補正予算案 衆院通過 宮本氏が反対討論(しんぶん赤旗)
189-衆-本会議-3号 平成27年01月30日
平成二十七年一月三十日(金曜日)
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平成二十七年一月三十日
午後五時 本会議
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○本日の会議に付した案件
検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
国土審議会委員の選挙
国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙
平成二十六年度一般会計補正予算(第1号)
平成二十六年度特別会計補正予算(特第1号)
平成二十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後六時三十二分開議
○議長(町村信孝君) 宮本岳志君。
〔宮本岳志君登壇〕
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、二〇一四年度補正予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
第一に、政府は、本補正予算と緊急経済対策によって地方に経済の好循環の恩恵を届けると言っていますが、果たしてそうでしょうか。
安倍政権のアベノミクスのもとで、大企業を中心に経常利益は過去最高水準となりましたが、国民生活を見ると、消費税引き上げに伴う物価上昇等が実質所得の減少をもたらし、実質賃金は十七カ月連続でマイナスとなり、消費は冷え込んだままであります。
中小零細企業は、円安がもたらす原材料とエネルギーコストの上昇の影響をまともに受け、消費税増税分と物価上昇分を価格に転嫁できずに困難に追い込まれています。
好循環というが大企業だけだ、我々に恩恵は全くない、消費税は営業破壊税だというのが中小業者の切実な声であり、中小企業団体は、既にアベノミクス不況だとまで言っているのであります。
もはや、アベノミクスの行き詰まりは明らかではありませんか。
ところが、本補正予算は、消費を冷やす原因に全く手をつけておらず、国民の懐を暖めるものとはなっておりません。
厳しい国民生活を打開するためには、大企業の利益優先から、国民の暮らし第一に、経済政策を根本から切りかえることであります。
大企業の内部留保の一部を活用して大幅賃上げで景気回復を図り、応能負担の原則に立って、富裕層と大企業に応分の負担を求める、消費税に頼らない別の道をとるべきであります。
また、地方経済の再生のためには、駅前商店街のシャッター通り、農業の衰退、進出企業の撤退に伴う住民負担の増加をもたらし、地方自治体と住民を深刻な困難に陥れた政治の反省と転換こそ求められているのであります。
第二に、本補正予算に軍事費の増強を盛り込んでいることも重大です。
軍事費の内容は、在沖米海兵隊グアム移転、普天間基地移設、CH47ヘリコプター改修などの経費であります。
こうした兵器調達や基地増強の経費の、どこが、何ゆえに緊急経済対策なのでしょうか。これらは、中期防衛力整備計画に基づくものであり、本予算で徹底した議論をすべきものであります。
補正で先取りした軍事費二千百十億円と、来年度予算案の軍事費四兆九千八百一億円を合わせると、五兆円を超える大軍拡予算となります。
このようなこそくなやり方は、断じて許されません。
また、ソマリア沖海賊対処経費など、自衛隊の海外活動経費は、ジブチの自衛隊海外基地の恒久化を進めるものであります。安倍政権の軍拡姿勢を示すものであり、断じて容認できません。
このほか、農地中間管理機構の予算は、農業を市場原理に委ねるTPP参加を前提とした対策であり、容認できません。
東日本大震災から四年、あの未曽有の東京電力福島第一原発事故の原因はいまだに究明されておらず、今なお十二万人もの方々が避難生活を強いられております。
国民多数の反対を押し切って全国で原発の再稼働を推進することは、断じて許されません。
以上、国民の懐を直接暖める経済対策に抜本的に転換することを強く要求して、私の反対討論を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(町村信孝君) これにて討論は終局いたしました。
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