豪雨災害 生業支援踏み出す必要 (動画)
8月豪雨災害 特別委の仁比、宮本議員質問 (しんぶん赤旗記事)
住居確保・がれき撤去急務 現地調査踏まえ対策要求 8月豪雨災害 宮本・仁比議員が質問 (しんぶん赤旗記事)
平成二十六年八月二十八日(木曜日)
午前八時三十分開議
出席委員
委員長 坂本 剛二君
理事 うえの賢一郎君 理事 北村 茂男君
理事 原田 憲治君 理事 福井 照君
理事 盛山 正仁君 理事 細野 豪志君
理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君
穴見 陽一君 井上 貴博君
伊東 良孝君 神山 佐市君
川田 隆君 河井 克行君
神田 憲次君 木内 均君
北村 誠吾君 工藤 彰三君
小島 敏文君 笹川 博義君
竹下 亘君 長島 忠美君
藤丸 敏君 三ッ林裕巳君
務台 俊介君 湯川 一行君
吉川 赳君 黄川田 徹君
寺島 義幸君 長島 昭久君
吉田 泉君 井坂 信彦君
椎名 毅君 三木 圭恵君
斉藤 鉄夫君 濱村 進君
樋口 尚也君 上野ひろし君
中丸 啓君 杉本かずみ君
高橋千鶴子君 宮本 岳志君
小宮山泰子君
…………………………………
国務大臣
(防災担当) 古屋 圭司君
内閣官房副長官 加藤 勝信君
内閣府副大臣 西村 康稔君
厚生労働副大臣 土屋 品子君
国土交通副大臣 高木 毅君
内閣府大臣政務官 亀岡 偉民君
経済産業大臣政務官 田中 良生君
国土交通大臣政務官 土井 亨君
環境大臣政務官 牧原 秀樹君
防衛大臣政務官 若宮 健嗣君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 藤山 雄治君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 日原 洋文君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 時澤 忠君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 室田 哲男君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文教施設企画部長) 関 靖直君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 谷内 繁君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 二川 一男君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局長) 生田 正之君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 藤井 康弘君
政府参考人
(国土交通省大臣官房建設流通政策審議官) 吉田 光市君
政府参考人
(国土交通省都市局長) 小関 正彦君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 池内 幸司君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局砂防部長) 大野 宏之君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 深澤 淳志君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 橋本 公博君
政府参考人
(気象庁長官) 西出 則武君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 小川 晃範君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長) 鎌形 浩史君
政府参考人
(防衛省運用企画局長) 深山 延暁君
衆議院調査局第三特別調査室長 石上 智君
―――――――――――――
委員の異動
八月二十八日
辞任 補欠選任
井林 辰憲君 川田 隆君
泉原 保二君 穴見 陽一君
大見 正君 神田 憲次君
清水 誠一君 小島 敏文君
長島 忠美君 河井 克行君
中川 正春君 長島 昭久君
今井 雅人君 三木 圭恵君
椎名 毅君 井坂 信彦君
樋口 尚也君 斉藤 鉄夫君
宮沢 隆仁君 中丸 啓君
高橋千鶴子君 宮本 岳志君
同日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 三ッ林裕巳君
川田 隆君 井林 辰憲君
河井 克行君 長島 忠美君
神田 憲次君 大見 正君
小島 敏文君 清水 誠一君
長島 昭久君 中川 正春君
井坂 信彦君 椎名 毅君
三木 圭恵君 今井 雅人君
斉藤 鉄夫君 樋口 尚也君
中丸 啓君 宮沢 隆仁君
宮本 岳志君 高橋千鶴子君
同日
辞任 補欠選任
三ッ林裕巳君 泉原 保二君
―――――――――――――
六月二十日
一、災害対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
災害対策に関する件(平成二十六年八月豪雨による被害状況等)
――――◇―――――
○坂本委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
ことし八月の台風被害を初めとする各地の豪雨と河川の氾濫、土砂災害は、日本列島に重大な被害をもたらしました。とりわけ広島県における八月十九日からの大雨と土砂災害では、既に死者七十二人、不明者十人という深刻な被害が出ております。
私は、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、不明者の一日も早い救出を心からお祈りをいたします。また、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
私ども日本共産党は、八月の二十日、山下芳生書記局長を本部長とする二〇一四年夏・広島等豪雨災害対策本部を立ち上げて、国会議員団が、地元の地方議員とも連携をして、被害の実態をつかみ、現場にも入って、被災者の救援に全力を尽くしてまいりました。被災された方々からはもちろん、関係自治体からも、緊急に求められる御要望などもお聞きをしてまいりました。きょうは、そういったことを踏まえて質問いたします。
まずは、最も甚大な被害が出ている広島県でありますけれども、八月二十六日時点で、六百五十二世帯、千四百四十八名の方々が避難所生活を余儀なくされております。
災害の発生から五日目を迎えた二十四日、自宅が損壊した人を対象に公営住宅の入居の受け付けが始まりました。何戸の募集が行われたか、それに対してどれだけの申し込みがあったのか、同時に、他の公的住宅の活用はどうなっているか、内閣府にお答えいただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
広島県及び広島市におきまして、八月二十四日から二十六日の間に、被災者に対して、県営住宅七十七戸、市営住宅八十戸、合計百五十七戸について共同で入居募集を行いました。三日間で二百八十四件の申し込みがあったと伺っております。
また、これ以外に、国家公務員宿舎、雇用促進住宅等の公的住宅についても提供する方向で検討されていると伺っており、現在、関係機関と活用についての調整を行っていると伺っております。
〔委員長退席、北村(茂)委員長代理着席〕
○宮本委員 公的住宅という点では、UR賃貸住宅で賃貸可能な空き戸数が十戸、国家公務員合同宿舎のあきで四十九戸、雇用促進住宅で広島市内六十八戸、周辺地域で十四戸、合計百四十一戸も、要請があれば順次提供するという報告を受けております。
ただ、現場では、被災者にはまだ先行きを見通す余裕がない。もう怖くて戻れないという人もいれば、できればまた住みたいと、なれ親しんだ土地を追われた被災者の胸中はまさに揺れているというふうに報じられております。これからまだまだふえる可能性もあるわけですね。
公的な住宅の活用はもちろんでありますけれども、現場からは、自宅から遠いところや不便なところでは被災した自宅の片づけに通うこともできないとの声も寄せられております。先ほど答弁のあった公的住宅には、例えば広島市以外の周辺地域も含まれておりますし、大体、広島市と申しましても、市町村合併で、今や随分広大な地域になってしまっているわけですね。
それで、災害救助法では、避難所としてホテル、旅館、民宿の活用、これは可能になっているはずです。現に東日本大震災でも旅館やホテルが活用されておりますけれども、これは事実ですね。
○日原政府参考人 今回の広島市における土砂災害におきましては、避難生活の長期化が見込まれる一方で、小学校に設置した避難所を早く解消し、小学校の授業を開始するということも重要であることから、県及び市におきましては、御指摘のとおり、ホテル、民宿等を避難所として活用することも検討しているところでございます。現在、対象となるホテル等のリストアップ等を行っているというふうに伺っております。
○宮本委員 また、応急仮設住宅、いわゆるみなし仮設、これは民間賃貸住宅の活用が可能であるはずであります。
私はここに「被災者の公営住宅への一時入居について」という国土交通省の文書を持ってまいりましたけれども、東日本大震災では平成二十三年十月十三日時点で六万戸以上の民間賃貸住宅を応急仮設住宅として借り上げているということを紹介して、今後の災害においても被災者向けの仮住まいを確保する手法として有効だと述べております。
今回、民間賃貸住宅の応急仮設住宅としての借り上げは進められておりますか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
広島県におきましては、三つの不動産関係団体と、あらかじめ、大規模災害時においては当該団体から民間住宅の借り上げについての情報提供や円滑な住宅提供等についての協力をいただくような協定を結んでいるところでございます。今回は、その協定に基づきまして協力を要請しているところと伺っております。
また、民間賃貸住宅を借り上げるいわゆるみなし仮設につきましても、全壊等の住家の被害状況の確認、提供可能な近隣物件のリストアップや、貸し主と自治体との契約条件あるいはその契約準備等々、そういったことにつきまして準備を進めているというふうに伺っております。
○宮本委員 旅館、ホテルも活用できる、それから民間の賃貸住宅の借り上げということも可能である、こういう答弁でありました。その準備も進めつつあると。
問題は、この順序なんですね。
まずは公営住宅、次は、URや公務員宿舎、雇用促進住宅などの公的住宅、それで足りなければ民間借り上げ、旅館、ホテルなどというのは最後、こういうふうな対応では私は住民のニーズに応えられないと思うんですね。
これを選ぶのは、行政の都合ではなくて、やはり被災者の皆さんのニーズを第一にする必要があると思います。
高齢者や障害者など生活に困難のある方々は今すぐ旅館、ホテル、民宿などに入っていただく、それから、広島市外の雇用促進住宅にたとえあきがあっても、近くに民間賃貸があってそちらでなければと、自宅から離れるのは不安だとおっしゃる方がいらっしゃれば、直ちにその民間賃貸の借り上げということもしっかり進める、こういう被災者本位の対応が私は必要だと思うんですね。
政府は広島市役所に置いた非常災害現地対策本部に被災者支援チームを設置しておられますけれども、こういう被災者本位の精神で直ちにきめ細かな対応をとる必要があると私は思いますけれども、これは大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○古屋国務大臣 被災者の住居の提供については、いわゆる公営の住宅、雇用促進住宅、UR等々、それから民間の借り上げというようなことで対応していますけれども、今御指摘のように、障害者の方々に対しては、きめ細かな対応の一環で優先的に割り当てるというようなこと、特に公営住宅の提供に当たってもそういう取り組みはさせていただいております。
例えば、階段の上りおりが不自由なお年寄りについては、一階部分を優先的に割り当てたりとか、エレベーター等々の昇降機能のある物件を提供するなど、きめ細かい対応を市や県に働きかけるということで、現地の対策本部からの指示でそういう取り組みをしているということでございます。
いずれにしても、ニーズに的確に、きめ細かにヒアリングして対応していくことが大切だと思っております。
○宮本委員 ぜひ、被災者の方々の実情に応じて、順序立ても機械的に公営住宅からということではなくて、民間賃貸も含めて、直ちに対策を講じていただきたいと思います。
さて次に、膨大な瓦れきの撤去であります。
現場で救援活動に当たっている人によると、例えば広島市内の可部東六丁目では、民家が道路の前のアパートに押し流され道路を塞いでいる、一刻も早く道路を復旧してほしい、こういう声が寄せられておりますし、道路はもちろんですけれども、家の敷地内に大きな岩が転がり込んでいる、あるいは、隣の家が家にのしかかっている、こういう状況があって、到底個人の力では復旧できない状況があります。敷地内は自己責任というのでは、到底いかないんですね。
そこで、個人の敷地内の瓦れき、それから、流木だけでなく、押し潰された自動車などの撤去も公的な支援がどうしても必要です。また、土砂はかき出したんですけれどもその処理に困っている、こういう声も届いております。これにどう対応するのか、これも大臣にお答えいただきたいと思います。
○西村副大臣 御指摘の点、現場で本当に皆さん困っておられる点でありますので、私から、市長との打ち合わせの中で、市長には、まず、予算のことを気にせずやってください、大きな岩とか膨大な泥、土砂が家の中に入り込んで、とても住民の力だけではできない、ボランティアの方々の力をかりてもできない、そうしたものについてやってください、後でどういう手当てができるか国の方でしっかり対応しますからということを申し上げました。
その後いろいろ調整を重ねながら、環境省が特に中心になって市と連携をしてくれておりまして、被災者の方の負担がない形で、しっかりと国も応援して、やれることになっております。現在、市の環境局が基本的に一元的に撤去するということで、これは加速をしております。各地域にチームをつくって、割り当ててやっております。
本当に、土砂の撤去を急ぎたいと思います。
○宮本委員 個人の力ではどうにもなりませんから、ぜひ、国と地方が力を合わせて個人宅の瓦れき、土砂の処理に総力を挙げていただきたいと思います。
それで、広島では、甚大な被害が出た二十日以降も強い雨が降ったりやんだりという天候が繰り返されておりまして、捜索活動もそのたびに中断または再開、こういう状況を繰り返しております。救助活動に当たっている方々や延べ二千二百人のボランティアが二次被害に巻き込まれることがないように、くれぐれも万全を期す必要があると思うんですね。
これは国土交通省に聞きますけれども、二次被害の対策はどのようになっておりますか。
○池内政府参考人 お答えいたします。
捜索活動等における二次災害防止ですとか、あるいは工事の安全対策のために、土砂災害が発生した渓流のうち、昨日までに、国により十一渓流、県により二渓流におきまして、土石流発生監視のためのワイヤーセンサーを設置させていただいております。このほか、五渓流におきまして、国と県によりワイヤーセンサーを早急に設置する予定としております。
また、捜索活動時の監視における留意点を国土交通省の土砂災害専門家が取りまとめまして、警察、消防、自衛隊に配付、説明をし、二次災害防止に努めております。
以上でございます。
○宮本委員 今御答弁のあったワイヤーセンサー、いわゆる土石流センサーでありますけれども、このサイレンの音が聞こえる範囲というのは半径二百から三百メートルで、音が風に流されたり建物に遮られたりする場合は聞こえないという指摘がございます。
危険の伝達には防災行政無線も活用できるんですけれども、スピーカーで屋外に放送できるタイプの防災無線は、広島市安佐南区の八木地区にはなくて、緑井地区にも消防署にあるだけで、安佐北区の被災地域には五カ所あるんだけれども、担当者は、近くの人にしか聞こえないと語っておられます。
また、雨が降った二十四日午後には、消防隊員らが住民らに避難を呼びかけて、車が通れる地域には消防車も回ったというんですけれども、しかし、自宅の中で土砂を除去していた住民は気づかず、わかっていたら避難した、どこにいても危険を察知できるようにしてほしい、こう語っているという報道があります。
二十五日に安佐南区で出水が発生した際は、市消防のヘリコプターが上空から危険を知らせたんですけれども、市民からは、ヘリの音が大きく、何を言っているかわからなかった、こういう声も寄せられております。
ある消防団員は、広範囲で活動するボランティアらに一斉に危険を伝える手段がないと避難がおくれてしまう、こういう不安の声を寄せておられるわけですね。
ですから、幾ら土石流センサーを設置しても、これが二千人を超えるボランティアや住民に伝わらなければ意味がありません。サイレンの音をぜひ大きくしてほしいと国土交通省には申し上げたんですけれども、サイレンの音を大きくするだけでなく、例えば、屋外に放送できるタイプの防災無線がないというのであれば、緊急にそういう放送設備を設置するなど、危険情報を一斉にボランティアや住民の皆さんに知らせる万全の体制の整備が求められていると思うんですが、これも古屋大臣にひとつ御答弁を。
○亀岡大臣政務官 今お話のあったように、二十五日までにいろいろ問題がたくさん出てきましたので、二十六日に実はボランティアも、警察の指揮下に入るということで、入らせていただきまして、ボランティアの入る区間を限定させていただきました。
それと同時に、先ほど副大臣が申し上げたように、十四の市の民間委託業者が瓦れきの撤去作業に入っておりまして、全部に警察官の目視を入れるということで、目視での不明者の捜索活動をあわせてやっていただいているんですが、全部消防と警察と一緒になって危険対策という見張りをつけることになっておりまして、その場合においては、すぐに危険を知らせる、それぞれが無線で知らせる、現場をそれぞれ区割りで担当しておりますので、そこですぐ知らせるという体制をとっております。最悪の場合には消防車のスピーカーでもう一度鳴らすという体制で、今、危険回避ということを最重点にやらせていただいております。
○宮本委員 ボランティアにはさまざまな方がいらっしゃるでしょうから、私は、警察の指揮下に単純に入るということを、それでよしとするものではないんですけれども、しっかりと、今申し上げたように、ボランティアが二次災害に巻き込まれることがないように、危険が伝わるような対策をとっていただきたいと思います。
広島の災害については、我が党の対策本部の事務局長を務める仁比聡平参議院議員が午後から参議院でも引き続き取り上げます。
今度の豪雨災害は広島ばかりではありません。近畿地方でも甚大な被害をもたらしました。
京都府福知山市では、十七日の午前五時五十分までの二十四時間降水量が三百三・五ミリという記録的な大雨となり、床上床下浸水被害は計二千四百棟以上になりました。局地的な大雨で市街地を中心に内水氾濫が起きたとされております。福知山市の和久市排水ポンプ場の一つが想定を超えた量の雨水で浸水して故障し、排水作業がとまったことが原因とされております。
しかし、その後、市のポンプだけでなく、国土交通省の排水ポンプも雷による停電でとまったことが明らかになりました。
きょうは、この地域のポンプ場の状況も資料でおつけをしたわけでありますけれども、この中にあります荒河という排水機場は毎秒五トンの排水ポンプの一台が六分、もう一台が十分、法川では毎秒四トンのポンプ三台のうち一台が十分間、そして弘法川では毎秒一・二五トンのポンプ四台全てが五十分間にわたって停止をしたということが既に八月二十二日付京都新聞に報じられておりますけれども、これは、国土交通省、事実ですね。
○池内政府参考人 お答えいたします。
国土交通省が管理しております弘法川救急排水ポンプ施設等三施設におきまして、落雷による停電等のため十分から五十分程度一時的に停止しております。
○宮本委員 これはなかなか大きな問題で、毎秒五トンの排水能力を持つポンプが十分間とまれば、三千トンということに計算上はなります。それから四基で五トンの弘法川が五十分間とまれば、これはもう一万五千トンという計算になります。ですから、わずか十分じゃないかとか五十分程度ということでは済まない問題なんですね。
聞きますけれども、国土交通省は、この三つのポンプの停止をいつ公表されましたか。
〔北村(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
○池内政府参考人 お答えいたします。
報道機関からの問い合わせについては説明してまいりましたが、公表はいたしておりません。
○宮本委員 こういう重大な事実を公表しないということが不信を生んでいるわけですね。
私は、この問題は、事実の究明としっかりとした検証が必要だと思っております。
今回の内水被害が、観測史上最高という前例のない降水量の結果引き起こされたことは、もう言うまでもありません。福知山市の和久市のポンプ停止は、水没が原因だ、水につかってディーゼルエンジンがとまった、これはもうはっきりしているんですね。
しかし、国土交通省のポンプの故障ですけれども、これについて、故障原因はわかっているんですか。
○池内政府参考人 落雷による停電と聞いております。
○宮本委員 落雷による停電で最長五十分とまったということでありますから、事実をしっかり市民にも公表していただいて、しっかり検証して、今後の教訓にすることが大事でありますし、それから、台風シーズンはもう目前でありますから、直ちに緊急の対策をとらねばなりません、同じような落雷で同じ事態が起こったら困りますから。これもしっかり緊急の対策をとること。
それから、もちろん抜本的には由良川改修の早期完成というのが求められると思うんですけれども、この点について国土交通省の答弁を求めたいと思います。
○池内政府参考人 お答えいたします。
今御指摘ございました由良川におきましては、平成十六年の台風二十三号や昨年の台風十八号による被災を契機に、全川的に緊急的な治水対策を進めており、今後とも事業を推進してまいりたいと考えております。
○宮本委員 ぜひしっかりとやってくださいね。
福知山市では、企業、商店の被害に対する支援も重要です。融資だけでなく、直接財政支援を求める声が多数寄せられているんですね。
福知山市の商工会議所の調査によると、会員千百名中、三百から四百軒が被害を受けた。ある鉄工所は3Dの機械を入れたばかりで一億数千万円の被害を受けたという報告もありました。
福知山市が福知山城とセットで観光の目玉にしている「ゆらのガーデン」という施設がありますけれども、七軒のレストランやスイーツ、雑貨の店が福知山まちづくり株式会社から賃貸で出店しているわけですけれども、今回、全ての店が浸水し、だめになりました。
昨年九月の台風十八号でも七軒中三軒が浸水いたしまして、うち一軒は撤退をしてしまったんですね。昨年の被害で融資を受けて再開したあるレストランは、借金がまだ残っている、今回もまた浸水した、これ以上の借金はもう無理だ、やめるかどうかの選択が迫られている、こう率直に語っておられます。
市当局も、観光の目玉としてきたので、撤退されれば大きな打撃だ、財政支援をぜひともお願いしたいと、切実に要望しております。
こういう声に応えて、やはり、なりわい、生業の支援に踏み出すという必要があると思うんですけれども、大臣、ぜひ御所見を。
○西村副大臣 委員御指摘のとおり、私も、まさにそのお城の周りの観光スポット、市として非常に重点を置いている地域も歩かせていただきまして、その多くの店が、ほとんどの店が、今御指摘があったように、去年に続いてまた被災をし、今回も、去年以上により多くの土砂、水が来たということでありますので、大変な被害を受けております。
御指摘のように、融資等については、できる限りのことをするということで、災害復旧の制度を設けておりますし、相談窓口を設けて、既に三百七十件以上の相談があるようですので、そうしたところで個別に相談に乗っているところですけれども、私から、中小企業庁長官にも、商工会議所の事業とか商店街の事業とか、あるいは既存の予算でもこうした被災地に配慮して優先的な配分などができないのかということでお願いをしております。
できる限り、大変な被害を受けたところの復旧に向けて、全省庁、関係省庁と一緒に協力してまいりたいと思います。
○宮本委員 ぜひ、しっかりとやっていただきたいと思います。
私は、豪雨の災害の直後に兵庫県丹波市に入りまして、現地で、一人が亡くなった前山地区等々の被災の現場をこの目で見て、被災者の皆さんからお話をお伺いしてまいりました。
辻重五郎市長ともお会いをして、要望もお聞きをしてまいりました。辻市長からは、既に災害救助法や被災者生活再建支援法の適用は受けているんだけれども、激甚災害法に基づく激甚災害の指定が受けられるかどうか不安だ、ぜひとも激甚指定をしてほしいという要望をいただきました。
今回の八月豪雨とそれに伴う水害や土砂災害についてですけれども、これは広島はもちろんだと思うんですけれども、福知山、舞鶴、丹波市や高知、それから北海道、こういう地域も含めて激甚指定というものがされることになっておるんですか、大臣。
○古屋国務大臣 激甚災害の指定については、八月二十五日、総理が広島を視察した際に、台風十二号、十一号及び今回の前線による一連の災害について作業を急げ、こういう指示がございまして、今御指摘の丹波あるいは福知山、高知、北海道は、いずれもこれらの一連の災害により被害を受けた地域ということで考えております。
したがって、現在、関係省庁においてどれぐらいの被害状況なのかの把握を急いでおりまして、その結果を受けて適切に指定をしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 ぜひ急いでいただきたいと思います。
市長からは、同時に、国道百七十五号線の早期復旧、崩落した八日市橋の改修という要望が出されました。国土交通省に来ていただいておりますが、これらについては、どうなっておりますか。
○池内政府参考人 お答えいたします。
道路管理者でございます兵庫県では、現在、被災の原因や被害状況の調査に着手しておりまして、再度災害防止のための復旧工法の検討を行い、早期に、今の見通しでは百七十五号は秋ごろ、それから八日市橋については来年夏ごろまでに完了させる予定であるというふうに聞いております。
国土交通省といたしましても、早期復旧に向けまして、技術的助言を行いますとともに、災害復旧事業の査定の迅速化を図るなど、県の意向を十分にお伺いしながら、しっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○宮本委員 秋、そして橋については来年夏ということでありますけれども、現在、この国道被害に対応して、迂回路として舞鶴若狭自動車道の春日―福知山間は無料措置が始められております。
私は、この措置は、当然、橋の改修が終わる来年夏なら来年夏まできちっと続けるべきだ、こういうふうに思うんですけれども、少なくとも、県や市、NEXCOとの協議が調うまではきちっと続けていただける、これは大丈夫ですね。
○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
今回の無料措置につきましては、並行する一般国道百七十五号の通行どめによりまして、兵庫県及び京都府からの御要請がありまして、NEXCO西日本が八月二十六日の十六時から緊急的に措置しているものであります。
その終了時期につきましては、今後の通行どめあるいは迂回路の状況等を踏まえまして、兵庫県それから京都府及びNEXCO西日本におきまして調整をした上で、最終的にNEXCO西日本の方で決定されると考えております。
以上です。
○宮本委員 ぜひ住民の声をしっかり踏まえていただきたいと思います。
農業被害も大変深刻なんですね。
きょうはお手元に、私自身が撮ってきた写真をおつけいたしました。資料の二枚目、これは、原っぱのように見えておりますけれども、近くに寄ってみますと、三枚目の写真のように、せっかくたわわに実った稲穂が土砂の間から顔を出しているという、もう本当に胸の潰れるような状況があります。このような状況がそこかしこに丹波市でも見られました。農業被害も極めて深刻です。
それで、激甚災害の指定がされれば農地については復旧のための支援がいろいろとされるというふうに思うんですけれども、こういった農業被害、農地被害、大臣、これはどういう形で進められるか、お答えいただけますでしょうか。
○古屋国務大臣 激甚災害については、基本的に、地方公共団体が行う公共の土木施設と、もう一つ、農地等の災害復旧事業に対する国庫補助率のかさ上げがございます。
農地等の復旧については、田畑の土壌の流出とかため池や水路、農道の破損等にかかわる災害復旧事業において、通常は六割から八割の国庫補助でございますが、激甚災害指定によってさらに一割から二割かさ上げをされる、こういう制度でございます。
○宮本委員 これからの課題だと思いますが、しっかりお願いいたします。
最後に文部科学省に聞いて、終わりたいと思うんです。
私は、丹波市の前山地区に入った際に、被災した前山小学校にも行って、校長先生からもお話を聞きました。校庭が土砂で埋まり、重機が入っておりましたが、そのときやっていた工事は、運動場の整備ではなくて、行政の要望で、ひとまずボランティアの方々のための駐車場に整備すると言っておりました。
広島でも東日本大震災でも、甚大な災害が起これば学校が避難所の設置など地域のために協力するのは当たり前でありますけれども、しかし同時に、間もなく、九月になれば子供たちの授業が始まります。ひとまず駐車場にすることはやむを得ないにしても、子供たちが安心して運動場を使うためには、下水のまじった水や泥が入った可能性がある以上、やはり、表土を削ったり新しい土を入れるなどの安全対策が必要です。
学校の復旧のために支援に全力を尽くしていただけるかどうか確認して、質問を終わります。
○関政府参考人 降雨等による土砂災害で土砂の流入等の被害を受けました学校施設についてでございますが、被災した公立学校施設の復旧につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法等によりまして国庫補助を行っております。
また、災害復旧事業につきましては、国による現地調査を待たずに復旧工事に着手することも可能となっておりますので、文部科学省といたしましては、引き続き、的確な被害状況の把握に努めるとともに、被害のありました学校施設の早期復旧に向けて、支援に万全を期してまいりたいと考えております。
○宮本委員 ありがとうございました。
以上で終わります。