平成二十三年十一月二十八日(月曜日)
午後零時三十分開議
出席委員
委員長 中津川博郷君
理事 黒岩 宇洋君 理事 後藤 祐一君
理事 柴橋 正直君 理事 谷田川 元君
理事 山花 郁夫君 理事 古屋 圭司君
理事 竹内 譲君
石田 三示君 小野塚勝俊君
岡田 康裕君 楠田 大蔵君
高野 守君 中野 寛成君
長尾 敬君 野木 実君
福田衣里子君 水野 智彦君
向山 好一君 村上 史好君
北村 茂男君 北村 誠吾君
坂本 哲志君 高木 毅君
宮本 岳志君 中島 隆利君
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外務大臣 玄葉光一郎君
国務大臣
(国家公安委員会委員長)
(拉致問題担当) 山岡 賢次君
文部科学副大臣 森 ゆうこ君
外務大臣政務官 中野 譲君
政府参考人
(内閣官房拉致問題対策本部事務局内閣審議官) 三谷 秀史君
政府参考人
(外務省大臣官房広報文化交流部長) 村田 直樹君
政府参考人
(外務省領事局長) 沼田 幹男君
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委員の異動
十月二十六日
辞任 補欠選任
永岡 桂子君 北村 誠吾君
十一月二十八日
辞任 補欠選任
櫛渕 万里君 石田 三示君
向山 好一君 水野 智彦君
高木 毅君 北村 茂男君
笠井 亮君 宮本 岳志君
同日
辞任 補欠選任
石田 三示君 櫛渕 万里君
水野 智彦君 岡田 康裕君
北村 茂男君 高木 毅君
宮本 岳志君 笠井 亮君
同日
辞任 補欠選任
岡田 康裕君 向山 好一君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
北朝鮮による拉致問題等に関する件
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○中津川委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
玄葉大臣、山岡大臣に初めて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
先ほど来議論になっておりますように、この間、北朝鮮問題をめぐっては、南北間でことし七月、九月の二回、対話が行われております。年内に三回目と言われておりますし、米朝間でも、ことし七月と十月に二回対話が行われました。今月十九日に開催された日中韓の首脳会議では、こうした関係国間における対話の動きについて歓迎する一方、北朝鮮の具体的行動は依然として見えておらず、引き続き北朝鮮に対しウラン濃縮活動の即時停止等の対応を求めていく必要があることで一致した、こういう報告がされております。
そこで、北朝鮮問題をめぐる評価でありますけれども、改めて外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
〔委員長退席、山花委員長代理着席〕
○玄葉国務大臣 先ほど御指摘がありましたように、南北の対話が行われている。そして米朝の対話が行われている。それぞれ二回ずつ行われた。私は、対話を拒むものではありません。先ほど御指摘がありましたけれども、やはり対話そのものは歓迎されていい。
ただ、問題は、結果、成果が出る対話でなければだめだというのが私の認識でありまして、そういう意味で、先ほど来から申し上げているような厳しい姿勢というか、慎重な姿勢というか、そういった部分が私にはどうしても出てくる。つまり、具体的な行動というものが北朝鮮に見られないうちに入ってしまうということは絶対によくないというのが私自身の考え方でございます。
今、日中韓の首脳会議の御指摘がありましたけれども、三カ国の首脳も、現時点で北朝鮮の具体的な行動は依然として見られていない、こういう評価でございますし、引き続き北朝鮮に対してウラン濃縮活動の即時停止等々の対応を求めていく必要があるということで一致をしているという状況でございます。
ですから、現時点の評価はそういう評価である、対話をするときには成果を生む対話でなければいけないというのが私自身の認識でございます。
○宮本委員 北朝鮮による具体的行動が依然として見えていない、こういうことでありますけれども、その中身ですけれども、北朝鮮が非核化を初めとする二〇〇五年の六者会合共同声明におけるコミットメントを真剣に履行する意思を具体的な行動で示すよう求めていく、こういうことでよろしいですね。
○玄葉国務大臣 これは、先ほど申し上げましたというか、竹内委員のお話の中にもございましたけれども、やはり日米韓で具体的な行動を求めるというときには、ウラン濃縮活動の即時停止、このウラン濃縮活動の問題などが当然入ってくるというふうに理解していただいて結構でございます。
○宮本委員 日中韓の三カ国としては、ウラン濃縮活動の即時停止を求める、そういう中身も含めて安保理決議に規定された核放棄を北朝鮮側に強く迫るということだと思うんですね。
それで、それに対して北朝鮮側がどういう態度、対応をしているか。これは一部報道なんですけれども、軽水炉の提供を約束すれば上を説得してみると述べるにとどまったという報道があるんですけれども、北朝鮮側の反応、言える範囲でということになろうかと思いますけれども、どのようなものでありましょうか。
○玄葉国務大臣 今御指摘のあったような報道は当然承知をしているところであります。そして、さまざまなやりとりについての詳細は、やはりこの場で申し上げるのは適切でない。
ただ、大事なのは、北朝鮮がみずから約束をしたことを実行する意思を示すということがない中で次のステップに行くというのは、やはりよくないというのが私自身の認識でございます。
○宮本委員 その日中韓首脳会議では、野田首相から、拉致問題をめぐる現状と一日も早い解決の必要性について改めて説明をして、そして中韓両国の理解を得たというふうに報道されております。この日中韓首脳会議で野田首相がそういう説明をして、その場での拉致問題に対する中韓両国の具体的な対応、反応はどのようなものであったか、お答えいただけますか。
○玄葉国務大臣 日中韓の首脳会議は私自身同席しておりませんでしたので、済みませんが読み上げます。
野田総理からは、拉致問題の解決に向けての両国の協力に感謝をするとともに、この重要な問題についての両国の積極的な協力を引き続きお願いしたいという旨述べた。これに対して、限られた時間での会議であり、一つの課題についてやりとりが繰り返されたわけではなく、したがって、中韓両首脳から特段の発言があったわけではありませんが、総理の発言を両首脳ともうなずいて聞いていたというのが率直なところです。
ただ、日中首脳会談がAPECの場でございまして、私自身も同席をしておりました。そのときに、中国の国家主席からは、中国として力の及ぶ範囲で協力したい、こういう話がございましたし、日中外相会談でも、私の発言に対して基本的に同じ立場をヨウケツチ外相が示したということでありますので、韓国は、もちろん、より強い協力姿勢でございますから、そういう意味では、中国も含めて、もっと言えばロシアも含めて、私、ラブロフ外相にも、会うたびに言っておりますけれども、やはり六者の構成メンバーにはそれぞれ言っていく。
同時に、六者以外にも、国際社会全体で圧力をかけていくということが大事なものですから、北朝鮮の人権状況決議に対して、さまざまな外相会談のときに私自身も今まで、例えば反対だった国が、それはそれぞれの事情があるんだと思いますよ、自分たちが賛成すれば自分たちの人権の問題について言われるとか、さまざまなことがあって反対していたところが棄権になったり、棄権していたところが賛成になったりということがありまして、実は今までで一番多くの得票、得票というか、賛成票を得て人権状況決議が採択されたという事実もございますので、そういった、国際社会全体でアプローチしていく、プレッシャーをかけていくということも大切だというふうに考えています。
〔山花委員長代理退席、委員長着席〕
○宮本委員 そうした中韓両国の反応についてですけれども、これは拉致問題担当大臣、どういう御見解か、お答えいただけますでしょうか。
○山岡国務大臣 拉致問題を含めて幅広い外交問題については、総理や、また外務大臣等々、取り組んでいただいておりますが、私としては、拉致問題だけと言ってはちょっと語弊がありますが、そのことに対してどうしていくか、そういう中において、諸国の対応というのは極めて重要でございます。
私としては、先ほども申し上げましたが、どうもあちらの言葉を聞いていると、核、ミサイル、拉致という雰囲気を受けないわけではないわけでございまして、しかし、それでは解決はしませんよと、私の立場で。最終的には、六カ国協議等々をまとめるにおいては、我が国がどう加わっていくかということに他の五カ国も重大な関心を持って、期待もしているわけですから、それにはあくまでも拉致が前提になって、このことは日本国民の、本当に全員の気持ちでありますので、そのことからまず解決をしていくということが六カ国協議の成功であり、北朝鮮問題の核心であります。こういうふうに私は思っているし、そこのところを何としても理解、納得していただくように今努力をしているところでございます。
○宮本委員 その拉致問題なんですね。二〇〇八年の八月の日朝実務者協議で北朝鮮が拉致問題の再調査を行うことに合意してから、既に三年が経過をいたしました。
外務大臣は、前回、十月二十四日の本委員会で、我が党の笠井亮議員に対して、〇八年八月の合意を足がかりにすると答弁をされておりますけれども、北朝鮮にどのように合意履行を迫っていくのか。これは外務大臣のお考えはどのようなものでしょうか。
○玄葉国務大臣 これは二〇〇八年八月に一たん合意をしているわけであります、特に再調査の問題で。ですから、やはりそれが足がかりであるというのが日本国政府の姿勢である。
では、そのためにどうするのかというのは、先ほど来から申し上げておりますけれども、対話を拒むものでは全くございません。ただし、それが成果を生むものにならなければならない。成果を生むものにならなければならないのであるが、残念ながら、現状では、六者も含めて、行える状況にない。したがって、米朝対話も南北対話も含めて、日米韓の連携を緊密にしながら、成果を生む対話ができるようにこれからしていくということが極めて大切だろうというふうに思います。
それを具体的にどうするかということについて事細かに申し上げるというのは、公の場で申し上げるのは余り適切でないんだろうというふうに思います。
○宮本委員 拉致問題の解決はもとより、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決していくためにも、私は、最も重要なのは、やはり二〇〇二年の日朝平壌宣言、これだと思うんですね。この宣言に基づいて、過去の清算を含む日朝間の諸懸案の包括的な解決を目指す努力を図るというのが基本だと思うんですよ。
最後に両大臣にそういうことに対する御見解、御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○玄葉国務大臣 これは基本的な立場として、二〇〇二年八月の日朝平壌宣言に基づいて、不幸な過去を清算して国交正常化へと。当然、拉致、核、ミサイル、そういった問題を包括的に解決してそういうふうにしていくんだというのが日本国政府の基本的な姿勢であるというふうに申し上げてよいと思います。
○山岡国務大臣 二〇〇二年九月の決議については全くそのとおりだとは思うんですが、また当時とは大分状況も変わってきていると思っております。
したがって、現時点で、そういう精神とか考え方は全くそのとおりですが、どう対応していったらいいかということを今鋭意検討しているところでございます。
○宮本委員 終わります。ありがとうございました。
○玄葉国務大臣 先ほどの平壌宣言の月を間違えておりまして、済みません。二〇〇二年の九月ということでございます。