの説明は、二つのことによって成り立っているんです。
一つは、案内状に、御来臨賜りますようお願い申し上げますと書いている、そうおっしゃったんですよ。そして、お見えになったら、きちっと対応をさせていただいたと。この二つが同時に成り立ったら、それは先ほどからの説明は成り立つでしょうが、じゃ、その案内状を出してくださいと聞いているんです。
○松本国務大臣 私が、この委員会におきまして、御来臨賜りますよう心よりお願い申し上げますということで、パーティー券の御購入をいただき、参加いただく対価としてお支払いをいただいている、こう御説明申し上げていることで、是非御理解をいただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 理解できないから聞いているんですね。もうこればかりやっていられないんですよ、地方交付税のそもそも質疑をやっているわけですから。前回の質問に納得いく御回答をいただけていないから、私はあなたに問うているわけですね。
あなたの説明が成り立つためには、一つは、この案内状に確かに御来臨賜りますよう云々と書いているということが確認されなきゃならない。もう一つは、もしも、パーティー券をお買いになった方々が、前回の議論では九百九十四人分でありますけれども、その方々がお見えになったときに、きちっとそれに対応できる準備ができていたということが確認されなきゃならない。このどちらも確認されていないんですね。
私は、一昨日、あなたが政治資金パーティーを交互に開いている二つのホテルを訪ねて、部屋のサイズ等々をお聞きをしてまいりました。そして、この目でも見てまいりました。また、十一月二十五日には、この二〇二一年分の収支報告書も公表されております。
ですから、これは、このままあなたがそこでそうおっしゃっただけで済ますわけにいかないことでありまして、改めて、案内状の提出と、そして一体何人このパーティーにお見えになったのか、人数ですね、こちらの方は分かりましたか、人数。
○松本国務大臣 おいでいただいた方で、入場をいただけなかったことはないというふうに記憶をいたしております。
その上で、参加人数等の御質問でありますが、先ほどから申しましているように、法令で報告を求められている事項につきましては、そのように準備をいたしまして報告を申し上げておりますが、その他の事項につきましては、御報告できるような形で持ち合わせておりませんということでございます。どうぞ御理解をいただきますようによろしくお願いいたします。
○宮本(岳)委員 ちなみに、収支報告書の、資料二でありますけれども、二〇二〇年、政治資金パーティー開催事業費には、行番号十一、講師交通費十四万五千八百円とありますけれども、このとき、誰が講師でしたか。
○松本国務大臣 講師には、しかるべき、私の後援会の会でございますので、我が国の国政ないしは経済、また世界情勢、経済などについてお話をいただける方についておいでをいただいておりますが、その際にどなたが講師であったかについては、今日ここで御質問いただきましたが、講師の方の御了解もいただいておりませんので、特定した形で申し上げることは御容赦をいただきたいと思います。
○宮本(岳)委員 私は、参加した方から、甘利明衆議院議員であったということをお伺いしております。どうぞ御確認いただいて、差し支えなければ、次回、御報告いただければと思います。
さて、マイナンバーについて、私は前回、二〇一五年十一月六日の五省庁連名文書というものを取り上げました。警察庁と外務省を取り上げましたけれども、念のために断っておきますけれども、私は、この五省庁が人定把握が容易に行えないような捜査手法を取ることを全てよしとしているわけじゃありません。問題は、中央省庁の中からでさえ個人情報の秘匿に懸念が表明されているようなマイナンバーカードを、あめとむちともいうようなやり方で国民に押しつけることは決して許されないということを指摘したわけです。
日弁連、日本弁護士連合会は、十一月二十一日、国会内でマイナ保険証義務化に反対する院内集会を開きました。資料三は、九月の二十七日付で発表されたマイナ保険証取得の事実上の強制に反対する会長声明でありますけれども、二〇二四年秋で健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する政府方針に対して、番号法の申請主義に反し、マイナンバーカードの取得を事実上強制しようとするものにほかならないと厳しく指摘をしております。
厚労省、今日来ていただいております。マイナンバーカードを作らず、健康保険証利用登録も行わないような国民は、医療から排除することを考えておられるんですか、厚労省は。
○日原政府参考人 お答え申し上げます。
医療保険の保険料を納めておられます方が保険診療を受けられることは当然でございまして、マイナンバーカードと健康保険証の一体化後、何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない方が必要な保険診療等を受けられる際の手続、こちらにつきましては、様々な例外的なケースが考えられることもあり、資格を確認する方法等の更に細部の対応を充実させるための方策につきまして、関係省庁による検討会を設置し、広く国民の皆様の声を踏まえた丁寧な検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○宮本(岳)委員 保険医療を受けられないようにすることを検討しているんですね。もう一度。
○日原政府参考人 医療保険の保険料を納めておられます方が保険診療を受けられることは当然でございまして、マイナンバーカードと健康保険証を一体とする中におきましても、国民の皆様が必要な保険診療等を受けられる環境の整備につきまして、国民や医療関係者の皆様の御理解を得ながら、きめ細かく丁寧に進めてまいりたいと考えてございます。
○宮本(岳)委員 先日の院内集会では、マイナ保険証の導入は、医療機関にとって、オンラインの資格確認設備の設置といった過度な負担の強制になるとしておりました。
日弁連の院内集会には、医師や歯科医師らが加入する全国保険医団体連合会の住江憲勇会長が、保険医協会会員らを対象にした保険証廃止の意識調査結果を報告をいたしました。調査には、診療所など四千七百四十七件が回答しております。
資料四を見ていただきたい。マイナ保険証の運用を開始している機関は二六%。五四%が準備中。一方で、導入しない、できないという回答も一四%ありました。
高齢の医師が運営する診療所では、マイナ保険証が義務化されれば閉院せざるを得ないという声もあり、同連合会は、地域の患者にとって大きな損失になると話しておりました。
これも厚労省にお伺いしたい。
オンラインの資格確認設備の設置が過度な負担の強制になり、地域医療を壊すようなことがあってはならないと思いますが、いかがですか。
○日原政府参考人 お答え申し上げます。
オンライン資格確認につきましては、カード一枚で医療機関を受診いただくことで、健康医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けることが可能となるなどのメリットがございますので、全国の医療機関等で速やかに導入していくことが必要と考えておりまして、オンライン資格確認の導入の義務づけということで現在進めているところでございますけれども、この義務づけにつきまして、御審議をいただきました中医協、中央社会保険医療協議会、この答申書の附帯意見も踏まえまして、オンライン資格確認導入の原則義務化により地域医療に支障が生じることのないように、丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。
○宮本(岳)委員 地域医療を壊すことがないように丁寧に対応したい、そう答弁していただいたらいいんです。最後にそうおっしゃいましたね。
改めて、デジタル庁に確認をしたいんです。
政府が、マイナポイントのように、マイナンバーカードを作れば様々なメリットがある、得をするというキャンペーンを行っていることはよくよく知っております。逆に、マイナンバーカードを作らなければ今の状況より悪くなる、今受けられているサービスが受けられなくなるということがあるのかどうか。デジタル庁、御答弁いただけますか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
マイナンバーカードはデジタル社会のパスポートであり、これまで、健康保険証としての利用のほか、ワクチン接種証明書の取得など利用シーンの拡大に取り組み、今後、マイナンバーカード機能のスマートフォンへの搭載など、更なる利便性の向上に取り組むこととしてございます。
こうした中で、御質問の、不便になることがあるかという点につきましては、今後利用シーンが拡大していく中で、マイナンバーカードを活用するサービスやサービスの提供主体というのは様々であると考えております。
例えば、あくまでも仮定の話ですけれども、マイナンバーカードを活用してオンライン申請を申請することにより、対面の窓口数が見直されることも想定されます。それによる窓口での待ち時間等の変化は、原則、適切な窓口数が設定されるものと思いますけれども、窓口数の見直しの状況によって異なるかと思います。
したがいまして、マイナンバーカードを活用したサービスを導入した際のカードを保有されていない方の状況につきましては、サービスの提供者のお考えによるもので一概には申し上げられませんが、原則、今より不便になることはないというふうに考えてございます。
○宮本(岳)委員 原則、不便になることはないとはっきり答えればいいんですよ。
こういうことは、地方交付税にも言えることであります。二十四日の当委員会でも議論になりましたけれども、自治財政局長は、マイナンバーカードの交付率の反映というものは政策誘導でもペナルティーでもないと答弁をされました。
あくまでも財政需要を拡充する中での話であって、ペナルティーで交付税を減額するというようなものではないと私は説明を聞きましたけれども、最後に総務大臣に御確認を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○松本国務大臣 既に委員から御説明がございましたが、改めて私の立場から申し上げれば、今後、地方団体における地域のデジタル化に係る財政需要を拡充する中で、これを的確に算定に反映する観点から、その指標の一つとしてマイナンバーカードの交付率を用いる方向で検討しているものでございます。
マイナンバーカードの交付率によって普通交付税が減額されるといった御心配もあるようですが、決してそういった趣旨のものではなく、ペナルティーでもございません。
○宮本(岳)委員 終わります。