平成二十六年十一月十二日(水曜日)
午前九時一分開議
出席委員
委員長 清水鴻一郎君
理事 石原 宏高君 理事 坂井 学君
理事 馳 浩君 理事 三原 朝彦君
理事 山本 幸三君 理事 小川 淳也君
理事 岩永 裕貴君 理事 伊藤 渉君
岩田 和親君 大串 正樹君
大見 正君 加藤 寛治君
勝沼 栄明君 神田 憲次君
小林 茂樹君 小林 史明君
小松 裕君 笹川 博義君
瀬戸 隆一君 田中 良生君
武村 展英君 渡海紀三朗君
福田 達夫君 船橋 利実君
前田 一男君 宮内 秀樹君
村井 英樹君 八木 哲也君
簗 和生君 山下 貴司君
山田 賢司君 湯川 一行君
大串 博志君 奥野総一郎君
田嶋 要君 細野 豪志君
前原 誠司君 鈴木 義弘君
伊佐 進一君 輿水 恵一君
三宅 博君 宮沢 隆仁君
柏倉 祐司君 宮本 岳志君
村上 史好君
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国務大臣
(科学技術政策担当)
(宇宙政策担当)
(情報通信技術(IT)政策担当) 山口 俊一君
文部科学副大臣 丹羽 秀樹君
防衛副大臣 左藤 章君
内閣府大臣政務官 松本 洋平君
文部科学大臣政務官 山本ともひろ君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 向井 治紀君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 二宮 清治君
政府参考人
(内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長) 河邉 有二君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 倉持 隆雄君
政府参考人
(内閣府宇宙戦略室長) 小宮 義則君
政府参考人
(内閣府宇宙戦略室審議官) 中村 雅人君
政府参考人
(文部科学省大臣官房政策評価審議官) 岩瀬 公一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 義本 博司君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 佐野 太君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 山脇 良雄君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官) 村田 善則君
政府参考人
(資源エネルギー庁次長) 高橋 泰三君
政府参考人
(特許庁長官) 伊藤 仁君
政府参考人
(気象庁地震火山部長) 関田 康雄君
政府参考人
(防衛省大臣官房技術監) 外園 博一君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 山本 条太君
衆議院調査局科学技術・イノベーション推進特別調査室長 行平 克也君
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委員の異動
十一月十二日
辞任 補欠選任
大野敬太郎君 瀬戸 隆一君
神田 憲次君 岩田 和親君
宮内 秀樹君 小林 茂樹君
宮崎 謙介君 勝沼 栄明君
八木 哲也君 湯川 一行君
山田 賢司君 笹川 博義君
田嶋 要君 奥野総一郎君
同日
辞任 補欠選任
岩田 和親君 大見 正君
勝沼 栄明君 宮崎 謙介君
小林 茂樹君 宮内 秀樹君
笹川 博義君 山田 賢司君
瀬戸 隆一君 大野敬太郎君
湯川 一行君 八木 哲也君
奥野総一郎君 田嶋 要君
同日
辞任 補欠選任
大見 正君 神田 憲次君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件
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○清水委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
本日は、科学技術政策の公表、公開姿勢と若手研究者の卵の育成など、新大臣の見解をお伺いしたいと思うんです。
まず、大臣にお伺いしますけれども、国が進める科学技術政策について、政策の方向性や詳細な議論を積極的に公開して国民と対話を進めるのは非常に大事なことだと私は思います。この点について、大臣の御所見をお伺いします。
○山口国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、科学技術・イノベーション政策の推進に当たりまして積極的な情報公開を行うということは、国民に対する説明責任を果たすと同時に、政策に対する国民の皆さん方の理解を深めるというふうな観点からも極めて重要と考えております。
そういった中で、政策の司令塔である総合科学技術・イノベーション会議における審議内容等につきましては原則公表というふうなことにしておりまして、これまでも適切に、資料の公表とか記者会見による議論の紹介、議事要旨及び議事録の公表等を行ってきておるところでございます。
○宮本委員 適切に公表されてきたかどうかというのがきょうの第一のテーマなんです。
大臣に重ねて聞くんですけれども、納税者としての国民は、国の科学技術政策について何を具体的に知りたいのか、あるいは政府の政策形成にかかわる資料の公表姿勢についてどのようなあり方を求めているのか、大臣はどのようにお考えになりますか。
○山口国務大臣 先ほどの御質問にもかかわるわけでありますが、四月のこの委員会において宮本先生から御指摘のあった件も承知をいたしておりまして、大臣等政務三役と有識者議員との会合、これにつきましても、総合科学技術・イノベーション会議の事前の準備の場として活用していたことなどから非公開の開催が多くなっていたようでございますが、御指摘もいただきまして、できる限り情報公開に努めてまいりたいということで、実は、これまでは、二十五年度は、いわゆる非公開率といいますか、七八%でしたけれども、今回、平成二十六年度は一五%というふうなところまで努力をいたしておるところでございます。
今お話しの、国民の皆様方の関心事ということでありますが、やはり科学技術というのは、我が国の国際競争力の向上とか、また社会的な課題の達成に大変重要な役割を果たすということで、国民生活に本当に大きな影響を及ぼしますので、その動向には大きな関心を持っておられるのであろうと思っております。
そういった中で、できるだけ各会議の政策決定過程も含めて情報開示をしていきたいと思いますのと同時に、いろいろなテーマをSIP等々で選定していくわけですが、そういった場合に、十分、まさに国民生活あるいは日本における重要な課題ということで選んでおるつもりでありますが、何らかの方法で、国民の皆さん方のニーズというんですか関心事というか、それを吸い取るようなこともしていきたいと思います。
○宮本委員 今の話については、また後ほど少しやりとりしようと思うんです。
まず、文部科学省所管の平成二十五年度科学技術の振興に関する年次報告、これは最新版でありますけれども、この科学技術白書の中に、今大臣がお話しになった国の科学技術政策の資料の公表、公開の基本姿勢あるいはその決意について、何ページのどこにどのような具体的な記述があるのか、これは事務方で結構ですので、お答えいただけますか。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
科学技術白書の記載についてのお尋ねでございます。
今お話がございました科学技術白書でございますけれども、科学技術基本法におきまして「政府は、毎年、国会に、政府が科学技術の振興に関して講じた施策に関する報告書を提出しなければならない。」と定められていることに基づき、取りまとめるものでございます。
本年の科学技術白書におきましては、お尋ねのございました資料の公開等そのものの記述はございません。一方で、第二部の第五章、「社会とともに創り進める政策の展開」の中で、科学技術・イノベーション政策に関して、国民への情報発信や説明責任の重要性については記載をしているところでございます。
○宮本委員 しっかりと、やはり公開に対する国の基本姿勢を明らかにするということが大事だと思うんですね。
それで、その立場というのは政府は逃れられないと私は思っておりまして、例えば平成二十三年八月十九日の閣議決定、科学技術基本計画、これを見せていただきますと、科学技術・イノベーション政策の策定と実施に関し、「国民に率直に説明し、その理解と信頼と支持を得る必要がある。」「これらの政策を広く国民各層に発信し、説明責任の強化に努めることも必要である。」と明確に、科学技術基本計画、平成二十三年八月十九日のこの文書には出てまいります。
平成二十二年度科学技術の振興に関する年次報告、科学技術白書ですけれども、これを見ましたら、わざわざ「科学技術に関する説明責任と情報発信の強化」という節を立てて、国民との対話を進める、国民の理解と支持を得ることが重要だ、こう指摘をしておるわけであります。
これも事務方でいいんですけれども、これは事実ですね。
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまのところでございますけれども、先ほど申し上げた部分の中で、「科学技術イノベーション政策が、経済的、社会的に価値あるものとなるためには、国は、その企画立案、推進に際して、取り組むべき課題や社会的ニーズを的確に把握し、これを適切に」「反映していく必要がある。」ということを前提として、「これらの政策を広く国民各層に発信し、説明責任の強化に努めることが重要である。このため、国は、政策の企画立案、推進に際して、意見公募手続の実施や、国民の幅広い参画を得るための取組を推進することとしている。」という記述があるところでございます。
○宮本委員 では、やっている、言われるまでもなくやっている、こういう答弁なんでしょうね、それは。
そこで、内閣府のホームページに情報公開の改正の方向性に関する国民の声というものがございます。現物はこれであります。打ち出してみたら、延べ三十四ページになるんですけれども、まさにこれは大臣の足元、内閣府に対して、政府の情報公開姿勢に対して、不透明性や、憲法原則に基づくべきだ等々、要望や不十分だという声がこんなに寄せられているんですね。これは大臣、御存じでしたか。
○山口国務大臣 中身は十分精査はしておりませんが、そういったお声があるということは承知をしておりました。
○宮本委員 こういった国民の声に応えて、国が国民の声や要望に応えた資料を公表するという姿勢、先ほど、改善したということがありますけれども、これにとどまることなく、一層進める必要があるというふうに私は思いますけれども、これは大臣、よろしいですね。
○山口国務大臣 先ほど申し上げましたように、科学技術・イノベーション政策をしっかり進めていくためにも、やはり国民の皆様方の御理解と支持がないとやっていける話ではありませんし、国民生活にも非常に大きくかかわってまいりますので、そこら辺はしっかり踏まえながら、情報発信に今後とも努めてまいります。
○宮本委員 そこで、先ほどの議論に戻るんです。
私は、本年四月八日、この委員会で、総合科学技術会議の中に置かれる科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術会議有識者議員との会合における会議内容の非公表、こういう問題を取り上げました。このときの答弁ですけれども、四百八十七の議題のうち百四十四の議題が非公開とされているということでありました。
では、聞きますけれども、これも事務方でいいですが、私の質問以降、このとき非公開になっていたもので、その後、公開した案件はありますか。あるならば、何ですか。
○倉持政府参考人 お答え申し上げます。
委員から御指摘ございましたそのときの時点のさらに過去にさかのぼる、まさに四百八十七議題のうちの百四十四件が非公開とお答えしたところでございますけれども、過去に非公開とした議題につきまして、その扱いをその後、公開に変更して議事要旨等を公表したという事例はございません。
○宮本委員 大臣は、二十六年度からは改善したと先ほど御答弁がありましたが、私が四百八十七議題のうち百四十四も非公開ではないかと指摘したことについて言えば、今答弁があったように、ただの一つも、その後、公開されたものはないというのが事実なんですね。
私の質問を踏まえて、その後、検討した、検討の結果、平成二十六年は七八%から一五%に非公開率が下がったと大臣はお答えです。では、これも役所で結構ですけれども、一体何を検討したんですか、そして、どういう点を改めたんですか。
○倉持政府参考人 少し御説明をさせていただきたいと思いますけれども、まさに過去に非公開として議論した議題につきましては、審査検討過程にある個別具体の研究プログラムであるとか個人名を扱う場合であるとか、非公開を前提に自由闊達な議論が必要である場合とか、そういう場合につきまして、一回一回の会議の冒頭で座長が出席者の同意を得て非公開とすることが決定されて、そういう運営でなされてまいりました。
もちろん、そうした会合における議論を経た後、最終的には官邸で開催される総合科学技術会議の議論になるわけですけれども、そこでの資料であるとか議事要旨、議事録は全て公開されている、この点につきましては、先般の御質問に対してもお答えしたところでございます。
それで、先般、議員から御指摘をいただいて、過去の議題、これは非公開を前提に御議論いただいたものでありまして、扱いを公開に変更して議事要旨等を公開すること、これはまた、当時の出席者の御了解と違うことになりますので、そこまでさかのぼるのは難しいという判断をしたところでございます。
一方、御指摘をいただきまして、その後に開催する大臣等政務三役と有識者との会合、これは冒頭、大臣からも御答弁いただきましたけれども、当時はやや、事前の打ち合わせ的なものも会議として運営した部分もございまして、ここについてはしっかりとその会合の位置づけをもう一度見直しまして、議員の御指摘も踏まえて運営を見直すということにしまして、できる限り公開の扱いをしているというところでございます。
情報公開のあり方につきましては、今後も不断の検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○宮本委員 基準を見直して、平成二十六年から公開率が上がったということであれば、同じ基準で、その前の分についてもきちっと一つ一つ、非公表が妥当かどうかを検討してもらわなくてはなりません。
ことし四月の質疑で私は、有識者会議が労働契約法の改正を議題にした平成二十四年四月十二日の会議内容が非公表になっているということを取り上げました。聞くまでもないんですけれども、現時点で、これはまだ非公表ですね。
○倉持政府参考人 御指摘のとおり、非公開でございます。
○宮本委員 これは、それでもなお非公表であるというのはどういう理由ですか。
○倉持政府参考人 先ほどの御答弁の繰り返しになりますけれども、御指摘の平成二十四年四月十二日の有識者懇談会、労働契約法改正を議題といたしまして、当時、国会に提出されている法案の概要説明を受ける、そして、その法案が成立した場合の効果であるとか影響等につきまして、有識者間で意見交換を行ったというふうに承知しております。
当日は、法案について、まさに議員の認識を深めるとともに、有識者議員間で率直な意見交換を行うため、座長がお諮りして、非公開として扱われたということでございます。
なお、この大臣・有識者会合、これは続いて四月十九日、そして五月三十一日もこの議題で議論しておりまして、そこはまさに公開で議論を行いまして、これらの議論等の結果が五月三十一日付の「労働契約法の改正案について」という有識者ペーパーとしてまとめられて、これも公表されているところでございます。
○宮本委員 これは労働契約法改正の議論なんですね。こんなものが国家機密なのか、なぜ出せないのか、全く理解に苦しみます。
若い研究者の任期つき労働契約を導入する制度がどういう議論をされて形成されたのか、まさに今あなたが答弁されたようなことをきちっと国民は知りたい、こういう思いがあると思うんですね。
でも、個人名とか固有名詞とかを明らかにせよと言うつもりはさらさらありません。発言はA議員、B議員というふうにしていただいたら結構ですし、個人名が出る場合は匿名に伏せていただいたらいいんですけれども、発言の中にどういう発言があったのかという全体像をわかるようにしてもらいたい。
これは大臣に政治家としての判断をお伺いするんですけれども、そういう形、工夫をしてでもやはりプロセスを明らかにする、あるいは、どうしても、これ自身は非公開を前提に開いたものだからできないというんだったら、議論の概要をサマリーにして公表する、これくらいのことは当然だと私は思うんですけれども、いかがですか。
○山口国務大臣 最初に、非公開ということで委員の皆さん方に御議論をいただいた、それをこちらの一存で、ではもう公表しますよというわけにはいかない話なんだろうと思います。
ただ、少なくとも、議論の趨勢というか、誰が何を言ったかというのではなくて、そこら辺がわかるようなことはやはり必要なのかなという思いもしますので、これは当然、委員の皆さん方の御了解をしっかりいただく必要があろうかと思いますが、今後いろいろ工夫をしていきたいと思います。
○宮本委員 ぜひ検討していただきたいと思うんですね。
それで、平成二十五年十二月十九日の有識者会合で、これは労働契約法の特例が既に決まった後ですけれども、どういう議論がされたか。これは議事概要が出ております。この議事概要を読みますと、十二月五日に国会において改正研究開発力強化法、労働契約法ほか一部改正の成立を受けた会合だということが明らかでありますけれども、ある議員は、これは大学システムそのものの根底にある人の話なわけです、こういう話をしておりますし、なるほど、労働契約法の特例についてはまさに人の話ということだと思います。
私は、文部科学委員会でこの間も繰り返し若手研究者が置かれた現状について質問してまいりましたけれども、この有識者会合の提出資料で非常に気になる箇所について改めて聞きたいと思います。
ここに参加されておりました住井英二郎東北大学准教授提出の資料、「改正労働契約法および改正研究開発力強化法・改正任期法の問題点」というものを読ませていただくと、改正研究開発力強化法、改正任期法は、五年にせよ十年にせよ、雇用側、被雇用側双方にとって現実にはデメリットの方が大きい、こういう意見が述べられております。
大臣にこれは聞くんですけれども、この法律を改正して、こういう懸念の声は完全に払拭できたという認識をお持ちですか。いかがですか、大臣。
○山口国務大臣 御指摘の会合でございますが、労働契約法の特例についてというのを議題として、有期契約の大学等の研究者あるいは教員等が無期労働契約に転換する期間が五年から十年、延長、これはもう御案内のとおりでございますが、このことについて関係府省とか研究者の皆さん方からヒアリングを行いました。
当日の会議資料及び議事概要は公開をしておりますが、若手研究者からは、若手研究者に対して実施をしたアンケート結果を踏まえた意見が出されました。具体的には、今次特例措置によって一定の改善は図られたが、依然として若手研究者の雇用環境は厳しい、人事評価、採用プロセスの透明化、シニア層を含めた公平な人事制度の導入等を求めるものでございました。いずれも重要な指摘と認識をしております。
これは安倍総理のお話でございますが、世界で最もイノベーションに適した国の実現に向けて、イノベーションの芽をしっかり育てていくためにも、総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能のもとに、若手研究者の安定的な雇用、流動性を確保する仕組みのさらなる拡大等、これはしっかりやっていくべきだろうと思います。
○宮本委員 この中での住井准教授の御発言を見ますと、法案の目的は、単に無期労働契約に転換することを忌避する目的をもって研究者等を雇いどめすることだった、こう出てまいります。
それで、ここで確認するんですが、今非公表になっている担当大臣と総合科学技術会議の有識者会合の先ほどの自由闊達な議論の中で、同様の指摘はありましたか、なかったか、お答えいただけますか。
○倉持政府参考人 恐れ入ります。お答え申し上げますけれども、ちょっと今、お尋ねでございますが、議事録等をつくっておりませんので、今直ちに、どういう議論があったかということをここでお答えする用意がございません。大変申しわけございません。
○宮本委員 もう一つ同じようなことを聞くんですけれども、この中を見ますと、今度は雇用側、大学側の認識として、「運営費交付金等の基本的経費が不足する中、無期雇用はリスクが大きすぎる」、こういう記述があります。
経営側の認識としてそういう意見が、同じく先ほどの非公表の会合の中であったのかということも聞こうと思うんですが、これまた持ち合わせがないと事務方はおっしゃるんですかね、いかがですか。
○倉持政府参考人 委員、大変恐縮でございます。同じお答えをしなければなりません。
ただ、まさにそこでの議論もありまして、最終的に有識者のペーパーというのがまとまっているところでございますので、そこは御理解をいただきたいと思います。
○宮本委員 やはり問題も残されているわけですね、大臣。中身もわからないからこういう議論になる。
それで、経営側はとにかく運営費交付金の削減が、とてもじゃないがそういう無期雇用というものを受け入れる余地はないんだ、こう悲鳴が上がっているわけですから、これは、もちろん大学の運営費交付金等の基本的経費を増額するというのは高等教育にかかわる者の切実な願いでありますけれども、この点は、大臣、その方向で働きかけていただけますか。
○山口国務大臣 文科の方になると思いますが、やはりそういったことは必要かと思っておりますので、十分協議をしながら、いわゆる待遇の改善といいますか、彼らがしっかりとキャリアを伸ばせるように、安心をして働けるようにということに努めていきたいと思います。
○宮本委員 ヒアリングの中身を見ますと、法律の決定プロセスに当事者である若手研究者がほとんど関与できていない、このような環境でよい研究を行うことは困難だという声がはっきり出ております。
それで、改正研究開発力強化法案は、議員立法でありましたけれども、我が党は反対の立場をとらせていただきました。
住井准教授は、特定少数の団体代表者だけでなく、多くの当事者、政府、雇用側、研究者等がインターネットなどを活用してオープンかつ建設的な議論を行う場の確保が今後の方向性として重要だ、こう述べてもおられます。
大臣、私は、研究者や当事者の指摘が的を射ていると思うんです。こういう指摘を踏まえて、特に若手研究者側の立場に立って、やはり改めて、法の再検討に向けてオープンな議論の場を設けるなどの検討をする必要があると私は思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。
○山口国務大臣 この点に関しては、やはり、両論、実はございます。そこら辺は、これからもしっかり議論をさらに重ねていく必要があろうかと思いますし、確かに、では、もうこれでうまくいくのかねと言われますと、まだまだ検討の余地もあろうかと思います。
いずれにしても、私どもは、司令塔の機能をしっかりと果たしていきながら、若手研究者の安定的な雇用と流動性も確保しなきゃならぬと思いますので、そこら辺の仕組みをしっかりと、よりよいものにしていくべく、議論を積み重ねていきます。
○宮本委員 一層の情報公開を求めて、私の質問を終わります。