平成二十三年八月三日(水曜日)
午前九時三十二分開議
出席委員
委員長 田中眞紀子君
理事 糸川 正晃君 理事 高井 美穂君
理事 野木 実君 理事 松崎 哲久君
理事 下村 博文君 理事 馳 浩君
理事 池坊 保子君
石井登志郎君 大山 昌宏君
奥村 展三君 金森 正君
川口 浩君 川越 孝洋君
木村たけつか君 城井 崇君
熊谷 貞俊君 瑞慶覧長敏君
高野 守君 中屋 大介君
平山 泰朗君 村上 史好君
室井 秀子君 本村賢太郎君
山田 良司君 笠 浩史君
和嶋 未希君 あべ 俊子君
稲田 朋美君 遠藤 利明君
河村 建夫君 塩谷 立君
田野瀬良太郎君 橘 慶一郎君
古屋 圭司君 松野 博一君
富田 茂之君 宮本 岳志君
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文部科学大臣政務官 笠 浩史君
参考人
(独立行政法人放射線医学総合研究所理事長) 米倉 義晴君
参考人
(独立行政法人日本原子力研究開発機構理事長) 鈴木 篤之君
文部科学委員会専門員 佐々木 努君
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委員の異動
八月三日
辞任 補欠選任
瑞慶覧長敏君 川越 孝洋君
永岡 桂子君 橘 慶一郎君
同日
辞任 補欠選任
川越 孝洋君 瑞慶覧長敏君
橘 慶一郎君 稲田 朋美君
同日
辞任 補欠選任
稲田 朋美君 永岡 桂子君
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
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○宮本委員 貴重な御意見、ありがとうございます。日本共産党の宮本岳志です。
まず、米倉参考人にお伺いするんですけれども、先ほど来、放射線授業あるいは放射線教育ということについても議論がされましたし、お話の中にもございました。
副読本という話も出たんですけれども、実は、副読本というものは別にこれまでもつくられてきたわけでありまして、私が当委員会で指摘をして、現在は使われておりませんけれども、全体としては原子力安全神話に固まったというような、例えば原発は五重の壁で守られていて大丈夫だ、あるいは、どんなに大きな津波が来ても大丈夫だ、こういうものがむしろこれまで使われてきたと思うんですね。
そういう議論がもう既に根拠のない安全神話であったということは、先ほど、東海第二も薄氷を踏む思いだったと原研の鈴木理事長がおっしゃっている、そういうことからも明らかだと思うんです。だから、安全神話が崩れた、そして逆に不安が高まっている、こういういきさつというのもしっかり見る必要があると思うんですね。
その点で、やはり、今後進めるべき教育、放射線授業というものは、科学的で正直な教育でなければならない、つまり危険性についてもきちっと教育しなければならないということだと思うんですけれども、この点についてのお考えをお伺いしたいというのが一点です。
鈴木参考人にお伺いしたいのは、さまざまな形で除染の方法の御紹介がありました。校庭の表土を除去するというのが非常に効果があるということは原研の方でもやっていただいた実証実験で明らかになったことなんです。
五月の上旬にやったあの実証実験から既に三カ月がたったのですけれども、七月二十七日の当委員会で私が質問したところによりますと、現在、申請予定が三百十四校あるわけですけれども、済んだのが九十七校、工事途中が百十四校、百三校はまだ未着手になっている。
セシウムというものは時間がたてばしみ込んでいくというお話もありましたけれども、急がなければならぬと思うんですね。ですから、せっかくそういう形で除染の方法がわかっても遅々として進まない、こういう現状について非常に歯がゆく思うんですけれども、先生の御感想をお伺いしたいと思います。
以上です。
○米倉参考人 学校教育の中の教え方についての御質問をいただきました。
まず最初に、従来の副読本と言われるものにいろいろ問題があるというのは、多分そのとおりだと思います。
私自身もちょっと記憶をたどってみているんですけれども、こういった分野で出てくるというと、一つは原子爆弾の怖さ、そしてそれが、エネルギーが役に立っているという原子力発電所であったり、もしあると、若干、場合によっては医療に役立っているよということがある程度、この程度であったというふうに思います。
やはり基本的に教えなければいけないのは、まず私たちが地球上に住んでいる以上、ある種の放射線を常に浴びているという放射線に対する基本的な知識、これが一番重要だと思います。それによって得られるさまざまな利益と、それからそれによる可能性のある障害、これをきちっと教えることによって子供たちがそれを理解してくれる、それが一番重要ではないかなと思います。
その先で、原子力のエネルギー政策等についてのリスクとベネフィットの問題点も当然あるとは思うんですけれども、まず放射線をきちっと教えること、これをやっていかないと、今後の私どもの未来が余りないんではないか。
すなわち、原子力発電所がたとえなくなったとしても私どもは放射線を使い続ける、これはもう間違いない事実でありますので、そこをきちっと教えることが最も重要ではないかと私は感じています。
以上です。
○鈴木参考人 ありがとうございます。
校庭等の除染が進まないことについてどう思うかというお尋ねでございました。
私、ちょっと先ほど、プールの場合は比較的簡便な方法で、また費用もそれほどでないと申し上げましたが、校庭等を除染する場合には相当面積も広いわけでございまして、それから校庭だけをやってもなかなか効果は上がりません。校庭の周りも除染しないと、線量は安心するレベルには下がりませんので、そういうことを考えますと、相当の費用がかかる、また時間もかかる、それから、それなりに専門の業者なりに加わってもらってその専門的な作業をお願いしなきゃいけない、こういうことだと思っています。
そういうことを考慮いたしますと、恐らく、いろいろな予算等の面で、やりたくてもすぐはできないという状況が現実にあるのかもしれないと思っております。
しかしながら、先生おっしゃるように、これはできるだけ早くやっていただきたいと思いますし、機構といたしましては、標準的ないわばマニュアルのようなものをお示ししていますので、それに基づいてできるだけ早くやっていただけると大変ありがたい、こういうふうに思っております。
ありがとうございました。