平成十年十月十三日(火曜日)
午前九時開会
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委員の異動
十月十三日
辞任 補欠選任
藤井 俊男君 小川 勝也君
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出席者は左のとおり。
委員長 中曽根弘文君
理 事
加藤 紀文君
鈴木 正孝君
成瀬 守重君
川橋 幸子君
寺崎 昭久君
魚住裕一郎君
宮本 岳志君
委 員
市川 一朗君
岸 宏一君
国井 正幸君
佐藤 昭郎君
斉藤 滋宣君
清水嘉与子君
常田 享詳君
仲道 俊哉君
馳 浩君
依田 智治君
若林 正俊君
小川 勝也君
郡司 彰君
佐藤 雄平君
谷林 正昭君
藤井 俊男君
山下八洲夫君
和田 洋子君
荒木 清寛君
日笠 勝之君
弘友 和夫君
須藤美也子君
富樫 練三君
渕上 貞雄君
村沢 牧君
戸田 邦司君
渡辺 秀央君
西川きよし君
衆議院議員
修正案提出者 衛藤 晟一君
国務大臣
大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君
農林水産大臣 中川 昭一君
運 輸 大 臣 川崎 二郎君
郵 政 大 臣 野田 聖子君
政府委員
大蔵大臣官房審
議官 福田 進君
大蔵省主計局次
長 寺澤 辰麿君
大蔵省理財局長 中川 雅治君
林野庁長官 山本 徹君
運輸大臣官房長 梅崎 壽君
運輸省鉄道局長 小幡 政人君
郵政省貯金局長 松井 浩君
事務局側
常任委員会専門
員 小林 正二君
常任委員会専門
員 鈴木 威男君
常任委員会専門
員 舘野 忠男君
説明員
会計検査院事務
総局第五局長 小川 光吉君
参考人
千葉商科大学学
長 加藤 寛君
日本学士院会員
東京大学名誉教
授 大内 力君
毎日新聞社編集
局特別委員兼論
説委員 玉置 和宏君
日本大学商学部
教授 桜井 徹君
全林野労働組合
中央執行委員長 吾妻 實君
名古屋大学法学
部教授 加藤 雅信君
日本国有鉄道清
算事業団理事長 西村 康雄君
日本国有鉄道清
算事業団理事 西川 由朗君
日本国有鉄道清
算事業団理事 桑原 彌介君
日本国有鉄道清
算事業団理事 佐野 實君
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本日の会議に付した案件
○日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関す
る法律案(第百四十二回国会内閣提出、第百四
十三回国会衆議院送付)
○国有林野事業の改革のための特別措置法案(第
百四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆
議院送付)
○国有林野事業の改革のための関係法律の整備に
関する法律案(第百四十二回国会内閣提出、第
百四十三回国会衆議院送付)
○森林法等の一部を改正する法律案(第百四十二
回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議院送
付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
き、東北森林管理局及び関東森林管理局の設置
に関し承認を求めるの件(第百四十二回国会内
閣提出、第百四十三回国会衆議院送付)
○一般会計における債務の承継等に伴い必要な財
源の確保に係る特別措置に関する法律案(第百
四十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議
院送付)
○参考人の出席要求に関する件
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○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志でございます。須藤委員の質問時間をいただきまして関連質問を行いたいと思います。
御承知のように、本日付の朝日新聞でも国鉄清算事業団が用地の入札に当たって情報漏えいしていたということが大きく取り上げられて、先ほども本委員会で議論になりました。本日は清算事業団からも参考人として御出席をいただいておりますので、私どもも質問をさせていただきたいと思います。
この問題は、もしこの報道が事実だとすれば実に重大な事件だというふうに考えております。
昨日、私もこの場で質問いたしましたが、そもそも清算事業団の用地というものは何だったかと。この用地をできるだけ好条件で売却して膨大な債務をできるだけ減らしていく、国民負担を軽減していく、このための用地売却でありますから、これが事前に情報が漏れて、この新聞報道によりますと、二位の会社に一%から二%高い、ぴったりそういう上回った値段である大手ゼネコンが落札をする、大林組ですけれども、落札をするということになっていたと報道されております。そうなりますと、この情報の漏えいがまさに清算事業団用地の売却を、つまり安くといいますか低くといいますか、そういう形で利用されて、一層、長期債務返済に回るべきお金がこういうやり方でも削り取られていったと言わざるを得ないと思うんです。
我が党は、本委員会でこの問題についても徹底的な審議を要求したい、本当に解明して国民の納得を得る状況をつくっていく必要があると思っております。
きょうは、私はこの新聞記事でも取り上げられた天下りという指摘についてお聞きしたいと思っております。
「大林組は、一九九五年に元事業団理事を役員に迎えた。このOBは十人ほどのチームを束ねて他社との競争に臨んだ。」と。これは朝日新聞の記事であります。こういうふうにやりますと、「事業団OBを要所にすえてパイプを太くした大林組には太刀打ちできない。業界では、事業団に話した情報は大林組に伝わる、とささやかれていた」と「ライバルのゼネコン幹部は、半ばあきらめ顔で言う。」と、こう報道されております。実に重大な問題だと思うんです。
まず、清算事業団の理事長にお答えいただきたいんですが、大体ゼネコンだとか不動産会社に清算事業団から天下っている、事業団の本社、支社合わせて課長以上のリストを公表すべきだと思うんですが、これを公表していただけますか。
○参考人(西村康雄君) 清算事業団から建設業を営んでいる事業体に対して転職して就職している者がいることは事実でございます。これらの事業に転職いたしますのは、当事業団におります技術系の職員は国鉄時代から土木あるいは建築等の専門職をやっておりまして、そういう専門職を活用する場として事業団を転職していっております。
それで、今回また事業団がいよいよ業務が縮小してまいりますので、一生懸命仕事をすれば事業団は業務を縮小しなきやなりません。そのために転職対策は一番重要になっておりますが、その転職対策の一環としても、現在、建設業関係に対して何十人か参っております。
その中で、課長職以上の者についてどれだけいるかということでございますが、現在私の手元にございますのは、御指摘の大林組に転職した者、これは課長職以上の者が三名ございます。一人は現在大林組で常務取締役をしております。それから、一人は営業本部の参与をしております。一人は東北支店で参与をしております。
建設業者全体に対して課長以上の者が何人行っているか、現在のところ承知しておりませんので、後ほど調査いたします。
○宮本岳志君 大林組への転職、天下りのリストについて、私の手元に入手をいたしました。
今、理事長がおっしゃったように三名の方々、山口良雄さんという方はRC東開発社長を経て、今、大林組の常務をやっておられます。金澤健蔵さんという方は株式会社汐留開発の社長を経て営業本部参与、野神さんという方は東北支社長から東北支店参与、こういう経歴になっております。それ以外にも、課長職以外であれば四人の方、合わせて七人の天下りといいますか、転職のリストがありますけれども、いずれも九州支店の営業課長とか東北支店の営業課長とか、中には本店開発プロジェクトチームの課長とか、大林組ではまさにこういった清算事業団の用地売却に絡む仕事、部署の役職につかれているわけです。
この問題は実に重大で、本委員会でも事実関係を調査するという御答弁があったようですが、これは当然のことです。やはりこういう疑惑を持たれているわけですから、一層厳しい対応が求められるというように思うんですが、運輸大臣、こういう問題についてどういう対応を考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、国鉄清算事業団を解散する法律を今御審議いただいているところでございます。業務的には鉄建公団に移っていくということもまた事実でありますけれども、こうした御審議をいただいているときでもありますので、この問題については運輸省も直接調査をしてまいりたい、こういうように考えております。
また、この法律が成立いたしましても、鉄建公団に残ってまいりますので、真相解明はきちっとさせていただきたい、こう思っております。
○宮本岳志君 時間がありませんので終わりますが、これは構造的な問題だというふうに思うんです。決して個々の問題ということではなくて、やはり清算事業団の職員がそういう不動産、ゼネコン業界に行くということは、売る側の職員が買う側に行くわけですから、そういうことを許せば当然こういうことは構造的に起こってくる。このことにしっかりとメスを入れる、これこそこの問題解決の道であるということを主張して、私の質問を終わります。(拍手)