147 – 参 – 交通・情報通信委員会 – 2号 平成12年03月14日
平成十二年三月十四日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
三月十四日
辞任 補欠選任
谷林 正昭君 小川 敏夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 齋藤 勁君
理 事
景山俊太郎君
釜本 邦茂君
簗瀬 進君
弘友 和夫君
渕上 貞雄君
委 員
岩城 光英君
加藤 紀文君
鹿熊 安正君
鈴木 政二君
田中 直紀君
野沢 太三君
山内 俊夫君
小川 敏夫君
谷林 正昭君
内藤 正光君
日笠 勝之君
筆坂 秀世君
宮本 岳志君
戸田 邦司君
岩本 荘太君
国務大臣
運輸大臣 二階 俊博君
郵政大臣 八代 英太君
政務次官
運輸政務次官 中馬 弘毅君
運輸政務次官 鈴木 政二君
郵政政務次官 小坂 憲次君
郵政政務次官 前田 正君
事務局側
常任委員会専門
員 舘野 忠男君
政府参考人
内閣官房内閣安
全保障・危機管
理室長
兼内閣総理大臣
官房安全保障・
危機管理室長 伊藤 康成君
警察庁長官官房
審議官 瀬川 勝久君
大蔵省理財局長 中川 雅治君
運輸大臣官房長 小幡 政人君
運輸省運輸政策
局長 羽生 次郎君
運輸省鉄道局長 安富 正文君
運輸省自動車交
通局長 縄野 克彦君
運輸省海上技術
安全局長 谷野龍一郎君
運輸省港湾局長 川嶋 康宏君
運輸省航空局長 岩村 敬君
海上保安庁長官 荒井 正吾君
気象庁長官 瀧川 雄壯君
郵政省郵務局長 濱田 弘二君
郵政省電気通信
局長 天野 定功君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査
(運輸行政の基本施策に関する件)
(郵政行政の基本施策に関する件)
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宮本岳志君 日本共産党の宮本です。
昨年十一月十六日の本委員会で、公務中の災害によって障害者となられた郵政の現業職員の職場復帰の問題を取り上げさせていただきました。その際、八代郵政大臣に職場復帰への「道をつけてあげるのも上司の役目」との大変力強い御答弁をいただきました。質問で触れた青森西局の方は、その後復帰の見通しとなり、大変喜んでいるというふうに聞いております。
本人から大臣へお礼の手紙を出したいというふうに聞いておりますけれども、大臣、手紙は受け取られましたでしょうか。
引き続き今後とも職務に精励されることを祈っている次第でございます。
この方だけでなく、ほかにもやはり内勤や外勤の区分が職場復帰の壁になっているという例もあるかと思いますので、ぜひこれを例外的なものとすることなく、同様の事例にはやはり職場復帰への道が開かれるよう今後ともぜひ御努力をいただきたいというふうに思います。
<「Z旗」を掲げてノルマへ駆り立て>
宮本岳志君 きょうは、次に郵政三事業の経営の問題、それから職場での営業努力について取り上げたいと思っております。
二月二十四日の衆議院逓信委員会で、我が党の矢島委員の質問に対して、大臣は、このときノルマ、営業目標ということが問題になったことに対して、「ノルマというのはラテン語でして、これは標準という意味なんですね。ですから、標準的にサービスをする、そしてそのために営業活動をする、私はいいことだ、このように思っております。」と、こう答えられましたね。
これは、この文面どおり読みますと、ノルマというのは私はいいことだと、ノルマのために営業活動するということは私はいいことだと、こうとも読み取れるわけです。私は、決して営業活動、営業努力一般を否定するつもりはございません。お客様に親切で丁寧に対応するとか、本当に国民に喜ばれるそういう商品をつくって職員が胸を張ってお勧めできる、これは非常に大事なことだとも思っております。
しかし、公務の場合に、ただ売り上げを伸ばせばよいというものではないと思うんです。郵便局が担ってきた公共性というものへの国民の信頼こそ郵政三事業の生命線だと。それを忘れるようなことがあっては、かえって経営の土台が掘り崩されることになりかねないと思います。また、国家公務員によって組織されている、構成されている職場ですから、それなりの品位というものが当然あるべきだと私は思います。
なぜこんなことを言うかといいますと、郵政の職員の方から聞いた中で、Z旗という旗を職場に掲げて局員を営業に駆り立てている局長がいるという話をお伺いいたしました。きょうは実はその写真を持ってまいりました。(写真を示す)
ごらんいただきたい。これがまさにその郵便局の現場の写真なんです。私など若い者にはわかりませんが、この旗がZ旗という旗でございます。
このZ旗というのはどういう旗かということを、これちょっと通告でよく調べておいてほしいと言いましたけれども、まず、ではこのZ旗というのはどういう旗なのか、ひとつお答えいただけますか。
それで、こういう旗を掲げて、そしてどんなことをやっているかといいますと、これは実はこの場所だけに、一カ所だけに掲げられているわけではございません。ほかにも管理者のところへこのZ旗を、ほかの場所にもこうして置いてあります。営業成績のよい者はこのZ旗と記念撮影をして壁に張り出す、たたえる、こういうことまでやられております。
まさに公務員の職場、しかも現憲法を守るという立場にある公務員の姿としてこれが適切かと。
そして、この旗の意味。旗を何のために掲げているかといいますと、この後ろに、郵便事業の危機を乗り越えるために、Z旗を掲げて、皇国の興廃この一戦にありの決意で頑張れと、こういうことなんですよ。
大臣のおっしゃったその営業活動大いにいいことだというのは、このような活動をいいことだとおっしゃったわけじゃないと思うんですが、いかがですか、大臣。
郵便局長が率直に管理者に危機を訴えたもので、それ以上のものでもそれ以下のものでもないのではないかと思われますので、いろんな表現の仕方があるけれども、管理者の皆さんへ今の状況を踏まえて檄を飛ばしたのかなと、このように思います。
今民間でこういう旗を掲げて営業活動をやっているところを御存じですか、一つでも。ありますか、こんな旗を使っているところが。そこまでおっしゃるんだったら答えてくださいよ。ありますか、こんなの使っているところ。
宮本岳志君 この写真を見ていただいてもわかるように、これ職場に公然と張っているわけです。別に管理者の机の中に入れているわけじゃないんですよ。みんなに見えるように掲げているということは事実であります。裏側に「Z旗を掲げる」と説明までついている。これは私がここに入れていますけれども、もともとこの旗の裏にはこう書いてあるんです。そして、「郵便事業の危機的状況の中、」「各員一層の奮闘と努力を期待する」と局長名がはっきり書かれてあります。
<特定の労働組合だけ不当に差別扱い>
宮本岳志君 そこで、このことを労働組合が取り上げた労働組合の機関紙を出したわけですけれども、そのときに、それに対して局長は、労組にこのことを、この旗の裏にこれがあるんですよ、それを機関紙に取り上げたことに対して抗議といいますか謝罪を求め、そして謝罪するまで労組への便宜供与はしないということで、この局では当該の労働組合が会議室の使用を申請しても会議室を使わせないと、こんなことをやっているというふうに報告を受けておりますが、こういうやり方というのは極めて適切でない対応だとお考えになりませんか。
労働組合に対する郵便局の会議室等の使用については、これは庁舎管理者である郵便局長が業務運行や秩序維持等に支障がないと認めた場合には便宜供与として許可しているということがまず建前としてあります。しかし、正当な組合活動が期待できないときは会議室等の使用を許可しなくとも便宜供与である以上不当なものではないという説もこれまたございます。
先生御指摘の事案については、掲載された記事の情報が不正に入手されたとの疑いがあって、何らかの善後措置が講じられるまでの間は会議室の使用を許可していない、こういう報告を受けたところでございます。
その郵便局におきまして管理者が管理している文書をだれかが無断で持ち出して、今コピーですね、その裏の方はそういう形ですから、無断で持ち出してコピーしたのではないかという実は疑いがあるんだということなんです。
宮本岳志君 はっきりさせておきますけれども、この旗の裏にこのように、これ、このそのものがあるんですよ、こちら側が旗で。それが職場にかかっているんですよ。裏返せばこれがあるんですよ。何ら秘密の文書でも特別に管理者に向かって出した特別な文書というわけでもない。そうだと言うんだったら、こんな張っておかないで管理者の机にかぎをかけて入れておけばいいんじゃないですか、Z旗も。こうやって張ってあるわけですから、公然と当然それは見える状況に置いているわけでしょう。
私は、こういう問題一つとっても、やっぱり今の営業というものが、大臣はノルマは標準でその努力は結構だと言うけれども、また私も冒頭申し上げたように営業活動一般をただ単にいかぬということを言うつもりはないけれども、今その中で進められていることというのが、まさに本当に公務員の職場としても品位が問われる状況すら生まれているということを指摘したかったわけであります。
<「赤字」の拡大に職員を駆り立てる>
宮本岳志君 本題は、そのさらに危機という問題にひとつ突っ込んで郵政省にお伺いしたいと思うんです。それで、なるほどこの文書には「危機」という言葉が、「郵便事業の危機的状況」という言葉が出てまいります。
まずお伺いしますが、危機的状況なのかどうか、そしてその危機的状況ということの中身は一体何なのかということをお伺いしたい。
提起されたので、要するにそのことのお互いに釈明をし合えば事は解決するだろうと私は思っているんです。ですから、けんかを吹っかけた方がどうするのか、あるいは吹っかけられた方が謝罪をするのかわかりません。お互いに切磋琢磨というのはまさにそういうことですから、言うべきは言っていいと思います。
それから、郵便局の皆さんも、表ではにっこりほほ笑んで本当に皆さん方に頑張っていただいていますが、中では厳しい危機意識を持っていただくということは、ざっと振り返ってみましても、郵便事業の損益で見ましても、平成十年の決算においては平成五年度以来五年ぶりに六百二十五億円の単年度赤字になってしまいました。平成十一年度の補正後の予算についても六百八十九億円の赤字を計上してしまいました。平成十二年度予算においても四百三億円の赤字を見込むなど厳しい状況にこれは置かれておりまして、私たちとしてもこのような状況を未曾有の危機と、こういう思いを実は思っております。
この難局をとらえて、これを打開に向けて職員一丸となってひとつ頑張ってもらいたいと、こういう思いはこれは決して否定されるべきものではないし、ぜひそのような御理解を宮本さん、いただきたいと、このように思います。
今の危機という問題です。そうしたら、営業を強化する、赤字なので危機だというふうに理解をいたしました。
ここに「平成十二年度郵便営業方針」という文書がございます。この営業方針を見てみますと、それぞれ郵便の目標をどのように持つかということがここに書かれております。「必須指標」と、必ずこれについては目標を持てということが書かれた項目がありまして、一般小包、冊子小包、EMS、モーニング10、レタックス、事業所新規獲得件数、別納料・後納料と、これだけの項目が挙げられております。
これらを努力すれば今の赤字から抜け出して黒字になるということだと思うんですが、それぞれ収支、採算はどうなっているかをお答えいただきたい。
今先生御紹介いただきました指標というのは、必ず郵政局でこの項目を一つのメルクマールで設定してください、そしてそれぞれについての目標値、ターゲット値は郵政局にお任せしますというものでございます。もちろんこの必須指標がすべてではございません。第一種郵便物の企業郵便の中心である広告郵便物、あるいは利用者区分郵便物、その他等々があるわけでございます。
それから、収入の中身でございますね。
十年度で申し上げますと、別納によるものが五千八十五億円、後納によるものが七千二百三十五億円でございます。また、一般小包は約九百六十六億円、冊子小包は約三百五十六億円、すべて約でございますが、EMSは二百三十億円、翌朝十時郵便、モーニング10は七億円、レタックスは七十一億円でカウントいたしておるところでございます。
損益ということになりますと原価計算が必要でございます。郵便事業では、世界の事業体の中で最先端をこの分野で走っておるわけでございますが、平成七年度から郵便法に定める郵便物の種類に従いまして原価計算を厳密にしておるところでございます。この辺のセグメント情報の開示ということであれば、我が国では第一種電気通信事業にその例がありますが、ほかは私の知るところ例はないんじゃないかというふうに思っております。
これは郵便法の種類でございまして、第一種郵便、第二種郵便、第三種郵便、第四種郵便、特殊取り扱い、そして小包と国際というところまででございまして、それ以上に今先生御紹介いただきましたものについてのサービス別の原価計算をするとなりますと、これは新たなまた経営管理手法、会計手法の導入が必要だということでございますが、これについても私ども既に研究を進めておるところでございます。
宮本岳志君 そういう御答弁なんですよね。一つ一つについてはわからないんですよ、どのあたりが採算点かということ、どれだけこれをやれば黒字になるかということは一向に出ていないんです。
なるほどおっしゃるとおり、この「日本の郵便一九九九/二〇〇〇」というディスクロージャー誌には、今郵務局長がおっしゃった第一種、第二種、第三種、第四種、特殊という振り分けでの確かに収入、費用、差額というものが出されております。
この中を見てみますと、なるほど第一種郵便物は差額で黒字でありますが、それ以外は全部赤字ということになっているわけであります。つまり、これらの商品というのは現時点で赤字だと。ただ、今はその数が少ないから赤字なんであって、だからこそ努力をして引き上げればいつか黒字がやってくるという御議論なのかと思うんですけれども、じゃ、ちょっと具体的な例で一つだけ取り上げたい。
<「モーニングテン」が速達より安い>
宮本岳志君 モーニング10というサービスであります。これは一体どれだけ年間取り扱いがふえれば黒字になるのか。これもきのうぜひ採算点を示してほしいと言ったんですが、お答え同じになりますか。
モーニング10の場合、既存の配達網そして運送網は速達のネットワークを活用しておりますので、固有のプラスアルファのコストというのは相当低いわけでございます。十年度で申し上げまして三億円に満たないというのが追加的なコストでございます。
問題は、厳密な原価計算となりますと、そういう追加的なコストだけじゃなくて、速達のネットワークにお世話になっておるわけですから応分の負担をしなければならない。そういうことによって初めて収支、つまり原価計算が出るわけでございますが、この辺のよりサービスをブレークダウンした原価計算を行いますために、私ども今ABC、ABMという管理会計手法の研究を進めておるところでございます。
今申し上げましたけれども、要は七億円の収入で費用が三億円というのが固有でございますから、取扱量がふえればふえるほど損益の改善に貢献できる、これはもう間違いのないところでございます。
それで、この中身をいろいろ聞いてみました。モーニング10の場合は、それがたとえ一通でも他の郵便物と別の袋に入れて封をして区分局へ送られる決まりになっております。配達時刻の保証というサービスの性格上当然のことなんですが、毎朝袋をあけるだけでも一仕事だというふうにも聞いております。しかも、十時までに届けるために速達より先にそれだけを配達に回らなければならない。こんなサービスを速達と同じような値段でやっていてはたくさん引き受けるほど赤字がふえるだけだという声が職員の間からも漏れ聞こえてまいります。
これは料金体系がどうなっているかと調べてみましたら、なるほど二百五十グラムを超えますと速達よりも安いですね、モーニング10の方が。私書箱指定というものをやりますともっと下でも同じ値段、それ以下も同じ値段。そして上がっていきますとモーニング10の方が安い。「のぞみ」を「ひかり」よりも安い値段で乗せるような話になっているわけですけれども、こういうことを目標を持たせてどんどん強めれば黒字になるという合理性はあるんですか。
それから、料金のお話がございましたけれども、モーニング10の場合、二百五十グラムまでのところ、これは速達よりも料金を六十円高くちょうだいいたしておるわけですが、ここで取り扱い部数の四分の三を占める、そういう実態にもあるところでございます。
宮本岳志君 私は、やはり営業というものを進めていくに当たって、国民の理解、職員の自覚、ここを本当に大切にすることが必要だと、これは大臣も異論のない、押しつけの目標ではなくて、一人一人の職員が誇りを持って進められるように、そこを大切にするということが一番重要なことだと思うんです。その点で、国民の理解をきちっと得られるような事業として発展させるということをくれぐれもお願いしたいわけであります。
<売れ残った年賀葉書を自腹で購入??>
宮本岳志君 そこで、私は、この営業の問題でもう一つ聞きたいのは、ことしの読売新聞に報道された近畿郵政局の管内の年賀はがきの売り上げに水増しがあったのではないかという記事についてであります。
私は水増しであったかどうかということを問題にするつもりはないんです。この記事の中には実はこういうくだりが出てまいります。年内に売れ残った分が二千百四十万枚。ところが、年が明けてから、さらに年明けですよ、年賀はがきが新年になってから約八百二十六万枚売れたと。弱視者用の下部にくぼみがついた特殊なはがきが二十一万枚も売れたと。
この経過について、「ある郵便局職員は」と、これは記事に出ているんですが、「自分の局の例からみても、新年になってこれほどたくさんの年賀はがきが売れるとは、ちょっと考えにくい」、こう述べて、別の郵便局幹部という方が登場して、「ノルマ達成のため、ポケットマネーを使い、千枚単位ではがきを購入。その後、書き損じたことにして一枚当たり五円払って五十円切手に交換してもらい、実損を一割にとどめた。」と証言をされております。
これは事実でしょうか。
返り年賀と、それから最近では年が明けますと成人の日に年賀はがきを使ってDMを出していただくというセールスを各郵政局とも相当強力に進めております。また、ことしの場合ですと、先生も御案内のように、二〇〇〇年一・一という極めて記念すべき日の日付印、これを有効活用させていただきまして、年賀はがき等々の販売に郵便局、郵政局挙げて努力いたしたところでございます。
その結果、ことしの場合、近畿郵政局だけでも、平成十二年用でございますけれども、年賀はがき全体として七百六十二万八千枚を販売することができたということでございます。くぼみ入りについては二十万三千枚というところでございます。
私が部下、職員から聞いておりますのは、先生の方で幾ら売れ残ったかというのを示してもらいたいという話がございました。これになると少し話が違ってくるということでございます。
私ども、年賀はがきを全国で発売させて、そして販売させていただいておるわけでございますが、やはり売れ行きのいいところに管理がえ、いわゆる所管がえをいたします。そして受け入れ先の郵政局の了解をいただいてそこの販売分を増加させるわけでございますが、今度売れ残った分をオープンにするといたしますと、受け手の方が結果を考えまして、郵便局の職員の士気等を考えまして、なかなか管理がえをスムーズに受け入れてくれないというのが容易に推定されるわけでございます。
したがいまして、私ども、全国の年賀はがきの販売をスムーズに行うために売れ残り分については従来から公表しておりませんし、今後とも公表は控えさせていただきますというふうに申し上げているところでございます。
それで私は、今郵政三事業を民営化せよというそういう御意見もあるわけですけれども、この間委員会で繰り返し大臣にも御質問申し上げてきたように郵政三事業の民営化には断固反対という立場で、これは大臣の方からも珍しく一致するという御答弁もいただいているところでございます。
ただその際、では国民は郵政三事業の何を望んでくださり、そして国民はなぜ郵政三事業民営化は困ると声を上げてくださっているかということが非常に大事な問題だと思います。
それは、郵政三事業には民間にない国民に温かく国民に本当に喜ばれる中身があるからにほかなりません。つまり、宅急便にはない郵便の中身がある、民間銀行にはない郵便貯金の中身がある、民間の保険にはない簡易保険の中身がある、だからそれぞれ郵政三事業を国営でやってくれよと、こういうことになっているわけですね。だから民間のようになったらだめなんですよ。民間のようになったら何の違いもなくなる。
だから、私どもは、一つ一つの事業の中身を、ただ単に効率だとかノルマだとかという形で、郵政三事業の国民が支持してくださっているこの大切な中身を失うようなことがあってはならないという立場から繰り返しこういう質問をさせていただいているわけであります。
営業活動というのは確かに必要です。しかし、それは先ほど申し上げたような安全、安心、あまねく公平という、こういういわば国民の願いにこたえるものでなければならないと思います。こういう旗を職場に掲げるとか、あるいは郵政の事業の中身がこういう新聞記事で報道される、なかなかこういう誤解が解かれていないということについて、やはり本当に一層国民の理解を得る努力をするということが大切だし、そういう立場で今後の郵政事業に当たっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。