軍事費が地方経済策か「言語道断」(動画)
軍事費が地方経済策か 衆院予算委 宮本岳議員が批判(しんぶん赤旗記事)
189-衆-予算委員会-3号 平成27年01月30日
平成二十七年一月三十日(金曜日)
午前八時五十九分開議
出席委員
委員長 大島 理森君
理事 金田 勝年君 理事 萩生田光一君
理事 原田 義昭君 理事 平口 洋君
理事 平沢 勝栄君 理事 森山 裕君
理事 前原 誠司君 理事 今井 雅人君
理事 上田 勇君
秋元 司君 石崎 徹君
石原 宏高君 岩屋 毅君
衛藤征士郎君 小倉 將信君
小田原 潔君 金子 一義君
金子めぐみ君 熊田 裕通君
小池百合子君 小林 鷹之君
今野 智博君 鈴木 俊一君
田所 嘉徳君 土井 亨君
豊田真由子君 長坂 康正君
根本 匠君 野田 毅君
古屋 圭司君 星野 剛士君
三ッ林裕巳君 宮崎 謙介君
宮澤 博行君 保岡 興治君
山下 貴司君 山本 幸三君
山本 有二君 小川 淳也君
大西 健介君 岸本 周平君
後藤 祐一君 階 猛君
辻元 清美君 西村智奈美君
馬淵 澄夫君 山井 和則君
井坂 信彦君 井上 英孝君
柿沢 未途君 重徳 和彦君
篠原 豪君 松木けんこう君
松浪 健太君 松野 頼久君
吉田 豊史君 吉村 洋文君
岡本 三成君 中野 洋昌君
樋口 尚也君 赤嶺 政賢君
高橋千鶴子君 畠山 和也君
宮本 岳志君
…………………………………
内閣総理大臣 安倍 晋三君
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 麻生 太郎君
総務大臣 高市 早苗君
法務大臣 上川 陽子君
外務大臣 岸田 文雄君
文部科学大臣 下村 博文君
厚生労働大臣 塩崎 恭久君
農林水産大臣 西川 公也君
経済産業大臣
国務大臣
(原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当) 宮沢 洋一君
国土交通大臣 太田 昭宏君
環境大臣
国務大臣
(原子力防災担当) 望月 義夫君
防衛大臣 中谷 元君
国務大臣
(内閣官房長官) 菅 義偉君
国務大臣
(復興大臣) 竹下 亘君
国務大臣
(国家公安委員会委員長)
(防災担当) 山谷えり子君
国務大臣
(沖縄及び北方対策担当)
(消費者及び食品安全担当)
(科学技術政策担当)
(宇宙政策担当) 山口 俊一君
国務大臣
(経済財政政策担当) 甘利 明君
国務大臣
(国家公務員制度担当)
(規制改革担当)
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当) 有村 治子君
国務大臣
(地方創生担当)
(国家戦略特別区域担当) 石破 茂君
外務副大臣 城内 実君
財務副大臣 菅原 一秀君
政府特別補佐人
(内閣法制局長官) 横畠 裕介君
会計検査院事務総局第二局長 村上 英嗣君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 佐々木裕介君
政府参考人
(内閣府大臣官房独立公文書管理監) 佐藤 隆文君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 日原 洋文君
政府参考人
(復興庁統括官) 熊谷 敬君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 橋本 公博君
政府参考人
(環境省水・大気環境局長) 三好 信俊君
参考人
(日本放送協会会長) 籾井 勝人君
予算委員会専門員 石崎 貴俊君
―――――――――――――
委員の異動
一月三十日
辞任 補欠選任
衛藤征士郎君 三ッ林裕巳君
金子めぐみ君 石崎 徹君
古屋 圭司君 豊田真由子君
馬淵 澄夫君 大西 健介君
山井 和則君 西村智奈美君
重徳 和彦君 吉田 豊史君
松木けんこう君 松野 頼久君
松浪 健太君 柿沢 未途君
赤嶺 政賢君 畠山 和也君
同日
辞任 補欠選任
石崎 徹君 金子めぐみ君
豊田真由子君 古屋 圭司君
三ッ林裕巳君 今野 智博君
大西 健介君 馬淵 澄夫君
西村智奈美君 山井 和則君
柿沢 未途君 吉村 洋文君
松野 頼久君 篠原 豪君
吉田 豊史君 重徳 和彦君
畠山 和也君 宮本 岳志君
同日
辞任 補欠選任
今野 智博君 宮澤 博行君
篠原 豪君 井上 英孝君
吉村 洋文君 松浪 健太君
宮本 岳志君 赤嶺 政賢君
同日
辞任 補欠選任
宮澤 博行君 衛藤征士郎君
井上 英孝君 松木けんこう君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
平成二十六年度一般会計補正予算(第1号)
平成二十六年度特別会計補正予算(特第1号)
平成二十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)
――――◇―――――
○大島委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
麻生大臣は財政演説で、個人消費に弱さ、地域ごとに景気回復にばらつきがあるということをお認めになって、経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感を持って対応を行うことで、経済の好循環を確かなものとするとともに、その成果を地方に広く早く行き渡らせることを目指している、こう本補正予算案とその背景にある緊急経済対策の狙いについて述べられました。
きょうは総理いらっしゃいますから、改めて総理に今般の経済対策の目的について御答弁をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 政権交代以来、三本の矢の政策を進めてまいりました。有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準となり、賃上げも平均二%以上、これは十五年ぶりでございます。十五年で最高。企業の経常利益は過去最高水準となっておりますし、企業の倒産件数も二十四年ぶりに一万件を下回る。確実に経済の好循環が生まれている。これは、ファクトが示しているように、間違いなく好循環は起こっていると言ってもいいと思います。
しかしながら、昨年、消費税を八%へ引き上げたことによって、その影響も含めて、物価の上昇に家計の所得が追いついていないということもあり、個人消費等に弱さが見られています。このため、景気回復の実感が地方に暮らす方々や、あるいは中小・小規模事業者の方々に届いていないのも事実でございます。
ただ、足元においては、全国全ての地域で街角の景況感については上昇をしているところでございますし、中小企業におきましても、景況感は、これは日銀の短観でありますが、おおむね改善をしておりまして、消費者マインドも下げどまりの兆しが見られるのも事実でございます。
こうした兆しを景気回復の確かな実感につなげるために、今般、個人消費のてこ入れと地域経済の底上げを図る力強い経済対策を策定したところでございまして、この経済対策によって経済の好循環を確かなものとしていきたい、このように思うところでございます。
また、重要な点は、しっかりと収入がふえていく、給料が上がっていくということでございまして、政労使会議において、経済界の方々がこの四月の賃上げについて合意をしていただいている。またあるいは、下請の企業の方たちに対して、材料費が値上がりしている状況に対してその価格をしっかりと転嫁させていくということについても合意をしていただいている、こうしたこともあわせて、しっかりと景気回復を実感していただける状況をつくっていきたい、このように思っております。
○宮本(岳)委員 いろいろと答弁されたわけですけれども、少なくとも消費に弱さが見られると。
この内閣府がまとめたミニ経済白書を読ませていただいても、消費税引き上げや輸入物価の上昇等による物価上昇に所得の上昇が追いついていない、こう述べられて、改めて、個人消費の弱さについて、所得階層や年齢別に違いが見られるということをこのミニ経済白書では述べております。
これは甘利大臣に改めてお伺いするんですけれども、最も実収入が落ち込んだ所得階層、消費支出が最も落ち込んだ所得階層はどの階層なのか、また年齢階層別に見ればどの年齢でそれぞれ落ち込んでいるのか、お答えいただけますか。
○甘利国務大臣 本年一月に公表しました内閣府の日本経済二〇一四―二〇一五では、ただいま御指摘の資料ですが、家計調査を用いて所得階層別、年齢別の収入、支出の分析をしておりますが、所得階層別の分析では、最も収入の少ない層において収入、支出ともマイナス幅が最も大きい。それから、年齢別の分析におきましては、二十代世帯において収入、支出ともにマイナス幅が最も大きく、子育て世代に当たる三十歳代世帯では収入の低下に比べて支出が大きく落ち込んでおります。
こうした背景について、内閣府の日本経済二〇一四―二〇一五では、非正規比率の高い低所得者層では将来への不安などから支出が抑制をされている可能性があること、それから、三十歳代世帯は、金融資産が少ない一方で住宅ローン残高が多い世代でもあることなどから、他の世代に比べて節約志向が高まっている可能性があることを指摘しております。
○宮本(岳)委員 低所得層で、そして二十代、三十代で低いということですね。したがって、本当に消費を下支えしようと思えば、この層にそれこそ迅速でスピード感ある対策が必要だと思うんです。
今回の補正予算案がそのような内容になっているのか。例えば、防衛省の予算というものがございます。三・五兆円の経済対策のうち、歳出ベースで二千百十億円、契約ベースで二千五百八十二億円計上されております。この中に在沖米海兵隊のグアム移転経費百七十一億円というものが含まれておりますけれども、防衛大臣、これはどういう予算であるのか、内容。
○中谷国務大臣 これは、沖縄の海兵隊のグアムの移転で、南アンダーセン訓練場というものの工事費で百七十一億円計上をいたしております。閣議決定の中に、生活者、事業者への支援、地方の活性化のほかに、災害、危機への対応、そして安全、安心な社会の実現がうたわれておりまして、我が国の安全保障環境の変化を加えますと、早期に米軍再編を進める必要がございます。できるだけ早く移転を行いまして、安全、安心な社会の実現を図るために計上したわけでございます。
○宮本(岳)委員 グアムに基地を建設する、南アンダーセン訓練場を建設する費用が経済対策の費目に入っているわけですよ。
私たちは、そもそも国民の税金でグアムに基地をつくること自身に反対ですけれども、しかし、この中身を見たら、地方への好循環の拡大とか、あるいは消費の下支えと言いながら、何でこれがそういう効果を持つものになるのか、補正予算に入っているのか。総理、国民に納得のいく説明をしていただけますか。
○安倍内閣総理大臣 二十六年度補正予算案における防衛関係費については、自衛隊の活動に必要な経費に加えて、緊急経済対策として、昨年末の閣議決定に基づいて、多発する自然災害や一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境を踏まえて、円滑な社会活動、経済活動の基盤となる安全、安心な社会を実現するために、緊急に必要な経費を計上するものでございます。
そして、グアムへの移転については、今防衛大臣から答弁をさせていただきましたように、厳しさの増すこの安全保障環境の中において、日米同盟を強化していくことは地域や我が国の平和に資するものでございます。そういう観点も含めまして予算を計上させていただいたところでございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、その費目が本当にそういう総理がおっしゃるようなことであるならば、本予算で堂々と議論すべきことなんですよ。経済対策、地方への好循環拡大に向けた経済対策という費目の中に、このグアム移転が入っているわけですね。
これにとどまりませんよ。ほかにもあります。
例えば、予算の中には、航空機の購入で五百八十三億円というのがありまして、偵察機LR2の発注費用十九億円というものがこの補正予算に入っているんですね。これは一体どこに発注するのかと聞いたら、米国のビーチクラフト社というところに発注することに、輸入することになっている。一体これはどこが消費の下支えで、一体これが地方の好循環に何の関係があるのかと言わなければなりません。
あなた方自身も、ミニ経済白書では、まさに消費が大事だ、そして地方にそれを広げるんだと言っています。しかし、やっていることは、こういうものを盛り込んでいるわけですから、私は、こういうグアムへの米軍基地建設や米国企業からの偵察機の購入など、軍拡に血税を注ぐような補正予算には反対だということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○大島委員長 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
以上をもちまして平成二十六年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○大島委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。平口洋君。
○大島委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一四年度補正予算三案に反対の討論を行います。
国民の暮らしは、消費税引き上げに伴う物価上昇が実質所得の減少をもたらしており、消費は冷え込んだままです。
政府は、本補正予算案は経済の好循環をつくる緊急経済対策だと言いますが、本補正予算案は、消費を冷やした原因には全く手をつけておらず、国民の懐を暖めるものとはなっておりません。
逆に、国民が懸念する軍事費の増大や原発再稼働経費、TPP推進のための農業政策等、アベノミクスをさらに強めるものでしかありません。
軍事費の内容を見ると、在沖米海兵隊グアム移転に百七十一億円、普天間飛行場移設百八十五億円、空母艦載機の岩国移転に伴う格納庫に三十一億円等々、こうした兵器購入経費や基地増強経費のどこが、何ゆえに緊急経済対策なのでしょうか。
これらの経費は、中期防衛力整備計画に基づく兵器の調達であり、基地の増強にほかなりません。本予算で徹底した議論をすべきものであり、補正で先取りするこそくなやり方は許されません。
こうした補正の軍事費二千百十億円と来年度予算案の軍事費四兆九千八百一億円を合わせると、五兆円を超える規模となります。安倍政権の軍拡姿勢を示すものであり、断じて容認できません。
原発の再稼働を前提とした過酷事故対応等に九十億円を計上しています。あの未曽有の事故から四年がたつというのに、東京電力福島第一原発事故の原因は究明されておらず、今なお十二万人もの方々が避難生活を強いられています。この深刻な事態のもとで、国民の過半数の反対を押し切って全国で原発の再稼働を推進することは、決して許されません。
本補正は、米の生産コスト低減予算を計上しています。しかし、消費税増税というコスト増加要因をつくったのは、そもそも安倍内閣ではありませんか。また、農地中間管理機構の本格稼働予算などは、市場原理を前提とするTPP批准対策そのものであり、断じて容認できません。家族経営が持続的に可能となるように、生産費をもとにした最低価格保障の道へ抜本的に切りかえるべきであります。
ミニ経済白書は、地方経済の景気回復がおくれていると指摘しています。地域再生のためには、地方自治体と住民に困難をもたらした自民党政治の根本的反省と政策の転換こそ求められているのであります。
国民の懐を直接暖める政策へと転換することもなく、地方への好循環拡大などという看板で大軍拡や原発の再稼働、TPPを推進するなどということは本末転倒も甚だしいということを指摘して、私の反対討論といたします。(拍手)
○大島委員長 これにて討論は終局いたしました。
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