平成二十五年四月十日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 山本 有二君
理事 伊藤 達也君 理事 岩屋 毅君
理事 遠藤 利明君 理事 小此木八郎君
理事 西銘恒三郎君 理事 萩生田光一君
理事 長妻 昭君 理事 山田 宏君
理事 石田 祝稔君
あかま二郎君 井野 俊郎君
井上 貴博君 今村 雅弘君
うえの賢一郎君 衛藤征士郎君
大塚 高司君 大塚 拓君
奥野 信亮君 鬼木 誠君
勝沼 栄明君 門山 宏哲君
金子 一義君 金子 恵美君
神山 佐市君 川田 隆君
神田 憲次君 菅野さちこ君
木内 均君 工藤 彰三君
小池百合子君 小島 敏文君
小林 茂樹君 小林 史明君
小松 裕君 國場幸之助君
斎藤 洋明君 桜井 宏君
笹川 博義君 清水 誠一君
白須賀貴樹君 新開 裕司君
新谷 正義君 末吉 光徳君
関 芳弘君 田中 英之君
田野瀬太道君 田畑 毅君
高木 宏壽君 渡海紀三朗君
長坂 康正君 西川 京子君
西川 公也君 野田 毅君
原田 義昭君 星野 剛士君
牧原 秀樹君 宮路 和明君
務台 俊介君 保岡 興治君
山本 幸三君 若宮 健嗣君
枝野 幸男君 大西 健介君
奥野総一郎君 岸本 周平君
後藤 祐一君 玉木雄一郎君
辻元 清美君 中根 康浩君
原口 一博君 鷲尾英一郎君
遠藤 敬君 坂本祐之輔君
重徳 和彦君 田沼 隆志君
高橋 みほ君 中田 宏君
中山 成彬君 東国原英夫君
三宅 博君 伊佐 進一君
浮島 智子君 佐藤 英道君
井坂 信彦君 柿沢 未途君
佐藤 正夫君 中島 克仁君
山内 康一君 宮本 岳志君
青木 愛君 畑 浩治君
村上 史好君
…………………………………
内閣総理大臣 安倍 晋三君
財務大臣 麻生 太郎君
文部科学大臣 下村 博文君
厚生労働大臣 田村 憲久君
経済産業大臣 茂木 敏充君
国土交通大臣 太田 昭宏君
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(国家公安委員会委員長)
(拉致問題担当)
(防災担当) 古屋 圭司君
国務大臣
(科学技術政策担当) 山本 一太君
国務大臣
(男女共同参画担当) 森 まさこ君
国務大臣
(経済再生担当)
(経済財政政策担当) 甘利 明君
国務大臣
(行政改革担当) 稲田 朋美君
法務副大臣 後藤 茂之君
財務副大臣 山口 俊一君
文部科学副大臣 福井 照君
経済産業副大臣 菅原 一秀君
内閣府大臣政務官
兼復興大臣政務官 亀岡 偉民君
厚生労働大臣政務官 丸川 珠代君
農林水産大臣政務官
兼復興大臣政務官 長島 忠美君
国土交通大臣政務官 赤澤 亮正君
防衛大臣政務官 左藤 章君
政府特別補佐人
(原子力規制委員会委員長) 田中 俊一君
政府参考人
(内閣府大臣官房長) 阪本 和道君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 西崎 文平君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 米田耕一郎君
政府参考人
(外務省アジア大洋州局長) 杉山 晋輔君
政府参考人
(国税庁次長) 西村 善嗣君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 岡田 太造君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 滝口 敬二君
政府参考人
(原子力規制庁次長) 森本 英香君
予算委員会専門員 石崎 貴俊君
―――――――――――――
委員の異動
四月十日
辞任 補欠選任
あかま二郎君 務台 俊介君
秋元 司君 金子 恵美君
伊藤信太郎君 鬼木 誠君
大塚 高司君 井上 貴博君
大塚 拓君 西川 京子君
奥野 信亮君 星野 剛士君
小池百合子君 川田 隆君
塩崎 恭久君 神山 佐市君
中山 泰秀君 勝沼 栄明君
西川 公也君 斎藤 洋明君
船田 元君 神田 憲次君
牧原 秀樹君 工藤 彰三君
若宮 健嗣君 木内 均君
玉木雄一郎君 奥野総一郎君
前原 誠司君 枝野 幸男君
坂本祐之輔君 田沼 隆志君
重徳 和彦君 三宅 博君
中田 宏君 遠藤 敬君
東国原英夫君 高橋 みほ君
浮島 智子君 伊佐 進一君
柿沢 未途君 井坂 信彦君
佐藤 正夫君 山内 康一君
村上 史好君 青木 愛君
同日
辞任 補欠選任
井上 貴博君 大塚 高司君
鬼木 誠君 菅野さちこ君
勝沼 栄明君 小林 史明君
金子 恵美君 小松 裕君
神山 佐市君 小林 茂樹君
川田 隆君 小島 敏文君
神田 憲次君 船田 元君
木内 均君 若宮 健嗣君
工藤 彰三君 白須賀貴樹君
斎藤 洋明君 末吉 光徳君
西川 京子君 大塚 拓君
星野 剛士君 井野 俊郎君
務台 俊介君 長坂 康正君
枝野 幸男君 後藤 祐一君
奥野総一郎君 玉木雄一郎君
遠藤 敬君 中田 宏君
田沼 隆志君 坂本祐之輔君
高橋 みほ君 東国原英夫君
三宅 博君 重徳 和彦君
伊佐 進一君 浮島 智子君
井坂 信彦君 柿沢 未途君
山内 康一君 中島 克仁君
青木 愛君 畑 浩治君
同日
辞任 補欠選任
井野 俊郎君 奥野 信亮君
菅野さちこ君 笹川 博義君
小島 敏文君 清水 誠一君
小林 茂樹君 桜井 宏君
小林 史明君 國場幸之助君
小松 裕君 新開 裕司君
白須賀貴樹君 田畑 毅君
末吉 光徳君 西川 公也君
長坂 康正君 あかま二郎君
後藤 祐一君 大西 健介君
中島 克仁君 佐藤 正夫君
畑 浩治君 村上 史好君
同日
辞任 補欠選任
國場幸之助君 田野瀬太道君
桜井 宏君 新谷 正義君
笹川 博義君 門山 宏哲君
清水 誠一君 田中 英之君
新開 裕司君 高木 宏壽君
田畑 毅君 牧原 秀樹君
大西 健介君 中根 康浩君
同日
辞任 補欠選任
門山 宏哲君 伊藤信太郎君
新谷 正義君 塩崎 恭久君
田中 英之君 小池百合子君
田野瀬太道君 中山 泰秀君
高木 宏壽君 秋元 司君
中根 康浩君 鷲尾英一郎君
同日
辞任 補欠選任
鷲尾英一郎君 前原 誠司君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
平成二十五年度一般会計予算
平成二十五年度特別会計予算
平成二十五年度政府関係機関予算
――――◇―――――
○山本委員長 これにて山内君の質疑は終了いたしました。
次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
私ども日本共産党は、昨年十一月に、いじめ被害者の方々、現場の先生方、子供にかかわる関係者、研究者の方々からの聞き取りをもとにいたしまして、この「「いじめ」のない学校と社会を」と題した政策提言を発表いたしました。これは既に安倍総理にも事前にお渡しをいたしました。先日は、これを踏まえた、いじめ問題のシンポジウムも開催をさせていただきました。
私たちは、聞き取りを通じて、いじめがいかに子供を人間として追い詰め、その後の人生を変えてしまうような傷を与えるかを目の当たりにし、いじめはいかなる形をとろうと人権侵害であり、暴力だと強く思いました。
同時に、重要なことは、子供の命を辛くも救えた、いじめを解決した、そういう貴重な実践が各地にあるということであります。私たちは、これらから教訓を酌み取れば子供を着実に救う道が必ず開けるということも確信をいたしました。
その基本方向として、このパネルですけれども、五点、私たちはいじめに対応していくことを提案させていただいております。きょうは、時間もございませんので、この上のダイダイ色の部分に限って質問いたします。
ここで私たちが一番考えたのは、子供の命を全てに優先させて事に当たるということの大事さであります。
第一のいじめ対応を後回しにしないということでいえば、相談や情報提供があったとき、今忙しいから後でとして、命取りになったケースが少なくありません。たとえ学校にどんなに大切に見える仕事があろうとも、子供の命より大切な仕事はないというのは当たり前なんです。
第二の情報の共有でいえば、たとえささいなことに見えても様子見をしないということです。被害者はプライドを持っておりますから、多くの場合はいじめられていることを認めないケースが多いです。それだけに、何らかの情報があったときには、既に相当深刻な段階であることが多い。
解決しているケースを見ると、何らかの情報があったとき、事実確認してからなどとしないで、直ちに全教職員で情報を共有し、保護者にも、この学校にはいじめが起きている、どんな子細な変化でもぜひ学校に知らせてほしい、こう知らせて、みんなの力でいじめに対応しております。
そこで、これは総理に基本認識を問うんですけれども、子供の命最優先の原則、これをやはり中心にして学校の基本方向を確立していくことが大事だと私は思いますが、総理の御見解をお伺いします。
○安倍内閣総理大臣 政府としては、まさに子供たちの命に対して責任を持つという思いで、今委員が御指摘になったように、最優先で考えていきたいと思います。
○宮本委員 次に、三つ目の、いじめをとめる人間関係を子供たちにつくる。ある中学生は、運動会で初めてクラスの団結が生まれ、いじめになりそうになっても、つまらないからやめとけよと声をかけ合えるようになったと話してくれました。
そして、四つ目ですけれども、まず、そのいじめられた子供の安全を確保する。また、その子供に対しては、心身を犠牲にしてまで学校に来ることはない、こういうメッセージを伝えようということも、当事者の方々から歓迎の声が寄せられております。
そして、いじめる子がいなくなるというのが問題解決の鍵だと思うんですね。現場の先生は、深刻ないじめほど説教では何ともならないんだ、こういうふうにもおっしゃっております。いじめに走るには必ず理由がある、その苦しみや悩みを理解し、その子供の苦しみに寄り添ってこそ、いじめを反省し、やめる道を歩み出すんだ、そういう指導が求められていると思います。
さて、きょうは主に五番目、被害者、遺族のいじめの真相を知る権利の尊重、隠蔽をしないというこの原則の確立について少しお伺いしたいと思うんですね。
昨日、国会で、いじめ被害者の方々が集会を持たれました。そこでも、なぜ遺族に何も知らされないのか、命の叫びを聞いて、私も胸が本当に詰まる思いをいたしました。
これも総理に基本認識をお伺いするんですが、朝、行ってきますと元気に家を出た子供が変わり果てた姿になって帰ってくる、一体我が子に何が起きていたのか、遺族がそのことを切実に知りたいと思うのは当然のことだと思うんです。真相の解明と再発防止にとっても、これは大変大事な問題です。何が起こったのかわからなければ再発防止ができない、当然のことですね。
そこで、総理に、遺族の知る権利を最大限尊重することは人間として当たり前の情だと私は思いますけれども、総理も思いを同じくしていただけるでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 いじめで子供が命を絶つ、こういう出来事は何としてもなくしていきたい、このように考えているわけでございます。
そこで、御遺族のお気持ちはその真相を知りたいということなんだろう、でき得る限りそれに応えていくべきだろうと思いますが、ただ、そのときに、いわばいじめた側も少年少女であるという状況の中で、さまざまな配慮の中でなかなか知り得ないということがあったんだろうと思いますが、しかし、そうしたお気持ちに対してはできる限り私は応えていくべきだろう、このように思っております。
○宮本委員 当然の人間の情だというふうに思うんですね。ところが、実際には、この人間としての当たり前の願いが、多くの場合に踏みにじられているという実態があります。
我が党が主催したシンポジウムでは、鹿児島県出水市で、二〇一一年九月、二学期が始まる日の早朝に、四メートルもの高い金網を乗り越え、新幹線に飛び込み、短い人生をみずから閉じた女子中学生の御遺族が参加をされました。
御遺族による調査では、クラリネットを壊され、最低十万円かかる弁償に困っていた、部活の後、ノートがなくなったと泣いていた、愛用のシャープペンが鋭利な刃物でえぐられた上、焼かれているなど、いじめと思われる状況が明らかになっております。
ところが、学校は、全校生徒アンケートを実施し、いじめにかかわる多くの記述があり、一旦は校長が遺族に見せると約束したアンケートも、結局は遺族に一枚も開示をしておりません。第三者調査委員会は、そのメンバーの名前も公表されず、三カ月の短い調査で、自殺につながる事実は確認できずという報告で幕を引いてしまった、こういうことでありました。
これも総理に大きな認識を問うんですけれども、この問題に限らず、昨日の集会でも、いじめなどで自殺その他重大な被害を受けた当事者や遺族、家族にアンケートをとったところ、八割の方々が、学校や教育委員会の説明や報告について全く納得できないと答えているという事実が報告されておりました。こういう状況で本当にいいと思われるか、これはすぐに政治が救わなければならない問題ではないか、総理にその御見解をお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 そういう状況になったときに、学校とそして教育委員会があるわけでありますが、その際、そういう状況に誰が責任を持っているのか。ですから、そういう観点から、我々、責任の所在を明確にしようということでありますが、その中において、そうした誠意ある対応、御遺族のお気持ちに寄り添う対応が、当然、責任ある立場としては必要だろう、このように思います。
○宮本委員 我が子を突然そういういじめ自殺で失った親にとっては、一体我が子に何が起こったのか、その事実を知ることなしに、前に進む足場すら得られないわけですよ。事実が隠蔽されれば、そこに募るのは不信と疑いばかりだということになります。事実確認がされていないとか、臆測なども含まれているからなどと口実にするわけですけれども、そんなことは御遺族も百も承知で、一つ一つ事実確認を一緒にさせてほしい、とにかく全てを洗いざらい見せてほしいというのが御遺族の思いだと思うんですね。
昨日の集会でも、実際に丁寧にアンケートの開示を受けた御遺族がいらっしゃいましたけれども、その方は訴訟になっていない、そこを開示してもらえばそういうことになっていないというんですね。そういう思いも語られました。
これは文科大臣に聞きますけれども、そういう御遺族の気持ち、おわかりになっていただけますか。
○下村国務大臣 これは、もし自分が、我が子が同じような状況だとしたら、なぜ自殺したのかということについて親として知りたいし、また、知ることによって、親として我が子に対して何かできなかったのかという悔やみがあるわけですから、当然その親御さんの心情は我が事としてよくわかる思いがいたします。
○宮本委員 重大なことは、国の通知文書がこの隠蔽の根拠とされていることであります。
先ほどの出水市の事例について、このパネル二を見ていただきたいんです。
上は、出水市教育委員会が同市情報公開審査会に提出した非開示の理由説明書であります。自分たちは、安易な提供や公表は避けるべきであるという国の通知や県教委、文部科学省の指導に基づいてアンケートの非開示を決定した、こう述べております。
そして、その国の通知とは、平成二十三年六月一日の文科省通知、ここに持ってまいりましたが、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について」、この通知であります。パネルの下につけておきました。
なるほど、「調査で入手した個々の資料や情報は慎重に取り扱い、調査の実施主体からの外部への安易な提供や公表は避けるべきである」と書かれてあります。
明らかに国の通知が隠蔽の口実となっている。これは見直すべきではありませんか、文科大臣。
○下村国務大臣 御指摘のように、「平成二十二年度児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議 審議のまとめ」における子どもの自殺が起きたときの調査の指針においては、遺族に対して随時調査の状況を説明する必要があるとした上で、分析評価前の資料の取り扱いについては、事実確認がなされておらず、臆測や作為が含まれている可能性があるため、それをそのまま公表したり、そのまま遺族に情報提供したりすることは調査の客観性や中立性を損ないかねないとしているところでございます。
これを踏まえ、平成二十三年六月一日の通知、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について」は、「調査で入手した個々の資料や情報は慎重に取り扱い、調査の実施主体からの外部への安易な提供や公表は避けるべきである」というふうにしたところでございます。
この審議のまとめは、自治体における調査を少しでも前進させるため、平成二十二年度時点で実施可能と考えられる枠組みを示したものでありましたが、その後、各地域における取り組みも進んでいると考えられることから、文部科学省としては、今後、自殺が起きたときの背景調査のあり方については、現在の運用状況や関係者の意見を踏まえ、有識者会議において、情報公開のあり方を含め必要な見直しをしてまいります。
○宮本委員 これはぜひ見直していただきたいと思うんですね。
今大臣が触れた協力者会議のまとめでありますけれども、この中で、実はアンケートのひな形といいますか、用紙の提案も中に載っております。
この用紙の形式を提案した団体が昨日言っておりましたけれども、最初の提案から変更された部分がある。最初の提案には、御家族にも報告することを御理解くださいと書いてあったものが、かわりに、そのまま遺族には見せませんというふうに変わっていて、そういう形でアンケートをとられているものですから、見せないことが条件だというのが一つの非開示の口実になっているというんですね。この点ではしっかりと御遺族の声に応えることを強く求めておきたいと思います。
この問題は、人間の尊厳に直接かかわり、再発防止のための真剣さも問われている課題だと思います。ぜひ真剣に取り組んでいただくことを強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。