平成二十二年十月二十九日(金曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 田中眞紀子君
理事 佐藤ゆうこ君 理事 高井 美穂君
理事 松崎 哲久君 理事 村上 史好君
理事 本村賢太郎君 理事 下村 博文君
理事 馳 浩君 理事 池坊 保子君
石井登志郎君 磯谷香代子君
今井 雅人君 大西 孝典君
大山 昌宏君 奥村 展三君
金森 正君 川口 浩君
川越 孝洋君 木村たけつか君
熊谷 貞俊君 笹木 竜三君
瑞慶覧長敏君 高野 守君
竹田 光明君 津村 啓介君
土肥 隆一君 道休誠一郎君
中屋 大介君 仁木 博文君
野木 実君 浜本 宏君
福田衣里子君 室井 秀子君
山尾志桜里君 笠 浩史君
渡辺 義彦君 あべ 俊子君
遠藤 利明君 河村 建夫君
齋藤 健君 塩谷 立君
田野瀬良太郎君 高木 毅君
永岡 桂子君 松野 博一君
宮本 岳志君 城内 実君
…………………………………
文部科学大臣 高木 義明君
内閣官房副長官 古川 元久君
文部科学副大臣 笹木 竜三君
文部科学副大臣 鈴木 寛君
文部科学大臣政務官 笠 浩史君
文部科学大臣政務官 林 久美子君
会計検査院事務総局事務総長官房審議官 藤田 英夫君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 山中 伸一君
政府参考人
(文部科学省高等教育局長) 磯田 文雄君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局長) 合田 隆史君
政府参考人
(文部科学省研究開発局長) 藤木 完治君
政府参考人
(文部科学省スポーツ・青少年局長) 布村 幸彦君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 石井 淳子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 唐澤 剛君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長) 生田 正之君
文部科学委員会専門員 佐々木 努君
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委員の異動
十月二十九日
辞任 補欠選任
石井登志郎君 大西 孝典君
金森 正君 道休誠一郎君
田島 一成君 仁木 博文君
田村 謙治君 今井 雅人君
室井 秀子君 渡辺 義彦君
古屋 圭司君 齋藤 健君
松野 博一君 高木 毅君
同日
辞任 補欠選任
今井 雅人君 山尾志桜里君
大西 孝典君 木村たけつか君
道休誠一郎君 竹田 光明君
仁木 博文君 田島 一成君
渡辺 義彦君 室井 秀子君
齋藤 健君 古屋 圭司君
高木 毅君 松野 博一君
同日
辞任 補欠選任
木村たけつか君 石井登志郎君
竹田 光明君 金森 正君
山尾志桜里君 福田衣里子君
同日
辞任 補欠選任
福田衣里子君 田村 謙治君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
――――◇―――――
○田中委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
大臣は、先日の所信的あいさつで、就職が決まらないまま卒業する者が約七万五千人に上るなど、新卒者の就職難が極めて深刻な状況にあること、また、就職採用活動の早期化、長期化についても触れられました。きょうは、この問題を取り上げてお尋ねしたいと思っています。
我が党は、十月七日の衆議院本会議代表質問で、志位和夫委員長が、過熱した就職活動を是正するルールをつくるために、大学、経済界、政府の三者による協議を直ちに開始するということを提案いたしました。十月の十三日、衆議院予算委員会で我が党の笠井亮議員が、総理が雇用問題に真剣に取り組んで、特に新卒者の就職に力を入れるとおっしゃるなら、今すぐにでも政府自身が音頭をとってテーブルに着いて、大学、経済界、政府、三者による協議を始めるべきだ、こう質問をいたしました。それに対して高木大臣は、「御指摘の経済界関係者あるいは大学関係者、そして私ども関係省庁との一つのテーブル、これについては、検討の場としてできるだけ早く開会をできれば、このように思っておるところです。」と答弁をされました。
できるだけ早くとおっしゃったわけですけれども、これは一体いつ開会をするのか、どのようなメンバーで協議をしようとしているのか、大臣、お答えいただけますか。
○高木国務大臣 宮本委員にお答えいたします。
現在、新卒者の就職採用活動の課題については、経済団体あるいは大学関係者が意見交換する場を、関係省庁とも連携をして、それぞれの日程等もございます、できるだけ早く設定をしたい、このように思っております。これには、国公私立の各大学団体や主要経済団体のほかに、文部科学省はもちろんでありますが、厚生労働省、経済産業省などの各省庁の参加を予定しております。
関係者が一つのテーブルに着けば、例えば、大企業と中小企業のミスマッチについてどのように対応していかなきゃならぬかという案件を中心として、または、卒業後三年以内は新卒扱いにしていただく、こういった促進。また、企業側が求める人材像を明確にしていただいて、大学の方にもそのようなことを伝え、教育の中に生かせる。また、採用活動の早期化、長期化、これはもうこれまでもるる出ておりました。そういうものについての現状把握、改善策、これについて率直な、それぞれの立場からの御意見をいただく。このことによって、就職採用活動の適正化、こういったものについて引き続き取り組んでいきたい、このように思っております。
○宮本委員 そういうことはわかった上でより具体的にお聞きしているわけです。
先日、文科省からレクを受けました。そして、素案もいただいております。それによると、十一月中に開催できればということで大学側の参加メンバーについても検討が始まっている。大学関係者による就職問題懇談会で検討してもらっており、主要経済四団体等として、経団連、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、経済同友会の四団体から出ていただく。そして、政府からは、経産省、厚労省、文科省から参加する予定で進めている。具体的なメンバーについてはまだ検討中だということであります。
これはもう一度確認しますが、これでよろしいですか、大臣。
○高木国務大臣 委員御指摘のとおりでございます。
○宮本委員 そのレクの際に、政府関係の参加者は課長レベルだという話をお伺いしたわけです。私は、これではやはりまずいんじゃないかというふうに思っております。大臣が、厚労大臣そして経産大臣と連名でお出しになった、この企業に対する、業界に対する要望書を見ても、やはり大臣の名前でそういう文書も出しているわけですね。
私は、学生たちの未来をどうしてくれるのか、こういう場所には大臣みずから出ていただいて、やはり経済界にも大学にもしっかり話をしていただく、これこそ政治主導でやる必要があるというふうに思いますけれども、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○高木国務大臣 もちろん、それぞれの時間調整、これが重要です。私も、今、国会中でございますし、時間が許せばぜひ出席をしたい、このように考えています。
○宮本委員 事態は本当に極めて深刻でありまして、対応が急がれている。
日本経済新聞によりますと、十月二十四日段階の採用状況調査、これを見ますと、主要企業の大卒採用内定者数は、今春実績比六・一%減の七万二千人にとどまった、内定者数が三年連続して減少したのは、一九九五年度の調査開始以来で初めてだというふうに報道されております。
できるだけ早くというふうにおっしゃるわけですけれども、これが十一月中というのでは、ちょっと悠長に過ぎるんじゃないか。こういう深刻な状況を踏まえて、本当にもっと早く開くべきだと思うんですが、このあたりは、大臣、いかがでしょうか。
○高木国務大臣 できるだけ早く対応したいと思っています。
○宮本委員 この間、私は、学生と就職問題で懇談を重ねてまいりました。その懇談の中で、就職活動にかかわる交通費、宿泊費の経済的負担が学生に大変重くのしかかっているという状況が出されております。
ある地方大学の学生は、東京で就活をしている、バイトをして、生協の安いバスで行くけれども、一日で終わらず、ホテルに泊まると、交通費と宿泊代で一回二万円前後かかる。何社も受けると、毎週上京することになり、月八万円、半年間就活が続いたので、交通費だけで五十万円近くかかった、こういうふうに述べられておりました。
また、ある女子学生は、文系女子は特に厳しく、大抵百社以上受ける、何人かでウイークリーマンションを借りて、シェアリングして宿泊代を減らしたと語っておりました。
東京近郊の私立大学生は、東京で行われる説明会に行くと、片道一時間半、往復で千五百円かかる。奨学金の月九万円とアルバイト代の月四万円で家賃や生活費を賄っているので、お金がなくなり、就職活動が六月までしかできなかった、こういうふうに語っておりまして、まさに就職活動も金次第という状況が浮き彫りになりました。
それで、文科省にお伺いしますと、今年度予算でも、大学教育・学生支援推進事業というものがありまして、学生の就職活動に係る負担軽減の観点から、交通費や宿泊所の確保のための費用への支援も含む財政支援を行う仕組みが既にあるというふうにお伺いをいたしました。
各大学から、この就職活動の交通費、宿泊費などが申請されているという事実があるようですけれども、その申請の具体例をお示しいただきたいということと、そして、これらが申請されれば全額補助されるということだと思うんですが、御確認を願います。
○高木国務大臣 御指摘の件は、大学教育・学生支援推進事業と認識をしておりまして、その具体的な事例ということでございます。
例えば、東北公益文科大学におかれては、東京や仙台で多く開催される企業説明会に参加する学生のために交通費を計上しておる。あるいは、愛知みずほ大学においては、大都市圏で実施される企業説明会へ集団参加するための交通費、あるいは宿泊所確保のための費用を計上しておる。また、京都外国語大学においては、首都圏での就職活動を行うための卒業生で構成する校友会会員等へホームステイを依頼するための費用の計上、こういったことが挙げられております。
○宮本委員 全額補助でしょうか。全額補助される仕組みでしょうか。
○高木国務大臣 全額となっております。
○宮本委員 懇談した学生はどこでも、交通費、宿泊費補助の必要性を訴えておりました。ところが、こういう事業があることがまだ大学に周知徹底されていないのではないかと思うんですね。大学がこのような事業があることを知っていれば、もっと申請があるはずだし、そして学生の負担も軽減されると思うんですよ。これからでも大学に周知徹底をして、申請を募って、交通費や宿泊費について学校から申請があれば、補助、支援の対象にすべきだと思います。
それで、来年度概算要求をお聞きしますと、継続のみ認めて新規は認めないという概算要求になっているという説明を受けました。来年度もこういう申請、新規も含めてやはり受け付けて、もっと多くの大学でこういうことがちゃんと活用されるようにすべきだと考えますが、大臣の御答弁を願いたいと思います。
○高木国務大臣 本事業については、できるだけ皆さん方が周知徹底を図るように、当然我々もその努力をしなきゃならぬと思っておりますし、この事業は二十一年度からの三カ年事業として実施されております。
現在採択されている大学等の活動状況を見ながら、その成果を各大学等に発信、普及を行う、また、採択されていない大学を含め、より多くの大学等によってよりよい就職支援ができるように今後努めていきたい、このように考えております。
○宮本委員 ぜひ、御努力をお願いしたいと思います。
次の問題に移ります。
予算委員会の笠井議員の質問を見た方から、笠井議員は、就職活動の早期化を三年生夏場の職場体験のインターンシップから、としておったけれども、実は、就職活動は今や大学一年の入学直後から始まっているという、そういう告発とともに持ってきたものが、きょう資料配付をしたものなんです。もともとはこんな分厚いものでありますけれども、きょう、資料配付をさせていただきました。
この資料の、表紙がついていますが、一枚めくっていただいて、「検査の種類」というものを見ていただきたいんです。
それには、「この検査は、大学生・短期大学生が今の自分の力や強みを理解し、将来について考えたり、就職活動の準備をするために受検するものです。」とし、検査は七種類ありますと書いてあります。検査名として「自己発見レポート」、これは一年生がガイダンス後に受けるもの。「自己プログレスレポート」、これは大学二年生で受けるもの。そして、「就職支援アセスメントキャリア・アプローチ」、これは就職適性検査とも言われておるもので、三年生の十月。「一般常識・基礎学力テスト スタート」、これは別名、就職筆記試験対策テストと呼ばれるもので、これも三年の十月ごろ実施。そして次のページ、三枚目のページに移ってもらうと、「エントリーシート攻略テスト基礎編」、「エントリーシート攻略テスト実践編」、「完全突破!!履歴書攻略トライアル」というふうに続きます。
学内では、まさに大学一年生の春から就職活動の準備が始まり、三年には本格的、実践的対応が行われている。この七種類の検査、これは一体どこが実施をしているか、大臣、おわかりですか。
○高木国務大臣 この委員会の場で拝見いたしましたので、詳細はわかりません。
○宮本委員 表紙に出ておりますように、これは、私どもが入手したものにはベネッセコーポレーションの名前が書き込まれてございます。私はこの告発者ともお会いしましたので、一応、この資料の信憑性を私としては確認した上で資料配付もさせていただいております。
それで、ベネッセといえば、小学校の学力テストを請け負ってきた受験産業ですね。しかも、この検査は、一部有力大学を除いてほとんどの私立大学で実施されているというふうにお伺いをいたしました。本日お配りしたのはその一部ですけれども、実は、ベネッセの社員とともに大学に派遣される人材派遣会社の社員用の実施マニュアルというものがこのマニュアルであります。
ここには、大学に出向くときの身だしなみ、持参品から、そして、三十分前には着いて大学担当者様へごあいさつ、本番ミーティング、事前ミーティング、事細かにこういった、いわばもう大学一年生から進めているキャリア教育という名前の就職対策のマニュアルが載っております。
それで、こういうことを、つまり受験産業、学習塾関係者が直接大学へ乗り込んで、そして就職活動対策を行っているということを大臣は御存じでしたか。御存じだとすれば、どのようにお考えになりますか。
○高木国務大臣 このような事例があるのも承知をいたしております。したがって、学生が十分に学業に専念できないという実態、これについては、当然、学生の質の低下ということを招きかねず、そういう懸念であり、私は、早急に是正すべきものだと考えております。
したがいまして、私も、就任当初、経済団体あるいは大学に出向きまして、就職活動、採用活動の早期化あるいは長期化、こういったものをやはり是正してほしい、または是正したい、こういう意見を表明いたしまして、経済界からも、非常に経済を取り巻く環境は厳しいものがございますが、そういうことについては認識はほぼいただいておる、このように私は思っております。
その一つとしまして、商社業界の方で、二〇一三年度入社の新卒者対象の採用スケジュールをおくらせるための具体的な検討を始めると。こういうことから見ても、経済界もさまざまな動きが出ておりますので私はそれを期待しておるところでありますが、私たちとしても、先ほどの、いわゆる検討のテーブルというのも早期に開催をして、こういうところでも是正に努めていきたい、このように思います。
○宮本委員 だからこそ僕は、大臣に出ていただいて、しっかりと議論していただかなきゃならないと思うんです。
そして、商社に今前向きの状況が出てきているというのはいわゆる本当の採用の話なんですけれども、今ここで紹介したやられていることというのは本当に、一年から始まっている、また大学がそういうことをやっているわけですよ。
キャリア教育というふうにおっしゃるわけだけれども、その中身はエントリーシート攻略とか履歴書攻略トライアル。これではキャリア教育の名が泣くというものだと言わなければなりません。こういうやり方をしていると、本当に学生たちが一年から浮き足立っていく。先ほど大臣も、それが大学教育に重要な、学生たちに負担になっているというふうにもおっしゃいました。こういった検査の結果を、診断結果として赤ペンで間違いなどが指摘され、フォローガイダンスも行われているという状況であります。
大学では、フリーター、派遣になりたくなかったら、日経、四季報を読み、ビジネスセンスを学べとか、そしてまた、一年からこんなことをやるんですかとある学生が聞いたら、もう就活かよと思うでしょうが、現実は甘くないのですと大学から言われたとか、本当に、むしろ逆に開き直って、甘くないんだ、今からやらぬでどうするかという話になっている。
ここに私がお持ちしたのは、ある大学で配付されている「就職活動記」と記載されたものでありまして、「先輩から、君たちへの激励メッセージ」と。つまり、就職が決まった先輩たちの、内定者の華々しいプロフィールがつづられたオリジナル雑誌ですよ。これが配られて、この成功例に学べというキャンペーンが一年、もう入学直後から始まっているということなんですね。これは学生から借りてきたものでありますけれども。
これはどういうものがこの中に載っているかといいますと、例えば、ある企業に受かった人の経験談、運輸系大企業に採用された女性、資料請求を含むエントリーは何社しましたか、約四百社、会社説明会に参加した数、約八十社、エントリーシートの提出、約百二十社などの数とともに、エントリーシートの記入の工夫、試験対策などがここに書いてあります。注目すべきは、百二十社にエントリーシートを出し、八十社の採用選考試験を受けて、内定がわずか六社。
こういうものを見せられると、やはりここまでやらねばならぬのか、こういう気分になるというんですよ、学生たちは。そして、ほぼ全員参加して、ベネッセがやっている検査が行われている。これではもはや、大学は就職予備校になっていると言わなければなりません。
大臣、これはどうお感じになりますか。
○高木国務大臣 今御指摘の点は、私は、すべてだと思いたくありませんが、現実の一つだろう、しかし異常だ、このように思っております。それを是正するために我々としては役割を果たさなきゃならぬ、このように思っております。
○宮本委員 ぜひともこういうテーマも三者のテーブルというところで取り上げていただいて、まともなルールをやはりつくる必要があると私は思います。
そして、このようにして検査結果が今度は、今はベネッセですけれども、ベネッセという企業に集積をされていきます。そういう就活指導に名をかりて、学生の心理傾向、学力状況、就職希望先などの個人情報を私企業が握るという形になってくるわけですね。
大臣、これにも問題があるというふうにお感じになりませんか。
○高木国務大臣 先日、国立大学協会の代表の方々と懇談をいたしまして、就職問題は大きな懸念材料、大学も企業も強い人材を求めている、採用活動は長期化、学生も企業も疲弊するという懸念が示されておりますように、私も、委員御指摘の状況について正常な形ではないと思っておりますので、改めて、まさにその解決のための努力をしなきゃならぬ、このような思いです。
○宮本委員 もう一つ指摘せざるを得ないことがあります。
この秋から、ベネッセの活動は一層活発化していると聞いたんですね。ベネッセは、こうして大学のキャリア教育、就職支援活動に食い込み、それを通じて学生の個人情報を集積するばかりか、今度は、それを企業利益のために利用する新たな商売を始めていると言わざるを得ない事実があります。
お配りした資料の最後に、ベネッセがこの三月から始めましたウエブサイト、ベネッセドリームエントリーというものの法人会員申し込みフォームをつけてございます。これは法人がベネッセに申し込むんです。つまり、よい人材を送ってくださいねという希望のある法人がこの会員になる。下を見てください。契約期間一年、十二カ月で六十三万円。
一方で、就職支援教育で学生や大学から金を取って商売し、もう一方で、今度は企業から年六十三万円の法人会費を取って商売する。圧倒的多数の学生の個人情報を握り、大学生と企業をマッチングさせる一大企業になろうとしているとしか言いようのない事実だと思うんですね。超氷河期などと言われる学生の就職難につけ込んで、学生の個人情報を集め、それを企業利益につなげるこのようなやり方は、私は許されるものではないと思います。
こうした就職活動にかかわる企業活動のあり方全般を、先ほど大臣御答弁になった三者協議の対象にして、もっとまともなルールを三者でしっかりつくるということがなければならないと思いますが、大臣のその御決意をお伺いしたいと思うんです。
○高木国務大臣 例として出された経過についても、いま一度事実関係を調査することが何よりも大事だと思っております。
いずれにいたしましても、就職採用活動の早期化、長期化というのは問題でありますので、これまでも述べてきましたように、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○宮本委員 この問題、就職活動のルールという問題は、私どもが三者の協議の場を御提案申し上げたのは、この日本学術会議の「大学教育の分野別質保証の在り方について」の中でも、学生が大変な状況になっているというだけじゃなくて、企業にとっても深刻な負担になっているということが触れられているからなんですよ。
少し紹介しますけれども、「学生の学業生活に甚大な支障を及ぼすばかりか、メンタルヘルス面でも少なからぬ問題を発生させている。また企業にとっても、近年の過熱する就職活動(採用活動)は、多分に非効率性を感じさせるものになっている」こう言っておりまして、その他の問題のように、利害がただ単にぶつかるものじゃないんですね。
学生が被害者で、企業は何かそれでいい目しているかというと、実は、こういう長期化、早期化、過熱化というのは、学生も大変な状況に追い込んでいる、大学も大変な状況に追い込んでいるけれども、先ほど商社の例が出ましたけれども、企業にとっても、これではやはり本当にいい人材を集められない。三者が三者とも、ちゃんと話し合えば、ウイン・ウインの関係になるというか、全体が一致できる、一致点を見出すことのできる分野だと思うからこそ、ちゃんと三者のテーブルをつくって話し合いを尽くすことを御提案申し上げたんです。
こういう点では、企業とも経済界とも、大いに一致点を見出すことはできるというふうに私どもは感じておりますけれども、大臣、これについてはどのようにお感じでしょうか。
○高木国務大臣 それぞれの立場からの主張を十分に把握しなければならぬと思っておりますので、協議の場もできるだけ早く開会をしたいと思っております。
同時に、雇用、就職問題というのは、かかって経済の活性化が我々が取り組むべき最大の課題ではないかと思っておりますので、何としても、かかる円高、デフレ、こういったものに緊急経済対策として全力で取り組むことも私はこの問題の解決の大きな柱だと思っています。
○宮本委員 時間が参りましたので終わりますけれども、この問題は、大学生が、まあ高校生もそうですけれども、社会に出るその一日目に失業者というような状況で本当にいいのかということが問われる大問題です。どうか、早くということでありますけれども、一刻も早い取り組みを求めて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。